2022/05/31放送

マツコの知らない世界

 https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'おいしい食事で日本を守る自衛隊員'
原浩一(ハラコウイチ)さん(以下、原)
菅原治郎(スガワラジロウ)さん(以下、菅原)
内田美菜子(ウチダミナコ)さん(以下、内田)



マツコ「だからこの食事を作っている方も自衛官なんだよね?」
スタッフ「そうですね」
原「マツコさんに敬礼。なおれ」
マツコ「少し楽になってください」
原「陸上自衛隊真駒内駐屯地業務隊補給科長1等陸尉、原浩一です」
マツコ「一番緊張されていますね」
菅原「海上自衛隊護衛艦いずも給養員長海曹長、菅原治郎です」
マツコ「もう笑ってるよ、さっきからずっと。ガチガチだから、二人とも。すごいもう楽に。大丈夫です、もう」
内田「自己紹介いいですか?」
マツコ「どうぞどうぞ」
内田「航空自衛隊浜松基地所属給養員3等空曹、内田美菜子です」
マツコ「おお。お座りください、どうぞ」
一同「失礼します」
マツコ「なんで出てくださったのかね。出ろって言われたのね?」
菅原「命令です」
マツコ「命令ですって。イヤよね、こんな。イヤでしょ、こんなの。ごめんなさいね、本当に」
菅原「でも良い命令ですね」
内田「一番うれしいです」
原「私も定年前の良い思い出に」
マツコ「ああそう、よかったよかった」
菅原「自衛隊メシについて、どんなイメージを持たれてます?」
マツコ「いやいや、だからカレーのイメージが大きすぎるのと、カレーじゃないとき何食ってるんだろうって」
菅原「やっぱりそうですよね」
ナレーション「実際に街で自衛隊メシのイメージをきいてみると、ほとんどがカレーや缶詰。そんな中、3人の自衛隊員が伝えたいことが」
菅原「私たちがお伝えしたいのはこちらです。缶詰とカレーだけじゃない。自衛隊メシは『相撲メシ』に匹敵するおいしいパワーフード。なぜなら、ジャン。ほぼ唯一の楽しみだから。すみません、効果音つけちゃいました」
マツコ「いやいや、効果音の問題じゃないんですよ、本当に。ちょっと悲しくなってきちゃったわよ。『ほぼ』が気になるね」
菅原「ちょっと気になりますね」
マツコ「ほぼってことは、他にあるとしたらなんなの、楽しみ」
菅原「他にあるとしたら海上自衛隊なんですけど、船といっしょにイルカが遊んできたりとかする。クジラが向こうで潮を吹いていたりだとか。そういう風景がパッと入ってくるのがおもしろいですね」
マツコ「確かにほぼ唯一の楽しみでしたね」
菅原「自衛隊メシについて、実はこんなこともやっています。自衛隊メシに興味がないみなさんに伝えたい。実はご家庭でまねできる、激うまレシピをホームページで大公開中」
マツコ「そんなことやってるの?今。大変だね、自衛隊も本当に。こんないろんなところとかやってるんだ」
ナレーション「そう、実は自衛隊では開発した料理のレシピをホームページに掲載。簡単に作れて、献立の参考になると主婦から好評を得ているという」
原「レシピが載っていますので、献立に困ったらここを開いてもらって作っていただければありがたいなと」
内田「YouTubeで『おおぞらキッチン』っていう番組やっています」
マツコ「大変。大変だね、本当ね」
内田「Twitterでもいろいろやっているので」
マツコ「見てみるよ、見てみるよ今度」
内田「お願いします」
マツコ「『おおぞらキッチン』って『青空レストラン』パクっているよね」


