2022/05/10放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'音楽よりもグルメにハマってしまったミュージシャン'
小宮山雄飛(コミヤマユウヒ)さん(以下、小宮山)



小宮山「よろしくお願いします。はじめまして」
マツコ「あっ。想像していたよりも、よりインテリジェンス。昔どういう音楽を聴いていたんですか?」
小宮山「ずっと洋楽を聴いていたんです。マイケルジャクソンも1回目の来日からライブに行っていたんです」
マツコ「なんなの。お父さん権力者?」
小宮山「今日は音楽ではない」
マツコ「音楽よりもハマっちゃったの?」
小宮山「はい、食べるのがとにかく好きで」
マツコ「そんなふうには見えないんですけど」
小宮山「いや、もう本当に食べ歩き」
マツコ「本当ですか?」
小宮山「自分で作るのもとにかく食べるのが好きで。僕が最近ハマっているんですが、マジ中華」
マツコ「たまたま先日、別の番組で、自分がやっている。西川口の中華のおばちゃんが出てきたのよ。日本語話せないのよ。ポケトークで会話しながら。ここはどこの国なんだっていう」
小宮山「まさにあの感じです」
マツコ「今ねちょうどめちゃくちゃ興味のあるジャンルです」
小宮山「マジ中華とは、日本人に一切こびない中国人向けのマジな本格中華料理」
マツコ「すごいのよ本当に」
小宮山「だいたい本とかでも本場の本格の味が楽しめるっていうふうに紹介されているんですけど、僕からすると本格ってことではないところに楽しさがある」
マツコ「味の部分ではない別の楽しさがあるってことね?」
ナレーション「最近ではデビュー曲の『スマイル』がCMに起用されるなど、20年以上にわたって日本の音楽シーンをリードし続ける、ホフディラン小宮山雄飛。実は芸能界随一のカレーマニアとしても知られ、これまで数々のグルメ本も出版。そんな小宮山さんがカレーからマジ中華にハマったその魅力が」
小宮山「カレーは安心安定ですけれども、マジ中華は非日常のワクワク感とスリルがたまらない。ずっとカレー好きで、いろいろ出させてもらったりもしたけど、初期のワクワク感みたいなものはなくなっているところにこのマジ中華がやってきて」
マツコ「え、じゃあもう最近なんですか?マジ中華ブームは自分の中では」
小宮山「4年前にツアーで名古屋に行ったときに、全く店名も読めないし何屋さんかもわからない、ここですね」

(張闖)
マツコ「おお。すごいなこれは。よく入ったねここに」
小宮山「でもわからないまま入ったら、中のメニューもシステムもわからない。これはなんだ?っていって、そこからもうドはまりして」
ナレーション「ということでまずはマジ中華とはいったいどんなものなのか、潜入してみることに。こちらは去年の8月、渋谷センター街にオープンした『楊國福』」
小宮山「みなさん中国人の方。壁に書いてあるのも正直一言もわからないんですよ。これもわからないんです。このお店はグラムで値段が決まるんです」
マツコ「え、あたしが知っているマーラータンとは違うわ、やっぱり」
小宮山「この中から好きなものを選んで、肉でも野菜でも、もう好きなものを選んでグラムで」
マツコ「火鍋的な感じなの?」
小宮山「そうです。こういうただ知らない」
マツコ「知らないよね?マーラータン違うよね?麺まで選べる?」
小宮山「麺も選べます」
ナレーション「好きな具材を取ったらレジで会計し、店員さんにスープの種類をオーダー」
小宮山「スープの辛さも選べるんですけど、これも結局中国語なのでわからないんですよね。なんとなくすっぱそうだなとか。これは1970円になっている時点でちょっと取りすぎなんです。こういうカスタマイズを楽しめる」
ナレーション「さらにそのスリルは提供される料理にも」
小宮山「こちらです。『翠雲』さん。こちら本格的な四川料理なんですけど、それだけじゃない。昔ながらの中華では考えられないような、刺激がある料理が出てきたり」
ナレーション「こちらは2年前に上野にオープンした本格四川料理店『翠雲』」
小宮山「ここからメニューなんですけどね、ここがメニューなんですよ。これわからないですよね。唯一わかるのがこれがたぶん鯉。水で煮たと言っているんですけど、水じゃないんです」
ナレーション「一度下茹でした魚に大漁の油、唐辛子、山椒をかけた特上水煮魚。3分後、唐辛子と山椒を取り除き完成」
小宮山「歯がなくても食べられるんじゃないかっていうくらいトロトロフワフワ」
ナレーション「さらに極め付きのメニューが、炎に包まれるチャーハン。ちなみに入れた液体はウォッカ。こちらでは本格中華を現代風にアレンジ。スリル満点の魅せる中華が楽しめるんです」
マツコ「おもしろい。外国に行っている空気感みたいなものは味わってみたいなと思うけど。ちょっとだから、味だよね」


