2022/08/09放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'同居して27年、料理研究家の嫁&アシスタントの舅コンビ'
小林まさみさん(以下、小林)
小林まさるさん(以下、まさる)



番組スタッフ「史上最高齢ゲストの方が」
マツコ「え、今までで?」
番組スタッフ「今までで」
マツコ「今までおいくつだったの?一番高齢の方は」
番組スタッフ「マネキンのゲストの方(欠田誠さん)が84歳で、今日は大きく記録を上回ります」
マツコ「大きく?」
番組スタッフ「はい」
小林「こんばんは」
まさる「こんばんは」
マツコ「え、お若くない?84歳を大幅に更新しているわけでしょう?」
まさる「89歳です」
マツコ「若い。なんでこんな実感がこもって言っているかというと、うちの親父今90だけど全然違う。うちの親父の10年以上前くらいよ。お若い。あたしが今まで出会った90前後の方の中で一番元気かも」
ナレーション「暑い日が続く8月。無性に食べたくなるのがキンキンに冷えたお豆腐にたっぷりの薬味と醤油をかけた、そう、冷奴。今宵、冷奴の第二の人生が開幕。揚げ玉や海苔の佃煮など、家にある食材を乗せるだけ。夏バテ気味でも食べられるヘルシー冷奴から、熱々の具材をたっぷりかけたスタミナ満点のおかず冷奴まで、お盆の食卓にもぴったり、絶品20連発。その魅力を語ってくれるのは、『3分クッキング』でおなじみ、料理研究家の小林まさみさんと、アシスタントを務める89歳まさるさんの嫁舅コンビ。その暮らしぶりにマツコも驚いた」


《70歳で嫁のアシスタントに。マツコも驚いた!数奇な運命》


小林「お父さんから」
まさる「俺からかな。俺はね、樺太生まれなんです」
マツコ「そうだ、うちの親父と同年代だから。うちの親父は満州だし、やっぱり当時は」
まさる「樺太で生まれて12歳で終戦になりました」
マツコ「やっぱり樺太ってすごいでしょ、もう寒いでしょ?」
まさる「寒い。45度っていうの経験ありますよね」
マツコ「マイナス?」
まさる「マイナス。経験あります」
マツコ「数奇な運命よね、樺太で生まれたときはまさか嫁のアシスタントをするとは思ってなかったでしょ、本当に」
まさる「そして15で帰ってきて、20歳から今度、美唄っていうところは炭鉱町で、炭鉱に入りました。20歳から炭鉱に入って、38まで炭鉱にいました。そして38歳で炭鉱をやめて、こんど鉄鋼会社に勤めたんです。そして60歳までいました」
マツコ「でもなんで急にそれでお嫁さんのアシスタントやろうって思ったんですか?」
まさる「いやなんか、本を出すっていうことになったんです。そしたら『アシスタントがほしい、どうしたらいい、こうしたらいい』って言ったんだよね。そしたら俺はちょっとこう一杯入ってたから、そんなの俺がやってやるわって、軽口叩いちゃった。それが運の尽きで、現在までやっています」
マツコ「大変でしたね、本当。え、平野レミさんのアシスタントだったの?」
小林「そうです。縁があってレミさんを紹介してもらって。本当に一番長くお世話になってたんですけど。お父さんもレミさんの仕事を一緒に手伝ったことがある」
マツコ「そうなの?」
まさる「あります」
小林「お父さんのことも『まさるちゃん』って呼んでくれて」
マツコ「もともとお料理好きだったんですか?」
まさる「俺のお母ちゃんが体が弱くてね。子どもが小さい時から入院・退院で繰り返していて」
マツコ「じゃあけっこう家でご飯作るのはまさるさんの仕事だったんだ?」
まさる「そうそう。仕事とあれでずっと10年くらい続いたかな」
マツコ「けっこうご苦労されてきたのね、ずっとね」
まさる「はい、そうです」
マツコ「だからまさるさん、もともとすごくそういう経験もあって、主夫的な目線も持っている方よね」
まさる「そうかもしれないよね。もう今は朝起きたら茶碗の片付けから、掃除機かけて拭き掃除。こうしてもうなんでも全部やります」
マツコ「お父さんがやっているの?」
まさる「あまり苦にならないんだよね。大丈夫だね」
マツコ「いや、なんか、いやいや、良い話だわ」
まさる「まさみちゃんがあんまりにも忙しいようにして、一生懸命夜も昼もやっぱりこれ打ってるしさ。『あんたは仕事に打ち込みなさい、家事一切全部やるから』って軽口叩いたから。そういう軽口叩いた以上はもう。今でもやっています。19年続いています」