《自衛隊でなぜ料理担当に?知られざる採用の裏側》


ナレーション「自衛隊は戦闘員として国を守る以外にも、実は隊員の食事を専門に作る給養員という職種が。今回来てくれたのは」
菅原「自称、世界を股に掛ける海型戦闘料理人ということで」
ナレーション「海上自衛隊最大の艦艇、護衛艦いずもで、調理責任者を務める給養員長、菅原治郎さん。航空う自衛隊の中でも所属隊員が多い静岡県浜松基地の給養員を務める内田美菜子さん。そして陸上自衛隊北海道真駒内駐屯地からは、給食および新メニュー開発の責任者を務める原浩一さん」
マツコ「もともと料理をやられていたんですか?そこから自衛隊?どういう経緯なの?それとも入ったあと、料理って言われるの?」
菅原「そういうのもありますね」
マツコ「そういうのもあるの?じゃあ採用窓口っていうのは一か所なの?」
菅原「最初は一口。もう本当に入隊っていう」
マツコ「そうなんだ。料理人募集みたいなのはないんだ?」
菅原「ないんです」
マツコ「ないんだ?」
菅原「適性検査があるんです。適性検査を受けて何に向いているか。だから元料理人で自衛隊に入ったのに、もしかしたらレーダーとかそういったほうに。ある程度希望は言えますよ。私はこれやりたいですって」
マツコ「お料理希望だったんですか?」
菅原「はい」
ナレーション「そんな菅原さんが乗務するのが海上自衛隊護衛艦いずも」
菅原「全長248メートルあります。東京の六本木にある東京ミッドタウンタワーと同じ。立てたら同じ高さになる」
ナレーション「長さ248メートル、幅38メートル、14階建てで、定員470名。長期間航海することもあるいずもには、乗務員のベッド、お風呂、さらにトレーニングルームまで完備。そして給養員が働く戦場がこちら。厨房の中には一流レストラン顔負けのスチームコンベクションオーブンをはじめ、最新の調理器具が充実」
菅原「おいしいカレー作るからね。元気よくいこう。かかれ」
ナレーション「この日の昼食は海自の代名詞、カレー。しかしカレーといっても、ただのカレーではない。まずはおよそ100人分の調理ができる巨大鍋で野菜を炒め、そこに加えるのがなんと前日から煮込んだ野菜と牛肉のダシ」
マツコ「ちゃんどフォンドボーみたいなのとってるんだ?」
菅原「フォンです」
マツコ「はあ、すごい」
ナレーション「そしてカレールーはコクとうまみを出すため、カレールーを5種類ブレンド。ここに入れたのが飴色になるまでじっくりと炒めたタマネギ。大量調理だからといって、手抜きは一切なし。ここからさらにスパイスなど10種類以上の隠し味で味をととのえていくという」
菅原「頭の中でいろいろ構成するんです。分析。何が足りないかな」
スタッフ「現状、何が足りないんですか?」
菅原「甘さですね」
ナレーション「こうして何度も味見を重ねて、やっと納得のいく味のカレーに。そして付け合わせのヒレカツは、最新のスチームコンベクションオーブンを使って低温調理」
菅原「集団給食なんですけど、低温調理の一番柔らかくておいしいヒレカツを提供できるっていう」
ナレーション「衣をつけてサッと揚げると、絶品やわらかヒレカツに。そしてご飯もカレーに合わせてターメリックライスというこだわりよう。こうしていずもの昼食メニューが完成。ちなみに配膳はセルフサービス。自衛隊の給養員がおいしい食事にここまでこだわる理由はやはり」
艦長小城尚徳1等海佐「洋上に出て楽しみっていったら食事しかありませんので。当然給養員もそのために腕を磨いております。おそらく海上自衛隊の料理が一番おいしいんじゃないですかね」
ナレーション「ちなみにこの日、夕食用にはわざわざネギトロ巻きを約100人前手巻きにするなど、自衛隊給養員の食への熱きこだわりはとどまるところを知らないのだった」
マツコ「でもやっぱり料理しているからなの?腕の筋肉とか」
菅原「そうですね」
マツコ「普通のあれはやるの?体鍛えたりとかはするの?」
原「やります。体力検定とかは全員あるので」
マツコ「それはみんなやるんだ」
菅原「普段は料理を作っているんですけど、ちゃんと実弾射撃もやりますし」
マツコ「そっか、有事になったときには料理をやっていようが何をやっていようが」
原「戦闘員なんです」
マツコ「そっか、だからけっこう大変ね。そっちもやりつつ料理もってなってくると、けっこう切り替えも大変よね?」
菅原「でも楽しいですよ」
マツコ「本当?」
菅原「はい、仕事は楽しいです」
ナレーション「ちなみに、航空自衛隊内田さんが働く浜松基地はかなりの隊員数がいるため」

内田「ベルトコンベアで流れていく揚げ物機があったり。これが連続炊飯器ですね。全部1釜約50人分のご飯が入っています」

マツコ「工場じゃないのよ、あんなベルトコンベアで流れるフライヤーなんて。けっこうオートメーション化が進んでいるわね、航空は」
ナレーション「さらに、地上業務だけでなく、長時間警戒監視をおこなう機内での仕事もあるため、給養員は機上食も作っている」
原「陸自の場合はまた違いまして。陸の場合は今は民間に委託してですね、民間の人が作っていると」
マツコ「昔は全部自分たちでやっていたの?」
原「そうですね、はい」
マツコ「でもなんかさ、板前っぽいよね、原さんは。もうあと20年くらい前に会いたかった」