《レトロチャイナから近未来、新宿エリア》


ナレーション「今や都内近郊だけでも350店舗以上あるといわれるマジ中華店。実は地域ごとに密集エリアがあり、それぞれ異なる特色が。そこで小宮山さんが最高にスリルを感じるマジ中華三大聖地をご紹介」
小宮山「マジ中華三大聖地その1は、新宿エリア。レトロチャイナから近未来まで、カオスな非日常への潜入感がたまらない」
マツコ「どのへんにあるんですか?」
小宮山「一応今回エリアとしては新宿からその上の新大久保、大久保、それからその上の高田馬場あたりまでを今回は。こちらまず高田馬場、早稲田があったり、もともと語学学校なんかがあって、要するに学生の方が中国人の方が多くて、中国人向けのファストフートチェーン店が進出している。これ(『沙県小吃』)何気なくポッとあるんですけども、これがもう6万店舗くらいあるんです。全世界のマクドナルドよりあるんです」
マツコ「6万店舗?中国恐ろしいわね。中国でチェーン店が成功すると6万いくの?」
小宮山「マクドナルドより多いお店がしれっとやっているんです」
マツコ「なにこのシンプルだけど魅惑的な。なによこれ」
小宮山「これピーナツだれの拌面って、すごいシンプルな。こういうのがもうサラッとあって」
マツコ「もう中国の人は見ればすぐに『ああ!』ってなる?」
小宮山「『ああ!』ってなるくらいの」
マツコ「そうよね、だって6万店舗あるんだもんね」
小宮山「今日ですね、ぜひそんな新宿エリアの高田馬場のお店なんですけども、謎の木の桶に入った定食屋さん」
マツコ「それは本当に本場なの?」
小宮山「こちらですね、『湘遇TOKYO』という。もうお客さんはほぼ僕が行ったときも完全に中国の方で、もちろん中の人も中国の方で。一言も通じなかった。今日はその木桶ご飯をぜひ食べていただこうと」
マツコ「いきなり木桶ご飯なの?初めてすぎるんですけど、あたしこれ。これ今中国で流行ってるの?」
小宮山「流行っているところでは流行っているらしいんですよ。マジ中華ってお店の雰囲気ありきなんですよ。これだけ食べていただいて、雰囲気がないと意味ないので、お店の音を録ってきて、BGMで」
マツコ「ありがとうございます。これ混ぜる?」
小宮山「これ混ぜるのが本場らしいですね。ただこれ湖南料理なので、辛いは辛いです」
マツコ「これウマい」
小宮山「よかった」
マツコ「たぶんね、想像しているより日本人でも食べやすい味」
小宮山「けっこうニンニクと唐辛子がきいてて、味も濃いめで」
マツコ「おいしい」
小宮山「BGMと食べるとおいしいですよね」
マツコ「ごめんなさい、全然聞いてませんでした。これあたし近かったらヘビーユーザーになると思う」
小宮山「この辛さ、一応『辛くなくしてください』とか」
マツコ「選べるんだ」
小宮山「言葉が通じればですけど」
ナレーション「さらに、日本一の歓楽街と言われる新宿エリアには、まるで日本とは思えないさまざまなマジ中華店がひしめき合っているという」
小宮山「新宿からすぐこの歌舞伎町へ行くところですね。わりとここらへんは路面店よりもこういうビルの上にあるお店が。『譚鴨血』」
マツコ「でもちょっとやっぱりカタカナで書いてくれてるだけで、ちょっと入りやすいわね」
小宮山「こういうですね、昔の割とレトロチャイナな感じ。割とちゃんとした」
マツコ「けっこうお金かけてるわね」
小宮山「相当本当に内装にちゃんとお金をかけて。こういう複数人で行って食べられるお店ですね」
ナレーション「一番人気は四川の本格火鍋」
小宮山「これもだからまあちょっと読めないんですけど。スパイスがたっぷり入っていて。鴨の血ですよね、名物は」