マツコ「すごい。いや、うち親父が年齢近いからわかるけど、これ今の若い人がこれをやってますっていうのとはちょっと意味違うからね。たぶんいろんな教育も違うし、社会の環境も違う中で、それでこの柔軟な発想になれている。すごいわ、お父様。あとやっぱりお嫁さんが料理研究家だったっていうのもすごい」
小林「あ、でも違うんですよ。最初は私は普通にOLをしていたので。結婚したときは料理もできなくて」
まさる「俺よりへたくそ」
小林「そうなんですよ」
マツコ「じゃあもうなに?お父さんのほうが全然うまい感じ?」
小林「初めて会ったときに、おうちにお邪魔したら手料理が並んでて。筑前煮とかもこんにゃくがちゃんとクルッて手綱になってたりとかしたのをもてなしてくれたので、私より全然できたんですけど。調理師学校に結婚してから行かせてもらって」
マツコ「ていうか、良い家に嫁いだね」
小林「そうですね」
マツコ「『俺がじゃあ家事やるから学校行け』って言って」
まさる「その時はそう言わなかった。この女何考えてるんだ?」
マツコ「そりゃそうよね、息子と結婚したと思ったら急に『私料理研究家になりたいので学校行かせてください』って言いだしたんでしょ?」
まさる「そうおっしゃったんです。何考えてるんだ!と思って」
マツコ「まあでも結果的にその時に送り出してよかったね、お父さんもこういう形が待ってたんだもんね」
まさる「棚からぼたもち」
マツコ「いやいや、あとやっぱりお父さんの優しさがこれを招いたのよ。なんなの、なんかちょっと一緒に住みたいなと思う」


《醤油以外も実は合う!家の調味料でアレンジ冷奴》


マツコ「でもあたし実は冷奴すごい好きなんです。2丁くらい食べちゃう」
小林「2丁?すごいですね」
マツコ「もうだから今日すごい何気にすごい楽しみです」
まさる「どんな食べ方をするのかな」
マツコ「ご飯に冷奴乗せて食べるの好きなんですよ。ちょっと崩して」
小林「私も温かいご飯に冷たい冷奴を乗せて、ザーサイとかじゃことかネギとか。ガーッて食べるのおいしいですよね」
マツコ「このやろう。おまえら本当に。あたしちょっとみょうがとか大葉とか上に乗せて、ゴマだれで。ちょっと冷や汁っぽくして食べるの好きなんです」
小林「ご飯の上に?」
マツコ「ご飯の上に」
小林「上級者ですね。ゴマだれとか使われて」
マツコ「うわ、上級者だったんだあたし。うれしい」

小林「お父さんが冷奴に対して熱い思いがあるので、ちょっとそれを聞いてください」
まさる「変わらないイコール美しい、はもう古い。冷奴にも第二の人生を。男ってね、仕事をすれば『一生』とか『長く勤める』とか、そんな考えがやっぱりありますよね。まだ『男子厨房に入らず』、そんな考えはもう古いです。ちょんまげ時代の考えです」
マツコ「それはもうお父様の生きざまでもわかるんですけど、その『冷奴の第二の人生』がよくわからないんですけれども。どういう状態になったら第二の人生?あ!でもあたしがさっき言ったのは第二の人生か。ご飯のやつは」
小林「そうです。ご飯もそうですし、ゴマだれもそうですよね」
マツコ「ちょっとお父さん、あたしもう冷奴に第二の人生を歩ませていました」
まさる「じゃあさっそく作っていこうか」
小林「『冷奴に使う調味料なんですか』っていうアンケートでは、やっぱり醤油が上位みたいなんですよね。ポン酢とかめんつゆとかもね、やはり多いのはわかりますよね」
マツコ「まあでもポン酢・めんつゆは醤油寄りではあるじゃないですか」
小林「そうですね」
マツコ「あたしとしてはやっぱりドレッシング以降のアグレッシブな人たちを応援したいなっていうね」
ナレーション「そう、冷奴といえば刻んだネギやおろしショウガを乗せ、醤油をかけるのが昭和から続く王道の食べ方。しかし、実は冷奴には他の調味料も抜群に合うんだとか。それこそがまさるさんの言う冷奴の第二の人生」
小林「オススメの冷奴、お父さんと私が一品ずつ作りたいと思います」
まさる「作っております」
マツコ「うわー、うれしい」
小林「じゃあよろしくお願いします」
まさる「お願いします」
マツコ「お願いします」
小林「まずはみょうがとハムの塩奴。これはお父さんオススメの食べ方です」
まさる「これはみょうがとハム、そしてゴマ油、塩です」
