2022/05/17放送
マツコの知らない世界
https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/
'アジフライ一本で生きていくことを決めた居酒屋店主'
池田隼人(イケダハヤト)さん(以下、池田)
池田「よろしくお願いします、池田です。お願いします」
マツコ「アジフライ顔ではないわよね」
池田「そうですか?」
マツコ「アジフライ顔じゃないわ。まああたしもアジフライ好きですけど、メインで出たことない。コロッケとかそのへんのラインにはいるよ。いるけど」
池田「でも唐揚げには負けますよね?」
マツコ「それは図々しい」
池田「今日僕が来た理由を。アジフライは今が旬。脂がのったとれたてを食べてほしい。4月から7月、今すごい脂がのっているので、これが旬と言われている時期です」
マツコ「まあでも旬をイメージしたことがない魚のひとつではあるわね。『ああ、そろそろ寒ブリだね』とかみたいな、あるじゃない?」
池田「アジ、ないですね」
マツコ「アジってそういう会話にならないよな」
池田「アジフライって今まで『臭い』とか」
マツコ「あたしね、それはちょっとわからん」
池田「わからないですか?」
マツコ「最近の人はアジフライを臭いって言うの?」
池田「それはたぶん冷凍のアジフライとか」
マツコ「生臭さ?」
池田「そう。お刺身で使っていないアジをフライにしかならないと言ってアジフライにする」
マツコ「ごめんこれはね、あたし言いたいんだけど。魚臭さをなんでそんなに嫌がるの?って思っちゃうの。『わあー、生臭い、無理』みたいな。何も食うなおまえは」
ナレーション「そう、現在アジフライの若者離れが深刻。さらに好きな揚げ物ランキングでもトップ10圏外と、その影は薄いまま。しかし今夜、年間300枚以上食べ歩き、日々アジフライ研究を重ねる居酒屋店主•池田隼人が、あなたの常識が変わる知られざる名店から、アジフライの聖地まで。サクサクフワフワの絶品アジフライをご紹介。さらに、アジフライの新たな可能性、明日試したくなる最強調味料が続々登場」
《香りがすごい!とれたて絶品アジフライ3選》
マツコ「なんでこんなヤカラみたいな男がアジフライにハマったのよ?どうしたのよ?」
池田「アジフライ一本で生きていくことを決めた居酒屋店主、池田隼人です。18歳でモテたくて、フレンチイタリアン専門の料理学校に入学しました」
マツコ「いいね」
池田「地元の和食屋さんでアルバイトしてて、和食ダサい。でもなんかちょっと西洋のところ行ったら」
マツコ「おお、なにこれ?ねえ、なんかずいぶん小綺麗になったね。いい仕上がりだねこれ」
池田「ヤンキーとかではないんですよ」
マツコ「ヤンキーとかじゃないんだとしたら、なおさら問題よ」
ナレーション「その後、25歳のときに飲食店の社長にヘッドハンティングされ、オーストラリアで5年間武者修行。そこで和食の魅力を再認識し、恩人の社長が好きだったアジフライにどハマり。現在は高田馬場にお店(『酒肴 新屋敷』)を持ち、日夜アジフライ研究に励んでいる。そんな池田さんが伝えたい、アジフライの魅力が」
池田「アジフライはワインと同じ」
マツコ「違いますよ」
池田「いっしょなんです」
マツコ「いっしょなんだな」
池田「鼻から抜ける香りを感じてほしいです。鮮度の良いアジフライは、噛んだときのみずみずしさが全然違います。魚の良い香りも立ちます。パン粉の香りもすごい立ちます」
マツコ「あたしね、なにげにすごい楽しみにしている、今日。楽しみにしてたんだけど、隼人を見て、大丈夫か?って気にはちょっとなっている」
池田「すみません。でもアジフライですから、やっぱりそこまで期待しないほうがいい」
マツコ「言ってることめちゃくちゃなんだけど」
池田「いや、これ本当なんですよ」
マツコ「本当なのね」
池田「やっぱり空腹で食べてもらうのが第一条件」
マツコ「なんでもウマいじゃねえか、そしたらおまえ」
池田「香りが抜群、全国とれたて絶品アジフライ。肉厚さわやかな香り『京ばし松輪』さん、東京。黄金アジの芳醇な香り『さすけ食堂』さん、千葉。ザクザク衣の甘い香り『近江屋』さん、栃木です」
