2022/11/01放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'マラソンをしながら753軒のパン屋さんを巡ったエンジニアランナー'
大竹基之(オオタケモトユキ)さん(以下、大竹)



マツコ「すごい。全部をつめこんだ。思い浮かぶ要素を全部詰め込んだのね。なにがメインなのかがもうわからないっていう。マラソンなのか、753なのか、パン屋さんなのか、エンジニアランナーなのか。エンジニアランナーって何なんだろうね?」
大竹「こんばんは」
マツコ「いやもう本当、けっこう変態ですよ。冗談です。エンジニアランナーだから。しょうがない、エンジニアランナーだもん。どうぞどうぞ。エンジニアランナーってなんなんだよ、本当に。でもクリームパンをドカ食いしている人には思えない。クリームパンをドカ食いするとこうなるんだからね。世の中の人、ちゃんと誤解しないでよ」
大竹「実は、いつも通勤したとき、行きは電車に乗っていくんですけど、帰りは大概は走って帰る」
マツコ「えっ。何キロくらい?」
大竹「だいたい毎日走るのは20キロからもうちょっとくらいな感じなんですけど」
マツコ「毎日?」
大竹「まあ土日はもっと走っているので。平日はって感じですね。こちら二子玉川のほうで、仕事が終わったあと」
マツコ「おしゃれな職場ね。楽天?」
大竹「楽天とは違うんですけどね。楽天のちょっと上に。なんとなくこの辺に行こうかなって決めながら走りだすんですけど」
マツコ「じゃあルートはあんまり決めてないのね」
大竹「決めてないですね。二子玉川から」
マツコ「暗い」
大竹「そうなんですよ。暗いんです。このときは駒沢公園の少し東側を走っていたら、なんとなく『あっ』と思って」
マツコ「反応遅くないですか?」
大竹「いやいや、『ここパン屋さんだ』ってなかなか思わないですよね。なんかカフェスペースとかもあったので」
(コーンブルメ/世田谷区野沢)
マツコ「おしゃれ。シャレオツなね。野沢のシャレオツな店だったから」
大竹「ほどんど200円以下じゃないですか。すごい値段設定。世田谷ですよ」
マツコ「あの店構えにしたら安いね」
大竹「世田谷でこの値段は。というか、このクリームパンすごい大きくないですか?」
マツコ「あたし好みのクリームパンだわ、あれ」
大竹「すごい大きくて。時々たまらなくて、朝を待たずに食べちゃうときが」
マツコ「3ぶんの2くらい食べたところでちょっと飽き始めるくらいがいいのよ。じゃないと満足できないから」
大竹「このときはちゃっかり家まで我慢できず。クリームパンは最初の一口食べたときにクリームが出てこないとダメですよね。クリームと生地の硬さも一体になっているので、すごくおいしいです」
スタッフ「優しい味がしますでしょ?」
大竹「そうです。します」
スタッフ「愛情込めて炊いています」
大竹「ありがとうございます。やっぱりマラソンにクリームパンは付き物ですね。トリートメントっていうか。じゃあちょっとおなかもいっぱいになりましたし、赤羽まであと15キロがんばりますよ」
マツコ「住んでいる場所意外すぎ」
大竹「住んでいる場所は埼玉県浦和」
マツコ「赤羽からは電車に乗るの?」
大竹「そうです」
マツコ「二子玉から赤羽まで毎日走っているの?」
大竹「渋谷から」
マツコ「そりゃあパン食ってもキープできるわよこれ。あたし1日120歩くらいのときあるからさ」


《マツコ思い出の味。カスタード愛を叫ぶ》


大竹「僕の思うクリームパンの最大の魅力。ちょっと今日はですね、こちらからいきたいと思います。日本初、ノーベル賞級の発明品。カスタードクリームを合法的に飲める唯一無二の食べ物」
マツコ「人は見かけによらないっていうか、ちょっとヤバい人なんじゃない?合法的って」
大竹「例えば、シュークリームをおじさんが僕が一人で食べていると、周りの女性の」
マツコ「いやいや、そんなことないですよ。そんなもうそんな。勇気を持って」
大竹「あら」
マツコ「あと今、けっこうコンビニスイーツとかって、男の人のほうが買っているって話ですよ。だからもうあとは一歩勇気を。あたしだからこれね、なんか納得できる部分があるとすればね、あたしもカスタードクリーム鍋から飲める。下手したらパンとかシューとかなくてもいいのよ。だから若い子って、もしかしたらカスタードクリームに対する熱量みたいなのがあたしたちよりは無いですよね。あたしたちの頃、カスタードクリームっていったらちょっともうシャレオツどころの騒ぎじゃない。もう高嶺の花でしたもんね。だからね、飲みたいのよ。飲ませろっていうね。酔わせてっていう話なのよ」
