2022/10/11放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'メンマが好きすぎて会社を立ち上げた男'
吉野秋彦(ヨシノアキヒコ)さん(以下、吉野)



吉野「どうもこんにちは。吉野秋彦です」
マツコ「あ、メンマが好きすぎて会社を立ち上げたっぽい」
吉野「今回そのメンマのみを特集していただけるっていうことで、テレビ初の偉業じゃないかなと思っていて。メンマをここまで語っていいのかなって、ちょっと遠慮しているんですけど」
マツコ「そうですね、じゃあちょっとお言葉に甘えてお引き取り願えますか」

吉野「メンマの魅力そのものがたぶんご存じない方が、まだ多くいらっしゃるかなと思って」
マツコ「あたしはメンマ好きなので、メンマを注目しますけど、まあ具の注目度合いで言っても、チャーシューとか煮卵とかにはちょっとね。なんなら『メンマなくていいわ』みたいに思っている人もいっぱいいるわよね」
吉野「いっぱいいますね」
マツコ「そうなのよ。普通竹食べないじゃん。なんで竹を食おうと思ったのかも不思議だしね。でもあれメンマ無くなってみて?さみしいぞ?あんな抵抗してくる具材他にいるか?」
吉野「メンマって、けっこう食感とかそういったものにフォーカスされるんですけど、僕はこの食感だけじゃなくてですね。メンマの最大の魅力、この香りですね。ラーメンをよりおいしくするメンマ臭に注目せよ」
マツコ「わかる」
吉野「注目してもらいたいなって本当思っていて」
マツコ「臭いのよ、メンマって。こうやってお椀を近づけたとき、真っ先に匂うのはメンマよ」
吉野「そうなんですよ。さすがです、マツコさん」
マツコ「お醤油のとかだとすごいメンマの香りがするよね」
吉野「そうなんですよ。キレのある醤油だったら、メンマ臭が強いほうがいい。味噌とかそういうコクのあるけっこうハードな味のものに対しては、メンマ臭が少ないほうがいい」
マツコ「確かに味噌ラーメンとかでメンマの香りガーッてこられたら、ちょっと胸やけするかもね。だから喜多方が一番だっていう結論にあたしは。あたしメンマが好きだから、いろいろ食べながら、喜多方ラーメンに入っているメンマ。すごい組み合わせ」
吉野「喜多方ラーメンもシンプルなものにけっこうじゃまかもしれないなって思われがちなんですけど、実はメンマ臭がラーメンの味を引き立てている。例えばけっこうポピュラーなところで、日清食品カップヌードル。あの中にも実はメンマって入ってないんですけど、メンマパウダーって」
マツコ「メンマパウダー?」
吉野「味の決め手でメンマの風味を入れているんです」
マツコ「オカマの悪いクセだわ。叫べば済むって」
吉野「今日はメンマ臭を楽しめるラーメンっていうのを、私がピックアップしてまして。こちらなんですけど、メンマの香りがスープを引き立てる絶品ラーメンということで。吉祥寺にあります『Tombo』さん。こちらのVTRをご覧ください」