原「ではここからは陸上自衛隊の私がですね、陸上自衛隊メシの魅力をお伝えしていこうと思います。陸上自衛隊メシの魅力、陸自飯グランプリ。実際ですね、これ民間の方とかもいっぱい投票してもらって、陸上自衛隊各駐屯地とか分屯地のメニューを出し合って、どれが一番おいしそうですか?っていうのをちょっと競い合うっていうのをやりまして。ご当地部門とか、肉料理部門とか、丼部門とか、あとですね、麺部門ですね。これで競い合ったと。競い合いの中で生まれた肉料理ということで」
マツコ「競い合いの中で生まれた肉料理?」
原「結局ですね、麺部門、丼部門、ご当地部門、作ってやったんですけど、結局中身は全部肉だったんですよね」
マツコ「肉食ってなきゃやってられないのよ、みんな」
原「引き続きですね、陸自飯グランプリで選ばれたメニューを紹介します」
マツコ「ていうか、これ全部肉部門でよくない?もうみんな肉になっちゃうのね」
原「麺部門がですね、私が所属する真駒内駐屯地の藻岩山ラーメン」
マツコ「ほぼ二郎だよね」
菅原「私、名前が治郎です」
マツコ「違うわよ。ラーメン二郎だ。なんでみんなその席に行くとラフになるの?」
原「どうやって作ったかというと、ご当地の要素を入れなさいということで、陸といえば山ということで。近傍にあった藻岩山を1万分の1のスケールで落とし込んで、標高5センチにして。あと肉部門が守山駐屯地ですね。名古屋にあります、守山駐屯地の三種肉ひつまぶしと。肉肉肉で肉だらけということで」
ナレーション「肉部門で入賞した名古屋市守山駐屯地の三種肉ひつまぶしは、すき焼き風に味付けした牛肉、焼き鳥風の鶏肉、そしてうなぎのタレを絡めた厚めの豚肉がのったぜいたくな一品。ひつまぶしということで、お好みで白だしをかけてお茶漬けにして味わうことも。さらにこちらも肉づくしなのが東京・世田谷区の三宿駐屯地の三宿丼。鶏の照り焼き、豚のネギ塩焼き、牛の焼き肉の、三種類のお肉が楽しめます」
マツコ「ねえちょっと。一番こましゃくれているの伊丹じゃない?」
原「伊丹ですね」
マツコ「なにそのスプーンにのってるの」
原「これソースなんですけど、AからZまでっていうことで、26種類そろえたらしいです」
マツコ「これ絶対駐屯地でこんなの出せないでしょ?」
原「出すときはこの中から2から6色チョイスして出す」
マツコ「青を選ぶ人いないですよ」
原「これおいしいらしいです」
マツコ「おいしいの?」
原「はい、おいしいらしいです」
菅原「青はなんですか?」
原「ポタージュ味のやつなんですけど」
マツコ「ポタージュ?」
原「中身はホワイトソースと青粉ですか」
マツコ「でもこれ原さんがいるからって言っているわけじゃないけど、真駒内が一番おいしそうよ。でも本当そうじゃない?」
ナレーション「原さんの勤務する北海道真駒内駐屯地は、隊員およそ4000名と陸自の中でも大きな駐屯地。比較的若い隊員が多く、その要望から生まれたのが、たっぷりのゆで野菜とチャーシューが贅沢に乗ったこちらの藻岩山ラーメン。野菜の水分で味が薄まらないよう、チャーシューは市販のものをもう一度調味料で味付け。豚骨と魚介ダシの濃厚なスープにはニンニクと豚の背脂、さらに隠し味としてチャーシューのつけ汁も加えます。麺は試行錯誤の結果、つけ麺用の極太麺を採用。若手隊員たちも大満足のガッツリ系ラーメン」
原「じゃあすみません、マツコさん。藻岩山ラーメンをちょっと食べてください。特にですね、スープと麺が絡むように作ったということで」
マツコ「あ、チャーシューのタレの味?おいしい」
原「魚介スープが最後スッと入ってくるような感じで」
マツコ「でもけっこうチャーシューのタレの甘みみたいなのがすごい出てるね。良い麺。これ、ほらほら。太い。うん、ウマい」
原「ニンニクのパンチがきいています」
ナレーション「ちなみに、藻岩山ラーメンのような新しいメニューが開発されたときに、自衛隊の食堂に設置されるのがこちらの『また食べたい』『もう食べたくない』という投票ボタン。隊員たちの率直な意見を聞いて、原さんたちは日々のメニュー開発に活かしているのだそう」
マツコ「ラーメンは出るんでしょ?海上でも」
菅原「やります。かなり本格的に。豚骨20時間炊いたりとか。趣味の世界ですけど」
マツコ「でもちょっと本当に二郎系。ニンニクがすごい。ジロウってあんたじゃないわよ。ほしがりね本当」