大竹「そうですよね。やっぱり僕も子どものころ、シュークリームに入ったカスタードクリームって、食べたときに『なんだこりゃ』」
マツコ「わかります。あとこれたぶんわかっていただけると思うけど、またそのあと本格的カスタードクリームとの出会いがありませんでした?」
大竹「ありますよね」
マツコ「『あれ?俺が食べていたカスタードクリームって、あれ違うんじゃねえか?』っていうね。なんかちょっと水あめ混ぜたような、黄色っぽいちょっと半透明のクリームがあたしたちのまず最初のカスタードクリームなのよ。そのあとにだから今でこそあんななんかほら、ビアードパパみたいにさ、『つぶつぶ入ってるの何?』みたいなね」
大竹「ちなみにクリームパンっていうのは日本で生まれたパンなんですよね」
マツコ「けっこう日本生まれのパン多いですよね。日本人は本当すごいと思う。パンにこんなにいろいろ入れたり挟んだりするのって、日本くらいよ」
大竹「そうなんです。そんなクリームパンなんですけども、実は元祖と言われているのがある」
マツコ「あたし好きだけど知らない。クリームパンの元祖」
大竹「新宿の『中村屋』さん」
マツコ「中村屋さんなの?菓子パンじゃなくて、パン菓子だったのね、最初ね。‘パン菓子’って書いてあった」
大竹「創業者の相馬さんご夫妻が、初めてシュークリームを食べたときのカスタードクリームのおいしさに感動して」
マツコ「へえ、中村屋さんなんだ」
大竹「この中村屋さんの昔からあるクリームパンを、ちょっと召し上がっていただけないかなと思ってるんですけれど」
マツコ「あら、今日は用意したやつ全部出していただいていいからね。遠慮しないでよ」
番組スタッフ「いつぶりですか?」
マツコ「クリームパン?最近も食べてるわよ」
番組スタッフ「本当ですか?」
マツコ「言ってるじゃん、あたし好きだって。中村屋さんのこの昔からのやつは久しぶりに食べた。ああこれなんだろう、今みなさんが想像するカスタードクリームとはまた違うのよ」
大竹「ちょっと黄色みがかっていて卵が多いという感じの」
マツコ「うん、ウマい」
ナレーション「新宿中村屋ビルの地下1階でしか買えない、元祖クリームパン。カスタードクリームに使う卵はなんと卵黄のみ」
マツコ「これ。これを飲みたい」
ナレーション「さらにパン生地も2倍の卵を使用」
マツコ「そっか、だからこれだけ黄色いし、コクがすごいんだ。もうなんかカスタードだけじゃなくて、全体がコクって感じ。パン生地から卵の量が多いのね」
大竹「そうなんです。しかもこんなにクリームを」
マツコ「ああ、良い画」
大竹「餃子のようにやったあと、これで今切りこみを入れているんですけども。焼いたときにこれから膨らんでいくんですけども、そのときに空気が中にたまってしまうと空洞になってしまうので、それを切れこみ入れることで」
マツコ「そのためにあれになったんだ?」
大竹「はい、そうなんですね。なのでこういう形で、空洞がないというクリームパンができあがってるんですね」
マツコ「卵サンドみたい、色がもう」
大竹「僕はクリームパンって日本のすごい発明品じゃないかなって思うんですけど」
マツコ「日本人ほどカスタードクリームを愛している国ってなくない?何にでも入れない?たとえばたい焼きとか、今川焼きとかさ。子どもなんてあんこ入りより好きでしょ。あたしはあんことカスタード、同時でいきます」


《今でも100円台が密集!クリームパンマル秘激戦地》


大竹「そんな私なんですけれども、一応プロフィールのほうを紹介させていただこうと思います。私埼玉県さいたま市出身で、さいたま市に住んでいます」
マツコ「浦和ご出身ということですか?」
大竹「出身は大宮で、今住んでいるのは浦和っていうことで」
マツコ「いいんですか?大宮の人から攻撃にあったりしません?」
大竹「普段は特に。‘大宮’とか書いて歩いているわけじゃないので」
マツコ「そうですよね。合併はしたものの、全然融合していないのよ。今市役所を大宮に移そうってなってて大騒ぎなんだから。浦和が『ふざけるな!』って。『ふざけるなこのやろう!』っていうね。あ、わかるわ。大竹さんは上智のにおいがする。理系だけどちょっと違う。理科大とか工大じゃないなっていうね。なんだろう、このホワッて抜けるようなね‘ソフィア’っていうね。‘イエズス会’っていうね」
