2022/07/26放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'世界30か国1000以上の洞窟を探検した洞窟ハンター'

吉田勝次(ヨシダカツジ)さん(以下、吉田)



ナレーション「自宅にいながら美しく神秘的な光景が楽しめると人気を集めている洞窟動画。しかし、映像で見るのと実際に行くのとでは全く違う楽しさが。しかも猛暑の中でもひんやりと過ごせる、絶好の避暑スポット。そんな絶景洞窟の魅力を教えてくれるのが27年間で30か国、1000以上の洞窟を探検、日本一の洞窟ハンター吉田勝次。そんな吉田さんがこの夏気軽に行ける日本の洞窟から、想像を超える世界の絶景洞窟までご紹介」


《洞窟にハマったきっかけ!吉田さんの壮絶人生》


吉田「こんな僕が洞窟にハマった人生を」
マツコ「ていうか、もともと何をやられている人なの?」
吉田「こんな感じなんですよ。15歳である日突然、学校から帰ったら家族がいなかったんですよ。家族がいきなり離散して」
マツコ「えっ、学校から帰ったら、もう一家離散してたの?」
吉田「いなかったんですよ。父親がちょうど家から出てくるところで、なんか『おまえも大人になったら俺の気持ちがわかる』って言って、それっきりですよ」
マツコ「えー?やっぱり勝次は見ててなんか惹かれるものがあると思った。とんでもない人だったわね」
ナレーション「だが吉田さんはその状況に負けることなく、21歳で建設会社を起業し大成功。しかし、お金を稼いでも満たされない自分に気づき、28歳のとき、人生初の洞窟探検へ」
吉田「洞窟って、究極のドキドキワクワクって言ったらいいのかな、簡単に言うと。命がけだけど、それに見合う感動を与えてくれる」

マツコ「でもすごい。開拓じゃないけど、未知のものを切り開いていくことはあんまり世の中ないじゃなたあ。それの喜びはすごいあるんだろうなっていう。やれないけど。あたしは冒険家の心だけはあるから。いろいろ冒険をおかしたうえでこうなっているんだからね」


《マツコでも気軽に行ける!日本の絶景洞窟6選》


吉田「実は洞窟、日本にも3000以上あるといわれているんですけど。世界にも負けない日本の絶景洞窟があるという。ちょっと僕が適当なやつをまとめてみました」
マツコ「適当なやつって。もうちょっとちゃんと選んでよ」
吉田「僕が適当ではない、ちゃんと選んだやつです」
マツコ「あのね、あたし秋吉台とあぶくま洞と龍泉洞は行ったことあるわ」
吉田「けっこう行っていますね」
マツコ「あたし今名前見てピーンと思い出した。秋吉台はすごかったわよ、本当に。外の秋吉台って呼ばれているところも、なんかあそことんでもないわよ。日本じゃないみたいよあそこ。スコットランドとか、そっちっぽいよね」
吉田「そうですね、海外、景色は」
マツコ「洞窟の中もすごいし、なんかあそことんでもないわよ。日本じゃないみたいよ、あそこ。棚田みたいになってるのよね。そうそう、これこれ」
吉田「ここは唯一世界レベル。日本だとやっぱり。本当に代表的な洞窟がある場所ですね」
マツコ「展望台とかもちゃんとあるから、外見るのとかも、歩くは歩くけど。…なんでこんな宣伝しているの?山口県観光大使とかやってないからね、あたし。あぶくま洞もけっこう大きかったわよ」
吉田「あぶくま洞って実は壁全部大理石でできてるんです」
マツコ「えっ。あれ大理石なの?」
吉田「大理石です」
マツコ「これもなかなかスケール的には日本っぽくないよね、こんな空洞があって、こんな大理石で」
吉田「ここの鍾乳石も世界レベル」
マツコ「これは修学旅行で行った。3つ行ってたのすごくない?」
吉田「まあすごいですよ。日本三大地と言われているもののうちの2つ行ってますからね」
マツコ「どれが三大なの?」
吉田「秋芳洞と、ここにある龍泉洞なんですけど。あと下の龍河洞ってやつ」
ナレーション「岩手県岩泉町にある龍泉洞の見どころは、なんといっても世界有数の透明度を誇る青い地底湖。そして三大鍾乳洞の中でも、最も神秘的だと言われているのが、高知県にある龍河洞。その理由が」
吉田「弥生式土器が閉じ込められている、鍾乳石の中に」

