2022/08/30放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'50年以上毎日3食パンを食べる主婦'
石臥博代(イシブシヒロヨ)さん(以下、石臥)



番組スタッフ「マツコさんクロワッサン食べます?」
マツコ「すごい貧乏性だから、空気が多すぎて買う気にならないんだよね。いつも手は伸びるけど、空気だしなって思って、横のずっしりとしたパンに手がいってしまうのよね。本当に貧乏性なのよ」
石臥「はじめまして」
マツコ「はじめまして。違うのよ。どうしてもね、あたしなんか根が本当に貧乏性なので。わかってるんですよ、ものすごい手間がかかっている。あと材料費も、バターもいっぱい使って。そんなにケチで空気を入れてるわけじゃないっていうのはあたしはわかってるんでるけど。どうしてもね、満たされたいのよ」
石臥「私が来た理由を」
マツコ「えっ?旬なんてあるの?」
石臥「はい、旬がございます。実はクロワッサンは秋が旬。湿度と気温が落ち着いてきた今が一番おいしいです」
マツコ「まあでもそうか。確かに湿度が高いとパリパリ感が出ないもんね」
石臥「そうです。層がなかなか立たないんですね。フランスから渡ってきたものなのので、オーストラリア、あ、ウィーン、オーストリアの。ごめんなさい、もう一回やっていいですか?」
マツコ「いいですよ。もう100回でも200回でもお付き合いします」
石臥「一回立っていいですか?すみません、ちょっと」
マツコ「どういうことなのかしら。エコノミークラス症候群にでもなった?」
石臥「クロワッサンが好きすぎて、ちょっとでもまちがえたらいけないと思って。緊張がマックス」
マツコ「ごめんなさい。全然伝わってこないです。すみません」
石臥「マリー・アントワネットさんがウィーンから持ち込んだんですね」
マツコ「うわ、もうほらまたあたしの前に垣根を作る。クロワッサンは。要はフランスにはなかったのね」
石臥「そうです」
マツコ「実家のほうから『あれ食べたい』って言って。『職人もろとも連れてこい』って言って呼んだわけね。なるほどね。すごいわ」
石臥「そうです。それでフランスで進化して今の形になったんですが。フランスと日本の気候は全く違っていまして」
マツコ「そうね。向こう乾いているもんね」
石臥「そうです。日本は高温多湿なので、6月から8月というのはクロワッサンにとっても、とても作りづらいということと、やっぱりクロワッサンはバターを巻き込んで作っているものですから」
マツコ「でも逆に冬までいっちゃうと、口溶けとか考えて。だから秋がいいのね」
石臥「そうです」
ナレーション「クロワッサンは1770年にフランスに持ち込まれ普及。フランスの気候に適した作り方のため、高温多湿の日本ではフランスの気候に一番近い秋が旬だという」
マツコ「もしかしたら、パン屋にあるもので1番高貴なものかもしれない。あれをもうフッてつかみたい。ちょっとパリッて表面がはがれたりすると隣のやつ、みたいなね。それをやっているうちはクロワッサン買う資格がないな」
石臥「もう思いっきりクロワッサンをつかんでいただけるように、今日がんばりたいとおもいますので」
マツコ「そうね、あたしもちょっと死ぬまでの目標にするわ。クロワッサンを力づくでつかむ。カーッていう人間にね」