マツコ「これ3つとも出てくるの?」
池田「そこでちょっとVTRがあるので」
ナレーション「まずは東京都、京橋駅から徒歩30秒、『京ばし松輪』。ここは知る人ぞ知る、日本有数のアジフライの名店。ランチメニューはアジフライ定食のみ。こちらが店主田中平八郎さん。アジは東京湾のマアジを使用」
スタッフ「揚げ時間は?」
田中さん「約1分。揚げ時間はごく短い。高温で表面だけサッと加熱して、取り出してから余熱で仕上げる」
ナレーション「新鮮さにこだわり、1日70食限定で提供。アジはその日のうちにさばいて、一晩ショウガに漬け込むことで臭みが取れ、本来のさわやかな香りを引き出している。生パン粉で包んだ薄衣の軽い食感で、箸が止まらなくなる一品。続いては、千葉県富津市。金谷の海岸から歩いて30秒にある、『さすけ食堂』。創業21年で、バイカーに人気の店。こちらが使っているのは地元のブランド黄金アジ。回遊せず、エサが豊富な海に定着しているため、普通のアジより大きく、うまみが凝縮された芳醇な香りが特徴。お店を切り盛りするのが、アジフライ界のレジェンド、斎藤艶子さん、御年75。この方のアジフライを目当てに開店前から1時間以上の行列ができる日も」
スタッフ「揚がりの目処はどこを見ている?」
斎藤さん「うーん、これも勘だけどね」
スタッフ「長年の勘ですか?」
ナレーション「黄金アジの濃厚な脂とうまみ。そこにほんのり香る衣の甘さがたまらない。続いては栃木県鹿沼市。海無し県とは思えない絶品アジフライが堪能できるのがここ、『近江屋』。アジは山口県産を使用。店主の大貫さんは、アジの形にとことんこだわる」
大貫さん「この中で一番好みのタイプはこれになりますね。顔がシュッとしてて、腹が太い。お尻にかけてまたキュッと。小判型っていうんですかね。こういう形のアジが一番理想です、私の中で。細身の子はあんまり好きじゃない」
ナレーション「サラダ油とゴマ油を独自にブレンドした揚げ油が、香ばしさを引き出す工夫。店主いわく、山口県産のマアジは、頭から尻尾まで均一に脂がのっているため、どこを食べてもおいしいのだ。そしてこの音も。絶品アジフライ3品、ご堪能ください」
池田「この3店舗がそろうこと、今までになかったというか。オールスターです」
マツコ「全部いけるのね。うわ、来た。ウマそう。ねえ、飯とビールは?ちょっと待って、どれ?順番、全部温かいうちから食べたいんだけど。どれから食べたらいいの?」
池田「ちょっと僕、食べ方」
マツコ「食べ方教えてよ」
池田「教えていいですか?これさっき言った、アジフライってワインといっしょなんです。まず匂いを嗅ぐんです。匂うんです。ああこういう感じねっていう」
マツコ「ああ、いいね」
池田「そうなんです。いいんですよ。次見た目なんです」
マツコ「どんどん冷めてってるんだよ」
池田「食べます、すみません」
マツコ「もういいんだな?」
池田「いただきます、はい。まずは何もつけないです」
マツコ「まず何もつけないのね」
池田「香りを意識して食べる」
マツコ「うんめ。何もつけなくていいですよ」
ナレーション「そんな松輪さんのアジフライには、調味料へのゆずれないこだわりが」
田中さん「大根おろしとわさび、そこに醤油っていう感じで。うちのアジフライは新鮮な魚の味を伝えたいので『ソースください』とか『ソース置いていますか』は聞かれたりはしますが、一度も店から出したことはないっていうか、店にソースがない」
マツコ「でもあの大将が言っていたオススメの食べ方してみよう。あたしわさびつけたことないわ」
池田「わさびとおろしと醤油をちょろっと」
マツコ「醤油をなに?ちょっと垂らす感じ?上から」
池田「そうですね、上から垂らしていただいて。この鼻から抜ける感じ。いいですよね、香りが」
マツコ「わさび良いね。初めてだわ。だからもちろんアジフライそのものがおいしくなかったら、この食べ方果たしておいしいかどうかわからないけど。すばらしい。ウマい。アジフライウマいわ」
池田「ウマいです。うれしい」
マツコ「『さすけ食堂』さんね、次ね」
池田「さすけ、いきましょう」