原「そうしたらマツコさん、今回ですね、陸上自衛隊がこぞって喜ぶあるトピックがあるんです。それがこちらです。陸上自衛隊歓喜のトピック。ミリメシがめっちゃおいしくなりました」
マツコ「そうなの?」
原「そうなんですよ」
マツコ「リニューアルしたのね?」
ナレーション「戦闘糧食、通称ミリメシとは、陸上自衛隊が訓練中などに野外で食べる個別包装になった食事のこと。一体どうおいしくリニューアルされたのか?」
原「今日はこの戦闘糧食の開発担当をしていて、陸上自衛隊で食をつかさどる部署から、いかにおいしくなったということを、どうしてもマツコさんに説明したいということで。普段は顔も見ることができないくらい偉い人が説明してくれますので、よろしくお願いします」
マツコ「確かにあれですよ。出世しそうな顔ですよ」
防衛省陸上幕僚監部需品室糧食グループ長福岡健人1佐「ありがとうございます」
マツコ「今までだったらそんなにおいしいものではなかったのよね?」
福岡さん「いや、あの」
マツコ「今までもおいしかったの?でもこんな歓喜する?みんな」
福岡さん「今まではですね、時々『マズい』と言われていたことがあったりはしました、確かに」
マツコ「ね、そういう声も一部あったのね。今回リニューアルして、みんな『ウマい』って言ってるんだ?」
福岡さん「そうです。もともと平成20年まではこういった缶飯を、缶飯と言っているんですけども我々では。こういった形で戦闘員、要するに部隊は」
マツコ「もう無いのね、だから缶が」
福岡さん「はい」
マツコ「そうなんだ」
福岡さん「これをこちらのタイプにリニューアルした」
マツコ「これがこうなったんだ?」
福岡さん「はい、これリニューアルしたのも、平成20年にはこういった形にはなってたんですけど、それをさらに味を昨今改善をいたしまして、おいしくしたということです」
菅原「海上自衛隊も、同じ缶飯です。船の中であの缶飯を食べているんです」
内田「航空自衛隊もいっしょです」
菅原「海上自衛隊も来年度からレトルトになるって言われています。潮目ですね」
マツコ「『潮目ですね』じゃない。缶のやつは『うん?』ってときある?」
菅原「ありますね。人気ないですね。『缶飯か』ってなってしまうので」
マツコ「おかゆ。なんでこんなに読みづらくしてあるの?グレーに黒の文字で書いてあるんだけど。これをカモフラージュする必要はある?グレーに黒の文字で書いてあるのよこれ」
福岡さん「なるべく敵に見つからないような形で施しています」
マツコ「これが白い文字だとやっぱり見つかっちゃう可能性あるの?」
福岡さん「そうですね、暗闇だとけっこう白だと目立ちます」
マツコ「なるほどね」
菅原「光に反射しないようにですね」
マツコ「なるほど。ちょっと待って、なんかハイカラじゃない?こんなのあるの?」
福岡さん「今までですね、ご飯しかなかったんですけども、部隊の隊員の要望を聞いてパスタとかパンとか、そういったのを取り入れています」
マツコ「若い子はやっぱりこういうの好きなのね、これね。ちょっといただきます。これだからペンネか」
福岡さん「そうです。いかがでしょうか」
マツコ「あのね、けっこうね、本当にすごいおいしいよ」
福岡さん「ありがとうございます」
マツコ「これもう本当にね、トマトの酸味みたいなのもちゃんときいてて、けっこう本当に本格的な味よね。普通に毎日食べられる」
福岡さん「ありがとうございます」
マツコ「だからだいぶ実際に作っているものとかも含めたら、おいしいものは食べられてるね、自衛隊の人ってね」
原・菅原「おいしくなってますね」
原「我々が入隊したころなんかは、刑務所のほうがおいしいご飯だと言われたくらい」
マツコ「偉い人来てる」
原「あ、すみません、失言です」
マツコ「あと3か月で定年だからって、言いたいこと言ってるわね」
原「全部暴露します」
マツコ「でもやっぱりごはんがおいしいかおいしくないかって大きいよね。次の日のやる気も含めて」
福岡さん「もうこれからは『マズい』とは言わせません」
マツコ「やっぱりちょっとあんたたちに比べると、シャレがきかなさそうね」
福岡さん「いや、そんなことないです」
ナレーション「今年リニューアルされおいしくなった陸上自衛隊のミリメシ。中でも、開発責任者福岡さんイチオシなのは?」
マツコ「これチキンライス?」
福岡さん「チキンライスです」
マツコ「ちょっと待って、これをかけるの?」
福岡さん「そうです」
マツコ「なるほど。オムライスだ」
福岡さん「オムライスの形になっているんです」
マツコ「ふわとろオムライスだ。ちょっと待ってよ。こんなときぐらい、ふわとろ我慢できない?すごいね、こんなになってるの今?へえ。ちょっとびっくりした。おいしい」
福岡さん「これ基本備蓄用なので」
マツコ「すごいわ」
福岡さん「一般隊員は来年から食べられることになっています。基本戦闘糧食は何日も食べていると飽きが来るので、基本的に21種類用意しています。なぜ21種類かというと、1日3食ですので、1週間、3×7の21日飽きることなく喫食できるようにそろえています」
マツコ「ねえ、タコライスがあるのよ。あとなんか、みんなオレンジね。たまたまだろうけど、これ」
福岡さん「ちゃんとスプーンも付いていますので、それぞれ1食1食」

