2022/08/16放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'年間200日以上富士山を撮り続ける高校3年生'
鈴木啓悟(スズキケイゴ)さん(以下、鈴木)



鈴木「こんにちは、鈴木啓悟です」
マツコ「かわいいな。うちの子になるか?そこそこ遺産あるぞ?」


《高校3年生の富士山撮影に密着&3万枚から厳選、奇跡の1枚》


鈴木「じゃあなぜ僕がそこまで富士山写真にとりつかれてしまったのか、プロフィールとともに紹介したいと思います」
マツコ「ねえねえ、待って。2004年生まれよ。ねえちょっともうおとといくらいの数字なんだけど。2004年生まれと共演しだしたか、あたしとうとう。はあ、すごい」
鈴木「中学2年生のときに、初めて『紅富士』っていうのを撮影して、そのときに今まで見てきた富士山と全然違って、衝撃が走りました」
マツコ「赤富士じゃないの?赤富士と紅富士って違うの?」
鈴木「違います」
マツコ「そうなの?これそのときに撮ったやつ?」
鈴木「そうです。初めて撮った紅富士」
マツコ「きれい。これを紅富士っていうのね」
鈴木「冬の雪が積もって、それが染まると紅富士」
マツコ「雪が降っているときに赤くなったら、赤富士じゃなくて紅富士っていうんだ?」
鈴木「紅富士」
マツコ「夏の富士山が赤くなったときは赤富士っていうの?知らなかったわ。明日から使う知識かどうかはわからないけど。またひとつ大人になったわ。本当にこれ知らない人多いと思う。…しょうがないじゃない。こんな生物と会ったことない。いないだろ、河口湖にこれ。河口湖の中にはいるかもしれない」