《音と美断面に注目!職人技光る芸術クロワッサン2選》


石臥「みなさまにぜひ知ってほしいことがございます。クロワッサンはパン職人の技術の結晶。だからこそ‘音と美断面’を鑑賞してほしい。クロワッサンっていう言葉はひとつなんですけど、製法だったり材料だったり、いろんなものが全く違うので」
マツコ「え、そんなに許容範囲の広い言葉なの?クロワッサンって」
石臥「はい。すごくいろんな形があるんですけど、味も食感も全てが変わるくらい様々なんですね。そのクロワッサンは私達食べる側はそのクロワッサンをどう判断するかがわからないものですから、それを音と美断面で判断できたらなっていうことで、みなさんに知ってほしいんです。いろんな思考が混ざり合ったアート作品なんです」
マツコ「それはちょっと追い追い」
石臥「言い過ぎですか?」
マツコ「追い追い決めさせていただくとしてね」
石臥「まず一つはこの軽やかな音色と細やかな気泡の美断面。『たむらパン』さんをご紹介させてください。こちら『たむらパン』さんになります。看板がわかりづらいパン屋さんなんですけど」
マツコ「落書きみたいなのが看板ですか?」
石臥「はいそうです」
マツコ「あらやだ。めんどうくさいご店主がいそうな感じ」
石臥「いやいや、すごいすてきな」
マツコ「大丈夫ですか?」
石臥「こちらが田村シェフになります」
マツコ「全然そんな感じじゃないじゃないのよ」
石臥「田村さんすごい実力者で、北海道のホテルのウィンザーホテル」
マツコ「あ、なんだ。すごいところじゃないのよ。なんでウィンザーは田村さんを採ったんだろう?やめなさいよ。ウィンザーホテルにいなさそうなんだもん、本当に」
ナレーション「そんな田村さんが造る芸術品、軽やかな音色と細かい気泡の断面が特徴のクロワッサンがこちら」
石臥「すごくきれいな層で、芸術作品のように見えませんか?」
マツコ「でもやっぱりあれで360円って聞いちゃうと、まだつかむ勇気が」
石臥「こちらのほうの生地の音をお聞きください。すごい軽やかな音だったと思いませんでしょうか?」
マツコ「もうちょっと比較対象が出てくるとわかりやすいんですけれど」
石臥「そうですよね。こちらバランスよくきめ細やかになっています」
マツコ「きれいね、断面がね」
石臥「黄色の色は、バターがちゃんと行き届いた色で。こちらの作業なんですけど、急いで作らないとこのような細かい気泡が。生地が密になるようなものが作れないんですね」
ナレーション「気泡が細かくなることで、バターと生地の風味がたつんです」
石臥「ぜひお召し上がりください」
マツコ「あ、よかった。ちょっとあれだけだとなにも」
石臥「やはり食べていただかないと」
マツコ「なんて言ったらいいのかわからなかったので」
石臥「難しいですよね、私も伝えきれなくて申し訳ございません。普通はクロワッサンって一個そのまま食べるんですけど、今回は断面を見ていただいて食べていただきたいと思います。とてもきれいな薄い層できれいだと思うんですが、いかがでしょう?」
マツコ「香りが」
石臥「良いですか?」
マツコ「やっぱりあたしさ、いつもこのままガーッて食っちゃってたじゃない?こんなに香りを嗅いだことない。バターは本当に幸福な気分になる」
石臥「リッチな気分になりますよね。なんかドキドキします」
マツコ「いやいや、こんなちゃんと味わおうと思ったことがなかったから。あ、そう。こんなにバターなんだ」
石臥「そうです。あとこちらのバターがよつ葉バターなので。無塩の。田村シェフがやっぱりウィンザーにいて北海道出身なので、日頃使い慣れているバターを使って」
マツコ「だからだ。この安心感」
石臥「一日20個しか作れないんです」
マツコ「ええ?」
石臥「窯が20個しか焼けないんです。あとで追加して焼くことはしないので、朝焼いたぶんだけ」
マツコ「もうなんか三軒隣の人くらいしか買えないじゃないのよ、そうしたら。早く言ってよ。一気食いしちゃったじゃない。たぶんもうこれ最後じゃない?人生で。門前仲町に20個のクロワッサンが売り切れる前までなんか着かないわよ」

