2022/04/12放送

マツコの知らない世界

 https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'全国の絶品和菓子を探し続けるイタリア人和菓子バイヤー'
ジュンティーニ・キアラさん(以下、キアラ)



キアラ「はじめまして」
マツコ「やだ、オシャンティー!ちょっと想像と違った。イタリアって顔ね。あたしソフィア・ローレンが大好きなの。大好きで、もう顔がそっち寄り。和菓子とかよりもキアラの人生をまず聞きたいくらいな感じ」
キアラ「実はまあこういう者ですけども」
マツコ「『こういう者です』だからね。え、ちょっと待って。高島屋の和菓子のバイヤーさんなの?」
キアラ「そうです」
マツコ「すごいね」

キアラ「イタリア人なのに」

マツコ「グローバル化の波はすごい所まで来たわね。彼女は特別な才能だと思うけど、あと高島屋もすごいわ。ちょっとすごい感動。すごいわ。がんばったわね」
キアラ「高校時代くらいから、日本のマンガとかアニメにハマって」
マツコ「これだからあたし本当に思うんだけど、なんかもっとそこを大事にしなきゃダメよ。きっかけがサブカルチャーでも、こうやってめちゃくちゃメインのほうにここまでになる人が出るのよ。だからアニメってきっかけがあることってとんでもないことよ。日本っていうものを世界に知ってもらう上で」
キアラ「自分のイタリアの大学でも、そのアニメ、マンガがきっかけで日本語を学ぼうってなった人はたぶん8割くらいですね」
マツコ「ほら。そうなのよ」
キアラ「日本で留学して、残りたいから仕事も探して」
マツコ「普通に就職活動で高島屋受けたの?」
キアラ「そうです」
マツコ「すごい。よかった、TBSに入らなくて。うわ、すごいわ」
キアラ「和菓子、なんとなくマンガ・アニメからなので、どら焼き、大福は知ってたんですけれども。3年目のときぐらいに、日本橋高島屋だけの和菓子売り場の担当バイヤーに」
マツコ「『だけ』って言うけど、一番メインの店だからね。すごい」
キアラ「今は日本橋店だけじゃなくて、もう2019年から」
マツコ「え、もう全体の?」
キアラ「全国の和菓子売り場の」
マツコ「日本中の高島屋の」
キアラ「全国の高島屋の和菓子売り場の担当バイヤーですね」
マツコ「うわ、すごいわ。なんばの人、ついていけてるかしら?キアラの選んだ和菓子に南海沿線の人はついてってこれたのかしら」
ナレーション「和菓子バイヤーとして全国各地へ赴き、またプライベートでも旅先で和菓子を食べ歩くうち、どっぷりハマってしまったというキアラさん」
キアラ「ひとつは、イタリアの菓子に通じる素朴さ。日本の和菓子もイタリアのお菓子も、同じようにシンプルなものが多いですよね。逆にイタリアのお菓子にはないものは、季節感。季節感は全くないわけじゃないんですけど、この時期だけに食べるお菓子もある。クリスマスだったらパネットーネとかあるんですが。和菓子の上生菓子みたいに目で楽しんで、まず食べる前からその季節を感じて、というのはそこまでイタリアないです」
マツコ「そうね、だから練り菓子とかは季節勝負みたいなところあるからね」
キアラ「個人的に和菓子の楽しみのひとつは、東京で買えない絶品が全国に。旅先でしか味わえない和菓子巡りに出かけよう」
マツコ「これあたしだから一番最初に、それですごいドハマりしたのが、福井の水ようかん、わかる?」
キアラ「冬の水ようかんですよね」
マツコ「感動したよね、食べたときに。あたしたちが思っていたあの水ようかんってなんのために存在しているんだろうっていう、疑問あったじゃない?本当の意味での原点の水ようかんを食べて、『あ、こっちだったんだ』って」
キアラ「実は全国には福井の水ようかんのように、いっぱいあるんですね。その地域でしか出ない、地域の人しか作らない、知らない和菓子だったり、そこに行かないと食べられないもの」