大竹「そんなこと言われることめったに」
マツコ「イエズス会じゃなかったっけ?」
大竹「そうです」
マツコ「イエズス会ですよね。ほらそうよ。怒られるわ、イエズス会に」
ナレーション「大学卒業後、大手カメラメーカーに就職し、レンズ専門のエンジニアとして活躍。しかし全く運動しない生活の中で、メタボ予備軍と診断され、45歳でマラソンを始めた大竹さん」
マツコ「え!ていうかちょっと今気づいたんだけど、すごくない?マラソンの自己ベスト」
大竹「そうですね」
マツコ「『そうですね』って。これ45から始めて?」
大竹「そうですね、51歳で初めて日本の年齢別マラソンランキングっていうのがあるんですけど、そちらで1位になってから毎年」
マツコ「いやすごいよ。年齢別うんぬんじゃなくて、2時間半で走るのってすごい」
大竹「一応いつも46歳のころから、速く走るよりもゆっくり走ることを練習の中心にしていたので、いつもパン屋さん巡りを楽しんで帰るようになったんですけど。どういうわけかゆっくり走っているとマラソン大会では速く走れる」
マツコ「クリームパンがいいんじゃないですか?これ今頃もう箱根駅伝の大学のコーチとかがクリームパンを。クリームパンじゃないんですか?これ」
大竹「ちゃんとした話でいうと、ゆっくり走っていると毛細血管が発達するので、早く走るときに心拍数が上がらないっていうことが起きるので」
マツコ「ていうか、とにかくクリームパンは関係なかったということですね」
ナレーション「そんな大竹さんは数あるパンの中でもクリームパンが最も好きだというが」
大竹「普通の人たちはどうなのかなと思いまして」
マツコ「気になるわ。好きな菓子パンランキングね」
大竹「一般の方300人にアンケートをとってみたところ、このような結果になっていました」
マツコ「ねえちょっと待って。女の子の1位クロワッサンなのわかるんだけど、なに?野郎。なんだろう、もう日本ってそういう国になったの?ちょっと待って」
大竹「そうなんですよ」
マツコ「もうすぐベストテン?ちょっと待ってよ。そんなわけないでしょうよ。ちょっとなによ。エピに負けてるじゃねえかよ。なんだよ、おまえどんな国だよ」
大竹「そうなんですよ」
マツコ「なんで?なんで?なんでエピに負けるの?」
大竹「なんでクリームパンっていうのがベスト10圏外なのかっていうのをいろいろな人に聞いてみたんですけど、そのときの声として多かったのがこんな意見でした。クリームパンのイメージ、『どれ食べても、味いっしょでしょ』ということだったんですよ」
マツコ「誰が言ってるのこれ。連れてきなさいよ。『何食べてもいっしょでしょ』って言うなら、エピのほうが一緒だよ。だいたいカリカリのパンにベーコンが入ってグニグニってなってるやつだろ。いつ食ったっていっしょだよだいたい」
大竹「僕も正直走っていると、だいたい夕方のパン屋さんの閉店間際の時間に着くじゃないですか。そうすると売れ残っているパンっていうのを最初に目に入るわけですよ。実にクリームパンが多い」
マツコ「悲しい」
大竹「でも今僕は違うふうに感じているんですね。こちらになります」
マツコ「大人だね」
大竹「クリームパンは同じ味じゃない。食べ比べると全然違う。お店のレベルを知るバロメーター」
マツコ「普通のことに気づいたのね。冗談、冗談です」
大竹「いろんなパン屋さんに行くと、実はクリームパンっていうのはシンプルな構成なので、差が出にくい」
マツコ「あとわかりました。たぶんパン屋さん的にしたら、作る手間が。あれカスタードクリーム作るんだわ、よく考えたら。だから少なくなってるってのもあるのかもね」
大竹「あとは業務用の売ってる大きいのを、そのまま使ってらっしゃるお店ももしかしたらあるかもしれない」
マツコ「だからちょっと画一的な味にみんな感じちゃっている。ああ、まあそれは責められない。大変だもん」
大竹「でもそういうシンプルな構成だからこそ、そこをしっかりできるパン屋さんっていうのは普通のパン屋さんと明らかに差があって、そういうパン屋さんはすごくおいしい」
マツコ「クリームパンがおいしいパン屋さんは、他のもすごいちゃんと作っている。これは本当にそう」
大竹「それなので、パン屋さんのレベルを知る上での大きなバロメーターになるのが、クリームパンじゃないかというふうに僕は思っているんですね」