石臥「次のパンなんですが。ハードロックな音色とバラのような断面美。『TOLO PAN TOKYO』さん。池尻大橋にあるとても個性的なパン屋さんなんですが」
マツコ「あれ。あたしここの外観知ってる」
石臥「名店の『デュヌ・ラルテ』出身の田中シェフが作られたパン屋さんになります。こちらのパン屋さんなんですけど、コンセプトが‘安全で美味しい、普通じゃつまらない’という個性的なパンを集めているんですが。その中でもTOLO PANさんのスペシャリティーがクロワッサンなんです」
マツコ「通ったのかな?前。『この後の人生一人で生きていこう』って覚悟をしたAPが家を買うわよねあの辺に。それで見たのかな」
ナレーション「ワイルドな音色とバラのような美断面を持つクロワッサンがこちら」
石臥「こちらクロワッサンになるんですよ。先ほどのクロワッサンと違って、層が立っているっていうこと、焼き色が濃いということ、照りがないというところで、全く違うクロワッサンと思っていただけると思います。まず生地の音をぜひお聞きください」
マツコ「パリパリ系ね。やっぱりAPはこれくらいの音がしないとね。食べてるか食べてないか気づかないからね」
石臥「すごく先ほどの音とまた違って、力強くワイルドな音。気泡が特徴ありまして、先ほどのものと違って、バラのように大きいんですね。それでひとつの膜が厚いのがわかりますでしょうか?こちらがバターがたっぷり入っている証拠で、バターが溶けないように温度管理を徹底して作られているんです。このようにクロワッサンっていうのは、バターを生地に」
マツコ「あんなにバター入れるの?」
石臥「はい。バターを生地に巻き込むんです。シーターで伸ばしてですね、これでまた巻き込むんですね」
ナレーション「通常よりも厚めの5mmになるまで伸ばしたら、生地を潰さないように三段巻きにしていく。特別なオーブンを使い熱風で焼いていく」
石臥「こちらのバターが溶け込んだ」
マツコ「ほらあれ、よく見る日常。あたしあれ」
ナレーション「厚めの生地を熱風で焼くことで、生地の間の水分が蒸発して気泡が大きくなり、外はサクサク、中はもっちり食感に」
マツコ「デカい」
石臥「全く巻き方はいっしょなんですけど、形が違うと思います。あと香りも違うと思います」
マツコ「ああ、強いね」
石臥「いかがでしょうか?」
マツコ「中がけっこう本当米粉のパンとか食べるくらいのモチモチじゃない?」
石臥「そうです。日本人が大好きなモチ感を入れたくて、それでこの生地」
マツコ「こんなクロワッサン初めて食べた」
石臥「なので層が厚かったんですね。バターがすごく十分なほど入っていますし。日本人が大好きなクロワッサンを目指して作られています」
マツコ「めちゃくちゃおいしいわ」
石臥「食べる場所によって味が七変化していくんです。砂糖の強弱があるかと思うんです、生地の中で。それは生地の砂糖を減らして、そのあと砂糖をふりかけているので、砂糖が強く出るところ、弱く出るところがあるので、食べる方々が楽しめるように作られたクロワッサンになります」
マツコ「これだったらなんかあれよね。空気にお金払ってる感はないわよね。やっぱり良いところのを食べると、貧乏性から抜け出せるわよね」
石臥「うれしいです」


