2022/06/28放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'4000食以上のハンバーグを食べ歩く父とその息子'
五島鉄平(ゴトウテッペイ)さん(以下、五島)
五島一耶(ゴトウイチヤ)さん(以下、一耶)



マツコ「変わらないね」
五島「また来ちゃった」
マツコ「『また来ちゃった』じゃなくて。ちょっとまあ座りな」
五島「失礼します」
マツコ「いいのか?ハンバーグで。これから楽しいこといっぱいあるぞ」
一耶「はい、大丈夫です」
マツコ「ハンバーグ好き?」
一耶「好きです。大好きです」
マツコ「DNAの恐怖よね、これはもう。まあでも幸せならいいわよ。イヤだったらいつでもやめろよ」
一耶「はい」
マツコ「ていうか、似てるね」
五島「似てます?」
マツコ「似てる。お母さん似なのはわかるんだけど、やっぱり似てる」
五島「ほら似てるって」
一耶「イヤだな」
マツコ「イヤだ?」
五島「イヤなの?パパはうれしい」
マツコ「イヤだよね。ハンバーグばっかり食べているお父さんイヤだよね?」
一耶「そこは大丈夫です」
マツコ「そこはいいんだな」
五島「よかった。どうやってハンバーグにハマっていったかを」
マツコ「そうね、あと子どもをどうやって毒牙にはめたかよね」
五島「では紹介させていただきます。4000食以上のハンバーグを食べ歩く父とその息子、私五島鉄平、41歳です。息子が一耶で13歳になります。2008年、父27歳、野菜を全く食べられずにハンバーグを食べ始める」
マツコ「導入が異常者だもんね、もうね。今は野菜どう?」
五島「全然食べないです」
マツコ「一耶くんは食べられるわけでしょう?」
一耶「はい」
マツコ「どう思う?41歳で野菜食えないオヤジ」
一耶「子どものうちに好き嫌いを無くさないとヤバいです」
マツコ「ヤバいよね」
一耶「ヤバいです」
五島「34歳、『マツコの知らない世界』に出演した結果、初めて息子に尊敬される」
マツコ「出ていただいといて言うのはなんだけど、お父さん尊敬されるようなことはしてなかったんだけど。尊敬しちゃった?なんで?」
一耶「普通のお父さんはテレビに出ないっていう」
マツコ「そうね、でもお父さん良いことして出たわけじゃないのよ」
五島「悪いこともしていない」
マツコ「悪いこともしていない。これだけは言っておく。悪いこともしてないからね。良いこともしてないけど」
五島「2017年、父36歳、息子8歳。ハンバーグ英才教育がスタート」
マツコ「そこから連れ回して、どんどん食べさせたんだ?」
五島「そうです。英才教育の内容なんですけど、自分なりに考えてお店の人に取材をするようにしています」
マツコ「そんなこと8歳の時からやらせてるの?」
五島「はい。食べに連れてって、100店舗くらい行ったから、そろそろ記録しようかっていう形で写真を撮るっていうことを始めました」
マツコ「英単語とか覚えとけば良かったな」
一耶「まあ、英単語も覚えてますよ。勉強のほうも大丈夫ですよ」
五島「やっぱり100店舗超えたくらいからは情報量が多すぎて処理できなくなったので、ノートをとるようになりました。これ私が教えた撮影の方法と、あと自分なりに考えたハンバーグがおいしく見える撮影をメモったページですね」
マツコ「もうなんか、しっかりしてるね」
五島「聞き取りは最近しっかりするようになって、良いインタビューをしてきて帰るんですよね」
マツコ「お母さんはハンバーグ好きなの?」
五島「僕がこんな活動やってるからなのか、できるだけ行かないです」
マツコ「お母さん何好きかわかる?」
一耶「何好きだろう」
マツコ「ハンバーグ好きでみんなでハンバーグ食べてるのいいけど、お母さんの好物は調べておこう。たまにはお母さんの好きなもの食べにいってあげよう。月にいっぺんは」
五島「そうか、知らないな確かに」


《2022年ハンバーグ業界の変化、試行錯誤が止まらない》


五島「この7年でハンバーグ業界自体はだいぶ変わりました」
マツコ「特にご家庭を持ってる方とかは、本当にハンバーグって日本のソウルフードのひとつって言ってもいいんだなと思ったのが、コンビニのハンバーグが今すごいね。あれはこの7年で劇的な向上をしたよね」