マツコ「えっ。土器を鍾乳石が囲っているの?本当だ。すごい」
吉田「これは僕3回行っちゃいました」
マツコ「これは神秘的ね。すごいね」
吉田「神の壺と呼ばれているけど、そのままだなと思って」
ナレーション「気軽に行ける日本の絶景洞窟。中でも夏にオススメなのが、富士山のふもとにある鳴沢氷穴」
吉田「今時期に、暑いので涼を求めて。一年中これ氷あるので。夏でも3度ですから」
マツコ「いいね、清涼感が」
吉田「そうなんですよ。こういう絶景も見られるし、冷たくて気持ちいい。天然のエアコン」
マツコ「エアコンにしては寒すぎるわよ」
吉田「あとはマツコさんに一番オススメなのは、天窓洞っていうんですけど、これは船で行けちゃうんですよ。乗ればいけます」
マツコ「歩かなくていいからね。あ、これあたし上から見たことある」
吉田「上から?」
マツコ「なんか上からのぞけるようになってるのよ」
吉田「僕は下からしか船でしか行ったことないんですよ。きれいですよね」
マツコ「堂ケ島のほうのバス停みたいなのがあるのよ。その堂ケ島の中心地に。そこからちょろって行くと、上からのぞけるようになっていて。ポカッて穴あいている部分」
吉田「上から行く人少ないと思いますよ」
マツコ「え?けっこうみんな見ていたわよ。あなた潜ってばかりいるから知らないだけよ。上からもけっこう名所になっていたよ」
吉田「そうなんだ」


ナレーション「場所によって全く違う光景が広がる洞窟。いったいどうやってできあがるのか?」
吉田「だいたい洞窟って3種類くらいにわけられるんですよ。1つは鍾乳洞も入るんですけど、石灰洞窟っていう、酸性の雨水に石灰岩が化学反応で溶かされてできたのが」
マツコ「まあ一番多いタイプよね」
吉田「一番多くて、一番距離が長くて、この鍾乳石ができるのが何千年何万年、何十万年かかるんですよ」
マツコ「理屈はわかるけど、すごいことよね。雨で浸食して、この規模のものができるって」
吉田「すごい途方もない」
マツコ「とんでもない年月をかけてできてるわけだからね」
ナレーション「さらに、海の波の浸食によってできた海食洞窟、火山の噴火によってできた火山洞窟など、長い長い地球の歴史の中で生み出されてきたのだ。そんな洞窟をより身近に感じるには、洞窟を探検するのが一番。そこで今回、吉田さんが25年間探検を続けているという、岐阜県の洞窟へ。探検の前は地権者の許可を得たり、万が一のときのことを踏まえ自治体に入洞申請を出すなど安全に配慮しておこなっている。果たして吉田さんが25年間探検している洞窟とは?そこに現れたのは洞窟というよりわずか50センチメートルほどの岩の隙間。吉田さん、スルスルっと洞窟の中へ。その中はというと、大人でも十分立てるくらいの空間が。全長およそ1キロメートル、迷路のような道を通って絶景ポイントを目指す。果たしてこの洞窟の中にいったいどんな光景が広がっているのか。泥まみれになりながら進むことおよそ1時間。最後の難所はバッグひとつぶんほどのこの小さな穴。お金と時間があっても手に入れることのできない究極の贅沢空間がこちら。地球が作りだした自然の芸術作品、地底湖。ここで吉田さんのお気に入りがこれ、地底湖コーヒー」
吉田「うまっ。やっぱりね、こういうところで飲むからウマいんだよね」
ナレーション「以上、岐阜県の山の中に潜む神秘の地底湖でした」
マツコ「完全に入れませんから。うちひしがれるわよ、あれはもうね。もし行きたいっていう人がいたら、タイミングさえ合えばいっしょに行けるわけだ?」
吉田「年に何回か吉田が連れていくスペシャルツアーっていうのを企画して」
マツコ「すごい。なんか田崎さんが連れていくワインツアーみたいな言い方したわね。吉田勝次の連れていく洞窟ツアーがあるのね」
吉田「そういう感じです」
マツコ「装備も最初は貸してくれるの?」
吉田「全部貸します。ヘルメット、ライト、つなぎ、長靴などすべての装備が借りられる」
マツコ「じゃあちょっと体力に自信があって興味がある人は手ぶらで行っても」
吉田「だから体力なくても普通に歩ける人ならだいたい行けます」
マツコ「本当?あれを?」
吉田「なぜかって言うと、山登りみたいにこんな坂を大きな荷物背負って上がるキツさじゃないんですよ。コツコツ這いずったりするだけ。そんな別に心肺能力もいらないし」
マツコ「お風呂掃除できる人だったらできるわね」
吉田「できます。もう本当にそのレベルで全然良い」
マツコ「本当ね?」