マツコ「まずは何もつけない。ていうか、持ったときのフワフワ感がすごい」
池田「すごいですよね、黄金アジ」
マツコ「やっぱりね、ちょっと甘い。匂い違うね」
池田「そうなんです。ちょっと芳醇なって言っていいか」
マツコ「なんていうんだろう、ちょっと砂糖っぽい甘みを感じるくらいお菓子っぽい甘さだよね。ああ、全然違う。違う魚みたい。すごい厚いな。これびっくりする。うわ、ウマいね」
池田「ありがとうございます」
ナレーション「そんな黄金アジフライ、オススメの食べ方は?」
斎藤さん「一枚は何もつけないで食べて、一枚は醤油とか。あとは好み」
マツコ「醤油だけ?言われたとおりの食べ方をする。これでもさ、キャベツちゃんがいるのよ。キャベツちゃんはソースいきたくなっちゃうのよ。キャベツにだけつけます。アジちゃんにはつけないです。これで味をつけずにこれをいくわけよ」
池田「ああもうそれいいかもしれないですね」
マツコ「2杯目を感じさせない感じでおかわりを持ってきて」
池田「次『近江屋』さんいきますか」
マツコ「近江屋さんも何もつけるなって言ってた?最初」
池田「近江屋さん、まず何もつけないで」
マツコ「レモンもつけないほうがいいよね」
池田「はい、まずは」
マツコ「こんなに従順に従うことないのよ、あたし。ああ、また匂い違う。松輪さんは王道。甘い感じ。こっちは逆にちょっとスパイシーというか、香りの種類が違うわ。いい?これもデカいな」
池田「これもデカいです」
マツコ「衣ウマい」
池田「ウマいです」
マツコ「もちろんアジもウマいけど。一番衣を感じるよね」
池田「衣は12㎜で指定しているらしいんですよ。衣がしっかりしているので、歯ごたえもばっちりですし」
マツコ「フワフワ。フワフワだよ。やっぱり衣が存在感あるぶん、油の感じも良いね。中が蒸しあがる感じが強いわ。一番フワフワしている、こちら近江屋さんのが」
池田「隣のソースがオススメ」
マツコ「これが近江屋さんのやつなのね。オリジナルだもんね、これかけたほうがいいよね。ウマいですよ」
池田「これ、若者にハマると思いません?」
マツコ「あたしね、最近すごい思うことがあって、なんか味がどんどん濃くなってない?今」
池田「そうなんです」
マツコ「あたしなんかシンプルに食べるのが一番おいしいと思うけど。最近の若い子はこれにべっちょりタルタルソースとか、それこそ変なチキン南蛮ソースみたいなのとかかけないと、『おいしい』って言わない舌になっちゃっているのかなって。最近流行っているものを食べるたびに思うのよ。どう?どうなのよ?」
池田「本当そう思います」
マツコ「どうする?」
池田「どうしましょう?」
マツコ「おまえが考えろよ」
《聖地・長崎県松浦市の神アジフライ》
ナレーション「全国のアジフライを食べ歩き、365日研究に励む池田さん。そんな彼でもアジフライに関して頭が上がらない男がいるという」
池田「それがこちらになります。アジフライ界の革命児、長崎県松浦市長、友田吉泰さん、58歳です」
マツコ「あまりご存じない方のために言うと、長崎の一番北側のほうね、松浦って」
池田「3年前にこのアジフライの聖地として町を旗揚げしたんですけど、『おもしろいことする市長がいるね』ってTwitterでつぶやいたら、それを見ていてくれて。ある日お店に来てくれた」
マツコ「え?松浦から来てくれたの?」
池田「そうなんですよ」
マツコ「アジ愛がすごいわね」
池田「もうとてつもないですから。その人のVTRをちょっと」
ナレーション「長崎県松浦市は、アジの水揚げ量が日本一で、年間約2万トンのアジが全国に運ばれる。そんな松浦市の市長がこの方。アジフライ界の革命児、友田市長。出張で他県のアジフライを食べた際に、松浦のアジフライとの差に愕然としたことをきっかけに、2019年松浦市をアジフライの聖地と宣言。そこで制定されたのが、松浦アジフライ憲章」
友田市長「松浦アジフライ憲章。一つ、私たちは、できるだけ揚げたてアツアツを提供します」
松浦市地域経済活性課、宮田聡美さん「一つ、私たちは、松浦アジフライの振興を通して世界平和を願います」
マツコ「誰よ?」
池田「聡美ちゃんです」