五島「競争、競争できてるので。半年前のハンバーグが今食べられないんですもん。リニューアルしているので。それだけ移り変わりが激しいハンバーグ業界なんですけど、私が紹介したいのがまずひとつ。2022年ハンバーグ業界の変化。映えへのあくなき追求が止まらない」
マツコ「ちょっとやっぱりそういう意味では、ハンバーグって不利よね」
五島「不利だったんです。今までのハンバーグを静止画でおいしく見せる方法がなかったんです」
マツコ「いやいや。誰かおいしくは撮ってると思うけど」
五島「ない。ない!」
マツコ「ないんですね」
五島「映えっていう言葉が良くも悪くも世の中に広がったことによって、いろんなハンバーグができあがったんです」
マツコ「切って肉汁とかチーズじゃなくても」
五島「それだけだったんです、前は」
マツコ「それだけってことはないけど。まあそれに頼っていたわよね」
五島「そうですね、僕自体は前は、出させてもらったときは王道大好き。洋食屋のデミグラスハンバーグ」
マツコ「だって本当そういうものしか食べてないよね。いわゆる変わった味とか見た目が派手なものとか、一切なかったわよね」
五島「一切なかったです。最近のハンバーグはですね、見てワクワクするものが増えていまして。それがこちらになります。試行錯誤が止まらない。映え系ハンバーグがこちらになります。どうですか?」
マツコ「いや、あのね、5個まではわかります。わかりますよね?うなぎ、バター、ハンバーグ。あれはちょっと今よぎったのが、フォアグラとかのせる感覚なのかなって。バターと」
五島「そうです。うなぎとバターは」
マツコ「うなぎのちょっとトロっとした感じと」
五島「でもうなぎは脂身はしっかりあるので、おっしゃるとおりフォアグラに近いのかもしれないです。そういう楽しみがこの写真1枚からくるじゃないですか」
マツコ「だから逆に引っ掛かりを作るような見栄えのものも出始めているのね?」
五島「そうです。とにかく世の中の人にハンバーグを食べにいくっていう、足の道筋を作ってくれているっていうのは、すごい僕的にうれしいんですね」
マツコ「あと黄身もずるいわよね」
五島「この黄身乗せっていうものが、今一番映え系で多いです。ご飯の上にパテ」
マツコ「大概おいしくなるのよ、卵かけたら。卵とカレーと抹茶は危険だからね。強いのよ、こいつらは。みんなすっごいからな」
五島「あと真ん中の上の段。大量チーズって書いてある『Woo’s Burg』っていうお店があるんですよ。これは五島家が家族旅行で行くと、必ず行くお店です」
マツコ「家族旅行ってことは、東京じゃないのね?」
五島「静岡にあります」
マツコ「静岡のあのハンバーグ好きはなんなの?」
五島「チェーン店でご有名なところが、『さわやか』。僕も好きでよくイチゴ狩りついでに寄っている」
マツコ「そこはハンバーグメインにしなさいよ。なんでイチゴメインになっちゃったのよ」
ナレーション「他にも、肉を包んだマッシュポテトに都電が描かれている白いハンバーグ(『ハンバーグレストランアッシュ』)や、アボカドとサラダで肉を覆う、女性に人気のアボカドサラダハンバーグ(『はんばーぐますお』)など、今見た目が鮮やかなハンバーグが増加中。そんな中、父・鉄平さんがオススメするインパクト抜群の映え系ハンバーグが。今回やってきたお店は、都電荒川線、荒川車庫前駅目の前にある『クールカフェ』。今イチオシの映え系ハンバーグとはいったい」
五島「ちょっと変わったハンバーグをいこうかなと思ってまして」
一耶「食べたことないです。見ただけ」
ナレーション「さっそく注文。すると」
五島「外観撮りにいこうか。お店わかるように外観撮ってください」
ナレーション「料理がくるまでの間にSNSにアップする用の外観撮影。さらに」
五島「ハンバーグがきて写真撮るのは20秒で終わらせよう」
一耶「え、もう全部?」
五島「全部。全部20秒で終わらせよう」
一耶「箸上げも?」
五島「箸上げはいいよ」
(究極の塩麹、フワトロハンバーグらーめん)
五島「どうですか?肉汁出てるじゃないですか」
マツコ「ちょっと急に。急にいろんな要素が入りすぎてて。あれラーメンだよね?」