マツコ「もうこの4つだけ?」
まさる「ええ、和えるだけです」
小林「私がお父さんの代わりに切らせていただきます」
マツコ「想像つかないな」
小林「みょうがは縦半分に切って」
マツコ「大好き。本当に好き、みょうが。なんなの、この人って。不思議じゃない?この人って」
小林「そうですね」
マツコ「代わりいないよ、この人は」
小林「ない。確かに。これ水にちょっと5分くらいさらします。あとはですね、ハムは半分に切ります」
マツコ「ハムが入るの?」
小林「これ細く切ったので、みょうがとハムを和えます。じゃあお父さんこれよろしく」
まさる「今度ごま油を入れます。そして塩です」
小林「お父さんはよくキャベツで作るんだよね」
まさる「そう、これにキャベツを入れて作るんだけどもね」
マツコ「冷奴じゃなくて、これと茹でたキャベツで?それもおいしそうね」
まさる「でも今日はね冷奴なので、これをトッピングします。ここに乗せます。ドサッ、男盛り。これで完成です」
マツコ「いやー、おいしそう」
小林「豆腐は絹です」
マツコ「それぞれ好みですけど、あたしはもう絹です」
小林「塩の奴には絹がもうよく合うね」
まさる「絹が合います」
小林「もう一品は私がオススメの食べ方で、アンチョビバター奴というものです」
マツコ「しゃれおつな。アンチョビバター奴?」
小林「冷奴の第二の人生なので」
マツコ「第二の人生どころか、もう輪廻転生みたいな。アンチョビバター奴。あ、でも熱するんですか?これ系ね」
小林「使うのはバターとアンチョビ、あとはローストしたアーモンド。これがなかなか良い役目をしていまして。フライパンで炒ってあるんですけど。これを炒めます」
マツコ「そりゃ『醤油しかないです』って言っているやつにしてみたら、『はあ?』だよね」
小林「アンチョビとあとはバターを入れて、アンチョビをちょっと溶かします」
マツコ「そうなのよね、この熱した油系をこうジュっとかけるのも、おいしいのよね」
小林「そうですね、冷たい冷奴に温かいバターが乗ると、なんかちょっと固まりそうでちょっと想像がつかない人もいると思うんですけど、これがすごく合うんですよ」
まさる「バターが本当に合います。食べています」
ナレーション「バターが溶け、アンチョビの香りがたってきたらオッケー」
小林「バターが溶けて、アンチョビも溶けたので、これをかけます」
マツコ「早く。早めによ。熱いうちにね」
小林「その上にですね、アーモンド。これがすごい本当にいいんですよ。イタリアンパセリ」
ナレーション「仕上げに黒コショウを振れば」
小林「これで完成です」
マツコ「いや、うれしい。ねえねえ。今日は無いのね?だって普通冷奴、ビールか焼酎か日本酒くらいないと。冷奴単独でいくか?生きてて冷奴単独あるか?」
小林「あ、ビールだ」
マツコ「おいしそうだわ。ありがとう。これどっちが先がいいだろう。熱いうちのほうがいい?」
小林「そうですね」
マツコ「じゃあまず」
小林「まずアンチョビバター」
マツコ「まさみさんのほうから。いやー、ねえ。おいしい。やだわこれ。もちろん冷奴でもおいしいんだけど、バゲットとかに塗ってもおいしそうね」
小林「そうですね。茹でたブロッコリーとかにかけても」
マツコ「ああ、おいしい。万能。みなさん作って。万能だれ。いや、おいしいわ。でもあたしこれやっぱり冷奴が一番合う気がする」
小林「そうですか」
マツコ「バターっていうよりはちょっと焦げ目を感じる。すごいバターが果たしてて。おいしい」
小林「もう塩は何もしていないので、味付けしてないのでアンチョビだけなんですよ」
マツコ「すいませんね本当に。次じゃあお父様のね。いやもうこれ。これはだってなんかヤダ。これもいろいろ使えそうよね」
小林「たぶん麺とかにも合うと思います」
マツコ「そうね、おそば、おそうめんに合う」
小林「そうめん良いですね」
マツコ「すごい合う、これ。絶妙なのよ、このハムが。なんて言ったらいいんだろう。『ハム!』って感じではないのよ。でもなんかこのうまみの要素になってるのよね」
小林「みょうがと合うんですよね」
マツコ「そう、めっちゃ合う」
まさる「ごま油も良いよね」
マツコ「あと何がすごいって、お父さんすごいわ。ごま油とかお塩とかハムとかみょうがとか、けっこう主張が大きめのものが入っているんだけど、もうまろやかになってるの。うわ、おいしい。やっぱりね、冷奴本当にすごい。冷奴ってすごい」