ナレーション「まず最初に紹介するのは吉祥寺にある『Tombo』。東京ラーメン・オブ・ザ・イヤー3部門で大賞を受賞した実績のある名店。こちらでは3種の塩を使ったタレと、鶏豚骨に魚介の出汁を合わせた複雑ながらもすっきりとしたスープに、喉ごしのいい中華麺がよく絡む、旨味たっぷりの塩ラーメンが楽しめる。そしてこのラーメンの香りをさらに引き立てるのがこちらの細切りメンマ。そのメンマ臭が」
吉野「このメンマ臭が乾燥メンマからできてまして、強い食感と風味を乾燥メンマが演出してくれています」
マツコ「あれ食べただけでわかるようになるからな、乾燥かどうかね。わかるよね?食べるとね」
吉野「わかります、そうなんです。これしっかり揉みこんで、この丁寧に処理することでですね、非常にこだわりポイントになっていまして。この2度揉みこむことで独特なメンマ臭の角が取れると。あんまりキリキリメンマ臭、メンマの酸味がキリキリしない。これをですね、高級料亭などで使われる枯節」
マツコ「へえ、枯節でやるの?」
吉野「味付けしていくというですね。かつお節にあえてカビ付けして、まろやかな風味なんですけど、これをじっくり浸してこのメンマ臭と」
マツコ「けっこう和っぽい感じの味付けなんだ?」
吉野「そうですね、和風の味付けで。塩ラーメンとメンマは相性が良くないというふうによく思われがちなんですけど、じゃまになっちゃうので。ただこの場合はですね、深みのあるメンマ臭がですね、さっぱり系の塩の香りに非常にマッチしています。メンマ臭がじゃましちゃうのでけっこう嫌がる、乗せない場合が多いんですけど。香り高きメンマ、ぜひご試食ください」
マツコ「これなに、別添えなの?お店。今日特別に?」
吉野「今日はですね、メンマ臭がどういう影響を及ぼすかという」
マツコ「なるほどね」
吉野「実食していただきたいなとを思って」
マツコ「確かにこれだけ飲むと、メンマいらないタイプに感じるわね。これどうなっちゃうんだろう、メンマ入れちゃったら。まずメンマだけね。でも確かにソフトね。匂いがそんなにキツくないタイプのメンマ。やっぱりメンマウマいな。入れちゃうわよ。メンマ。やっぱりでも落ち着くわよ。メンマの香りがしないとラーメンの感じがしないのよ。メンマの出汁、いっぱい出したところ飲んでみるからね。ああ、でもじゃましてないね、これは本当に。とんでもないことになると思ったら。クセを弱くしているおかげで。いただきます。こちらのお店って、全てが穏やかにできてるね、麺まで。このメンマはこのラーメンにしか合わない気がする」
吉野「そうですね。Tomboさんはやっぱりこのラーメンに合わせたメンマ臭の残し方と食感。これも計算されたメンマの大きさもそうなんですよ」
マツコ「すごい工夫されたんだと思う。そんなに必要性を感じない人も、メンマを取って食べてみて。物足りないから」