五島「ちがいます。ハンバーグです」
マツコ「あれはハンバーグなの?」
ナレーション「食べる前は自分なりにおいしそうな構図を考え、20秒以内に写真撮影を終える」
マツコ「食べた感じどうだった?あれはラーメンだったか?ハンバーグだったか?」
一耶「ハンバーグですね」
マツコ「強情だな、おまえも」
スタッフ「けっこうお黙りになって食べるんですね」
五島「ああそうですね、食べるときはあまりしゃべらないですね」
ナレーション「無言で真摯にハンバーグと向き合い、味を舌に刻み込む。あっという間に完食。すると取り出したのはボイスレコーダー。実食後は厨房に入って、店主にインタビュー」
五島「人にハンバーグラーメンを勧めるってなったときに、どういう勧め方をしたい?」
一耶「ハンバーグがやわらかくておいしい。あと、体に良い」
五島「お肉は?」
一耶「黒毛和牛のA5」
五島「比率は?」
一耶「牛6対豚4」
五島「完璧ですよ。ラーメン、ソース、パテに対しても聞き取れたってことだよね。それだったら問題ない。冷静に言っていますけど、ビビっていますから」
マツコ「なんの父子鷹だ」
ナレーション「その場で気になることは、お店側がオッケーであれば店主に何度も聞いて、家に帰ってからノートにまとめていっしょに見るのが楽しいんだそう。そんな父・鉄平さんイチオシの映えるハンバーグらーめん。お召し上がりください」
マツコ「こちらのお店の普通のハンバーグから食べたい」
五島「今日ハンバーグらーめんがきております。どうぞ」
マツコ「普通だったら、これだったらスープとかからいくじゃない。でもお二人が来てるってことは、ハンバーグからいったほうがいい?」
五島「スープからいってください」
マツコ「えーと。じゃあラーメンと認めるんですね?」
五島「違う」
マツコ「違うのね。完全にラーメンの食べ方だよねこれ」
五島「スープからいきましょう」
マツコ「スープからいったらこれ。あ、言ってる意味わかった。スープ飲んでんだけど、ハンバーグの味がする」
五島「後は好きにどうぞ。大丈夫です」
マツコ「ちょっとじゃあね、まずはハンバーグだけいかせて」
五島「どうですか?」
マツコ「ハンバーグおいしい」
五島「おいしいでしょう。軽くパテをキュッと押して肉汁を出してもらうと、スープの味がだいぶ変わります」
マツコ「出したところのスープをね。さっきはハンバーグを食べてるみたいだったじゃん。今度は肉汁を飲んでいるみたいになるわ」
五島「当たりです。いいんですよそれで」
マツコ「えっ、これ正解と不正解があったのね。やっばいわ、めっちゃ好き、このハンバーグ」
スタッフ「マツコさん、1点お父さんには言っていない一耶くんがどうしても言いたいことがある」
マツコ「これについて?」
スタッフ「このお店について」
五島「何?」
一耶「マツコさんに聞いてほしいこと。僕は王道のデミグラスハンバーグも食べてほしい」
マツコ「ほら」
五島「いやいやいや」
マツコ「あたし息子といっしょだよ。デミグラス食べたかったなあ」
一耶「あの、ちょっと、どうぞ食べて」
マツコ「いやいや、いいよ。気にするな。ああ!うそでしょ?作ってくれたの?ありがとう」
スタッフ「一耶くんがどうしても食べてほしいって」
マツコ「一耶くんがお願いしてくれた?わかってるな、おまえ。おまえわかっている。そうなんだよ。ああいう変わったものも食べたいけど、そのお店のデミはやっぱり食べたいな。食べたいなあたし。うまあ。デミグラスのこの焦げた感じもいいわあ」
一耶「そのデミグラスハンバーグですが、塩麹を使っていることによって、ものすごくやわらかいんですよ」
マツコ「塩麹でやわらかくしてあるのね」
一耶「あとはアレルゲンの7種を使っていないので、アレルギーを持っている人でも食べられるということで」
マツコ「でもさ、なにかをけずっている感は全くないわね。ねえ、ちょっとこれ良かったわ。一耶くんが言っておいてくれて。本当にこラーメンもおいしかったけど、これを食べてなかったら」
五島「なんで俺に隠すの」
マツコ「いやいや、これは食べておいて良かったわ。ちゃんとお店のことを把握できた」

ナレーション「現在、さまざまなジャンルのハンバーグが世にでているが、日本のハンバーグはどのように進化してきたのか」