《百花繚乱!断面華やか!絶品ご当地いちご大福》


キアラ「まず、世代別のどんな和菓子が人気なのか?」
マツコ「興味あるわ」
キアラ「データがあるんですけど」
マツコ「若い子ってなんなんだろう」
キアラ「わかりやすいと思うんですけど」
マツコ「でもちょっと待ってよ。40代からなの?下がもういちご大福なの?」
キアラ「そうです」
マツコ「うっそー!」
キアラ「あんまり男女関係なく、性別関係なく」
マツコ「いや、いちご大福もおいしいけど、普通の大福」
キアラ「豆大福とかそうですね」
マツコ「いちご大福までたどり着いたんだったら、勇気を持っていちごを抜いてみよう」
キアラ「逆ですよね」
マツコ「本当に10代で八つ橋っていうのは」
キアラ「それおもしろいですね」
マツコ「あれ修学旅行かね」
キアラ「それしかないですよね」
マツコ「なんだよこれうめえじゃんて」
キアラ「お土産で」
マツコ「でもあたしなんてまだ京都行くと、やっぱり癖で最後京都駅で生八つ橋買うもんね」
キアラ「今日はいろんないちご大福を紹介したいと思います」
マツコ「そうそう、誤解しないでよ、あたし別にいちご大福を否定しているわけじゃないのよ。いちご大福も食べて、大福も食べようってことを言ってるだけよ、あたしね」
キアラ「ほとんどのところの和菓子屋さんが自分の地域で作られているいちごを使って、それに合わせたあんこを使うんですね。多いのは白あんを使うお店」
マツコ「最近白あん多いね、フルーツ系はね」
キアラ「そうですね、いちごに限らず他のフルーツ。まあ白あんのほうが繊細な味があるので」
マツコ「そうね、フルーツの味が活きやすいわよね、黒あんよりはね」
キアラ「そうですね。じゃましないっていう」
マツコ「あたしはでもあのケンカしている感じが好きなんだけどね。黒あんとフルーツがね」
キアラ「でも黒あんのもありますね、これ」
マツコ「なかなかパンチきいてるわよね、それ。生地にまで」
キアラ「生地にまでいちごが入っています。これ北海道のお店なんですけれども」
(北海道札幌市「かど丸餅店」いちご大福)
マツコ「うわ、すごい。なんか上手よね、お菓子作るの、北海道って。新千歳空港行くと、便乗り遅れたことあるわ、買いすぎてて。もう没頭してて。なんか気づいたら出てたもん。こんなになって」
キアラ「これもなかなかお店行かないと」
(滋賀県「とも栄」おっきな苺大福)
マツコ「それ周りなに?」
キアラ「これ実はピスタチオあんです」
マツコ「ピスタチオのあんよね。ピスタチオクリームとかじゃないもんね」
キアラ「じゃないです。あんこですね」
マツコ「あんだもんね。あんだから和よ」
キアラ「白あんベースで」
マツコ「半々和と洋がね」
キアラ「ここ滋賀の『とも栄』さんなんですけれども。お店は銘菓とかいろいろ売ってまして。あとベイクドようかんっていう、焼いたようかんだったりとか」
マツコ「ベイクドようかん?」
キアラ「これですね。チーズケーキに見えますよね」
マツコ「表面はじゃあ、ようかんが焼かれてて、ああなってるの?」
キアラ「そうですね」
マツコ「滋賀ってやっぱり恐ろしいわね。ちなみに高島屋も元々は滋賀ですからね」
キアラ「そうです。ちょうど近い所ですね、高島市」
マツコ「そうそう、今の滋賀の高島市の、飯田屋だっけ?もともと」
キアラ「高島屋の入社試験も完璧ですね」
マツコ「本当?」
キアラ「この中でぜひマツコさんに食べていただきたいいちご大福があるんですが。名古屋のお店です。天使のほっぺの脅威のやわらかさが特徴の、『きた川』さんのいちご羽二重」
マツコ「これまたあれとは違うの?フルーツ大福がすごい有名なところもない?今」
キアラ「ここは違いますね」
マツコ「違うところよね。名古屋、なにが起きてるの?」
ナレーション「名古屋のシンボル、名古屋城から東へ車でおよそ5分。表通りから一本入った所にあるのが、1964年創業の和菓子店『きた川』」
マツコ「でもまああの辺あれだよね、高級住宅街だよね」
ナレーション「看板メニューが羽二重餅の中に蜜漬けしたキンカンをしのばせたへそくり餅。さらに春だけのお楽しみが、1日500個限定、早ければ30分で売り切れるといういちご羽二重」
キアラ「外の皮がほとんど同じなので。まずちょっとそうですね、触ってみてください」
マツコ「ちょっと。ちょっとこれはもうね、エロスですよ。すごい。うーわ。どうしよう、これちょっとはしたないけど一口でいい?」
キアラ「どうぞどうぞ。どうですか?見た目どおりの食感ですか?」
マツコ「飲み物。お餅は溶けはしないんだけど、飲める。あと飲んだ」
キアラ「すごくやわらかいですよね」
マツコ「すごいわ」
キアラ「羽二重餅は名古屋で有名で、こういうフワフワの羽二重餅」
マツコ「そうね、羽二重餅。でもこんなやわらかくないよね?これすごいやわらかい」
キアラ「これメレンゲです、実は」
マツコ「えっ、メレンゲが入ってるの?」
キアラ「メレンゲを白玉粉の生地に」
マツコ「羽二重餅って、メレンゲが入ってるの?」
キアラ「入っています」
マツコ「だからあんなやわらかいんだ」
キアラ「名古屋の羽二重餅ですね。こういうふうに空気を入れるように混ぜて、その独特のやわらかさ、食感を作る」
マツコ「これのあんことか入っていないやつがあるのよ、羽二重餅の。あれおいしいんだよね。あれね、すごいおいしいのよ」
キアラ「またちょっと別かも」
マツコ「別のところ」
キアラ「こういうふうに通常いちご大福を完全に包むんですけれども、やっぱりやわらかいので布団のようにかけている」
マツコ「まずもちろんお餅はやわらかいのわかったと思うけど、あんこもねもちろん口どけがいいこしあんだから、いちごがもう2、3口噛んだだけでほぼ崩壊」