鈴木「僕が普段どのように富士山を撮影しているか、VTRがあるので、ご覧ください」
ナレーション「啓悟くんが住んでいるのは富士山のお膝元、山梨県富士河口湖町。午前4時15分。自転車でやってきた啓悟くん」
鈴木「おはようございます。夜明け前が一番きれいな時間帯なので、それを撮りにいきます」
ナレーション「自転車で10分、向かったのは」
鈴木「産屋ヶ崎っていう、河口湖にある撮影スポットのひとつです」
ナレーション「やってきたのは河口湖のほとりにある、産屋ヶ崎」
マツコ「対岸寄りのほうね、河口湖の」
鈴木「そうです」
マツコ「一番良い旅館とかが並んでいるほう」
鈴木「その日の天気とか、雲の位置によって撮影場所を決めています」
ナレーション「啓悟くんがこれまで見つけた撮影スポットは200か所以上。衛星画像やライブカメラを見ながら、その日の撮影に適した場所を決めている。しかし」
鈴木「本当はここに見えるはずです。雲に隠れている状態ですね」
ナレーション「この日は生憎の曇り」
鈴木「今日みたいに富士山が見えるかが第一段階。次に朝焼けや赤富士が見られるかが第二段階。爆焼けとかすごい瞬間が撮れるのは年に数回だけです」
マツコ「だってさ、新幹線から見る富士山ってほとんど雲の中だよね。まるっきり雲もかぶっていないのは、1日の中でも数時間でしょ?晴れていたとしても」
鈴木「そうです。朝とか夕方」
ナレーション「年間200日この生活を繰り返している啓悟くん。変わりやすい山の天気に加え、数秒ずれただけでもシャッターチャンスを逃してしまう富士山写真。ここからは啓悟くんが苦労の末に撮った奇跡の富士山をご紹介」
マツコ「これ別々の人が撮った写真っていうならわかるけど、一人の人でこんないろんな富士山撮るのは近所に住んでる異常者じゃないと撮れない。こんなにね。ほとんどすごい早朝に撮った姿なのよね?」
鈴木「そうです。苦労して」
マツコ「夜景が写っているやつって、どこから撮ったやつなの?」
鈴木「河口湖の上のほうの山なんですけど」
ナレーション「河口湖の東側に位置する標高1104メートルの天上山が撮影スポット。山頂からは富士山の裾野まで一望することができる」
マツコ「じゃああれ写っている夜景は富士吉田市とか河口湖が写っている?」
鈴木「はい、ちょうど富士急ハイランドが真下にあります」
マツコ「なんかポコッて出てる、あの黒い。ほらあれ、ジェットコースターの先端じゃない?本当だ、FUJIYAMAが見える。へえ、すごい」
ナレーション「雲海は、夜明け前から早朝の時間帯で、かつ昼と夜の温度差が激しくないと発生しづらい。さらに夜景と星、両方がきれいに見える雲海の高さになることがポイント。啓悟くんは山の上で3時間待ち続けたのだとか」
鈴木「苦労したのはこの月と富士山」
マツコ「月の色が変よね」
鈴木「これは月が赤くなる日なんですけど」
マツコ「ちょうどでもあれ観測所の建物の真上のところに来たときに狙ったんだ?」
鈴木「はい」
ナレーション「撮影スポットは、富士山のほぼ真西に位置する県道71号線沿い。そもそも数年に一度しか見ることのできない皆既月食を狙って撮影したというが、さらなる苦労ポイントが」
鈴木「月が富士山の後ろから出てこうなるんですけど、出てきたときだけ雲がちょっと晴れて」
マツコ「へえ、じゃあもうあれ一瞬だったんだ」
鈴木「一瞬です。このあともうすぐ雲に飲まれて撮れなくなったので」
マツコ「でもあたしは何気にね、一番左下の」
鈴木「これは山中湖で」
マツコ「山中湖?あれはきれい」
鈴木「これはなかなか撮れなくて」
マツコ「こんなふうになること自体が珍しいんでしょ?」
鈴木「珍しいです。真昼でも氷点下いかないと氷にならない」
マツコ「前日昼間も氷点下だったときに」
鈴木「それが10日以上続かないといけないんです」
マツコ「昼間も氷点下が10日続かないとこうならないの?」
鈴木「はい」
マツコ「じゃあもう相当厳しい冬だったときなのね、これね」
鈴木「そうです。手が凍りそうで」
マツコ「すごいなおまえ、本当に。すごいと思う」
ナレーション「そんな苦労を重ねながら、3万枚もの写真を撮り続けてきた啓悟くん。中でも自信作というのが」
鈴木「こちらになります。『俺は夜でも起きているぞ』、とドヤ顔の富士山」
ナレーション「撮影スポットは新倉山浅間公園。忠霊塔と呼ばれる五重塔で有名な撮影スポット」
マツコ「夜にすごい露出を上げて、本当は見えていない富士山を撮ったんだ?」
鈴木「じゃないです。これは肉眼でも」
マツコ「どういうこと?肉眼でこの状態だったの?こんなのある?」
鈴木「冬の夜9時頃」
マツコ「9時?そんなはっきり見えたの?肉眼で?こわっ」
鈴木「月明りでこう当たって」
マツコ「怖いよ」
鈴木「満月に近い月」
マツコ「へえ。これも相当珍しいよね。こんなに夜になっているのに。まああとちょうどその市街地の近くだったから、その光も入っているだろうし」
鈴木「それは無いです」
マツコ「なんだこのやろう。チャリで行った?」
鈴木「チャリで行って、歩いて」
マツコ「チャリ停められるところからまたさらにけもの道みたいなのを歩いて?」
鈴木「はい」
マツコ「こわっ。そうだよね、変じゃなかったら青春をこれに費やしてないよね」