《メンマ臭を楽しむ!絶品ラーメンメンマ3選》


吉野「世の中の若い方もみなさん含めて、メンマってそもそも重要じゃない。僕もですね、主役にはならなくていいと思っていまして。こちらですね。今日は少しでもメンマ作りの大変さを知ってほしい」
マツコ「なるほどね。これは本当よね。そのラーメン屋さんのところにたどり着いた段階よりも、その前がえらい騒ぎ」
吉野「もうおっしゃる通りで。こちらVTRがありますので」
ナレーション「実はメンマに使われる竹のほとんどが、台湾や中国の高山で収穫。そのため国産メンマを作るメーカーはごくわずか」
吉野「これが麻竹なんですけども、日本にはほとんど生えてないんですね。この麻竹を使ってメンマを作っていきます。この山でですね、この密林地帯で収穫をしていくんですけど、高い山なのでですね、行ったり来たりできないので、その山に寝泊まりしながら収穫していくっていうですね。この作業がもう大変。食べられる部分だけを切り取って、茹でて発酵させて」
マツコ「そうか、全部持ってきてたら効率悪すぎるから」
吉野「そうなんですよ。その場でやってしまうんですね。ですから塩漬けにしたり乾燥にしたりして保存していくという。初めてこれで原料ができる」
マツコ「これを醤油につけて食べてみたいもんね」
ナレーション「そしてメンマにこだわるラーメン店は、乾燥メンマを自分たちで加工。この乾燥メンマを自分たちで水戻しや味付けをすることで個性を出しているのです」
吉野「この脇役であるメンマって、けっこうもともと味の付いているものをメーカーさんから買って、そのまま乗せるっていう場合がけっこう多いんですけども」
マツコ「あたしがラーメン屋さんだったら、出来合いのを買っちゃおうかなと思っちゃうよね。こういうのヘタしたら一番手間かかってるんじゃない?」
吉野「めっちゃ手間かかるんですよ」
ナレーション「ここからは吉野さん厳選、こだわり抜いたメンマ臭がもたらす絶品ラーメン3選をご紹介。まずは埼玉県『ラーメンショップ幸手金田亭』。来年で創業30年を迎える、地元民に古くから愛されている老舗ラーメン店。日高昆布、オリジナル香味油など、20種類以上の具材で味付けした濃厚な豚骨スープがベースの人気ラーメン。このラーメンの香りをさらに引き立てるのがこちらのシャキシャキ穂先メンマ。そのメンマ臭が」
吉野「こちらがですね、この穂先メンマをしっかりこう水で洗って熱湯で2日間かけて戻していってですね、これも匂いを調整しています」
マツコ「2日間あれを繰り返すの?」
吉野「そうです。そしてこう指で1本ずつ手で割いて、3時間以上水煮にするという。そしてよりやわらかくて角の取れたメンマ臭にしていくと。メンマ作りに4日間もかけていくという、めちゃめちゃ手のこんだメンマになっています。豚骨ラーメンって一般的に匂いが強いので、メンマ臭が負けちゃうという感じもあるんですけど、実はここポイントがありましてですね。このフライパンで醤油ダレなどしっかり味付けして、こってりな醤油風味に仕上げています」
マツコ「あれを食いたい」
吉野「そしてここが決め手なんですけど、香ばしいネギとゴマ油であえることで、豚骨スープに負けない強い香りになるというですね。これがこのネギメンマ」
マツコ「飯に乗せて食いたい」
吉野「これはもう最高においしい」
マツコ「これウマそうね」
吉野「これウマいんですよ」
マツコ「ビールと合うね」
吉野「ひとつの料理として完成している」
マツコ「うん、料理よ」