五島「続いてなんですが、日本ハンバーグの進化。1962年、マルシンハンバーグが発売。全国の家庭にハンバーグが普及」
マツコ「なんかいきたくなるんだよね、結局ね」
五島「マルシンハンバーグ、いいですよね」
マツコ「あたしはもうね、カリッカリに焼いて食べるのが好き」
ナレーション「同時期に冷蔵庫が普及したことをきっかけに、マルシンハンバーグは爆発的に売れ、一般家庭に浸透した」
五島「ちなみにマツコさん、マルシンハンバーグってこちら、このプレーンのほうですかね?」
マツコ「うん、プレーン」
五島「マツコさんのご存じだった時のパッケージってこっちじゃないですかね」
マツコ「あ、それそれ」
五島「こっちですよね。これがわりと初期型のデザインです。当時は豚肉とクジラ肉を使っているのがこのパッケージのときですね」
マツコ「だから味が変わったの?」
五島「キャラクターのこの『みみちゃん』というキャラクターになるんですけど。ここ豚のしっぽなんですよね、両方が。これ豚のしっぽで、ここは魚なんです、よく見ると。要は魚肉と豚肉で作っているからマルシンハンバーグっていう」
マツコ「そうなんだ」
五島「これ缶バッジなんですけど、これもマルシンさんに許可いただいて作らせていただいたんですね」
マツコ「でもそれ、どこで買えるの?」
五島「売り物じゃないんです」
マツコ「え?趣味で作ってるだけなの?」
五島「はい。売ってないです」
ナレーション「そして1970年大阪万博にて、ロイヤルホストの前身ロイヤルが出店し、連日ハンバーグ2000個を売り上げ。その後瞬く間にファミレスブームが到来。2008年にはガストからチーズINハンバーグが発売され、味も見た目も楽しめる大ヒット商品に」
五島「続きまして、2010年代、コンビニにハンバーグブーム。セブンゴールドの『ハンバーグステーキ』が発売。これがすごかったですね」
マツコ「これでもさ、金のハンバーグどころの騒ぎじゃなくなってるわよね、今なんかね」
五島「そうですね、今僕が一番ハマっているのがローソンの高いハンバーグで、Lチキっていうチキンが、あれを挟む用のLチキバンズっていうやつなんですね。それを買ってきて高級に見せたかったので無理してベーコンを買ってのせてみたんですけど」
マツコ「本当に野菜入らないのね」
五島「でも、デミグラスソースっていろんな野菜を煮込むんです」
マツコ「笑ってるよ、息子。子どもに笑われてるよ」
五島「2022年。目の前焼きハンバーグというのがブームが到来しました」
マツコ「知らない、まだ」
五島「生の状態のパテの形成された状態から焼いてくれるので、見えるところでやってくれる」
マツコ「そんなのあるの?今」
五島「今それがけっこう流行っていまして。これがですね、渋谷にある『挽肉と米』さん」
マツコ「良い名前」
五島「吉祥寺と渋谷にしかまだないお店なんですが、そこで目の前焼きハンバーグが食べられます。こうやって今3つあるじゃないですか。あれが1人前なんです。90グラムが3つある」
マツコ「うわ、ありがたい」
五島「だから1個食べ終わるときに、もう1個置いてくれるっていう形になるので」
マツコ「常に温かいのが来る。ああ、ありがたい。さっきのお店だ」
五島「さっきのお店とは違う所なんです」
マツコ「違うのね」
五島「ここがほぼ元祖かなと思います。この形式でやるところの元祖。TikTokでこんな感じでやってるみたいですね」
マツコ「いやいや、だから違う。今びっくりしたのよ。まさかさ、食リポみたいなのもTikTokでやってんだって思って」
五島「やったほうがいいんですかね、TikTok」
マツコ「お父さんはやらないほうがいい。やるんなら息子がやったほうがいい」
五島「そっか、そうですね」
マツコ「そりゃそうだ」
五島「あそこには二人で行ったことがあるんですけど。なんか言いたいことある?『挽肉と米』、まとめた情報を」
一耶「さっきVTRで映っていた精肉所っていうのがあったんですけど、そこの温度が6度なんですよ。6度にすることでですね、普通はパテとか作るときって、手とかでやるじゃないですか。だけど手でやると体温で温まってしまって、豚肉とかの脂が全部抜けてしまうので」