マツコ「ですよね、って言われても」

小宮山「割と薬膳的な意味も」
ナレーション「さらに韓流イメージが強い新大久保駅周辺も、実はマジ中華密集エリア」
小宮山「ここですね、『撒椒小酒館』」

マツコ「うわ、すごい。ロボットレストランみたい」

小宮山「この非日常感。横も壁も天井もネオンです。金の延べ棒も」

マツコ「金の延べ棒?」
小宮山「招き猫も1体じゃない。こういうちょっと近未来的な。でも出てくるのはちゃんと本当に本格的な中華なんですよ。四川風の。これしかも焼き魚って書いてあるんですけど、煮魚なんですね。そこらへんはもうわからないです」
マツコ「わからないよね、もうね。あそこに一人で行くの?」
小宮山「一人で行きます。店名もわからないし、言葉も通じないかもっていう緊張で入って、緊張して緊張して、最後においしいものが出てきたときにブワ―って緩和して『ああ』っていう。この落差が」
マツコ「いや、緊張が多すぎません?」


《中国の屋台街を味わえる池袋エリア》


小宮山「2か所目、池袋ですね。中国の屋台街を旅する感覚を味わえる」
マツコ「一番有名じゃない?今」
小宮山「池袋は今『西口(北)』っていうもともとの北口ですね、ここがもう今ネオ中華街くらい」
マツコ「いやだって、もうこれすごいじゃない。昔はこの辺ディープスポットだったのよね。今だからけっこうそういうお店が中華料理屋さんに変わっているんだ?」
小宮山「そうなんです。この池袋エリアで今まあおもしろいのは、ここ数年、今フードコートが3つあるんですけども」
マツコ「フードコートができるっていうのがすごいよね。行ってみたいな」
小宮山「こちらちょっとどんな感じか。こちらが今3つある中では一番新しい、昨年にオープンした『沸騰小吃城』」
マツコ「今までのに比べたらわかりやすいね」
小宮山「中国の10都市以上の料理が一同に集まる」
マツコ「一つの都市じゃなくて、けっこう中国中の味が楽しめるんだ?」
小宮山「そうです。お店お店でいろんな地方の。これ最新で、自分のスマホで頼める。フードコートって実はすごい頼み方が複雑で、ここは最新なので自分で」
マツコ「けっこうじゃあ日本人でも行きやすいのね?」
小宮山「ここは行きやすいですね。自分の携帯で頼めますから。ただ料理はやっぱりフードコートでこういうザリガニがあったり。かなり本格的」
マツコ「中国の人好きよね、ザリガニね」
ナレーション「そして『沸騰小吃城』から目と鼻の先にあるのが」
小宮山「30秒くらいで行けるところですね」
マツコ「こっちのほうが駅に近いよね、駅前だよね」
小宮山「そうです。こっちのほうが近い。ここは同じビル2つがフードコート。エレベーターの先にですね、こちらです」
マツコ「本当なんかさ、香港みたいだよね」
小宮山「こちら『友誼食府』。これは横がスーパーなんですよ。食材を売っていて。横のスーパーでビールを買ってきてこっちで飲んでよかったりとか。中国の方が食材買いにきたついでにこのフードコートでちょっと食べていくみたいな」