ナレーション「続いて紹介するのは中延にある『中華そば専門 多賀野』。ゲンコツと鶏ガラ、少量の魚介の出汁を入れて炊いた昔ながらの醤油ラーメンが絶品。麺は海藻入りの自家製麺を使用しているため、磯の香りと滑らかな食感が楽しめる。そんなラーメンの香りをさらに引き立てるのがこちらのしっとりメンマ。そのメンマ臭が」
吉野「こちらの多賀野さんでは圧力鍋で5分間煮てます。そして3日間水につけるというですね。そしてここが決め手なんですけど、前日のラーメンスープで煮込むことによって深みが増して、ラーメン全体の一体感のある香りに仕上げていくんですね」
マツコ「ラーメンと同じスープで煮込むんだ」
吉野「そうですね。最大のポイントです。こちらです。熊本の料理酒『赤酒』をチャーシューのタレとよく煮込む。そして濃厚な甘みとクセのある香りに仕上がるというですね。メンマ臭も独特なものも残しつつ、コクのある麺やスープがマイルドな味になるっていう」
ナレーション「そしてこちらが店主の高野さん」
吉野「この店主の高野さん、41歳でラーメン店開業したんですね。ミシュランのビブグルマンに選出されている有名店ですね」
高野さん「メンマ入れると入れないだとラーメンの匂いが違う。余計なものが入っていないので、子どもさんとかやっぱりメンマ嫌いの人けっこういる。でも『おばちゃん、うちのメンマは食べられるよ』とか言ってくれると、よかったなって」
吉野「メンマ嫌いの人にも食べてほしいというこの情熱ですね。優しい煮物のようなメンマに仕上げていくというですね、優しいメンマ臭と女将さんの熱い想いが詰まった多賀野さんのメンマです」
マツコ「それをオリジナルでちゃんとやってくれてるお店って、やっぱり気合い入っているのがわかるわよね」
吉野「そうですね。本当に手間がかかっています。今日僕が食べた中で最もメンマ臭が強い、主張しているけどめちゃめちゃウマい」
マツコ「臭いのちょうだい」
吉野「はい、こちらですね。ゴリゴリ食感で竹と発酵臭マックス。広島『つけそば周一』さんのつけそば並盛り&メンマ。これが外観なんですけど」
マツコ「外観も匂うわね」
吉野「そうですね、製麺所なんです。あれ、表がですね」
マツコ「製麺所に併設してるんだ」
吉野「そうです。もう自家製麺でやられて」
マツコ「本当にだからもう香川のうどん屋みたいな感じね」
吉野「店主の熊本店主」
マツコ「けっこう好き」
吉野「元ボディガードをされていたと」
マツコ「いいね、いいね。ガードしてほしい」
吉野「かっこいいですよね」
マツコ「あ、一夫!けっこう好きですよ」
熊本さん「ありがとうございます」
マツコ「一応ちゃんと伝えようと思って、これから。じゃあちょっと。まずはメンマ。もう持っただけで素材を持ってる感じが、硬いのがわかるよね。でもね、これ今の基準で言ったら『硬いですね。メンマ臭強いですね』ってなるけど、昔のメンマこんな感じだったよね。すごい好き」
熊本さん「ありがとうございます」
吉野「ザ・メンマなんですけど、なかなか出会えないですよね、やっぱり」
マツコ「無いね、最近」
吉野「無いんですよ」
マツコ「柔らかくなったよね。これはだからすごい一夫ががんばっているのは、普通これだけ硬いと筋が残るのよ、メンマって。硬いんだけど、全部噛み切れるね」
吉野「そうなんですよ。メンマの一般的な太さって、肉の面が分厚くて、皮が薄いんですね。逆に周一さんの特徴は、皮の面が熱くて内面が薄いので、よりゴリゴリするんですよね」
マツコ「これね、たぶん麺もパンチきいてそうなのよね、このお店。…おうっ」
吉野「麺ウマいんですよ。麺がウマい」
マツコ「おいしい。素材の香りがすごいわね。色はだからこれ」
吉野「全粒粉です」
マツコ「全粒粉ってことよね。あたし今全粒粉好きなの。全粒粉キットカットを買いにドンキまで行ってるのよ。全粒粉全然違うから。これはすごい」
ナレーション「そしてつけ汁は、いりこやサバなどにお酢をブレンドした酸味の強い魚介系」
マツコ「おーう!全部パンチがきいてる」
吉野「そうなんですよ、つけ汁も」
熊本さん「メンマを入れて食べた時に、お酢の酸味が変わる」
マツコ「なるほど。そうするとあの酸味がまた違う感じになるのね」
熊本さん「そうなんですよ」
マツコ「あ、本当だ。酸味がやわらぐ。メンマすごいね、入れると。確かにこのメンマ、これに負けないわね」
熊本さん「麺も主張が強いし、お酢も主張が強いので、さらに主張の強いメンマが加わることでなぜか調和して」
マツコ「おいしかった」
熊本さん「ありがとうございます」