小林「そうですね。醤油もいいんですけれども、そういうやっぱり醤油以外の調味料で楽しんで、第二の人生を楽しんでほしい」
マツコ「たまにふるさとに帰ってね、醤油としょうがとね」
小林「そうですね。食べていただいた塩味とアンチョビバター以外にも、オススメの食べ方があるんです」
ナレーション「そう、他にも冷蔵庫の中にある調味料や食材で、簡単なアレンジ冷奴が作れるんです」
小林「上から説明すると、ニラを使ったものはオイスターソースとごま油なんかが混ぜてあって、中華風の味付けなんです。その隣はケチャップ。ミニトマト半分に切ったものを炒めるんですけれども。醤油、ケチャップ、ニンニクなどと一緒に炒めています。これはですね、トマトがちょっと周りが崩れるくらいまで炒めるのがポイントです。うまみが出ます。ケチャップだけよりは、醤油が入ったほうが冷奴と一体感が出るんですね。味が締まりますね。その隣はわさびはちょっと冷奴に合わせることって少ないと思うんですけど、すごい合うんですよ。わさび醤油の上におかかを乗せています」
マツコ「でもあたし、お醤油で食べるときはわさびですよ」
小林「そうですか。からし醤油っていうのも合うんですけど、わさび醤油もよく合いますよね」
マツコ「わさびとお塩とかも食べます」
小林「わさび塩。日本酒が合いそうですね」
マツコ「おいしい」
小林「あとはマツコさんが先ほどおっしゃっていた油ジューなんですけども。ネギ山椒ですね。長ネギのみじん切りと山椒。あとは塩ですね。それをかけた上に熱々のごま油をかけて、ネギの香りをたたせます」
マツコ「絶対ウマい」
小林「熱々をかけると、ネギの香りがたって香ばしくなります」
まさる「ちょっと日本風でありながら、塩油をかけるとかって、そういうのはない。お気に入りです」
マツコ「あたしこれが、今日その中では、あれでしょ、ゆかりみたいなやつでしょ」
小林「そうです」
マツコ「いや、やってみる」
小林「オリーブオイルと」
マツコ「やってみるわ!これは喜び」
小林「もうかけるだけなので簡単です」
マツコ「オリーブオイル?ゆかりにとっても第二の人生」
小林「そうですね。あと最後は市販の海苔の佃煮なんですけど」
マツコ「これはあたし豆腐と並んで海苔の佃煮も好きなので」
小林「甘みがあるので、ちょっと香りのある三つ葉ですね。茎の部分だけを乗せました」
マツコ「あたしはちょっと贅沢になってしまうんですけど、目玉焼きと海苔の佃煮」
小林「それを冷奴に?」
マツコ「でも目玉焼きの黄身しか使わないんです」
小林「あら」
マツコ「だからあれに海苔の佃煮をもうグチャグチャって混ぜちゃうんですよ、真ん中で。それにつけて食べるみたいな感じ」
小林「やっぱりやわらかい黄身のほうが」
マツコ「のほうがおいしいです」
小林「やわらかい豆腐に合いますね」
マツコ「絶対おいしいです」
小林「食べたことないです。今度作ってみます」
マツコ「えらそうなこと言っちゃった」
番組スタッフ「ゆかりありますけど、食べますか?」
マツコ「食べたい。こんなにかけるの?」
小林「たっぷりかけたほうがいいんですよ」
マツコ「ああ、なるほど。確かにこれいっぱいかけたほうがいいわ」
小林「赤じそふりかけはたくさんかけたほうが」
マツコ「ああ、ウマいな」
小林「ちょっと梅の風味と、あと塩の味」
マツコ「ビールじゃないな。白ワインか日本酒がいい気がする。うん、やっぱりね、お豆腐は0kcalだから」


《そぼろ!豚キムチ!カレー!夏バテ防止!おかず冷奴》


小林「続いてアンケートをとったんですけれども、その結果をちょっと見てください」
まさる「豆腐は何を作りますか?それから好きな豆腐料理はなんですかという」
マツコ「なによ、この感じだとなんか妥協していますみたいになってるじゃない」
小林「そうなんですよ。『豆腐でなにを作りますか?』っていうのには、冷奴が1位なんですけども、『好きな豆腐料理は?』っていうところでは5位なんですよね。豆腐料理としては脇役というか、おまけというか、都合の良い料理、というふうになんかとれちゃう」
マツコ「いや、本当によくない。都合良い、これ良くないわ」
小林「冷奴だってもう立派なおかずになれるように、ちょっとお父さんから一言」