《桜の絶景と楽しむ!東北・ゴマ餅巡り旅》


ナレーション「全国各地に愛され和菓子あり。その土地の特産品を活かしたものから、冠婚葬祭など行事に欠かせないものまで。北海道から沖縄まで、全国ご当地愛され和菓子マップ」
キアラ「この中でマツコさん食べたことがあるのあったりしますか?」
マツコ「いやもうなんかベタですけど、かるかん、あと一六タルト。安倍川もちはあちらのお店のかどうかわからないけど安倍川もちもあるし、あとずんだ餅もあるし。ずんだ餅、最初食べたとき衝撃だったよね」
キアラ「おいしいですよね」
マツコ「『あ!』って思った。『こういう手があったのか!』ってね」
キアラ「ずんだも私も大好きなんです」
マツコ「今でこそこんなずんだってめちゃくちゃメジャーになったけど、あたしが子どものころって関東の人はほとんど知らなかったのよ」
キアラ「ずんだって何?みたいな」
マツコ「ずんだって言われても」
キアラ「この前花見で持っていったんです。でもほとんどの友達には『これちょっと私にはわからない味なんです』って言われました」
マツコ「そうね。だってあんこだってけっこうハードル高いと思うのよ、外国の方にしてみたら。それを上回るだろうね」
キアラ「そうですね、もともと小豆も向こうにはなく、豆をお菓子に使うことがないので」
マツコ「そうだよね、豆ってどっちかって言ったら辛めに食べるものだしね、向こうはね」
キアラ「料理に使うものです」
マツコ「あとドレッシングとかさ、サラダみたいにしたり。あんこもわかってほしい」
キアラ「和食は人気なんだけど、和菓子はまだまだこれから」
マツコ「まだだよね。でもハードル高い、あんは。梅ケ枝餅もあったかな」
キアラ「梅ケ枝餅は大宰府に行くと、やっぱりこれもいろんなお店が出してて」
マツコ「大宰府行くとね。食べたと思う」
キアラ「プラス、私も通常の梅ケ枝餅しか食べたことないんですけども、月一回、25日かな?よもぎバージョンも売ってるんですよね」
マツコ「うわ、よもぎはね、ずるいのよ。よもぎ混ぜるのは違反なのよ。だって新潟、草餅有名じゃない?帰り新潟から帰るときって、新幹線の中で食べる用と、家に帰ってから食べる用で、だいたい24個くらい買うのよ。やっぱりね、高崎で全部なくなってるのよね」