マツコ「そっか、脂身が溶けないように常に冷やしてあるんだ?なるほどね」
五島「ソースは?」
マツコ「親ばかだね。すごいね」
五島「なんだろうな、あんまりなんかそういうのは良いのか悪いのかわからないけど、すごくないですか?」
マツコ「うん、確かにね、お父さんが最初に来てくれたときよりもアカデミック」
五島「ぜひね、目の前焼きで私が好きなお店を紹介したくて。それがこちらです。マツコさんに教えたい目の前焼きハンバーグ。『HAMBURG RESTAURANT Chami』。二人の推しポイントなんですが、飽きない臨場感があるんです」
マツコ「え、これちょっと。これ言うってことはなに?今日目の前で焼いてくださるってことなの?」
ナレーション「ここからは、五島親子が今一番ハマっている目の前焼きハンバーグをご紹介。やってきたのは錦糸町に店を構えるレストラン『Chami』」
五島「ここが一番良い席。すごい。パンパン音がするのが良いですね。店によって微妙に音が違うんです」
一耶「全然音が違います」
五島「音ね、微妙な音のところもあるとね、やたら高音のところもあるね。今グリルしたやつあの中に入れてた。これに入れてたの。たぶん肉汁、たぶん肉汁だと思うんだけど。デミグラスソースの中にたぶん肉汁入れたんだと思うよ。これテンション上がるんですよ、手際が見られるんですよね、お店の人の。このプロの技ですよね」
ナレーション「そんな五島親子が頼んだハンバーグが、父は食感が良い軟骨パテに柚子胡椒ソースとブラックペッパーをかけた見た目も鮮やかなハンバーグ。息子の一耶くんはもちろんプレーン肉にデミグラスソースをあしらった王道ハンバーグ。このあと2種類の味を試食してもらいます」
マツコ「もうあたしは今完全に。今というか、あたしも息子といっしょ。ハンバーグはデミグラスだと思っているから。なかなかあれですよ、厳しめですよ。これだもん。絶対これよ」
五島「軟骨、そんなにすごい入っているわけじゃないです。食感を少し楽しむくらい入っているので」
マツコ「あたしつくねに軟骨が入っている焼き鳥屋だと、注意するからね。食感女の言うことを聞きすぎだって。信じろ自分をっていう。自分を信じて軟骨入れないつくねを作り続けろっていうね。あたしはもうこれ最初は卵も使いません。これです。これがハンバーグです。ウマいね。こちらはあれだね、なんかこう爽やか」
一耶「これ爽やかっていうことで、牛の骨や豚の骨、野菜を使って1日中煮込んでいるんですよ。なのでサラサラとしたデミグラスソースで」
マツコ「でもコクはすごいのよ」
一耶「コクはコーヒーを使っているんですよ」
マツコ「すでにお父さん超えたんじゃない?うわ、これは卑怯な。このね、これなに、これ」
五島「パテ自体食べやすくないですか?」
マツコ「おいしい。非常に。パテのこの舌触りとかも含めて、すごい爽やかなのよ、こちらのハンバーグは」
一耶「このハンバーグ、何の肉を使用していると思いますか?」
マツコ「え、あたしね、牛肉ってそんな得意じゃないのよ。だからハンバーグがなんで好きかっていうと、豚さんを感じるからなのね。これは豚さんが強い感じがするんだよね。だめ?」
一耶「合っています」
マツコ「ほらこのやろう。合ってる?」
一耶「はい、ついでにこれ豚肉100パーセントです」
マツコ「すごくない?親父は超えたよね?」
五島「1、2、3ですか?」
マツコ「1、2、3よ本当。まず軟骨よ、問題は。あたしは軟骨パトロールだからね」
五島「それが柚子胡椒ソースになります。トッピングに、ブラックペッパーをトッピングしてあるので、ちょっとつけながら食べていただくと、さらにパンチのきいた味になって私は好きです」
マツコ「いや、おいしいよ。おいしいんだけど、100回くらいあれを食べて、『ああもう本当に幸せ』ってひととおりデミグラスとの幸福感を味わったあといくわよね。もうそうなってるじゃん、お父さんは」
五島「実際なっちゃってます」
マツコ「なってるでしょ?今のところ息子が圧勝だよ」
五島「まいったなあ」


《今食べておくべき!?洋食店ハンバーグ》


五島「それでは最後なんですが、もうひとつだけお話させてください。こちらです。ハンバーグ業界で心配なこと。洋食店ハンバーグが減っている」