ナレーション「その結果、町にはコンビニのおよそ5倍、34店舗ものアジフライ店が。そんな友田市長が町を盛り上げるためにおこなった三大革命がこちら」
池田「橋でつながる小島、こちらが鷹島の道の駅にあるんですけれども。これです」
(巨大アジフライモニュメント)
マツコ「意外とそのままだったわね」
池田「もうそのままなんですけど」
マツコ「意外と善良なモニュメントだったわね」
池田「すばらしいですね。市長は一個じゃ足らないんです。4つです」
マツコ「こういうのは1個にしておいたほうがいいのよね」
池田「すごいですから」
マツコ「愛があふれているから」
池田「これなにか異変、わかります?」
マツコ「はい、わかりました」
池田「そうなんです。つり革がアジフライなんですよ」
マツコ「そうね、なにか他にやりようはあったと思うんだけどね」
♪アジフライソング
マツコ「子ども出されたら。子どもはダメよ。あたしもうこれは無理」
池田「かわいいですね」
マツコ「もうあたし無策ですよ。これはもうなんのフォローももう。フォローができなくなりますね」
池田「この歌の作詞作曲は市長が」
マツコ「どうりで素人が作ったっぽい歌でしたよ。アジフライっていいながら、こいのぼりが上がっていたじゃないのよ。あそこもうアジのぼりにしないとダメよ」
池田「それいいかもしれないですね」
マツコ「余計なこと言っちゃった」
ナレーション「池田さんいわく、聖地・松浦には唐揚げ超えのポテンシャルを持つアジフライがあるという」
池田「気合いが入っているお店があります。究極の鮮度を追求した神アジフライ。『焼肉・長崎ちゃんぽん きらく』」
マツコ「ええと、ごめんなさい、いいですか。ツッコミどころ満載なんですけど。ええと、まず焼肉かちゃんぽんかハッキリしてほしいです。しかもアジフライがオススメ。大丈夫ですかこれ?」
池田「これ外観なんですけど」
マツコ「外観だけど、もう何屋かわからないわね。これもう本当に」
池田「わからないですけど」
マツコ「おいしそう」
池田「おいしいんですよ」
マツコ「次、焼肉じゃないかよ」
池田「これ普通の焼肉」
ナレーション「こちらが店長の下久保さん」
スタッフ「おはようございます」
下久保さん「おはようございます」
スタッフ「下久保さんの船ですか?」
下久保さん「そうです。これからアジ釣りに行きます」
ナレーション「週4日、朝5時に自ら船を運転し、漁へ出ている」
スタッフ「どうですか?」
下久保さん「ばっちり。これがマアジです」
スタッフ「釣れなかったらどうするんですか?」
下久保さん「釣れなかったらごめんなさい」
スタッフ「出さないんですか」
下久保さん「はい」
スタッフ「一匹のアジでアジフライ何枚ですか?」
下久保さん「二匹でアジフライ一人前」
スタッフ「これだけで」
下久保さん「1180円」
スタッフ「釣り始めて1時間半で1180円」
下久保さん「はい、割に合わない」
ナレーション「新鮮さにこだわり、釣った魚は全て1時間以内にさばく。コスパよりも新鮮なアジフライをお客様に届けることが信条」
マツコ「こういうの見るとイヤになってくる。なんであたしはこんな所でこんな瀕死の状態のテレビ局で。ニラソース。初めてよ、ニラソースでいただくアジフライ」
池田「あら、それは楽しみ。用意していると思いますので」
マツコ「え、来ていただいているの?」
池田「松浦から来ていただいているんですよ」
マツコ「やだ、すみません、本当に。これでかけたほうがいいのかな?」
池田「そうですね、でもまず」
マツコ「あ、まずね、香りを。松浦の香りを。いいね、このなんていうんだろう、立派なアジもいいんだけどさ、これぐらいでいいよね」
池田「このくらいウマいです」
マツコ「優しい香りがする。やだ、やだこれ。アジの味が濃い」
池田「松浦のアジって、回遊せずにいるので、脂がのって」
マツコ「回遊しないのがポイントよね。だからニラソースに負けないのね」
池田「そうです」
マツコ「これ普通のあっさりしたアジにかけちゃったら、ニラの味しかしないわよ、これ本当に」
池田「これはこれでまたおいしいですよね」
マツコ「だからこれにかけてもそんな負けないのよ、アジがね」