キアラ「そしたら私のオススメの地方和菓子ですけれども、桜の時期なので、満開の桜の下で食べたい、東北ゴマ餅名店めぐり」
マツコ「東北はね、今からもういい時期だもんね」
キアラ「これからです」
マツコ「今年はコロナの状況にもよるけど、みなさん行ける人は行ってほしいわ、東北に」
キアラ「私もずんだもそうですけど、ゴマも特に。黒ゴマ大好き」
マツコ「ゴマもおいしいのよね」
キアラ「イタリアではパンにふって」
マツコ「ああ、そうね。ついてるよね」
キアラ「それはあるんですが、お菓子に使うことはあまりなくて。ゴマだれとか、そういうゴマのお餅に出会ったときに、真っ黒でかっこよかったです、まずは。かっこいいと思って」
マツコ「真っ黒でかっこいいの?あれ」
キアラ「黒い食べ物が大好きで、イカスミもそうなんですけど」
マツコ「それは個人的な主観じゃない?イタリアの人は黒い食べ物がかっこいいの?」
ナレーション「ずんだやあんこと並び、お餅や団子には必ず黒ゴマ味がある東北地方。そんなゴマ餅の名店をキアラさんが紹介。まずは青森。全国でも屈指の桜の名所として4月の下旬に開花を迎えるのが、弘前市にある弘前公園。旧弘前城のお堀端から南へ車で走ること5分。住宅街の中にポツンとあるのが、弘前市民に愛され100年以上。『戸田うちわ餅店』」
マツコ「感想が出てこないくらい普通よね」
キアラ「看板がなければわからないくらい。本当に4種類くらいの豆大福とかお餅とか。あと今回うちわ餅。これはお母さんと息子さん2人でやられていて」
マツコ「すばらしい」
キアラ「息子さんもう6代目で」
マツコ「いい息子」
キアラ「若いですよね」
マツコ「本当にもうよく継いだよ」
キアラ「息子さんはそのお餅をつく役目ですね原産の餅米を使って作っています」
マツコ「うわ、おいしそう」
キアラ「お母さんがお餅を切る役。この形に長方形に切るんですけれども。切った餅を串に刺すんですね、こういうふうに。串に刺すのでうちわに見えるので、うちわ餅っていう名前になったんです。そしてここです。秘伝のゴマだれに」
マツコ「あんなにサービスすることないんじゃない?ペロッてのせとけば大丈夫よ。ほらもったいないって、あれ量」
キアラ「これもうたまらないんです」
マツコ「半分くらいに量減らしていいわあれ」
キアラ「こんなに使ってもこれこそ全然しつこい感じの甘さでもないし、食べやすいです」
マツコ「ゴマなくなっちゃうよ」
キアラ「困りますよね」
ナレーション「続いて山形」
マツコ「あらきれいね、これ山形城のお堀?」
ナレーション「山形駅のほど近く、山形城跡霞城公園。1500本の桜は今まさに見ごろ。そのすぐ近くにあるのが『餅の星野屋』」
キアラ「ここも餅つきから同じように、山形県産の餅米」
マツコ「そうね。これがおいしいもんね、お餅ついてね、お店で」
キアラ「注文を受けてからこれをゴマだれに入れるんですよね。これもおいしいですよ」
マツコ「ちょっとつけすぎよこれ」
キアラ「かなりやわらかくなってますね」
マツコ「ゴマなくなるからね、本当あんまりこれ」
キアラ「ゴマ以外に、やはりずんだ」
マツコ「そうね、山形もずんだ食べるもんね」
キアラ「山形ではずんだあんのことはぬたっていうので、これもぬた餅」
マツコ「これもあん多すぎだよ」
キアラ「ずんだもなくなりますよね」
マツコ「なくなるよずんだも」
キアラ「あと納豆餅も」
マツコ「おいしいけど。納豆もなくなるよこれも、あんまりかけすぎていると」
ナレーション「東北ごま餅巡り、最後は秋田へ。ソメイヨシノを中心におよそ700本の桜が咲き誇る秋田市民憩いの場所、千秋公園。そこから市街を南へ車で走ること10分。地元で愛され54年。『旭南高砂堂』」
マツコ「あ、洋菓子さん?」
キアラ「ここは洋菓子両方ありますね。和菓子の中ではちょっと変わった名前のごま餅があるんですけれども」
マツコ「あら、これが出てくるのね」
キアラ「実は『まちこ姉さんのごま餅』です」
マツコ「まちこ姉さんってことは妹が呼んでいるの?どういうこと?変わってるわねこれ」
キアラ「名前だけじゃなくて、見た目もそうですね。まちこ姉さんは12年前くらいにこのお店の店長やられた方なんです」
マツコ「ちょっとこれは本当に初めて。こんなの食べるの」
キアラ「これ食感もなかなか独特です」
マツコ「これさ、お餅なの?」
キアラ「そうです」
マツコ「こんな切れる?お餅。あ、超ゴマ」
キアラ「そうです。もう私これ大好きで、ついつい何個も食べられるんですよ」
マツコ「お餅だけじゃないと思う。こんな食感にならないよね、お餅とゴマだけじゃね。黄色いのがなにか?」
キアラ「そこはなんでしょう?」
マツコ「なんだろう、これ」
キアラ「実は黒ゴマ、白ゴマ」
マツコ「黒ゴマと白ゴマなの?なによ」
キアラ「餅粉と砂糖だけです」
マツコ「ゴマの味しかしないわよ。おしゃれね、黒ゴマと白ゴマでマーブルにしてあるの?」
キアラ「そうです。砂糖と餅粉の蒸しあがったらそれぞれ白と黒のゴマに入れて練りこむんです」
マツコ「ういろうと同じパターンよ。ずっと食ってられるわ」
キアラ「ただやっぱりこのきれいなマーブルができるのは、この2種類を合わせるんですけど、企業秘密ですね、どうやってきれいにできるのか」
マツコ「意外とあれでわかったような気がする」
ナレーション「型に入れ冷やし固めれば、マーブルが美しいゴマ餅に」
キアラ「1本作ったら、切ってできあがりですね。私も初めてこれを食べたときに、ゴマ好きなので天国です。もうゴマ、白ゴマ、黒ゴマ、両方」
マツコ「うん、ゴマ。本当にゴマ。でもそのあえて白ゴマと黒ゴマを合わせるんじゃなくて、マーブルにするっていうのがおしゃれよね」
キアラ「そうですね、半々だけじゃなくて、2種類じゃなくて」
マツコ「これまちこ姉さんが持ち込んだのね、こちらのお店に」
キアラ「レシピで。マタギで有名な村。秋田県のマタギで有名な村出身で、そこで伝わっていたそのレシピ」
マツコ「こんな凝ったものを作ってたの?もともと伝統的に」
キアラ「もともと雲平っていうお菓子があって、それは割とここまでじゃないんですけれども、割とマーブルになっていて」
マツコ「そうなの。おしゃれね」
キアラ「それのアレンジバージョンなのかもしれないですね」
マツコ「なんでも知ってるわね。この顔から『マタギで有名な』って。びっくりしたわよ今本当に」


《かわいいお土産の宝庫!春の金沢・ぶらり旅》


キアラ「春の金沢和菓子店めぐり。まあウマいものが多いエリアであって。ちょっとデータがあるんですが、実は金沢では和菓子の消費量日本一です。昔からの和菓子の文化がすごく根付いているのと」
マツコ「そうよね、ハイカラな町よね」
キアラ「あと縁起菓子、氷室饅頭っていうお饅頭だったり。あと冬で言ったら福梅とか。そういう縁起菓子がどこでも多いエリアなので」
マツコ「じゃあだから贈答品とかで、和菓子を使う文化が今でも色濃く残っているのね」
キアラ「そうですね。しかも金沢では和菓子だけじゃなくて、ケーキ、チョコレート、アイス、シャーベット、キャンディーも日本一です」
マツコ「これはでも京都も同じなんだよね。京都の人って洋食が大好きなの。だからやっぱり古くから栄えている所って伝統も守ってるんだけど、やっぱりもともと豊かになったり文化を感じるのが早かったから、新しいものもちゃんと好きなのよね。これ本当不思議」
キアラ「私ちょうどこの前行ってきましたので、そのVTRがあります」
ナレーション「キアラさんが大好きな街、金沢」