まさる「もう『おまけ』なんて呼ばせない!冷奴だって立派な料理。『おかず』にだってなれます。冷奴もなんていうか、どうしてもサブ、脇役になるよね。どうしてもなりがちで。俺と同じで、アシスタント、サブ」
マツコ「確かにあたしも冷奴好きですけど、メインのおかずかって言われると」
まさる「そうですね。ちょっと手をかけるとウマいものになると。ウマい食べ方があると」
小林「基本ご飯の上に乗っておいしいものとか、麺の上に乗っておいしいものっていうのは、冷奴の上に乗せておいしいんですよ。なのでそのように具がたっぷり乗ったおかずにもなるような冷奴を、我が家ではおかず冷奴って呼んでいるんですけども」
マツコ「極端な話、あたしカレーもかけるのよ。そういうことよね?」
小林「そうです」
マツコ「そういうことよね」
ナレーション「ということで、小林家の食卓の定番、おかず冷奴ベスト5」
小林「こちらですね」
マツコ「あー、高菜そぼろ奴、ウマそう」
まさる「まず5位からね」
小林「5位からですね。卵とじ奴は、甘辛い味付けのだし醤油に、シイタケとタマネギをやわらかく煮ています。といた卵を回し入れて、揚げ玉を入れるのがポイントです。コクが出ます。ふんわりと半熟に火を通してください。水切りした木綿豆腐を水っぽくならないように使っています。ご飯に乗せてもよく合います。その隣は聞いただけでも合うと思うんですけど、ちくわとバターを使っているんですね。バターでちくわを炒めるんですけども、焼き目がつくまで炒めるのがポイントです。バターとちくわはよく合いますからね。そこに味付けは醤油とみりんだけです。絡んだらこれを冷奴の上に乗せます」
マツコ「あれ黒いのは?」
小林「海苔です」
マツコ「海苔!」
小林「海苔はもうマストで、乗せたほうがおいしいんですね。炒めたちくわと海苔を乗せてあります」
マツコ「おいしそう」
小林「第3位が、マツコさんが気になってくださった高菜そぼろ」
マツコ「絶対おいしいわ」
小林「ごま油で豚ひき肉をぽろぽろに炒めるんですけども、そのあとに高菜漬けのみじん切りと、あとは唐辛子ですね。味付けは醤油と酒ですね。シンプルなんですけど、高菜漬けの味で決まりますね。これは寄せ豆腐、木綿豆腐になる前のやわらかいお豆腐なんですけど、それに乗せています。2位は、もうガッツリと豚キムチ奴で、炒める油はサラダ油じゃなくてマヨネーズを使っています。そうするとコクが出るんですよね」
マツコ「だから油は使わずに、マヨネーズで調理する?」
小林「はい。豚キムチを作って、ニラとすりゴマも入っています」
マツコ「これを抑えての1位?やだ、カレーじゃない?」
小林「1位は私が調理しているところをお父さんが初めてGoProを使って撮影してくれました」
マツコ「うわー、すごいわ」
まさる「いつも撮られるほうだけど、今日は撮るほうです」
マツコ「89歳がGoProで嫁を撮るっていうね」
ナレーション「冷奴大好き小林家の定番おかず冷奴、栄えある第1位は」
まさる「まさるです。よろしく。今日は我が家をちょっとだけ紹介します。まずうちにヴァトンっていう犬がいるんです。それを今呼んでみます。ヴァトンおいで。ここがキッチン。まさみたんちゃんが仕事しているところです。今日はなんだ?何作るんだ?」
小林「冷や奴。そば屋さんのカレー奴」
マツコ「ちょっとあたし一緒に住めるね!似たようなことしているのね」
小林「はいそうです」
マツコ「ヤダー」
まさる「醤油も入るんだ」
小林「そば屋だから」
まさる「そば屋だからな」
小林「大根とニンジンね。これを火にかけます。煮立ったら肉を入れます。今日は挽き肉で手軽に。切らなくていい。じゃあ入れます」
まさる「手抜きだ」
小林「手抜きではない」
まさる「こればかり映したらダメだから、まさみちゃんの顔映してやろうか。こっち見て笑え。良いねえ」
小林「あとは今日は手軽にカレールウ。刻んであります」
マツコ「お父さん意外と的確なポジションで撮ってるよね。すごい」
小林「これだと普通にカレー味なので、そば屋さんのカレーはダシが入っているから、削りがつおを入れる」
まさる「日本風にするんだ」
小林「はい。これ入れますよ。入れるところ撮ってください。それでダシ代わり。このとろみがついたほうが豆腐に絡むから、様子をみながら入れます」
まさる「おお、ウマそう」