《クロワッサン業界沸騰!愛知県vs京阪神エリア》


石臥「次にいかせていただきます。今、クロワッサン業界で沸騰中。愛知と京阪神」
マツコ「そうなの?」
石臥「愛知というのはモーニング文化とか喫茶文化。そしてパンメーカーが一番激戦区なんですね」
マツコ「Pascoもそうだし、フジパンもそうよね。フジパンさんにはぜひ松下由樹さんをずっと使っていただきたい」
石臥「おいしそうですよね」
マツコ「おいしそうなのよ」
石臥「安心して買いたくなる」
マツコ「本仕込。あれから本仕込を買うように」
石臥「本仕込おいしいんですよね。愛知は特にクロワッサンの専門店が今盛んでして、行列になっているんです」
マツコ「あっそう、愛知なの」
石臥「こちら『ジョリークロワッサン』さんはこのように行列になっているんですね、クロワッサン専門店が。パンの種類がクロワッサンだけでいろんな種類があって、スイーツから惣菜まである有名なクロワッサン専門店になっております。職人さんもフランスまで行って、ちゃんと学んで帰ってきて、正統なクロワッサンを作って、今愛知県の方の胃袋をつかんでいる状態です。京阪神はどちらかというと、神戸の影響があって、いち早くパンの食べる文化を定着したところ」
マツコ「ドンクショックってありましたよね」
石臥「そうです。ドンクさんがフランスパンを全国各地に普及しました。ドンクさんがあったおかげで、たぶん日本人はフランスパンを食べるようになったと思います」
マツコ「千葉にもドンクの嵐が押し寄せてきたのよ。これくらいのクロワッサン流行ったよね」
石臥「流行りました」
マツコ「ミニクロワッサンだっけ?はあ、なつかしい」
ナレーション「ドンクが神戸にできた影響もあり、京阪神エリアではクロワッサン文化がいち早く定着。近年ではクロワッサンと異色の食材を組み合わせたハイブリッドクロワッサンが京阪神エリアで注目だという。大阪で昨年オープンしたばかりの『THE MILL』では、クロワッサン生地をバゲットで包み込んだクロワッサンバゲットが大人気。京都『KiKiベーカリー』では、子持ちししゃもとクロワッサンの異色の組み合わせが人気を集めているという」
石臥「すごくファンの方が多くて。このクロワッサンのバターに塩味がかかったと思ってもらえると、すごくおいしいクロワッサンができあがっています」
ナレーション「パン大国愛知県と、ハイブリッドクロワッサンで注目の京阪神エリアで、石臥さんが特にマツコに食べてほしいクロワッサンをご紹介。まず愛知で注目するクロワッサンが、創業15年、名鉄栄生駅から徒歩1分、『ル・シュプレーム』。店主の渡辺和宏さんはパンのコンクールで数々の受賞歴を持つ実力者。そんな渡辺さんが作り上げた名作クロワッサンがこちら」
石臥「クロアソンアンヴェルセといいまして、‘アンヴェルセ’ってフランス語で‘逆折り’なんですけど。バターと生地、バターと生地という折込みが逆になるんですね。なので外側がバターになります。なのでバターを焼くことによって、すごく香りがたちます。ただしすごく作るのが大変なんです。これはどちらかというとパイを作るパティシエさんがよく使われる技法で」
ナレーション「逆折り製法で通常27層の生地を36層まで折り重ねることで、バターの香りが際立ちつつ、しつこくないクロワッサンに。続いて石臥さんが京阪神エリアで注目するハイブリッドクロワッサンが、創業76年、三代続く神戸の老舗ベーカリー『ケルン』。ソフトフランスにミルクチョコをサンドしたチョコッペは、累計2000万本販売する名物。そんな老舗が考案したハイブリッドクロワッサンがこちら」
石臥「こちら『クロワッサンベーグル』。クロワッサンとベーグルを掛け合わせた。こちらの創業、今の社長様の壷井さんがどうしたらおいしいバターを堪能してもらえる、食感の違ったクロワッサンが作られるかってことを考えて、計算づくしの生地で作られたクロワッサンになります。なかなかすごく生地の数を減らしたりして、あとここが特徴なんですけど、大量のスチームで蒸し焼きにしてもっちり、外はパリッということの食感を楽しめる、新食感クロワッサンを編み出しました。ぜひこちらを2つお召し上がりいただきたいと思っています」
マツコ「名古屋と神戸からすみません、本当に。名古屋からがいいかしら?」
石臥「はい。できたら先にバターの堪能していただきたいと思います」
マツコ「ああ、本当だ。強いね、バターが」
石臥「どうですか?」
マツコ「バターすごいわ」
石臥「けど軽いと思うんですね」
マツコ「軽い」
石臥「そんなに重くない。とても食感もよろしいかと思います」
マツコ「うん、軽い。だからバターはきついんだけど軽いから、そんななんていうんだろう、くどくない。かたすぎず」
石臥「はい、やわらかすぎず。ちゃんとサクみもあって、口溶けも良く。ハラハラすると」
マツコ「早いわね。家だと皿なめて食うんだけど」
石臥「けどそうやって食べていただいたら本当にうれしいです」
ナレーション「続いて京阪神エリアで石臥さんが注目する神戸ケルンのクロワッサンベーグルをマツコが試食」
石臥「今度は全く違う食感になりまして」
マツコ「でもさ、スチームって聞いていたけどけっこう硬くなってる。表面、ほら」
石臥「たっぷりバターの味も層も楽しめるパンになっています。とっても食べやすい」
マツコ「でも食べるとベーグルっぽい」
石臥「はい。けどクロワッサンもちょっと感じる。ただ食べやすいとても重量感のある」
マツコ「なにこれ。想像していたのと食感が違う」
石臥「私も食べたときびっくりしました。とてもパンに近い」
マツコ「モチモチしてて、でもちゃんと層になっていて」
石臥「材料にやっぱりモチモチを感じるように米粉が入っているので。とても食べやすくてついつい1個2個食べちゃうんですよね」
マツコ「問題点があるとしたら、空気感が強いから、いっぱい食べちゃうってことよね」