マツコ「金沢駅に負けてない」
スタッフ「金沢は何回も来てますか?」
キアラ「そうですね、何回も来ています。出張でも個人旅行でも来ていて。お母さんが日本に遊びに来たときも楽しめたんですね。まず1か所目は、作り方がおもしろいお菓子があるお店に行こうと思います」
ナレーション「近江町市場の脇を抜け、金沢の中心地へ」
キアラ「すぐそこに金沢城があって、木で見えにくいんですけど。お店知らないとこの道に入らないと思うんですけど。実はここにあります、2階に」
ナレーション「尾山神社のほど近く、裏路地にあるのが昭和21年創業の『板屋本店』。キアラさんオススメ、作り方がおもしろい名物和菓子。その名も」
キアラ「こもかぶり。こもかけという金沢独特の雪の被害から守るためのものをイメージしたお菓子なので、こういう名前になっています。では実際に作っていただきます。よろしくお願いします。ワクワクします。すでに良い匂いしています」
マツコ「ちょっと洋っぽいの?」
キアラ「うーん、生地はでもそこまででもないです」
ナレーション「小麦や卵の入った生地を、熱した銅板に広げたら」
キアラ「かわいいですよね、形が。うさぎの耳みたいになってますよね、かわいい形ですね。実はうさぎの耳に見える紐のところが大事なポイント」
ナレーション「続いて大粒の栗の蜜漬けをさっぱりとしたあんこで包み、ひとつずつ生地の上へ」
キアラ「ここポイントですよ。見て見て。見てください。これで一個一個包むんですね」
マツコ「熱くないのかな?」
キアラ「そうです。私も気になっています。けっこう熱いですよ、鉄板が。素手ですよね?熱くないですか?」
職人・北村さん「熱くなさそうに見せるのが職人」
マツコ「やっぱ熱いんだ」
キアラ「なるほど、本当は。鉄板は何度くらいですか?」
北村さん「280度ありますね」
キアラ「高い。熱いですね」
ナレーション「最後に銅板で海苔を軽くあぶってから乗せ」
キアラ「もうつける感じで締めるんですよね、一個一個」
ナレーション「紐をかければ、板屋名物こもかぶりのできあがり」
マツコ「あれ何?黒いの?」
キアラ「海苔です」
マツコ「海苔?」
ナレーション「今回はせっかくなので」
キアラ「金沢城です。実は明日桜が開花らしいんですけど。ちょっと所々がんばったら咲いているところを見つけられるので。ちょうどよかったです、咲いているところありました。いただきます」
ナレーション「早咲きの彼岸桜を見ながら、こもかぶりをいただきます」
キアラ「すごい香りも良いです。バランスがいいですね、絶妙な感じで。中の栗とつぶあんの甘さとパリパリの皮とちょっと塩気がきいてる海苔が、良い組み合わせになっています。あとやっぱりきれいな桜をバックに食べると、テンションが上がる。家で食べるのとまた違うんですよね」
マツコ「イヤリングの独特さはイタリアっぽい」
キアラ「片方私が作ってます」
マツコ「作ったの?ほら、クセがある。やっぱり」
ナレーション「続いて市街の南を流れる犀川を渡り、『にし茶屋街』へ」
キアラ「海外から見たザ・日本っていう画ですよね」
ナレーション「ここに絶対に喜ばれる金沢土産のお店が」
キアラ「着きました。こちらです。ここもおいしいですよ。甘納豆専門店」
マツコ「かわいい。お店かわいい。どうしよう。おはぎ屋さん1号店、金沢にしようかな」
キアラ「いいと思います」
マツコ「いいわね、ああいうお店」
キアラ「住みやすいですし」
マツコ「中モダン」
キアラ「豆だけじゃなくて芋類も。これは金沢の芋ですね」
スタッフ「さつまいもはイタリアでも食べますか?」
キアラ「ないんですよね。芋類はジャガイモしかないです、基本は。もう豆だけでもここからこんなにあるんです。あとパッケージもかわいいですよね。種類によって全部絵が変わっていて。マツコさん、お土産もたくさん買いました。東京に帰るまでに全部食べ切らないようにがんばります」
マツコ「あたしの草餅といっしょよ」
ナレーション「春の金沢和菓子めぐりの旅。甘納豆屋さんでおいしそうな最中を発見。土蔵を活用したイートインスペース。選んだのは塩豆あんマスカルポーネチーズ」(甘納豆かわむら)
キアラ「これ6分最中と言って、6分以内においしく食べてくださいと」
マツコ「じゃないとあのパリパリじゃなくなっちゃうのね」
キアラ「これ見たら、普通の粒あんではなく、甘納豆を潰したあんこらしいです」
マツコ「甘納豆にしてからつぶしてるの?」
キアラ「そうです。そんなに甘くは感じないです。逆に豆感がすごいですね。なんだろう、マメマメしてます」
マツコ「両方知らなかった」
キアラ「まずは板谷さんのこもかぶりですけれども。実はこれやっぱりできたてがおいしいので、今日ご主人さんがわざわざ新幹線で持ってきました」
マツコ「やだ、やめてよ本当にもう。ありがたいけど。これなんで海苔なの?」
キアラ「海苔を入れると、やっぱりちょっと塩気も入るので。中の栗、あんこと生地のバランスがとれるんですよね」
マツコ「せっかく作っていただいたのに、一口でいくの申し訳ないんだけど。いい?」
キアラ「そのままでいいと思います」
マツコ「海苔の意味がわかった。そんなじゃないよ。ちょっといるのがいい」
キアラ「そうですね、邪魔しない程度。ちょっと」
マツコ「ちょっとだけっていうか、あとなんだろうこれ。海苔がちょっといると同時に、同じくらいちょっと洋がいる。だから和菓子なんだけど、ちょっとハイカラな香りがする。たぶん卵がたっぷり入っている皮だからだと思うけど、カステラまでいかないんだけど、ちょっといるんだよね。今もいるのよ、ここに洋が。出島くらいな感じでいるのよ。日本における出島ぐらいな感じでいるのよ。わかった。キアラのあれが。キアラはね、素朴なものが好きなの」
キアラ「そう、そのとおりです」
マツコ「だからもういくらでも食べられる」
キアラ「飽きないです」
マツコ「全然まだ。素朴だから」
キアラ「次も甘納豆なので、かなり素朴ですよね。そういう意味では」
マツコ「ていうかさ、甘納豆ってさ、なんかだんだんわかってきた。良さが」
キアラ「これちょっと独特で、甘納豆は割と乾燥させて砂糖まぶすんですよね」
マツコ「そうね、粉が噴いているようなね」
キアラ「そうです。これは砂糖をまぶしてなくて、みずみずしいちょっと生に近い食感を」
マツコ「これはつぶしたらあんこ作れるね」
キアラ「そうです」
マツコ「いやこれはもうほぼ食べてない感じ。牛乳飲みたい」
キアラ「カプチーノといっしょに出して」
マツコ「うん、合う」
キアラ「合いますよね」
マツコ「これは合うわ」
キアラ「ちょっとミルキーな飲み物と絶対合うと思って選んで。あと五郎島金時の、加賀野菜の甘納豆です」
マツコ「甘納豆って聞いてみなさんが想像しているより、全然甘くないし、すごい淡い砂糖の香りがついているくらい」
キアラ「ここはたぶんサッと入れて、段階を繰り返すんです」
マツコ「そんなもんよね、サッくらい」
キアラ「糖分がすごく低くて、本当に豆とサツマイモ、材料だけの甘さでできていますよね。そこはここのお店の特徴なんです」