小林「はい、できました。冷奴の上にカレーを」
まさる「カレーをドサッとかける」
小林「そうするとヒヤアツだよね」
まさる「豆腐は冷たいけどカレーは熱い。このカレーもウマそうだよ。ウマいと思うよ、これね、和風で」
ナレーション「というわけで、1位はそば屋さんのカレー奴」
マツコ「すごいおいしそう」
小林「1位が当たっちゃいましたね」
マツコ「やっぱりみんな冷奴好きはするのね。うわ、おいしそう。しかもご飯ついてるじゃない。うれしいわ。まずこちらだけで。いただきます。あたしこのおそば屋さん風はやったことなかったの。やっぱり合うね、豆腐とね」
小林「合いますよね。削りがつお入っているんですよ」
マツコ「けっこう簡単だったもんね、作り方もね」
小林「そうです。ダシも使っていないので簡単ですね」
マツコ「おダシとるってなるとね、大変だけど。かつお節でいいから。本末転倒なこと言っていい?ちょっとこれだけでご飯にかけて食べてみていい?」
小林「我が家もやります」
マツコ「今日別に冷奴の回だから言っているわけじゃなくて、あたしこれは冷奴のほうが合う気がする」
小林「ちょっと優しい感じにまとまりますよね」
マツコ「両方かけてみよう。あたしこうつぶすのが好きなの。ご飯とカレーだけだったときよりも、冷奴と一緒のほうがおいしい」
小林「そうですよ。麻婆豆腐がご飯に合うんだから。おかず冷奴はご飯に合うんですよ。今は挽き肉バージョンを食べていただいているんですけど、我が家だと豚のバラの薄切りで作ったりもします」
マツコ「これあと、大人の方はけっこう七味かけたほうがいいかも」
小林「合いますね」
マツコ「すごい合う」

ナレーション「今回人生初のGoPro撮影をしたまさるさん。実は他にも最近始めたことがあるとか」
マツコ「いやだから、いろんなことにチャレンジする柔軟性もすごいけど、例えば男はこうあるべきとか、女はこうあるべきとか、主婦はこうだとかそういうのも、なんかこうすごいわ、無いね」
まさる「無い」
マツコ「すごい。こんなおじいちゃんいないよ」
小林「なんか割と新しいことにチャレンジすることとか、冒険したりとかすることが、昭和一桁なんですけどあんまり恐れないでやるほうなんです。コロナでお父さん年齢的に仕事がちょっと減っちゃった時期があるんですけど、それを見て家族で『じゃあお父さん仕事が来ないんだったら自分から発信したほうがいいんじゃないか』って言って、去年YouTubeを始めたんですよ。いろいろ今がんばっているんです」
まさる「がんばっています」
マツコ「お父さんバンダナ取ると印象が違いますね。『新企画まさる24時』っていうのもあるわよ。『実録まさる恋話』っていうのもあるわよ」


《奥様必見!手抜き感ゼロ。お酒に合う!おつまみ冷奴》


小林「続いてはですね、おつまみの冷奴です」
マツコ「わ、ヤダ。ここからがおつまみなの?」
まさる「手抜き感ゼロ。旦那も舅も喜ぶ、3分で作れるおつまみ冷奴。キーワードはなんだかな?」
マツコ「お父さんだんだん上手になってきたわね」
小林「我が家の夫もお父さんも、酒が好きなんですよね、お酒が。つまみに冷奴を出したりもするんですけど、なにか一つキーワードとなるものを発見できたんですよ。いろいろ作っていくうちに。じゃあお父さんお願いします」
まさる「はい、食感の刺激」
マツコ「足らないよ、これポイントってどういうことよ?」
小林「冷奴って絹でも木綿でもやわらかいじゃないですか、基本。やわらかいので、そこに食感のあるものを乗せると満足感もあるし」
まさる「脳にも良いかな」
小林「お父さんの年齢の脳にも良いし。食べたときにアクセントになるんですよね」
マツコ「冷奴っておいしいんだけど、唯一途中でちょっとほしいなっと思うのって、歯ごたえだったりなんだよね」
小林「そうですね。そんなときに上に食感の刺激のあるものを乗せるといいんですよ」
ナレーション「というわけで、酒好きまさるさん厳選、食感の刺激が楽しいおつまみ冷奴」
小林「食感別に書いてみましたが、カリカリだったりポリポリだったり、いろいろ。シャキシャキだったりとかありますね」
マツコ「明太子はね、最近控えているの。あたし遅咲きだったんですよ、魚卵デビューが。苦手だったんですけど克服してアホみたいに食べていたら一気に尿酸値が上がりまして。控えております。ただちょっとやっぱり久々に見ちゃったら。明太子いってみますか?そうやって出てくるシステムではない?」