マツコ「前、スプーン付いてなかったの?」
福岡さん「はい」
原「枝をバシって」
マツコ「まじで?」
原「陸上はですね。ちょっと先っちょを削って食べる」
マツコ「まあ、あと技術も進んだんだろうね」
福岡さん「技術の進歩もありまして」
マツコ「前は缶じゃないと賞味期限とか早かったんでしょ?」
福岡さん「それもありますし、空挺団の部隊が前方の部隊のために空中投下といって、パラシュートでこういった補給品を降ろすために缶にしてたんですね」
マツコ「なるほど。前はレトルトとかだともうそれで破裂しちゃったりとか」
福岡さん「そうです。こういったレトルトも自衛隊仕様に一番堅くして、物料投下に耐えられるような」
マツコ「確かにさ、ここの作りがほら。下から映すとわかる?G-SHOCKみたいじゃない?この部分のこれ。たぶんこれ強い構造なんだよね」
福岡さん「そうです」
ナレーション「戦闘糧食と同じ製法で作られた商品が発売中。みなさんも一度試してみては?」
マツコ「あたしは特に陸自の人と仲が良いけど、陸上自衛隊って本当にきついからな」
原「それで私の甥っ子は海上自衛隊に入隊させました」
マツコ「海上自衛隊が楽みたいな言い方やめなさいよ。海上自衛隊は海上自衛隊で大変よ、本当。一番楽なのは航空自衛隊よ」
内田「そんなことないです」
マツコ「そんなことないです。わかっています。嘘です」
原「あと、すごい給料が良いんですよね、海上自衛隊」
マツコ「そうなの?」
原「全然違います」
菅原「ありがとうございます。基本給はいっしょなんですけど、手当がつくので」
マツコ「海に出た手当みたいなのが付くのね」
菅原「艦艇乗組手当、潜水艦手当とかですね。でもそれ言ったら、航空さんは飛行機に乗ったら良いお給料もらえる」
マツコ「金の話になると、饒舌になるわねみんな。じゃあ、パイロットとかはすごいもらっているの?」
内田「けっこうもらってるみたいです」
マツコ「あいつそうなんだ。たまたま行きつけの店で、たまたま常連同士のやつが、そいつがパイロットだったのよ、航空自衛隊の。そんなでもないって言ってたのに。嘘か」
原「まあ、毎月がボーナスみたいな感じですね」
マツコ「あのやろう。やっぱりね、陸上っぽい。陸上ってやっぱりあれじゃない、まあ言い方は悪いけど、泥臭い仕事じゃない?だからね、すごいのよ、こう海上自衛隊、航空自衛隊に対する恨みつらみ。あとね、やっぱり陸上の人は俺らが一番と思っている。陸上自衛隊の特徴」
原「そうですね。最終の決を決められるのは歩兵なので」
マツコ「ほら、必ず言うのよ。これね、すごいのもう。陸上自衛官あるあるよ。もう噛みつき方がすごかったでしょ?」


《打倒海自カレー!空自が開発した名物グルメ》


内田「浜松基地から参りました、給養員、内田美菜子です。大学で管理栄養士の勉強をしてとりまして、管理栄養士を持っております」
マツコ「内田さんの場合はそっちをやりたくて自衛官になったんだ?」
内田「はい。日本で一番元気で一番おなかいっぱい食べてくれる人に、ご飯を食べさせてあげたいなと」
マツコ「なるほど」
内田「ではマツコさん、海上自衛隊のカレー、陸上自衛隊のミリメシ、航空自衛隊といえば、なんでしょうか?」
マツコ「うわあ、これはちょっと航空自衛隊の人には悪いわね。えー、全然わからないです。無いね、イメージ」
内田「あるんですよ、実は。航空自衛隊メシの魅力。全国の基地等が切磋琢磨しあう究極の『空上げ』。『空上げ』と書いて『からあげ』」