ナレーション「そう、カスタードクリームを作って、パンに包んで、と手間のかかるクリームパンがおいしいお店は、他のパンもおいしいというのが大竹さんの考え。というわけで」
大竹「実は東京23区にもクリームパンの聖地と呼べるような場所があるんですね。そんな聖地の話をしていきたいなと思います」
マツコ「聖地巡りするわよあたし。けっこう北寄り。なかなか行かない場所だったわ本当に」
大竹「町に溶け込む小さな名店揃いということで、王子、十条、板橋」
マツコ「でもこれさ、確かにだから最近クリームパンって昔より売ってるお店少なくなってきてて、嘆かわしいの。いわゆる都心のちょっと外側のところに残ったんだろうね。あと錦糸町だったり、あっちの亀戸とかさ。こっち側だったら高円寺とかさ。そのあたりだとまだクリームパン文化が残ってる。都心はもうおしゃれクロワッサンに駆逐された」
ナレーション「というわけで、大竹さんが走って見つけた王子、十条、板橋、街の名店」
大竹「どのパン屋さんも小さなパン屋さんが多くて、みなさん自宅の一部をお店として使ってらっしゃるようなところであったり。それからご夫婦でやってらっしゃるようなパン屋さんが多くなっているんですけど。それともうひとつは、けっこう駅から離れているところにあるパン屋さんが多いっていうのが特徴なのかなと思って」
マツコ「だから支持されているパン屋さんみたいな感じよね」
大竹「そうなんです。根付いているという感じの」
マツコ「『ベーカリータカスギ』なんてたぶんなかなか出会わない場所にあるわよね。中州にあるのよね」
大竹「本当に周りは普通の住宅街の中にあるみたいな。そういう感じのパン屋さんですね」
マツコ「『モリノオーログラーノ』とかはちょっともう北区にはなさそうな感じのお店だけどね。ほら、シャレオツ。『モリノオーログラーノ』はシャレオツよ」
大竹「こちらイタリアのパンをメインに焼いてらっしゃるところなんですけど、そちらでもクリームパンはおいてらっしゃるということで」
マツコ「王子神谷にもイタリアの風が吹いたのね。でもけっこう、本当にザ・クリームパンね、こちらのクリームパンは」
大竹「ブルーベリーが入っている」
マツコ「ブルーベリー入れちゃったの?」
大竹「これが他のパン屋さんとはちょっと違う感じで、非常においしい。そんなわけで、こちらのクリームパンを買ってきましたので、VTRを見ていただきたいと思います」
ナレーション「クリームパン大好きランナー大竹さんの王子・十条・板橋、聖地巡り」
大竹「今日は東十条駅に来ました。僕は今日ここにカメラもつけていますので、実際パン屋さん巡りってやっているとどんなふうになるのかを見ていただきたいなと思います。それではいってきます」
ナレーション「駅の北口から東に広がる商店街へ」
大竹「東十条の駅を出ました。『Sweet Kitchen』に向かっていきます。こちらの東十条の駅から商店街をすーっと走っていくと、300メートルくらい先のところに『Sweet Kitchen』、こちらになります。人気商品と出ていますが、カスタードクリームパン、人気になっています」
マツコ「あら、1位がクリームパンなの?」
大竹「そうなんです。こちらそうなんです。正面を見ると、縦にたくさんパンが並んでいるのが特徴で、いつも僕はここを見て真っ先に選んじゃう。こっちを向くと実はけっこうおいしそうなパンが並んでいて、これもですね実は見逃せないんですよね。カスタードクリームパンをお願いしたいんですけど、こちら162円ということで」
マツコ「やっぱり東十条価格よね。何?あの貝のマークみたいなの」
大竹「そうなんです。裏表逆にして」
マツコ「焼けているほうを裏にして?」
店主・斧田さん「中のカスタードは生地よりも多い」
大竹「本当ですか、すごいなやっぱり。1日どのくらいクリームパンって売れたりするものなんですか?」
斧田さん「100から200個。冬は200個以上」
大竹「あらすごい」
ナレーション「そんな『Sweet Kitchen』の看板商品、カスタードクリームパンをマツコが試食」
マツコ「これさっき言っていた逆側の。本当だったらこうやって陳列してあるもんね。かわいい。ほら」
大竹「そうなんですよ。こちらご主人がもともとマドレーヌを出そうと購入した型を、そのまま使ってらっしゃるということで」
マツコ「優しい。このカスタードとかも優しいほわーっとした味ね。おいしい。お鍋でこうやって丁寧に作ったのがわかる味」