マツコ「へえ。だから買い物ついでにちょっと小腹すいたから食べていこう、みたいな。本当にフードコートね」
小宮山「規模はすごい小さいですけども。こういう酸辣粉とかですね、こういう春雨的なものとか」
マツコ「いやだ、ああ、こういうの好き」
小宮山「これは中国のクレープみたいなものですよね」
ナレーション「さらに同じビルの2階にあるのが」
小宮山「同じビルに違うフードコート。こちらですね。本屋さんみたいな感じなんですけど。『食府書苑』。本屋のように見せかけてフードコート。もともとは本屋さんだったんですね、このフロア」
マツコ「まるまる?」
小宮山「まるまる。それが本屋さんがちょっと本じゃないだろうっていうことになって。フードコートを横に作ったけれど、今のところレジは一緒っていう」
ナレーション「とはいえ、食べられるのはどれも本場の中華料理さながら」
小宮山「本屋の一角でこれをやっているんですから」
ナレーション「日本ではあまりなじみのない西安料理や雲南料理、湖南料理など、池袋のフードコートにいながら中国全土の地方料理が楽しめるんです」
マツコ「ちょっとあれハシゴするだけでおもしろそうね。行きたいわ。おもしろい」
小宮山「今日本当にあの雰囲気を味わってほしくて。せっかくなのでスタジオで行った気分になれるようなシステム」
マツコ「あらやだ。ちょっと、え?なんとなく想像はできるんだけど。どこに行ってもなじまないね。ここはいけると思ったんだけど。ここも無理だったか」
小宮山「ちょっとせっかくなので、こちらですね」
マツコ「わ、なにこれ?」
小宮山「これね、薬膳の鶏肉スープ」
マツコ「うまっ」
小宮山「これは無水で水を加えてないんですけど、下から蒸気で蒸して、そこの水が入ってみたいな」
マツコ「これさ、すごく脂っこく見えるでしょ?めっちゃさっぱり。これ麺じゃないのか、モヤシか」
小宮山「これがですね、鶏肉食べたのをこっちに今度乗っけて」
マツコ「鶏肉を?」
小宮山「鶏肉をですね。この醤油をこっちにこう」
マツコ「これただの醤油なの?」
小宮山「これ中国の、たぶん醤油だと思うんですけどね」
マツコ「ドレッシングに近い醤油だと思う、たぶん。おいしい」
小宮山「これもうね、5、6時間煮て作っているので、1日70食くらいしか出せないらしい」
マツコ「そこそこは出せるわね」

小宮山「実はこの池袋で、僕もまだちょっと怖くてというか、あまりにわからなくて入れなかったお店がありまして。これホームページですね。読めないし、わからないんです。なんなのか」
マツコ「でもね、あのね、マッチョの男の腕があるのよ。もしかしたらだけど、ここのお店の調理人の方がボディビルダーとか。どう?この推理」
ナレーション「小宮山さんがずっと気になっていたという謎のお店が、こちらのビルの地下一階」
小宮山「わからないですよね。これ目の前まで来てもわからないですよね。果たして1店なのかもよくわからないんですよ。エレベーターだけですもんね。だから本当に開いたら入らないといけない」