マツコ「からあげなの?」
内田「実は航空自衛隊で調理競技会っていうものをおこなっていまして、その一環として空自全体で『上を目指す』という意味を込めて『からあげ』というふうに名付けています」
マツコ「言われれば『なるほどね』って思うけど、ごめんなさい、全然イメージはないわ」
内田「本当ですか?」
マツコ「知ってた?」
菅原「一回やりあってるので」
内田「一回やりあってるんです、実は」
マツコ「どういうことよ?やりあってるって」
内田「実際にSNSで広報合戦を繰り広げてました」
菅原「カレー対空上げで一回バトルしている」
マツコ「そんなことがあったの?」
原「もう陸は陰で見ていました」

マツコ「空上げも毎週何曜日とか決まっているの?」
内田「空上げは揚げるじゃないですか。フライじゃないですか。フライデイなんですよ。月末金曜日は空自空上げの日なんです。フライデイです」
マツコ「フライデイじゃないよ本当に」
内田「実は空自空上げにはマスコットがいまして」
マツコ「かわいそうね。今から食べようってものをマスコットにしたのね」
内田「こちら『からっと隊長』っていうマスコットになっています」
マツコ「ひどいね、だからこれ見てよ。ほら。ひどいのよ」
内田「からっと揚がっています」
マツコ「胴体部分だけもうすでに毛をむしり取られて調理済みよ。ひどいわねこれ本当に」

内田「空自空上げなんですけど、実は全国の基地それぞれで作っておりまして、いろんな味があるんですけど。マツコさんはちなみにどの味が気になりますか?」
マツコ「あれってどういうこと?ごぼう空上げって?」
内田「ごぼう空上げは衣にささがきごぼうを入れてて」
マツコ「あたしごぼう空上げが気になります」
内田「ごぼうチップスみたいな感じです。ちょっと衣を硬めにしておくとごぼうがはがれないので、ごぼう空上げおいしいです」
マツコ「あたし硬めのからあげ好きなの」
内田「本当ですか?」
マツコ「そうなのよ」
ナレーション「埼玉県狭山の入間基地では、名産品である抹茶で下味をつけ抹茶味でいただく空上げ。さらに辛子明太子の漬け汁で味付けし、衣にも明太子をまぶした福岡県春日基地のピリ辛空上げや、地元でとれる日高昆布を刻んで衣に混ぜたカリカリ感がたまらない北海道襟裳分屯基地の空上げなど、全国66か所の航空自衛隊基地等で地元ならではの食材を使った空上げを作り、ホームページでレシピを公開している。中でも内田さん一番のオススメが」
内田「この夏ぜひみなさんに試していただきたいのがこちらです。美保基地の美保サルサ、串本分屯基地の紀州梅空上げ、浜松基地の三ヶ日みかん空上げ」
マツコ「梅いいね」
内田「梅おいしいですよ。すごいさっぱりしていて。肉の臭みも梅で消してくれて」
マツコ「美保のはちょっとやりすぎ感が出てるけど、おいしいのね?」
内田「ちょっと大人味というか、タバスコで味付けているので。さっぱりしていておいしいです。浜松は三ヶ日みかんのジュースで下味をつけていまして」
マツコ「えー?大丈夫?」
内田「夏にさっぱりした味になっています」
ナレーション「そう、浜松基地の空上げ最大の特徴は、名物の三ヶ日みかんジュースを大量に加えること。みかんに含まれるたんぱく質分解酵素の効果で、鶏肉が柔らかくなり絶品だというが、果たしてお味は」
マツコ「これ汁かけたほうがいい?」
内田「かけたほうがいいです。ポン酢もみかんポン酢になっています」
マツコ「あら。じゃあちょっとだけ。いや、これちょっとおいしいかも」
内田「本当ですか?」
マツコ「おいしくない?おいしいよねこれ」
内田「ありがとうございます」
番組スタッフ「みかんの味するんですか?」
マツコ「ほのかに香るくらい、みかんは。やわらかくなってるよね?」
菅原「お肉がやわらかいです」
マツコ「お肉やわらかいよね。これはちょっと。これご家庭でもやってみたら?オレンジジュースにつけるの。すごいやわらかくなってるね」
内田「これも三ヶ日みかんジュースとは言っているものの、オレンジジュースで代用が可能なので」
マツコ「100パーセントオレンジジュースだったらいいのよね?」
内田「そうですね。なければオレンジジュースであればなんでも代用が」
マツコ「そんなんでいいのね?大丈夫なのね?」
内田「誰でもマネができるっていうのがポイントなのでやっぱり」
マツコ「でもこれ本当にちょっと、ワンランク上の味になります」
内田「ちなみにこちらの空上げ、企業さんとコラボしまして、空上げ缶として売り出しております。こちらに」
マツコ「え、缶詰になってるの?どこで買えるの?」
内田「浜松基地や、浜松広報館、東名サービスエリアなどで」
マツコ「へえ。でもほら信頼のHOTEIから出てるわよ。焼き鳥の缶詰でおなじみの」