大竹「モチモチ感があるような気がするんですけど、いかがですか」
マツコ「町内で一番パン作りの得意なお金持ちの奥さんが作ったみたいな。実際そういうパンは食べたことがないけど」
大竹「こちらのお店はですね、パンの発酵時間が非常に長くて」
マツコ「それがあのモチモチになるの?」
大竹「はい、そうですね。こちらのほうクリームになりますけど」
マツコ「カスタードがもう本当にほわっと、ほわーっとした味」
ナレーション「バニラビーンズは香り高いマダガスカル産。この自家製クリームをたっぷり包みます」
大竹「実はクリームのほうが生地よりも多いという」
マツコ「バニラも産地によって全然違うんだよね。クリームパンって全然味変わるのよ、本当に」
ナレーション「富士山の溶岩で作った特注の石窯で焼けば、適度に水分が残りパンの焼き上がりはもっちもちに」
大竹「さっきの中村屋さんとはずいぶん違うクリームパンだと思うんですけど」
マツコ「なんかほわっとした味。あたしクリームパン20秒くらいで食べている」

ナレーション「東十条の『Sweet Kitchen』を出た大竹さんは、さらに東へ」
大竹「ここは新田橋」
ナレーション「隅田川を越え、足立区へ」
大竹「こうしますと、こちらのほうが『ベーカリータカスギ』」
マツコ「でもシャレオツね、みんな」
大竹「こちらのほうにデニッシュ系のパンが並んでいまして、僕はこのダークチェリーとか、シナモンロールが好きで、けっこう頼んじゃいます。こちらのほうに来ると、真ん中のところが調理系のパンが多くて、下があんパンとか定番っぽいパンですかね、並んでいます。こちらの中ではこのクリームパンが賞を受賞しているっていのが一番すごいかなと思います。普通はパン屋さんでもらうことはあっても、パンでもらっているっていうのは珍しいですね」
店主・高杉さん「シンプルに素材の味を出したい。あんまりいろんなものを足さないっていう。もちろんバニラのものとかも入れないで、本当に卵とミルクの味が出るようにお作りしているっていう」
ナレーション「続いて、荒川沿いを走って『くまねこぱん』を目指す」
マツコ「あら、けっこうな移動距離よ。浮間舟渡まで、あそこから」
大竹「せっかくなのでちょっと荒川を」
マツコ「荒川土手をね。有名な荒川土手ね。岩淵水門。昔はあれよ、隅田川が荒川だったんだからね」
大竹「到着しました。『くまねこぱん』は、このマークはなんだ?っていうのが正直なところなんですけど。じゃあ入ってみたいと思います。かわいらしい絵が多くて、すごくお子さんに向いている気がする」
店主・三枝さん「僕自身が保育士出身で、保育園で働いていたので。その関係で、子どもが好きなパンがあるかな」
大竹「なんかクリームパンも以前にいただいているときに、すごくこちらのおいしくて、なにかこだわりとかは」
三枝さん「みなさん言っていただけるのが、『生地がおいしい』って。生地は奥さんのほうが丹念に作ってもらって、中のカスタードクリームは僕が」
ナレーション「というわけで、『ベーカリータカスギ』と『くまねこぱん』のクリームパンもスタジオに登場」
マツコ「これ順番どっちがいい?」
大竹「私はタカスギから、順番的に言ったら」
マツコ「じゃあタカスギさんからいきますよ。あ、ここはもうパンの香りがすごい。カスタードクリームのなんていうのかな、主張が相当抑えられているパンだね。このパン生地をたぶん味わってほしいから、だから常にこう。普通クリームパンってここまで近づけるとカスタードの匂いが勝つじゃない?小麦粉の香りが終始するカスタードパン」
ナレーション「パンには誇り高いアメリカ・カナダ産の最高級小麦粉を使用。さらにバターも入っていないため、小麦本来の香りが楽しめるクリームパンに」
マツコ「こちらクリームパンよりも、ちょっと食パン食いたくなってくるわね。それくらいこのパン生地がすごいね。いや、本当にお店によって違うわ」
大竹「こちら『くまねこぱん』ですね」
マツコ「こちらはもうね、やわらかい。もうほら、飲んじゃった。パンもそんなに何回も噛まずにほどけていく感じね」
大竹「やっぱり子どもさんのことを考えて、っていうパン屋さんってのがすごくよくわかる」
マツコ「いやあ、これちょっと、三者三様で個性がすごいわ。うん、三軒ともすごいおいしい。すごいわ、もう全然キャラがかぶってないのがすごい」
ナレーション「クリームパンの聖地には、他にも100円台で買える絶品が」