《インスタント麺&ビールに合う最強市販メンマ4選》


ナレーション「ここ数年、コンビニやスーパーでも、味付けにこだわったメンマが続々登場。ということで、ここからは自宅でインスタント麺やビールに合わせて楽しめる絶品メンマをご紹介」
吉野「いっぱいいろいろなメーカーさんがおいしいメンマを作っているんですけども、今日は4つちょっとピックアップして、ご紹介したいなと思っています」
マツコ「ちょっとまずは食べ慣れた味から。やっぱりこれ食べておかないと始まらない。人生で80㎏は食べていると思うわ」
(桃屋「穂先メンマやわらぎ」)
吉野「本当ですか」
マツコ「本当に食べてる、これ」
吉野「おいしいですよね」
マツコ「ウマいね」
吉野「おいしいのはもうみなさんたぶんご存じじゃないかなと思うんですけど、ここにも隠れた努力というか。台湾のですね、標高400メートル級の山で収穫されているメンマを発酵させて、それを乾燥させずに日本に持ってきてですね、作っているんですけども。この独特な酸味を活かしてですね、ごはんが進むような味にしていて」
マツコ「ご飯3合くらい食べた。穂先メンマやわらぎと」
吉野「ウマいですね」
マツコ「ウマいよ」
ナレーション「さらに吉野さんオススメの食べ方が、塩系インスタントラーメンとの組み合わせ。あえてお湯を注がず、汁なし風にした濃いめの塩味に、穂先メンマの程よい酸味と辛さが加わり、濃厚ながらもすっきりとした味わいに」
吉野「僕も幼少期、父が開発に関わっていたので」
マツコ「あんたのお父さんが考えたの?」
吉野「ということになっていますね」
マツコ「ねえちょっと、やだ」
ナレーション「他にもオススメなのが、こちらの『雲上めんま』(富士商会)。厳選した台湾産の麻竹に、唐辛子で味付けしたピリ辛メンマなのだが、独自の茹で時間や温度管理によって、他にはないパリパリ食感が楽しめる。ビールのお供にピッタリな一品。そしてこちらは、ニンニクや青唐辛子の風味がきいたパンチのある太堀の『いけメン』」
マツコ「はい、つまみ。メンマはやっぱりビールなんだよな。これ次、最後」
吉野「『メンマ好きのためのメンマ』(タケマン)っていうことで。これはメンマ臭をしっかり残したメンマですね」
マツコ「でも味付けが、いわゆるラーメンメンマではないね」
吉野「そうですね、もうしっかりこの魚介の味をグッとつけて、もうそのままでしっかり食べられるっていうですね、ラーメンとの相性は考えてないですね。これ僕が作ったんですけど」
マツコ「これお前が作ったのか?」
吉野「はい、僕が作ったメンマです。一般的にメンマって、煮込みとか炒め煮にして、味を含めていくんですけど、このメンマの場合ってもともとあまり水分をメンマに入れないで、調味料が蒸発するまで炒め続けてるんですね。ですから余分な水分がないのでこのメンマの味だけがダイレクトにくるように設計しています」
マツコ「これ完全につまみだよね」
吉野「はい。コップのビールをグーっと」
マツコ「それは好きにさせて。…冗談」


《もはや狂気!メンマに人生をかけた職人たち》


吉野「次は、もはや狂気。メンマを愛しすぎた究極のメンマ職人たちということで。クレイジーなラーメン店主さんがいらっしゃるのでぜひ」
マツコ「あんたがクレイジーって言っちゃだめよ。主役にしてくださっているのに」
吉野「いや、本当にですねどこまでもメンマを追求しているラーメン職人さんということで、ご紹介したいんですけども。まずはですね、1店舗目なんですが、メンマ作りに8日間も時間をかける若き職人。亀井朱蘭さん」
ナレーション「まず紹介するメンマ職人のお店が、調布市柴崎にある『手打麺祭かめ囲』。実はこちら、今年6月にオープンしたばかりで、若き天才ラーメン職人と称される店主がオーダーが入ってから打つモチモチの自家製麺が人気。さらにスープは鹿児島の黒さつま鶏をベースに、豚や鴨などのうまみたっぷりの出汁を加えた上品な醤油系。そんなこだわりだらけのラーメンに負けじと存在感を示しているのがこちらのメンマ。四角い極厚カットが特徴的で、優しい竹の香りと、しっかりとした歯ごたえがラーメンの良きアクセントに。このメンマがお店の人気ナンバーワントッピング。そう、このメンマこそ奥様の朱蘭さんが担当」
朱蘭さん「メンマだけは誰にも触らせない。水替えたり火をつけたりするのも自分でやりたい。調子悪かったとしてもメンマの世話だけはする。平均8日。休みの日もお店に来てメンマの仕込みだけしたりしますし」
マツコ「確かにそこまでいくとクレイジーよね」
吉野「はい、そうなんです。もうクレイジー」
マツコ「クレイジー確定です」
吉野「この8日間かけて、丁寧に水戻しをしていくことで、独特な臭みを抑える。何度も水を入れ替えていくという作業をやっています。乾燥の板状のメンマ」
マツコ「ていうか、あんなに厚くなるのね」
吉野「なるんですよ。あれ12倍くらい戻るんですよ、元の原形から。甘じょっぱい秘伝の醤油ダレでしっかり煮込んでいくと」
マツコ「これすごい興味ある。食べたことない、あんなの」
吉野「けっこうメンマの味が強いんですけど、この上品なスープにもものすごく良いお供になっていてですね」
マツコ「8日間かけるとあんなのになるのね、肉厚に」
吉野「なります。この朱蘭さんのクレイジーさがやっぱり出ているなって」
マツコ「そうね。あとあれだけ忙しい中で、ちゃんとアイシャドウ塗っている感じもクレイジーよ」