《海外VIPもうなる!海自の絶品スイーツ3選》


菅原「続いては、私が海上自衛隊のメシの魅力をお伝えしたいと思います。海上自衛隊のメシの魅力。海外要人にもふるまう、艦上レセプションパーティー。要人をうならせる絶品スイーツ」
マツコ「カレーじゃないの?」
菅原「カレー、カレーとばかり思われているんですけど、実はカレーだけじゃなくて」
マツコ「艦上でパーティやるときも治郎たちが作るの?」
菅原「もう全部手作りです」
マツコ「そうなんだ、外から頼むんじゃなくてあの中で作るんだ?」
菅原「海上自衛隊の給養員が作ります」
マツコ「えーっ、すごい」
菅原「和洋中ですね、全て網羅してやります」
マツコ「あれ左側のやつはなんなの?」
菅原「和菓子ですね」
マツコ「和菓子まで作るの?」
菅原「和菓子もやるときあります」
マツコ「『舞鶴』って書いてあるスイカを掘っているのもやるの?」
菅原「けっこう特化すると一生懸命やっちゃう」
マツコ「ちょっと異常よね、やっぱり海上自衛隊ちょっと異質よね。こんなことしないでしょ」
原「無理ですね」
マツコ「どこかに習ったわけじゃなくて、自分たちで?」
菅原「一応第4術科学校っていう海上自衛隊の調理学校はあるんですね」
マツコ「すごいと思う反面、何やってるんだろうと思うわ。練習しているのね」
菅原「レセプションだけじゃなく、艦内の士官室とかに来ていただいて昼食会、夕食会みたいな感じで。フレンチのフルコース、会食とかもやります」
マツコ「そんなのも作るの?そんなフレンチのフルコースを作る人と、空上げは勝ち目ないかもしれないわね。あんたこれやっぱりもうちょっと。ちょっと待って。え?これ作ってるの?ねえ、こんなケーキ作っているわよ、この人たち。これちょっと違うね」
菅原「こういうのはお客様が来たときに提供する。乗組員にはなかなかここまでいけないですね」
マツコ「いやそれは、これが出てきたら出るところ出て文句を言いますよ」
菅原「隊員にはこんな感じでちょっと工夫して」
マツコ「え、それは隊員に出すやつなの?」
菅原「コンポートにしたのを」
マツコ「コンポートはいいけどちょっと。皿に普通に出せばいいじゃない。そんなリンゴの器で」
菅原「そこが海上自衛隊の給養員なんです。もうその一歩をやりたがる」
マツコ「これは何?帰港するときに出るんだ、ぜんざいは」
菅原「入港ぜんざいは旧海軍からの伝統なんです。入港する、特に長い航海が終わっていよいよ母港に帰ってくるっていうその前の日の夜に、入港ぜんざいっていうのを出す」
内田「ぜんざい作りますよ」
マツコ「ぜんざい作るけど、このエピソードはちょっと腹立つでしょ?」
内田「鏡開きの日だけですね」
マツコ「いいじゃないのよ。立派よ」
原「陸上なら買いますね」

マツコ「ケーキ屋さんじゃない、これ本当に。こんなの作るの?」
内田「これ買ってきたんじゃないですか?」
菅原「いやいや」
マツコ「あたしもそう思うんだけどそれ。どこかで買ってきたんじゃない?作ったの?」
菅原「これ昨日私が護衛艦いずもで作りました」
マツコ「いずもの中で作ったの?いやびっくり」
菅原「どうですか?」
原「おいしい」
マツコ「おいしいよ。けっこうしっかりめの本場の、だからヴィーンとかあっち系の濃いめのほうのやつ。けっこう本格的」
菅原「けっこうこだわっています。生地にもしっかりシロップをうって。たぶんジューシーだと思う」
内田「買ってきたんじゃないですか?」
ナレーション「長い航海を送る海上自衛隊にとって、甘いものは何よりのごほうび。そんな隊員のために、給養員は業務の合間をぬって日々スイーツづくりの腕を磨き、シュークリームも艦内で作られたとは思えない出来栄え」