大竹「やっと『マルフクベーカリー』に到着しましたよ。入っていきます」
ナレーション「志村坂上駅から徒歩5分。創業74年の『マルフクベーカリー』。定番だけでなく、オリジナリティーあふれるパンが所狭しと並びます」
大竹「人気なのって、ちくわのフリッター。この前いただいたんですけど、なんかカレーの味が印象的で」
店主・阿部さん「ボリュームあってキャベツ挟んでいるっていうのはなかなかないかもしれない」
大竹「こちらのクリームパンはなにか特徴あるんですか?」
阿部さん「そうですね、これ米粉を使っているのでクリームがなめらか」
ナレーション「自家製のカスタードクリームには小麦粉ではなく米粉を使用。そのためクリームはよりトロトロ、一口ほおばればほんのりお米の香りが広がります。続いて」
大竹「やっと着きました。『まめぱん屋』さんにいきたいと思います。今日はクリームパンをお願いできますか?縦長なのはなにか理由があるんですか?」
店主・生澤さん「なるべく立体的にして、お客さんが選ぶとき楽しくなるようにプリン型に入れてキノコみたいにしてみようかなって」
ナレーション「すべて手ごねにこだわったパン生地は甘くなく、さっぱりとした味わい」
大竹「やっぱり100円台で買えるっていうのは、マツコさんうれしいですよね」
マツコ「そうねえ、だけどなんかパン屋さんの幸せを考えると、ねえ」
大竹「しかもだいたい最近のパン屋さんって、1個300円って言ったら安いんじゃないかって思うほどで」
マツコ「確かに、あの何年か前の高級のクロワッサンブームのときとかに、400円突破が普通になったよね」
大竹「そうなんですよね。僕いつも帰りにパンを買うときは、1000円で4つ買いたいんですよね。翌日の朝ごはん2つと、お昼ごはん2つと」
マツコ「それは勝手な事情ですけど。冗談です。みんな誰しもが1000円で4つ買いたい。うん、そりゃそう」


《埼玉発!浦和vs大宮、空洞ゼロクリームパン戦争》


大竹「僕の住む埼玉のクリームパンも、実はアツいということで。何がアツいかと言いますと、食べた瞬間あふれ出るクリーム。背徳感マックス、埼玉クリームパン」
マツコ「また今食べた感じのとは違う感じのやつね」
大竹「そうです。クリームパンって言いますと、やっぱりこう食べたときのクリームがガツっと出てきてくれるっていうのが」
マツコ「わかりますよ。背徳感感じるために食べてるんですから、クリームパンなんてね」
大竹「そうですよね。やっぱり一口目がドキドキするってことになるんですが」
マツコ「埼玉の人って甘いもの好きだよね。お菓子屋さんもめちゃくちゃ多いのよね」
大竹「ですので例えばこちらにありますとおり、プリンは全国で1位、それからケーキも全国2位ということで」
マツコ「だからクリームパンに求める甘さへの探求心が、やっぱりほかの地域とは違う」
ナレーション「そう、埼玉県民に人気なのが、あふれんばかりのクリームが入った空洞ゼロクリームパン。その作り方には秘密があった。埼玉高速鉄道の川口元郷駅から東へ走ることおよそ9分。地元で愛され38年の街のパン屋さん『クレールナカムラ』」
マツコ「こういうパン屋さん好き。なにこれ?形おもしろい」
大竹「今日ご紹介したいのは、このとろーりクリームパンっていうこちらになります」
ナレーション「まずはパン生地に自家製のカスタードクリームを包み、深めの型の中に入れ込んだら、オーブンの中に。8分後焼き上がり」
マツコ「ああ、良い焼き上がり。やっぱりこれくらいちょっと黒くなってくれてるほうがあたしたち世代はうれしいかな」
ナレーション「ここまではいたって普通のクリームパン。中を見せてもらうとこんな感じだが、ここからさらに続きが」
マツコ「ちょっとなに?生クリーム入れるの?」
大竹「実際は生クリームとカスタードクリームを混ぜたものなんですけど」
ナレーション「空洞の部分にしぼり袋の先を差し込み、クリームを追加。かぶりついた瞬間にクリームがあふれ出す。これぞ埼玉追いクリームパンなのだ」
マツコ「あら。これはもう当時川口じゃぜいたく品だったと思う」
大竹「今見ていただきましたとおり、この秘密は追いクリーム」
マツコ「かわいいね、これもね。なんか型に入れて焼いてるのね。ねえこれさ、ちょっと生クリームがこれ黄色っぽくなってるのは」
大竹「そうです。カスタードクリームがいっしょに入ってるので」