吉野「僕がですね、今まで出会った中で最もメンマ作りがクレイジーにされているお店が1軒ありまして。これ最後にご紹介したいんですけども。30年以上、メンマを追求し続ける男、黄正剛さん」
ナレーション「続いて紹介するメンマ職人のお店が、横浜市センター南にある『ウミガメ食堂』。こちらは小麦の風味豊かな超極細自家製麺と、特製ワンタンが入った昔ながらの中華そばが人気なのだが、特にこだわっているのが、ご覧の極太メンマ。その最大の魅力が、普通のメンマにはない超なめらか食感。断面を見ると、ご覧のとおり繊維が非常に少なく、このみずみずしさ。そんなメンマの概念を覆したのが、店主の黄正剛さん。横浜の老舗中華店に生まれ、子どものころから30年以上メンマ作りに没頭。そのこだわりポイントが」
黄さん「溶ける寸前を狙っている。メンマが戻りすぎると崩壊しちゃうので、崩壊する前くらいですね」
スタッフ「完成するまでどれくらい?」
黄さん「3週間弱くらいだと思います」
ナレーション「そう、黄さんはメンマを極限までやわらかくするため、煮て寝かせる作業を3週間でおよそ10回も繰り返す。さらに鮮度が落ちないように作り置きも一切しない」
黄さん「メンマけっこう育つ。一晩で。それを見ていると楽しくなってくる」
スタッフ「そんなに変わる?」
黄さん「変わりますね」
吉野「この3週間も、ご覧ください。パンパンに膨らんで竹の状態になるっていうですね」
マツコ「すごいね。うわ、すごい」
吉野「この融ける寸前を狙うっていうのが本当にすごい技術ですね。これをゴマ油や特製チャーシューダレで甘めに味付けして、しっかり味を入れていってるっていう。けっこうですね、フルーツみたいなメンマ」
マツコ「うわ、これはもう。ちょっと全部用意してほしかったな。いや、これすごいおいしそう。ウマい」
吉野「これすごいんですよね、ウミガメ食堂さんのメンマ。歯がいらないっていうか、スルっと」
マツコ「メンマっぽいかって言われると違うけど、新しいメンマのすごいおいしい食べ方を教えてもらった感じ。ウマい」
吉野「めちゃくちゃウマいですよね」
マツコ「まずちょっと全部いっとかないと。このワンタン麺って、メンマ入りじゃない普通のワンタン麺を頼んでもいっしょ?」
番組スタッフ「ベースはいっしょ」
マツコ「いっしょなんだ。じゃあメンマ入れたほうがいい。他がダメって言ってるんじゃないわよ。メンマが主役ですね。メンマとスープとか麺とか、他のものいっしょに食べるとメンマなしで食べたときよりも良い味のアクセントになっているし」
吉野「はい、メンマを食べたときの出てくる甘みがまた麺に味がしみこんでウマいんですよね」
マツコ「でも3週間はかけすぎよね」
吉野「いや、3週間は本当にすごい」
マツコ「ちょっともう変態の域よね」
吉野「本当に。僕も聞いてびっくりしましたね」
マツコ「最後に言うことじゃないけど、あんたけっこう好き」


 〜完〜