ナレーション「冷奴の上にたくあんやじゃこなど、食感のあるものを乗せると、ボリュームも出て満足感アップ。冷奴が手の込んだおつまみに大変身。中でもまさるさんお気に入りの2品をマツコが試食」
小林「お父さんの好きな焼酎と一緒に」
マツコ「あらいいわね。お父さん焼酎何が好きなんですか?」
まさる「焼酎はね、麦焼酎が好き」
マツコ「やっぱりね、一時みんな芋にいくのよ」
まさる「さつも芋焼酎はちょっと甘くてね」
マツコ「わかります。料理はやっぱり麦がいいですよ」
まさる「麦が好きだね」
マツコ「麦焼酎は樽ごといける。樽じゃないか。焼酎だからかめか。あー、きちゃった。あたしちょっと、あの、ソーダ割りも作って。みなさんでいくんだ。いいねいいね」
まさる「俺は割って飲まないの」
マツコ「お父さんお湯?」
まさる「生で飲むの?」
マツコ「そのまま?ストレート?」
まさる「飲んべえで。俺の阿吽は『涙こぼしても酒こぼすな』」
小林「座右の銘です」
マツコ「座右の銘なのね」
まさる「俺も一杯いくかな。いただきます」
マツコ「お父さん乾杯してくれないの?つられて飲んじゃったわよ、あたしも。お父さん乾杯しないと。ここはお父さんに音頭をとっていただいて」
まさる「じゃあ乾杯」
マツコ「シンプル。乾杯。シンプルね、お父さん」
まさる「いただきます」
マツコ「水もウマいね」
まさる「ウマいな」
マツコ「あ、明太子きた。久しぶりに解禁。明太子解禁しちゃう」
小林「お父さん、マツコさんが食べる前に」
まさる「は?」
マツコ「いやお父さん、一緒に食べちゃおう。いただきます」
まさる「明太子はやっぱりウマいな。北海道だから」
マツコ「お父さん、これはアテよ。合うね。ウマいね」
まさる「合うね、酒に」
マツコ「これはやっぱり飯じゃないわ。アテだわ」
まさる「どんぴしゃりだね」
小林「油で赤唐辛子とおろしニンニクをきつね色になるまで炒めます。明太子をほぐしたところにジュッてかけると、火が通ったところと通っていないところでプチプチとした食感が味わえます。これを混ぜたらできあがりなんですけど、ニンニクの風味がきいていて、とてもおいしいです。絹ごし豆腐にかけてイタリアンパセリを乗せました」
マツコ「でもこれご飯でもおいしそうだな」
小林「そうです。ご飯でもいいし、うどんに和えてもおいしいです」
マツコ「うどんおいしそう」
小林「今食べようとしているものは」
マツコ「あれ?これ木綿だね」
小林「はい、木綿豆腐を使っています。その上にカリカリとした食感の揚げ玉と、万能ネギの小口切りをふります。あとはめんつゆをかけると、カリカリっとした食感がとてもおいしいですね。揚げ玉のコクがあるので、揚げ出し豆腐のような味わいになります」
マツコ「ああ、なるほど。あら」
小林「カリカリっとした食感が」
マツコ「あらいいわ」
小林「これ今食べていただいたおつまみの冷奴なんですけど、下の豆腐がですね、実は我が家が好きな京都の『久在屋』さんっていうお豆腐屋さんがあって」
マツコ「木綿も絹も?」
小林「両方なんですけど」
マツコ「あたし絹派って言ってたじゃない?この木綿おいしい」
小林「国産の大豆だけではなく、地大豆も一緒に使っているんですね。品種改良していない昔ながらの大豆なので、風味がけっこうあるんですよね」
まさる「豆腐っていう味だな」
小林「豆腐の豆の味がね」
マツコ「ね、おいしい」
まさる「俺も飲むときはよくまさみちゃんに外で仕事するときね、『お父さん晩ご飯作っておいて』って言うんだよね。そうすると俺だいたい1時くらいからかかるんだよ。そしたら焼酎1本ポンと置いて」
マツコ「お父さん何?夕飯を昼の1時から作るの?」
まさる「うん」
マツコ「うわー、それけっこうじゃあすごいちゃんと作ってくれるんだ?」
まさる「だいたい6時くらいまで4品から5品作るね」
マツコ「4、5品?」
まさる「作ります」
マツコ「これちょっとさお父さん。あたしすごいお父さんすごい好き」
ナレーション「そんなまさるさんに直してほしい部分はないか、聞いてみると」
小林「あります。お父さん寝るときパンツ一丁で寝ている」
まさる「樺太のときから、マイナス30度。それでも絶対『パンツ一丁で寝ろ』って言われている。そういう教育を受けている」