《洞窟ハンターも驚愕!ヤバすぎる世界の絶景洞窟》


ナレーション「世界で最も有名なイタリアにある、『青の洞窟』。大理石でできたチリの『マーブルカテドラル』。ダイビングが楽しめるメキシコにある世界遺産『セノーテ』など、世界には日本とはスケールの違う美しい洞窟が。そこでここからは世界30か国を潜った吉田さんも驚いた、奇跡の絶景洞窟をご紹介。まずは」
吉田「僕がオススメなのは、アメリカの『レチュギア洞窟』っていうところなんですけど。世界一きれいな洞窟なんですよ。あまりにもきれいだから汚さないために、普通の人が今入洞制限かかって入れないですね」
マツコ「ちょっと待って。218キロメートル?」
吉田「はい。まあ中堅クラスですね」
マツコ「えっ、218キロメートルで?」
吉田「はい。世界で一番長い洞窟は660キロメートルくらいあるので。もう50年、60年くらいかけて測量しますね」
ナレーション「そしてメキシコ『ナイカ鉱山』の地下300メートルにある洞窟は」
マツコ「なにこれ?」
吉田「これもすごいんですよ。これは石膏の結晶なんですけど」
マツコ「映画観てるみたいね、あの探検隊の人の規模といい」
吉田「これはすごいですね」
マツコ「これすごいわ。なんかもうセットみたい」
吉田「セットみたいですよね」
ナレーション「そして特に思い入れがあるのが、中国・重慶の深さ300メートル級の縦穴洞窟。実はここを探検している最中」
吉田「仲間が上から石を落として、直撃したんです」
マツコ「えー!」
吉田「ちょうどヘルメットをかぶっていたので、左側の側面が石に当たったんです。軌道がそれて肩に当たってここがバーンって骨折して。でもこれ2発目3発目もし当たったら、もう生きて出られないからとりあえず登ろうと思って」
マツコ「どうやって登ったのよ」
吉田「片手で登りました。ただ登るだけなら3時間くらいで登れたんですけど、結局30時間かかって」
マツコ「30時間?」
吉田「かかりましたね」
ナレーション「世界各地で衝撃的な経験をした吉田さん。ここでこれまでに潜った洞窟から、ヤバい洞窟ベスト3をご紹介」
吉田「じゃあ3位からちょっと。第3位、オーストラリア『アイスコーゲル洞窟』」
マツコ「そっか、やっぱりだからアルプスだよね」
吉田「そうなんですよ。石灰岩の塊なので。これ夏なんですけど、これ後ろに白いの見えるの雪ですね。ここが入口です。標高2100メートルくらい」
マツコ「おしゃれね。洞窟の入り口もおしゃれよ」
吉田「ヨーロッパだとね、確かに。この中も下に行けば行くほどどんどん温度が下がって。ここはマイナス3度くらいですね。白いじゃないですか、息が。アイゼンつけて冬山登山のスタイルで行くんですけど」
マツコ「あら、なんかすごいね」
吉田「そうなんですよ。この先に絶景があって」
マツコ「すごい」
吉田「これ全部氷です。8月くらいですね、行ったの。夏でも変わらずこれは残されているんですよ。冬の冷気が洞窟の中に閉じ込められて蓄冷されて、春になって雪解けの水が落ちてきて春に凍りだすって感じですね。冬はもうそのまま凍ってるだけなんですけど」