マツコ「これすごいなんかさっきの画面で見てたのより、はるかにカスタード含有量が。これはクリームパンですわ。生クリームが白いままのやつはね、たまに生クリームが勝っちゃってるときあるじゃない。これはもう負けないですよ。最近の方がすごいがんばっているクリームパンもすごくいいんですよ、おいしいんですよ、大好きなんですよ。これ、あたしが子どもだったころに最高級だった味よね。わかる?やっぱりクリームパンってハズレ無いわ。『何食っても同じ』って言う人は鈍感すぎよ。何を食っても同じなんじゃなくて、何を食べてもおいしいよね、クリームパンは」
大竹「そうですね。他にもですね、実は追いクリームのおいしいお店というのがありまして。『パン・ピジョン』それから」
マツコ「ちょっと待って。これ泣かせるわ。‘鳩ケ谷’だから‘ピジョン’よ。ピジョンって鳩だからね。いいわあ、もう今川口に吸収合併されちゃって鳩ケ谷って名前ないのよ。ピジョン、祈りを込めたのよ。鳩ケ谷が平和な街であるように、っていうね。次いきましょう。鳥つながり」
大竹「そうなんです。実はこの2つのお店は師弟関係でした」
マツコ「ほら、関係あったのよ」
大竹「お弟子さんのほうが『パン・ピジョン』」
マツコ「やだ、もうあたし泣きそうよ今」
ナレーション「埼玉高速鉄道の鳩ケ谷駅から走ること90秒。創業19年の『パン・ピジョン』。ご夫婦で営むお店で、どのパンもボリューム満点。クリームパンは一番人気で、朝・昼それぞれ300個があっという間に売り切れ。実はこれご夫婦の合作。まずは旦那さん考案ぽってり濃厚カスタードをパン生地で包み」
マツコ「これカスタードだけもいきたいわね。かためカスタード、最近ないのよ」
ナレーション「オーブンの中へ。焼きあがったら今度は、空洞の部分に奥さんが考案した口どけサラリのカスタードクリームをたっぷり追いクリーム」
大竹「非常にですね、まさにご夫婦の愛の結晶ではないかという感じで、2つの色に分かれたコントラストというのが見事です」
ナレーション「埼玉空洞ゼロクリームパン巡り。続いてJR武蔵野線の東浦和駅から走って6分。創業35年、埼玉を代表する名店の『風見鶏』」
マツコ「立派なパン屋さんだね」
大竹「こちらやっぱりすごく人気のパン屋さんです」
ナレーション「名物の王様のクリームパンの作り方がこちら。パン生地の上にクリームをしぼり包み込んだら、マフィン型の中へ。さらにその上にパイ生地をかぶせて焼くと、王冠のような形に」
マツコ「生チョコ入り?」
大竹「こちらはホワイトチョコを使われていて、それ以外に生クリームとカスタードクリームというような3つのクリームを混ぜて」
マツコ「砂糖がけまでしちゃうのね」
ナレーション「重さはなんと164グラム。パイ生地、パン生地、さまざまな味がぜいたくに楽しめる、まさに王様のクリームパン。そんな埼玉追いクリームパンを、マツコが試食」
マツコ「こちらがお師匠さんのほうね。これお師匠さんのやつ、食うの難しいわね」
大竹「そうなんです。上がパイ生地になっているので」
マツコ「どうやって。しかも相当しっかりとした。ナイフとフォークで食べたほうがいいんじゃねえかってくらいの。ああ、またこれ全然違うわ、クリーム。本当誰が言った?『全部同じ味だ』って。さすがにあたしもこれだけ食べてるから、そろそろ似てくるんじゃね?って思うじゃん。クリームパンサイドの人間だけど。さすがにかぶるだろってね。かぶらないね」
大竹「違いますよね」
マツコ「こちらのは本当に、見た目もそうだけど、ケーキに近い。味もすごいしっかりしているし、食感とかもなんかちょっと、パンっていうかケーキ食べてるみたいな」
大竹「よく考えて作ってらっしゃるなというのがすごくよくわかる」
マツコ「これ弟子。やだ、またちょっと本当にかぶらないんですけど。ちょっと少しレモン汁でも入ってるのかなってくらいさわやか、このカスタードクリームは」
大竹「すごいさわやかなクリームになっています」
マツコ「さわやか」
大竹「こちら1日600個売れるっていうのもよくわかりますよね」
マツコ「すごいですわ。ここまできてかぶらないっていうね。まああとこれよね、やっぱりエンジニアランナーだからかしら。研ぎ澄まされた精密機器のような。うまくチョイスされているのよ」

大竹「さっきマツコさんがさいたま市といえば大宮と浦和、という話をされたと思うんですけども」
マツコ「あらやだ。ちょっとなんかデリケートなところへいっちゃった?」