長男・のりさん「親のせいにするの?」
まさる「どうしてもダメだって言うなら、俺は家を出るよね」
マツコ「最先端家族ね」
小林「そうですか?」
マツコ「すごいわ、お父さん。尊敬いたします、本当に。すごい。このお二人の関係性にすばらしいと思う」
小林「ありがとうございます」
マツコ「出会いがよかったんだろうね」
まさる「そうですね。そういうふうになるのかね。でもね、けんかはしょっちゅうするんだよ」
マツコ「でもけんかするから次のステージにいけるわけじゃない?みんな黙ってさ何も改善しないでいるよりもさ」
まさる「けんかしても10分くらいでどっちか話しかける。どうせ一生いるんだからね。黙ってムッツリしてたってしょうがないんだし」
マツコ「お父さんの場合は、あとも本当に下手したら120歳くらいまで生きそうな予感がするわね。ちゃんと解決しておいたほうがいいわよね。なあなあにしないでね。まだ先長いから」
ナレーション「そんなまさるさんには、20歳から作り続けている最強のおつまみ冷奴があるという」
まさる「それはね、まさる漬けの冷奴です」
マツコ「まさる漬け?」
まさる「ちょっとこれは青唐辛子だから、辛いんです」
マツコ「好きです!大好き大好き」
小林「辛いの大丈夫ですか?」
マツコ「いただきます。まずちょっとあたしはね、辛いの平気なオカマなので、ちょっとこれだけでね」
まさる「辛いですよ?」
マツコ「あ、ウマっ。日本酒いきたいね、これ。もうぶっちゃけつまみは塩でもいい。酒好きが作った感じ。豆腐付きでいきます。まさる漬けwith豆腐。a.k.a.のほうがいいかな、最近は。これみなさん、お豆腐と食べると信じられないくらいマイルドになる。これだけで食べたときの差が、辛いのそんな得意じゃない人もお豆腐と一緒だったらいけると思う」
ナレーション「ご家庭で簡単に作る方法がこちら。フライパンで青唐辛子を炒め、こんがり焼き色がついたら醤油とナンプラーで味付け。さらにホタテの缶詰を汁ごと加え混ぜたら、保存容器に入れ冷蔵庫の中へ。1週間以上経てば食べ頃。細かく刻んで絹ごし豆腐に乗せれば、ピリ辛まさる漬け奴のできあがり」
小林「まさる漬けとご飯ももちろん合うんですけど、卵かけご飯にそのまさる漬け」
マツコ「ああ、わかる!」
まさる「これはウマいですよ」
小林「あと目玉焼きにも合うし、あとお父さんよく作るのね」
まさる「おにぎりなんかにも入れたら」
マツコ「あらおしゃれ」
まさる「チャーハンとか焼きうどんにも」
マツコ「チャーハンね。チャーハンに入れてよみんな。だってお父さんも相当がんばられたと思うよ。この柔軟性を、89歳の昭和8年?」
まさる「昭和8年です」
マツコ「あの教育を受けて、あの社会で世に出て、急に最先端脳にはならないと思うのよ。だからきっと日々クソッと思ったり、なんでだ!って思うのを、お父さんなりに解消しながら今みたいな脳みそになっていたんだとおもうんだよね、お父さんって」
まさる「石炭の硬いところ、鉄の硬いところを仕事をして、180度転回して料理の仕事。自分でもびっくりしている」
マツコ「すごい。あとやっぱりレミさんのところにいたって大きいよね」
小林「大きいです」
マツコ「その家族の形みたいなものを、『ああ、ひとつじゃないんだ』っていうさ」
小林「家族に接するひとつひとつを見てきたので」
マツコ「まさみさんのほうもそれでアップデートしただろうし」
小林「あとレミさんからもらう愛情みたいなの、すごい感じていて、私が初めて本を出したとき」
マツコ「自分の話が終わったら飲み始める。ごめん、あたしも飲むわ、そしたらもう」
まさる「のんべえだからね。どうしても目の前にあると飲んじゃう」
小林「初めて本を出したときに、レミさんが帯を書いてくれて。私がお父さんをアシスタントしてくれたから、一番最後に『スタッフとして名前を載せてください』って出版社の人に言ったら、ちょっと反対されたんですよ。家族だからちょっとこう、そういうのはやめたほうがいいって言われて。そうしたら、その話をしたらレミさんが出版社の人に『まさるちゃんの名前を書かないなら私は帯は書かないわ』って言って。それで初めてお父さんの名前も出た」
マツコ「なんかちょっと良い話すぎて、なんか欠点を探したくなってくるわね。なんでよ本当に。なんかすごい良い家族ね」


~完~