《ホテルの威信をかけて作る朝食クロワッサン2選》


石臥「それではこちら。クロワッサンの命はバターのなじみ度合いです。クロワッサンは焼きたてがおいしいわけではなくて、冷めたてがおいしいんです。そのクロワッサンを最高のタイミングで出てくるのが、私が思うのはホテルの朝食」
マツコ「なんでクロワッサンいかないんだろう、ホテルで。卵でおなかいっぱいにしたい。スクランブルエッグ8人分食べちゃう。それであまり記憶にない。よくないね、あたしってなんかダメ。生命力ありすぎ。バランス食いよね」
石臥「そう思います」
マツコ「だめよね、卵ばっかり食ってたら。でもホテルのパンおいしい」
石臥「おいしいです。その中でも力を入れているホテルをご紹介したいと思います。こちらになります。最高の状態で食べられるホテルの朝食クロワッサンとして選ばせていただきましたのが、愛知の『ホテルインディゴ犬山有楽苑』っていうホテルと、もうひとつが『アマン東京』さんになります」
ナレーション「石臥さん厳選、最高のタイミングで食べられるホテルの朝食クロワッサン。まずはホテルで発酵させる伝説のクロワッサン。今年3月オープンしたばかりの『ホテルインディゴ犬山有楽苑』。国宝犬山城のふもとに位置し、国宝茶室『如庵』がある日本庭園『有楽苑』に隣接。ホテルで発酵させる伝説のクロワッサンがこちら。朝食の時間が決まっている宿泊者だけが食べられるこだわりの一品。生地には口当たりがまろやかな特徴のフランスノルマンディー産発酵バターを使用。そしてこちらのホテルの朝食クロワッサン最大のこだわりが」
石臥「『コントランシェリエ』さんのクロワッサンがすごく有名なんですけど、なんと生のままで仕入れて、その場でホテルで焼いて、食べ頃に朝食に出しています」
マツコ「これは名古屋にあるパン屋さんなの?」
石臥「いえ、東京の青山にあります」
マツコ「から生地を持っていってるの?」
石臥「はい、なま生地」
マツコ「だから出すタイミングか。パン屋さんに行って、良いタイミングで‘今だ’って瞬間で買って食えばおいしいのよね」
石臥「そうです」
マツコ「ほぼ不可能ですからね」
石臥「不可能です」
ナレーション「朝食の時間に合わせて発酵させることで、ベストな食感とバターのなじみ具合に」
マツコ「あー!なにこれ!」
石臥「食べたくなりますよね」
マツコ「あの状態食べたい」
ナレーション「続いて、18時間寝かせることでバターの芳醇な香りをまとったクロワッサン。2014年、東京大手町にオープンした『アマン東京』。伝統的な日本の住居からインスピレーションを受けた内装が特徴のホテル。18時間寝かせた朝食クロワッサンがこちら」
マツコ「あそこで食べなきゃダメなんですもんね、良いタイミングでね」
石臥「そうなんです。だけどここは宿泊者だけしか食べられないんですね」
マツコ「朝ね、モーニングをやってる時間に起きたことないのよ。ホテルの朝食を食べたことがない。終わってるんだから、いつも起きると」
石臥「こちらがパンプリーバターといって、AOPの認証されたバターになります」
マツコ「夢よ。あこがれよ。ホテルの朝食」
ナレーション「そしてアマン東京の朝食クロワッサン最大のこだわりが、バターを生地に折り込んだあと、提供する時間を逆算し、合計18時間寝かせること。このひと手間でバターの香りだちが格段に変わるという」
石臥「こちらのクロワッサンをお召し上がりいただきたいと思いますので」
マツコ「クロワッサンだけ。あ、でもヤダ。あたしこれよ、クロワッサンのイメージ」
石臥「どうですか?」
マツコ「おいしいっすわ。バター感が強い」
石臥「こちらのバター、一級品なので。AOPなので」
マツコ「すごいわ。だってバター食べているみたいだもん」
石臥「すごいですよね、生地が」
マツコ「アマン行っても泊まった人じゃないと買えない?」
石臥「はい」
マツコ「お高くとまりやがって」
石臥「ですが、アマン東京の地下二階にショップがありまして。そちらでしたらお買い求めできるんですけど、1日30個から40個」
マツコ「もういいよ。だってホテルで朝食食べられないオカマが、1日30個しか焼かないクロワッサン食べられるわけないだろ。食ったことねえんだよ、そういうの。起きるとチェックアウト30分前なんだから。食えるわけねえだろそんなの」


~完~