大竹「2001年に大宮市、与野市、浦和市がいっしょになって、さいたま市ができて、そのあとに岩槻市が入った形で今さいたま市ってのができているんですけども」
マツコ「いろいろ論争が。与野なんて最初からなかったものにされているしね。かわいそうなのよ、本当に」
大竹「‘浦和と大宮’というのがいろんなときにあると思うんですけど。マツコさんそれぞれどんなイメージをお持ちですか?」
マツコ「まあでもそれは浦和の人もしょうがないと思っていると思うよ。やっぱりそれは中心地よね、大宮が。駅前だってあれだけ栄えてるしさ。新幹線だって止まるしさ。浦和はもうちょっと品の良さを感じるわよね。ちょっとこう街並みとかも緑が多かったりさ、県庁があったり、浦和高校があったり。大宮はとにかくビッグシティよ。浦和はインテリジェンス。困るのは与野よね。やっぱり与野って困るのよこういう時。与野のイメージは?って言われたら。そんなものあるわけねえ、なんてね、ちょっとね。あたしはでも与野サイドの人間よ。なんであれ名前、区の名前に残してもらえなかったのはひどいのよ。大宮とか浦和は残っているのよ。さいたま市のあとに大宮区とか浦和区。与野は中央区っていうね。うれしいような、悲しいような。後入りした岩槻は岩槻区って残ってるんだから。与野だけなんでとるんだ?っていうね。岩槻だってSAMさんもいるし」
大竹「実はパン屋さんを僕もいろいろな所をこうくまなく回っていると、やっぱり浦和はちょっとハイソなイメージの。大宮はそういう点で言うと、もう少し庶民的で、値段的にもちょっと安いなっていう印象のするパン屋さんがけっこう多いんですけど。最近ですね、ちょっとそこに変化が生じるようなパン屋さんができています。‘浦和イコールハイソ’、‘大宮イコール庶民的’に新展開。大宮なのに東京都心みたい。『ブランアラメゾン』」
ナレーション「大宮駅の西口から徒歩10分。3年前にオープンした『Blanc a la maison』。スタイリッシュな店内には本場フランスの香り漂う焼きたてパンがずらり。庶民的なイメージの大宮の街に新たな風が」
マツコ「全部大宮が持っていっちゃったらどうするんですか?浦和代表ですよね?」
大竹「まあ、さいたま市代表ということで」
マツコ「そうか、出身大宮だもんね。さては浦和に全く愛情ありませんね」
ナレーション「ノーマルタイプのクリームパンも人気ですが、大竹さんのオススメは季節限定クリームパン」
マツコ「あれ?なにかいらっしゃるよ。なにこれ?リンゴさん」
ナレーション「味の要は青りんごを煮込んだピューレ。これをカスタードを作る際に混ぜ合わせることで、爽やかなリンゴの香りが広がるクリームに。さらにパン生地にはたっぷりの北海道産無縁バターと、マスカルポーネチーズが練りこまれているので、コク深いリッチな味わい。このパン生地で青りんごピューレ入りのカスタードクリームを包み、オーブンで焼き上げればできあがり」
マツコ「リンゴとクリーム。おいしい」
大竹「そうなんですよ。こんな最近は今までにないようなクリームパンもありまして」
マツコ「だから本当にさっき言っていたのがちょっとわかるわ。それこそ二子玉で売ってそうなパンよ。こんなのも食べてるの?裏切り行為じゃない?いつからこういうクリームパンを食べるようになったのよ?‘いつから’って、あたし今日会ったのよ」
大竹「こちらのお店はもともと虎ノ門にありまして、その頃はレストランの一部を借りて朝だけパンを焼いていたんですね。僕はまだ虎ノ門でやっているときに」
マツコ「知っていたの?」
大竹「はい、いつも朝ですね。通勤の途中で新橋で降りて、虎ノ門で買って職場に向かっていたので。コロナになってしまって『あっ』て思ったら、まあ当然ないわけですよ。と思ったらたまたま走っているときにあそこのパン屋さんに出会って、『あれ?なんかこれ食べたことがあるパンだなあ』って思っていたら、虎ノ門から大宮に移ってきたっていうパン屋さんだったんです」
マツコ「いやあ、やっぱり埼玉ってうらやましいな。あたし千葉出身なのに、こんなに知識もあって埼玉いじるのこんなにできるのに、千葉のこといじれって言われたら5分もたないもん。本当にないのよ、千葉ってネタが。東京ドイツ村の話で終わりなのよ。東京ドイツ村でスペインフェアをやっていてね、帰り道見たら、池で中国ランタンフェアをやっていたっていうね。それでもう千葉のネタは終わりなのよ。あとないんだからもう。おもしろい話何にもないんだから、千葉って」

~完~