ナレーション「インスタ女子必見、金沢のかわいすぎるお土産」
キアラ「お土産で使いやすい、お土産で持っていったら喜ぶ、紹介したいと思いますけれども」
マツコ「何このかわいいの。なにこれ」
キアラ「『清香室町』さんの金澤文鳥、加賀の和紅茶味のようかん」
マツコ「どうなってるの?その中身」
キアラ「中身はドライフルーツ。イチジクとか」
マツコ「が練りこんであるの?」
キアラ「そうですね」
マツコ「まあー、いやね、金沢って。こういうことをさ、躊躇なくやってしまうのが金沢よ。でもちょっとなんか全部キャーって言いそうな。インスタ女子たちが」
キアラ「これも割とキャーってなると思うんですけれども。『茶菓工房たろう』さんの桜窓。これはどんな和菓子かわかりますか?」
マツコ「あれ周り皮だよね?」
キアラ「最中です。このお店はかなりこういうスタイリッシュな、店内もスタイリッシュですし」
マツコ「うわ、おしゃれ。これは阿武虎さんとかたぶん躊躇して入れないわよ。金沢にいる女装の仲間がいるんだけどね。これは入れないよ、阿武虎さん。ちょっとだめ。あたしちょっともうそろそろ旅に行かないと。ちょっともう15年くらい東京から出ていないので」
キアラ「出たらまずはどこに行きますか?」
マツコ「どうしたらいい?オススメの町ある?」
キアラ「島ですね。やっぱりあまり人がいない島とか」
マツコ「すごい急に現実的な提案」
キアラ「私が島好きですから」
マツコ「あ、島好きなのね」
キアラ「島好き。海が好きなので」
マツコ「なんかでも島だとあんまり和菓子ないでしょ?」
キアラ「でもありますよね」
マツコ「どこ?どこがある?」
キアラ「さっきの地図の中に沖縄のおまんじゅうとかも出ていたと思うんですけれども(沖縄県那覇市ぎぼまんじゅう/のまんじゅう)。沖縄も独特の和菓子はいくつかあります。伊豆諸島の島に行くと、牛乳せんべいとか。割と出たりはします」
マツコ「てかすごい。伊豆諸島まで行ってるの?」
キアラ「行ってます。割と行っています」