マツコ「こうやって凍ってまたこれに戻って、またこうやってをちょっとずつやってきてあの大きさになったのよね」
吉田「そうです」
マツコ「すごいよね」
吉田「すごいですよこれは」
マツコ「すごいけど、絶対行かない」
吉田「絶対行かない?」
マツコ「うん、無理」
吉田「じゃあ次いっちゃいますよ、これ。メキシコ『ゴロンドリナス洞窟』」
マツコ「もっと行けない予感が。メキシコって聞いただけでたじろぐ」
吉田「けっこう遠いんですよ。メキシコシティから車で8時間。ジャングルの中に」
マツコ「こんなところにまでも行っているのね」
吉田「どこでも行きますよ、世界中。山にぽかーんと直径50メートルくらい」
マツコ「こわっ」
吉田「深さはちょうど400くらいあって、東京タワーがポコンって入るくらいです。これが入り口ですね。小指くらいのロープにぶら下がっているんですけど。実は高所恐怖症なんです」
マツコ「え?意外すぎるんだけど」
吉田「こんなことやっています。意外でしょ。底に降り立つと上を見上げたりすると、なんか地球にいない感じです」
マツコ「いやだってこれちょっとすごい画だもん。あの真ん中の黒い点でしょ?」
吉田「点が人間」
マツコ「あれが人間でしょ?まあでも珍しいよね、あんなデカい」
吉田「こう末広がりなので、一回ロープで降りだすと、壁を触ることは一回もないですよ」
マツコ「え、もうずっと、だから何も無い空中で浮いた状態で下まで行くの?」
吉田「そうです。それがクルクル回るんですよ。ロープのねじり具合で。あれでちょっと気持ち悪くなる。じゃあ残り一つなんですけど。1位のイランの洞窟なんですけど、『ナマクダン洞窟』。これは暑いところなんですけど」
マツコ「島なの?」
吉田「反対側がドバイなの。ちょうど海挟んで。砂漠みたいなところなんですけど」
マツコ「きれいね」
吉田「上の青いのが海なんですね。この白いの何かわかります?」
マツコ「サンゴ?あ、塩の結晶」
吉田「そうなんですよ。これは塩の結晶なんですよ。見えているところ全部岩塩」
マツコ「岩塩なの?」
吉田「岩塩なんです。岩塩の何百メートルっていう塊があって、その中に洞窟がある。暑い」
マツコ「暑い時点で無理」
吉田「気温30度、湿度100パーセントあって」
マツコ「湿度100パーよ」

吉田「灼熱地獄で」

マツコ「イヤだ、3キロメートルも」
吉田「すでに熱中症になっているんです。暑いから水につかりたいんですよ、本当は。でも塩が強すぎて痛くて。大変なんですよ。これは岩塩の地層になっていて、アーモンド型の断面しているんですけど。これが、この線が全部結晶なんですよね。後ろのこれ、不純物がほとんど入ってないので透明感も半端なくて、すごい結晶がきれい」
マツコ「お父さん、最後そうやって一家離散を選んだ人じゃない?そのなんて言うの、むちゃくちゃな感じっていうのが血として流れているわよね」
吉田「流れていますかね?」
マツコ「そんなの普通やっぱりちょっとできないじゃない。『今日で一家離散!』なんてね、そんな宣言なかなかしないわよ」
吉田「したわけじゃないですね。いきなりいなくなっただけ」


~完~