池田「これがおいしいです」
マツコ「あらやだ、ニラソースおいしいね。ニラソース、アジフライおいしい」
池田「おいしいです。本当おいしいです」
マツコ「けっこうこのニラソース、ニラソースだけで食べるととんでもないのよ。なんかこのまろやかになる感じ」
池田「不思議です」
マツコ「アジが強いからかな。全然、これすごいのよ、このニラソース。これをいっしょに食べると、本当にニラが。不思議。最悪ビールが余ったらこれでいける」
《アジフライ業界が抱える悩み》
池田「続きまして、アジフライ業界が抱える悩み、なにをかけるか問題
ナレーション「全国のアジフライ職人が抱える悩み、それが」
釣りあじ食堂店主、神山さん「お客さんにいろんな調味料を頼まれます。ポン酢とか。一番困ったのはタバスコですね」
池田「からしや調味料ないの?って聞かれるんですけど、魚だからこそ何にでも合う。だからこそどの調味料を置いていいかわからない」
マツコ「あたし正直今日までは、ソースか醤油で良くない?って思ってたんだけれど、ちょっと最初のあのわさび大根おろしとか、このニラとか食べちゃうと」
池田「ああ、うれしいですね」
マツコ「けっこうこれはみんなもっと真剣に考えたほうがいい」
池田「そうなんですよ。こうなっている。ウスターソース、醤油、中濃ソース、いっぱいあるんですけどね」
マツコ「これみなさんから邪道だってあたし怒られてしまいそうなんですけど、ケチャップたまにやります」
池田「ほう、それは珍しい。アジフライって無限の可能性があると思うんです。今日僕はこれかけたらおいしいんじゃないかってもの考えてきて」
ナレーション「ということでここからは池田さんが本気で揚げるアジフライを使い、無限の可能性があるオススメ調味料をマツコが実食」
マツコ「すごいわね、あんた。これだけ全国の名店のを食わしたあとに」
池田「ちょっとプレッシャーがあるんですけど」
マツコ「すごいなおまえ」
池田「僕のアジフライは下味一切つけない」
マツコ「え?」
池田「もう全部に味がついているので。アジ、小麦粉、パン粉、油、全部に味がついているので」
マツコ「塩とかコショウふらない?」
池田「一切やらない。必要ないです。もういきます」
マツコ「もう揚がったの?ちょっと大丈夫?あなた。そんな時間で火通るの?アジフライって」
池田「ちょっとこれで待ちます」
マツコ「余熱でやるんだ?みんな揚げ過ぎなのかな?」
池田「揚げ過ぎることによってパサパサになる」
マツコ「パサパサのアジフライって多いじゃない?あのキュイキュイするみたいなやつ」
池田「最小限の味付けで、パン粉も最小限です。マツコさん、まず香りを。僕は本当何も味付けをしていない」
マツコ「アジにパン粉まぶしただけね」
池田「そうです。卵をまずまぶして。そんなしないと思うんです」
マツコ「でもこれ別におべんちゃらじゃなくてね、負けてないですよ、あなたの。本当に」
池田「ありがとうございます」
マツコ「あれ、この人、あら。顔が得している」
池田「なんですか」
マツコ「そこから想像してたじゃない?あんなにすごいのばかり今日いただいたわけじゃない。おいしいですよ、あなたのアジフライ、マジで」
池田「下味なくても十分味」
マツコ「下味ないのもそうだけど、余熱?悔しいな。こんな顔の人が作った料理をおいしいって」
池田「僕が考えた、一番おいしい調味料。今ハマっているのは水塩」
マツコ「え?」
池田「水と塩と昆布を合わせて沸騰させるんです。それをろ過させて、霧吹きで吹くんです」
マツコ「意外とめんどうくさい男だな」
池田「いやいや、ツープッシュくらいです。2回」
マツコ「これぐらい?香りはそんなに強くないよ、これ。すごい繊細な味ですよ」
池田「よかったです」
マツコ「お塩は本当に下味よりも薄いくらい。昆布のすごい繊細な香りがする。悔しいからあんまり言いたくないけど、水塩が一番ウマい」
池田「ああよかった」
マツコ「水塩、これ他のビンに入れたほうがいいんじゃない?」
池田「ダメですかね」
マツコ「なんかね、だからなんだろう。こういうところにおまえの本性が垣間見える」
~完~