マツコ「あ、そう?」
五島「めちゃくちゃ減りました。これ減ったお店なんですが、左下の笹塚の『レストランASA』さんは、僕一番好きで、一番通っていた店だったんですけど」
マツコ「一番好きな店がなくなっちゃった?」
五島「はい、なくなりました。最後通いましたね。なくなるって、そこはもうオーナーと話し聞いて、そこからはずっと通いました」
マツコ「最近できたお店もおいしいだろうけど、昔からある洋食店の味とは違うよね」
五島「全然違いますね」
マツコ「つなぎとか入っているハンバーグも、おいしいと思うのよ。昔っからあるさ。炒めたタマネギと、パン粉みたいな。あれでこうパンパンパンってやって作るようなふわっふわのハンバーグ。最近の若い子は肉感が強くないと」
五島「肉感と肉汁が必要っていう。でも逆を言うと、そういうハンバーグが世の中にウケているっていうのは、時代なのかなって思うんですよね」
マツコ「そうなの。若い子が食べておいしいって言ってるものを否定しちゃだめなのよ。あたしたちはあたしたちの時代のものがおいしかったし、それを懐かしく思って今のは口に合わないなっていうのは、あたしたち世代の意見だから」
五島「そうです」
マツコ「でもね。でもよ。でもなの。なんであんたデミグラスじゃなくって浮気するんだ」
五島「そんな中、実は息子がまだ食べていないハンバーグで、私が心配な洋食屋さんが一個ありまして。こちらになります。無くなるか心配な洋食の名店、経堂にある『はしぐち亭』です。ここのお店、実は一度無くなったんです」
マツコ「え、じゃあもう違う方がやっているの?今も」
五島「違います。最初、千歳烏山の隅っこでやっていた、奥まった所にあったお店だったんです。僕そこのハンバーグがけっこう衝撃を受けるくらいおいしくて。無くなったって知ったあとに、もう一度ここの味は絶対食べたいと思って、数年間ネットで探しまくったんです。こちら、経堂にある『はしぐち亭』さんになります」
マツコ「そんな偶然もう一回見つけるなんてことあるのね」
五島「運命的なものを感じましたね」
ナレーション「牛と豚の合い挽き肉を使用するこちらのお店では、作り方に最大の特徴があるという」
五島「ここ特徴的な作り方していて、両面をカリッと焼くんですよ。このあとデミグラスソースを作るもと、これがそうなんですけど、まだデミグラスソースじゃないんですよ。ブイヨンとかのデミグラスソースを作る前段のところに一回漬け込んで。お店にあるピザ釜があって、そこで煮詰めるんです。この作り方ってあんまりやっていないと思って」
マツコ「これはちょっと初めて聞いたわ。デミグラスソースにつけるところは知っているけど」
五島「デミグラスの前段のところで煮込むっていうのは僕は初めて聞いて。それがこちらですね。これ僕自信持ってウマいって言ってもらえると思って持ってきているので」
マツコ「息子。これはあたしからじゃなくて、息子からいきなさい」
一耶「ありがとうございます。いただきます」
マツコ「これがハンバーグ道だ」
五島「一気にいくの?」
マツコ「かわいいなあ」
一耶「おいしい」
マツコ「これ今息子の切ったの見て思ったけどさ。きれいね、この断面が」
五島「断面きれいですね」
マツコ「本当にきれい。ちょっとこれさ、デミグラスがついてないところで煮た状態のやつ」
五島「どうですか?」
マツコ「これデミグラスなくてもおいしい。味がちゃんと入っている」
五島「やっぱりあの手間は絶対おいしくなる」
マツコ「すごいね、あとこのやっぱりただ焼いただけと違う、おでんの中に入っている味が染みているものの食感ってあるじゃん。それがちょっと入っているのよ。あれではないんだけど、お肉とそれの中間みたいな」
五島「わかります。合っています」
マツコ「これはおいしいです。あたし個人的にはデミグラスももちろんおいしいんだけど、デミグラスかけていない状態のやつがめっちゃウマい」
五島「僕も無しで食べたことあります」
マツコ「おいしいよね」
五島「無しでもおいしかったです」
マツコ「いやー、おいしかったですわ。息子ありがとうな。本当に息子連れてきて良かった」
五島「あぶなかった」


~完~