ナレーション「いよいよ店内へ」

小宮山「うわ、もう匂いが完全に中華じゃないですか。え、もうお店か」
ナレーション「壁にはこれでもかと貼られた怪しいポスターがずらり。さらにメニューも、店内に入ってもわからないことばかり。そこで店長さんに聞いてみると」
小宮山「ひとつのお店なんですか?」
店長さん「デリバリーをやっているので、3つのお店がいっしょになっている。お客様がひとつの店舗で食べられるように」
ナレーション「実はここ、3つの中国人向けデリバリー店で、空いたスペースを利用してイートインできるようにしたお店。というわけでお店の一番人気という、『ルーローパプリカビビンバ』を注文」
小宮山「中国によくある料理ですか?」
店長さん「そうですね、昔から。これがパプリカです」
小宮山「パプリカってこれですか?唐辛子ですよね?このお店では唐辛子と言わずパプリカと?」
店長さん「そうですね。まちがっている」
小宮山「本当はまちがっている。これも全部混ぜて食べる?」
店長さん「そうです」
小宮山「ええっ。これ全く初めてですね。うまっ。これは韓国のビビンバを抜いたかもしれない」
ナレーション「小宮山さん、大興奮。するとそれを見た店長が」
店長さん「もっとおもしろい方の店がある」
小宮山「もっとおもしろいお店?」
ナレーション「というわけで、急遽別のマジ中華のお店へ」
店長さん「そちら、赤の看板で」
小宮山「あ、本当だ。あれはわからないな」
ナレーション「さっそくお店のあるビルの3階へ。すると」
小宮山「おお、これめちゃくちゃ派手なところに来ましたね。宇宙飛行士がいて。すごい羊の匂いが。うわ、すごい。これはなんですか?」
店員「羊のスープ」
小宮山「やっぱり羊のスープ」
店員「このスープ飲んだらお金持ちなる」
小宮山「このスープ飲んだらお金持ちになる?やっぱりすごい世界だ」
ナレーション「こちらは今年2月にオープンした『破店』。戦後間もないころの中国をイメージしたという店内は、派手なレトロ装飾品がズラリ。さらに圧巻なのがセルフサービスのたれコーナー」
小宮山「ここはすごいですね。これはたぶん鍋を頼んだ人は調味料として取るんじゃないかと思うんですが。さすがにここまでそろっているのは珍しい。この数はなかなか見ないですよ。すみません、これは取っていいんですか?」
店員「いいよ」
ナレーション「そしてこちらの名物料理が」
店員「アサリ煮込みです」
小宮山「アサリ煮込み。うわ、すごい。これサイズ合ってます?大丈夫?生の山椒が乗ってたり、でもほとんどもう具はアサリなんだな。甘い。ピリ。これあまピリだ。甘さのあとにこの山椒のピリがすごい。しびれる。これはおいしい。マツコさん、こんな感じで本当何度来ても新鮮なスリルが味わえるマジ中華。マツコさんもこれぜひ試してみてください」
マツコ「なにこのベテランリポーター感は。そんなキャラだったの?なんかでも小宮山さんってよくよく見ると、ヤバいことしている香港人にも見えますよね」
小宮山「そうですか?」