《洋の要素も取り入れた新時代の和菓子職人》


キアラ「最近和菓子離れとも言うので、特に若い方があまり和菓子を買わない方も多いんですよね」
マツコ「そっか、だからあんな若い経営者の人ががんばってかわいく作っているのね。本当それをあんな言い方してごめん」
キアラ「新しいチャレンジをしている職人さんたちが」
マツコ「金沢の方、がんばってるのねみんな」
キアラ「そうです。洋菓子のパティシエに負けない。和菓子職人も個性を出す時代へ。パティシエさんたちは、割と前からお店出て自分の作ったケーキ、チョコレートとか割とアピールするんですけど、和菓子職人さんは」
マツコ「確かに。和菓子って、たとえばすごい有名店でも職人さんが誰とかって知らないよね」
キアラ「なかなか出ないですよね。でも今の若い職人さんたちが、いろんなイベントに実演やったりとかすると、ファンもどんどん集めるんですね。ファンが増えている和菓子職人さんも非常に多いんですよね」
ナレーション「和菓子の新たな可能性を追求する4人の新世代職人をご紹介」
キアラ「個性を出す若い職人さんたちの話では、この4名をご紹介したいと思いますけれども」
マツコ「左上の方は若いのかな?ごめんなさいね」
キアラ「山形の『佐藤屋』さんの佐藤さんなんですけれども。乃し梅が銘菓で、寒天と梅で作る乃し梅が有名なんです。下の、和チョコって言えるかな、チョコレートとあんこと寒天で固めて和風っぽいチョコレートを作って、その上にこの乃し梅を乗せているんです」
マツコ「でもこれって、もしかしたらオレンジピールのチョコっぽい感覚で食べられるのかな」
キアラ「そうですね。ちょっと酸味があって、それでチョコレートとあんこに合うんですね」
マツコ「おいしそうよね」
キアラ「この洋の要素を入れた和菓子」
マツコ「新潟の太田くんはあれなのかしらね、光が当たっているのか色白なのか。青白い光が当たってるのよ、違うわよ本当に」
キアラ「元気だと思いますよ」
マツコ「元気よね、ごめんなさい本当に。まあこれはたぶんおいしいわよね(新潟市『百花園』生キャラメルの羊羹)。たぶんこれはもうなんとなく想像ができる。あと藤井君のやつはそれはなんなの?これはなに?マカロンみたいなの」
(広島県宮島「藤い屋」淡雪花)
キアラ「外側がギモーヴ。フランスのマシュマロみたいな。中はレモン羹」
マツコ「完全に和じゃないよね」
キアラ「レモン羹と氷餅をつけてるのが和のほうですよね。香川の『寶月堂』さんの桑田さんもそうなんですね。香川で和三盆で有名で。このチャイの要素、スパイスを入れた和三盆を作られて、いろんな形にもできます」
マツコ「ちゃんと犬の足跡みたいにして」
キアラ「和菓子職人さんで女性もまだ少ないので、ちょっと珍しいパターンです」
マツコ「けっこううつむき加減で雰囲気作っている写真よね。やっぱり若い子たちはね、そういう世代的に。なんか佐藤さんだけラーメン屋さんみたい」
キアラ「紹介したい方がいらっしゃいますけれども。富山が生んだ和菓子界のゴッドハンド。『引網香月堂』の引網康博さん」
マツコ「富山?」
キアラ「そうです。まずこれもお店の風景がでますけれども」
マツコ「さては金沢のロケといっしょに行ったわね?」
ナレーション「富山市の郊外にある『引網香月堂』。大正8年創業の歴史あるお店で、洗練された上質な和菓子がずらり。その看板メニューが、甘く煮た梅を白あんとやわらかな求肥で包み込んだ万葉の梅園。4代目店主康博さんは上生菓子の達人として、今和菓子会でも注目を集める存在。そんな引網さんがこのあとスタジオに登場」
キアラ「富山からわざわざいらっしゃいました」
マツコ「あらやだ。すみません本当に」
キアラ「引網さんです」
マツコ「今日お店は?」
引網さん「今日お店は店のスタッフに任せてきました」
マツコ「ありがとうございます」
引網さん「ありがとうございます。はじめまして」
マツコ「えらいわね、ちゃんと取引先だから立って」
引網さん「ありがとうございます」
マツコ「えらいわね。ちゃんとしてるわやっぱり」
ナレーション「キアラさんいわく、実は引網さんはただの凄腕職人ではないんだとか」
キアラ「お客さんの出すお題に合わせて、すぐそのお題に合わせた上生菓子を作ってらっしゃるんですよ」
マツコ「今日も頼んでやってもらえるの?」
キアラ「もちろんです。せっかくなので好きなものを」
マツコ「富山でしょ?」
引網さん「別にもうお好きなもので」
マツコ「今ちょうど旬だし、ホタルイカ」
引網さん「そうですね、おいしいですよね」
マツコ「ただあたしね、すごい光ってるのを見てから、怖くて食べられなくなっちゃった。すごい光るのよあいつら。びっくりするのよ。東京ドイツ村みたいになるのよ、富山湾が。すごいのよ。こんなに光るのこいつら、と思って。怖くてもう。これが光ってんだって思ったら、食えなくなっちゃったんだから」
引網さん「わかりました。ホタルイカで。それでは作っていきますね」
マツコ「ありがとうございます」
ナレーション「最初に手にしたのは紫のあん。薄く伸ばしたら木べらを使ってくぼみを作ります。続いて水色のあんを小さく丸め、くぼみの中へ」