《年間200日撮り続けた研究結果!この夏行きたい!絶景スポット》


鈴木「今回僕がお伝えしたいことがこちらです。富士山の近くに住む僕が、ほぼ毎日撮り続けた研究結果。絶景より『何気に富士』のほうが壮大さが伝わりやすい」
マツコ「どういう意味?」
鈴木「『何気に富士』っていうのは、日常の風景と富士山が写りこんだ」
マツコ「狙って撮った富士山よりも、本当に街の中から撮った富士山のほうが、めちゃくちゃ壮大に見える?」
鈴木「見えます」
マツコ「でも確かに、静岡とか山梨のほうとかロケ行って、普通の住宅街から見るとすごいよね。一軒家と一軒家の隙間から見える富士山、怖いくらいデカいのよ」
ナレーション「実は今、SNSでも壮大な景色の中に日常を感じられる写真がたびたび話題に。ということでここからは啓悟くんだからこそ知る、この夏行きたい富士山と日常のコラボ、『何気に富士』が撮影できる絶景スポットをご紹介」
鈴木「近くに住んでいる人じゃないと、なかなか気づかないような撮影スポットです。まず5番目のほんちょう2丁目商店街と富士山」
ナレーション「富士急行線の下吉田駅から徒歩7分で着くのが、ほんちょう2丁目商店街。その一角から撮影できる『何気に富士』がこちら」
マツコ「これ。あたしが言っているのは。あたしが見たやつは富士市っていうところにある吉原本町商店街。なんかあるのよ、こういう商店街が。そこからも見えるのよ、ガーッて富士山が。それがね、強烈なの。本当こういう感じ。これが言いたかったの」
鈴木「すごい壮大。富士山の壮大さが伝わる」
マツコ「ポイントはフコク生命よ。昔はだからにぎやかだったのよもっと。あそこにフコク生命が支店を作るぐらいね。日川時計店だってたいへんだったのよ、きっと。羽振りのよかったおっちゃんがあそこでロレックスとか買った時代もあるわけよ。栄枯盛衰とともに富士は変わらずにあるっていうね。どう?」
鈴木「そうです」
マツコ「ほら。完全に同じ意見になってきたわよ」
鈴木「他にも8番目の」
マツコ「工場?」
鈴木「工場です。イハラニッケイ化学工場」
ナレーション「JR新蒲原駅から南へ下り、海沿いを15分歩いたところにあるこちらの工場で、夜にだけ撮影できる『何気に富士』がこちら」
鈴木「これは工場夜景と富士山」
マツコ「あたしはやっぱりぼんちょう2丁目商店街がタイプよ。オギノじゃない?オギノ。・・・全然違ったね。オギノ違った。じゃあ河口湖ショッピングセンターBELLじゃない?・・・違うね。富士急ハイランドかな、やっぱり。・・・これは卑怯じゃない?これはずるいわ。これはダメ。ノミネートなし。これはなしだわ」


《世界で活躍!レジェンド富士山写真家》


鈴木「僕が神だと思う先輩の富士山写真家を紹介します。世界で活躍する富士山写真家。光と時間を操る魔術師、TAKASHIさん」
マツコ「富士山専門なのね?富士山専門で食っていけるんだ?」
鈴木「知っている中では2、3人くらいしかいません」
マツコ「でも2、3人もいる?富士山写真って需要高いのね」
番組スタッフ「いくらくらい稼げるか知っています?」
鈴木「それが、先輩たちに聞いてもはぐらかされて、教えてくれない」
マツコ「えっとね、あたしの予想だと富士山だけで食べていけないぞ」
ナレーション「啓悟くんが神とあがめる富士山写真家TAKASHIさん。写真歴11年ながら、ナショナルジオグラフィックの表紙を飾るなど、世界的に評価されTAKASHIレジェンドの異名を持つ。そしてそのすごさを感じられる作品がこちら」
マツコ「モノクロ写真なの?なんなの?」
鈴木「これはブルーインクって言われていて、モノクロ写真の上にブルーが少し乗っている。ブルーを乗せるっていう発想が今までなくて、ドラマチックに仕上がる」
マツコ「絵画に近いよね。きれいだなって、作品として飾りたいなとかって、そういうふうには思う。下の色のほうのやつは写真に見えるよ」
鈴木「これはなかなかないシチュエーション」
マツコ「なんだろう、これ」
鈴木「この赤富士に焼けているかさ雲。よく見ると月が上にあるんですけど、場所選びとかこの時間にいたっていうのがすごいです」
ナレーション「他にも、唯一無二の瞬間を収めた圧巻の写真の数々。まさに光と時間を操る魔術師。そんなレジェンド写真家の作品と出会い、啓悟くんにはある悩みができたという」
鈴木「こちらです。これからどういう道に進んでいくべきですか?」
マツコ「は?」
鈴木「夏休み明けまでに決めないといけなくて」
マツコ「いやいやいや」
鈴木「写真の専門学校に行ってちゃんと写真を学ぶべきか、海外とかに出ていろんな景色とか経験を積むべきか、または普通の大学に行くべきか、で悩んでいます」
マツコ「知らないよそんなの。他に興味のあることは全くないの?」
鈴木「全くないです」
マツコ「すごいダサいこと言っていい?普通の大学に行って、富士吉田市役所とかに入るのよ。写真を撮り続ける。それで食っていけるようになったら御の字だし、食っていけなかったとしても安定しているから、市役所は。もしかしたらあと3年くらいしたらカメラ飽きるかもしれないしね。最低だねあたし」


~完~