《ディープな裏路地がスリル満点、小岩・新小岩エリア》


小宮山「マジ中華三大聖地その3、小岩・新小岩エリア。中国のディープな裏路地に迷い込んだようなドキドキ感」
マツコ「まあね。ここはもうマジ中華だけじゃなくてさまざまな聖地ですからね。あそこはもうエルサレムみたいなものですから」
小宮山「今東京に住んでいる中国の方、一番多いのは江戸川区らしいです。そんなのもあって、今本当にどんどんここも増えている」
マツコ「確かに急に今までの流れからすると、なんていうんだろう、看板が平面になってきたわよ」
小宮山「そう、あんまりだから映える感じよりも、地元に根付いている」
ナレーション「そんな小岩・新小岩エリアで最高にスリルが味わえるマジ中華が」
小宮山「これ商店街、割と大きい商店街がガーっとあるんですけども。商店街にもありますし、ちょっと入ったあたりにいろんなお店があって。こちらですね、『貴州火鍋』。これは日本唯一の貴州料理専門店」
マツコ「貴州料理?」
ナレーション「貴州は四川の隣にある街で、その料理は中国で最も辛いといわれているんです」
小宮山「さらに辛いだけではなく、発酵食材を使う。ちょっとすっぱみ、酸味もある」
マツコ「へえ、初めて聞いた。貴州料理なんて」
ナレーション「そして貴州料理の中でもスリル満点の名物料理が」
マツコ「干し納豆の火鍋?」
小宮山「やっぱり発酵調味料を使うので、これ納豆とかを使って、ちょっと匂いもあったり」
マツコ「でもおいしそう」
小宮山「やっぱりただ辛いとかだけじゃない、ちょっとこう発酵の味が入っている。これも発酵野菜のポテトサラダ。さらに炒めている」
マツコ「えっと、ごめんなさい。ちょっとにわかには信じがたいんですけども。あれはポテトサラダなんですか?」
小宮山「これがポテサラですよ」
マツコ「さっきの醤油チャーハンとほぼ見た目いっしょなんですけど。ポテサラなの?」
小宮山「これがポテサラです」
マツコ「貴州だと家庭でみんな食べてるやつなのかな?」
小宮山「正解がわからないところもまたいいんですよ。この新小岩エリアで、今日ちょっと食べていただきたいものがまた。鉢鉢鶏専門店『楽串』」
マツコ「鉢鉢鶏。初めて聞いたんですけど」
小宮山「鉢鉢鶏っていうけど、鶏じゃない」
マツコ「鶏はどこから来たんですか?」
小宮山「これはね、わからないんです」
マツコ「すごいわね。謎だらけね、中国は」
小宮山「中国ではこういうふうに、屋台で」
マツコ「屋台で売られているものなんだ?」
小宮山「ラー油みたいなものに漬けてあって、好きなものを取っていくと」
マツコ「じゃあおでんみたいな感じだ」
小宮山「おでんみたいな、冷たいんですよ」
マツコ「えっ、これ冷たいの?」
小宮山「本場では漬かっているらしいんですけど、こちらのお店では冷蔵庫に入っているものを好きなものを取っていって、ここで自分で漬けて」
マツコ「冷えたのに漬けるの?」
小宮山「冷えてるんですけど、冷えているものを冷えているものに漬けるっていう」
マツコ「これあたし本当に初めてだわ」
小宮山「今日はもうせっかくなので、そのお店の雰囲気も味わってもらいたくてその冷蔵ケースごと」
マツコ「まあすみません、本当に。え、なにが合うんだろう?この厚揚げこれでも冷えてるんだもんね。厚揚げみたいなのおいしそうよね。あ、うずらもある。ブロッコリーおいしそう。漬けといたほうが良いのよね?」
小宮山「最初に全部もう入れちゃって」
マツコ「だよね。漬けといたほうがいいよね」
小宮山「入れて、たぶんなじむものからいったほうがいいかもしれない」
マツコ「これだからあたしこれ取ったのよ。ブロッコリー一番ヤバくない?ガンガンからみついてるからこいつ」
小宮山「ガンガンついてますね」
マツコ「まず一個いかせていただきます、あたし。あ、本当だ。辛くない」
小宮山「そうなんですよ。これ見た目ほど辛くない」
マツコ「おいしい。甘辛」
小宮山「思ったより甘いですよね」
マツコ「あと、思ったより冷たくない」
小宮山「意外とこの常温も悪くないですよね」
マツコ「うん、常温けっこう好きかも。これは酒のつまみに良いわ。ウマい。なんだかわからないんだけどおいしいね」
小宮山「ええ。これ家でもできますから。この油とか売ってたりするんです」
マツコ「これを?これだとたぶんしゃぶしゃぶのタレとか、あと冷ややっこにかけたりとか。これ意外と万能タレな気がする」
小宮山「万能タレですね」
マツコ「これおいしい。甘辛くておいしい」
小宮山「よかった、楽しんでいただけて」
マツコ「それよりもなによりも、慣れすぎよ。そろそろ自分を見失い始めてるんじゃない?」
小宮山「そうですね。ちょっとレコーディングに戻ります」

~完~