マツコ「やっぱりなんだろう。本当に今あんが一番。世界で一番あんが好き。もう今あんこが、本当にすごいと思う、あんって」
キアラ「どういうふうに食べてもおいしいですよね」
マツコ「もちろんさ、どらやきだったり大福だったりとか、ぼた餅とかもおいしいけど。これが原点なんだなっていうね。抹茶とかと食べてると。ここからホタルイカになるとはちょっと想像できないんだけど」
ナレーション「続いてその上に白いあんを乗せます」
マツコ「でも茶色いあんあったじゃない?あれとかいくんじゃねえかって思った。ホタルイカだからさ。まさかの紫」
引網さん「ホタルイカをそのまま作ると、なんとなく召し上がるときにホタルイカの味を思い出してしまうので。そうじゃなくてかわいらしい感じというか」
マツコ「そっか、ホタルイカそのままにしちゃうと、あん食べながらあのホタルイカの味が頭に浮かんじゃうから。なるほど、そういうことか。かわいい」
引網さん「もうできちゃったんですけど、いいですか?薄い紫の下から、ブルーのグラデーションを2か所出して」
マツコ「繊細ね、グラデーションも」
引網さん「ありがとうございます。ホタルイカはそのままの色を作ると、やっぱりあんまりおいしそうに見えないので、ちょっと抽象的に白色で表して。お菓子の名前は『神秘の海』という名前でどうでしょうか」
マツコ「すごい。この短時間でそこまで考えちゃうの?」
キアラ「すごいですよね」
引網さん「ありがとうございます」
マツコ「どうしよう。もうちょっとやりやすいテーマも言っといたほうがいいのかな。富山地方鉄道とか。ごめんなさいね、ケンカ売るようなことばっかりやって」
引網さん「富山地方鉄道ですか。そうですね」
マツコ「あたしなにがおもしろいって、自ら地方と付けている珍しい鉄道会社なのよ。それかどうします?『富山』でいいですよ。砺波のチューリップもあります。氷見のブリもある。おわら風の盆もあります。どんどん作りづらくさせていくっていう。ごちゃごちゃよ」
ナレーション「今度はピンク、青、黄色の3食のあんをくぼみに入れ、最後に表面に乗せたピンクのあんに装飾を施せば」
引網さん「ありがとうございます。完成しました」
マツコ「わあ、きれい。富山地方鉄道だわ」
引網さん「そうです。『春の三重奏』という名で。ちょっと過ぎましたけど、菜の花とか桜、あとは立山連峰の青さと。その3つの色が同時に見えて、そこを地方鉄道が走っていくっていう」
マツコ「なるほど、いいですね」
キアラ「これ実は、日本酒。オススメの富山の日本酒あります」
マツコ「あら、おしゃまな。おしゃれ。おしゃまな人ね、あなたって本当」
引網さん「富山県のお酒を今日は用意しまして」
マツコ「富山は銘酒多いですよ」
引網さん「今の器も、富山の作家さんの器で」
マツコ「うわ。これ香りがすばらしいね」
引網さん「器も選ばせていただいて」
マツコ「このおちょこ、すごいおしゃれよ。わかる?ここがほら三日月になってるのよ。おしゃれだわ。いただきます」
キアラ「おいしいですよね」
マツコ「どうしようこれ。難しいわね。でも3色いっぺんに切りたいわよね。ごめん。ごめん富山。見せたいの、3食を。ああ、きれい。きれいよほら」
キアラ「断面もきれいですよね」
引網さん「ありがとうございます」
マツコ「ほら見て見て。きれいよ。グラデーションの魔術師」
引網さん「そうですね、そうやって壊していただくっていうのは、これで完全にマツコさんのお菓子になるというか。作ったかいがある」
マツコ「なにそんな急にエロティックな表現。なにか急に誘ってるのかしら」
キアラ「こちらもすごく断面がきれいで、こしあんも見えて」
マツコ「どう?断面。あ、きれい。そっちも」
引網さん「ありがとうございます」
マツコ「今にわかるって、みんな。今にわかるから。最後はこれにいくのよ」
引網さん「そうですね、本当に初めて召し上がっていただくっていう方を増やしたくて、まず一回見た目で入っていただいて、初めて食べておいしかったってなれば、そこから先はもう大福でも。そこから逆にいちご餅にいくぐらいの感じになれば最高かなと思いますね」
マツコ「この味理解するのって、日本人だけどけっこう時間かかったよ。お抹茶食べたときの、あれで気づいたところはあるから」
キアラ「和菓子の『和』、あるじゃないですか。もちろんその日本の『和』っていう一番わかりやすい意味なんですが、『和える』『調和する』っていう意味もあるので。それでたとえば洋の要素の材料、いろんなもの、和だけじゃなくて洋のものも合わせるというのもそうですし、こういうふうに飲み物だったりとか器だったり、組み合わせが自由っていうことも表せると思うんですよね。そういう組み合わせをしてさらに楽しむ、さらにいろんな方に伝えるのもいいんじゃないかなと思うんです」
マツコ「楽しかった」
キアラ「楽しかったです。旅行に、さらなる旅に出たくなりましたか?」
マツコ「いやいや、ちょっと本当。北陸かな?旅行再開地は」
キアラ「私もまた改めて北陸にちょっと」
マツコ「最後金沢で阿武虎と飲んだくれて帰ってくるという」

~完~