マツコ「シュークリーム作るの?艦内で?」
菅原「そうですね。この間も練習で若い子を集めて、シュークリームやるぞって。よかったらぜんざいもあります」
マツコ「食後にいただこうかな」
菅原「この間、いずもが入港したばかりなんです。けっこう長い航海から帰ってきて。そのときも入港ぜんざいを作ったので、それを今日持ってきました。どちらかというとぜんざいってサラサラのイメージがあるんですけど」
マツコ「おしるこ」
菅原「おもちではなくて白玉でだんごを作っています」
マツコ「小豆からでしょ?」
菅原「小豆から炊いています」
マツコ「すごいわね」
菅原「白玉もお店だと丸じゃないですか。いっぱい作るので薄く耳たぶみたいにしてやるとけっこう短時間で」
マツコ「茹でが早いのね。あたし今あんこが一番好きなのよ。おいしい。いっぱい船があるじゃない?その中でも俺のところが一番だという自負はあるの?」
菅原「はい。たぶんみんなありますね。シーマンシップに負けじ魂があるんですけど。隣の船がこういうウマい飯作ったって噂を聞くと、もう負けてられないので。じゃあそれ以上のものを」
マツコ「息子さん娘さんを自衛官にしようとしたら、海上自衛隊だね。ちょっとすごいね」
原「甥っ子を海上自衛隊に入れました」


ナレーション「陸海空、それぞれ作る料理に誇りとライバル意識がある中で、伝えたいことが」
菅原「自衛隊メシの最大の魅力。結局、海自カレーが一番ウマい」
マツコ「ああ、みんな思っているのね。みんな思っているの、やっぱりカレーだなとは思っているのね」
内田「対抗したいっていう心はカレーだなって思っていても」
マツコ「やっぱり今のところはカレー強いなって思っているのね。あ、ヤダ。ちょっと本当の出し方で出してくださってるの?わあ、うれしい。これちょっと、これすごいよ」
内田「トマトが湯むきされています」
マツコ「湯むきしていない?」
内田「してないですね」
マツコ「いただきます。カレーだけで食べてみよう。おいしい。ちゃんとフォンドボーの味がする」
菅原「出汁は本当に大事」
マツコ「すごい。お出汁の味するわ。やっぱりお出汁でやってるからなのかな、軽いのは。脂っぽくない」
菅原「あとすごく複雑にしてるんですね、わざと。カレールーは使ってるんですけど、カレールーももう5種類6種類とかっていう。わざわざこう複雑にして」
マツコ「飽きないよね。カレーってちょっともう3口目くらいからちょっともう『あっ』てなるじゃん。スルスル入る」
菅原「ちょっとそのフライも食べてもらっていいですか」
マツコ「これ?これ何?」
菅原「親子フライ」
マツコ「スコッチエッグ。大好き」
内田「手作りですか?」
菅原「はい」
内田「すごい」
菅原「さっきそこで作ったんです」
マツコ「ああ、ウマっ。これおいしい」
菅原「スコッチエッグはこうまとめるんですけど、わざと半熟卵で仕上げて」
マツコ「親子ってことは、鶏なんだ?さっぱりしてる」
菅原「自衛隊の基地に入らないとなかなか食べられないじゃないのかなと思われる方がいらっしゃるんですけど、実際にこうやって船と提携して民間のレストランとかでも食べられるようにしています」
マツコ「そうなんだ?」
菅原「もうみんなここの各艦艇の給養員長がそこのお店に行ったりですね、いっしょに開発したり、結局そこの給養員長が良いっていうお墨付きが出たときに、初めて商品化されるっていうところで」
ナレーション「海自カレーが食べられるのは、全国60か所以上。各艦艇こだわりのカレーを完璧に再現している」
マツコ「これもうご飯を食べるというのが人間の基本だからね。それを毎日作っているんだから、みなさんが守っていると言っても過言ではない」
菅原「年々武器とかレーダーがどんどん良くなっている。結局それを操っているのは人間じゃないですか」
マツコ「そうですよ」

菅原「それを支えているのが食事ですから」マツコ「逃げるときは乗っけてね。日本沈没のときはどこでもいいので乗っけてください」
菅原「いずもが良いですよ」
マツコ「本当?」
菅原「大きいから」
マツコ「そういうとき、役立たないわよね」
原「戦車がありますから大丈夫です」
マツコ「戦車、海渡れないじゃないですか」
原「シュノーケルつけたらちょっとくらいは」
マツコ「大丈夫?」


〜完〜