2021/11/23放送

マツコの知らない世界

 https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 

 

 

'365日シルクをまとい続ける女性'

稲葉みちよさん(以下、稲葉)

 


稲葉「まず私にとってシルクとは。着るだけで見た目が若返る最強アイテムなんです」

マツコ「これ見た目だけじゃなくて、シルクってお肌にも良いですものね」

稲葉「そうです。人間のたんぱく質、アミノ酸とほぼ等しい、シルクは。優秀でしょ?」

マツコ「ほとんど人体のアミノ酸といっしょ?」

稲葉「そう。だから幼少期から私お肌が弱くて、今もファンデーションとか口紅が塗れない」

マツコ「え?ちょっと待って、それすっぴんなの?」

稲葉「すっぴんなの。耳から下が特にだから、ラッキーだったのはアイメークができることと、ヘアカラーができること。ひどい思いをしているアレルギーなんです」

マツコ「すごいおきれい。シルク効果。もうもはや薄目で見たらメーテルですもん」

稲葉「薄目でね」

マツコ「そりゃそうよね、ガン見したらメーテルには見えないわよね」

 

 

《高いだけじゃない!お手頃シルクアイテム》

 

 

ナレーション「お肌にやさしく、見た目も若返るというお手頃シルクアイテムを、機能別にご紹介」

稲葉「シルクパワーの5つの秘密。シルクは蚕自体、自分の体を守るために身につけた機能効果があるわけです」

マツコ「そうよね、あれは蚕ちゃんがプロテクターとして作ってるものだから。そりゃそうよね」

稲葉「1、摩擦が小さくスベスベ。2、保温機能でポカポカ。3、保湿機能でツルツル。4、UVカットでピカピカ。5、たんぱく質がピタピタ」

マツコ「UVカットくらいから無理が出てきた。『UVカットでピカピカ』ってどういう意味なんだ?『タンパク質がピタピタ』ってなんなんだ?いやね、こういうの。つけたがるの、こういうの。こいつら」

シルクノイル汗取りインナー/(有)イーズクリエーション

マツコ「そういえばそうね、聞いたことはあるわ。シルクの肌着」
稲葉「あります」
シルク100%メンズタンクトップ/(有)イーズクリエーション
マツコ「男物もなんか今流行っているブランドあるよね、シルクので。肌ざわりがいいって言って。え、そんなバスブラシみたいなのあるの?」
稲葉「これ便利。硬いナイロンの場合、シミができることも」
マッサージシルクブラシ/富岡シルク
マツコ「ゴシゴシやりすぎると、黒ずみの原因とか。力を入れても体に圧がかからないようにね」
稲葉「すごく体に優しい」
マツコ「シルクの腹巻って、腹巻の用途としては効果あるの?」
稲葉「すごくいいですよ。温まります。保温性もあるし。アウターにひびかない」
シルク腹巻き/コモdeすこやか

マツコ「薄い。そっか、だからお外に行くときとかも、おなか冷やさないようにずっと着ていられる」
稲葉「そう。今もそう。私もつけてる」
マツコ「今も着てる」
稲葉「365日つけてる」
マツコ「365日、腹巻とともにみちよはいる」
稲葉「そうなんです」
マツコ「あと今マスクはいいかも。肌が荒れちゃっている人も多い」
スマートシルクプリーツマスク/絽紗
稲葉「私もシルクマスクの機能性が高いやつをやってたり。こっち側だけシルクにして、外側を不織布マスクにしたり」
マツコ「肌に当たる部分をシルクにすると。けっこう女の子とかかわいそうな子いるよね、荒れちゃってて」
稲葉「そうなんです」
マツコ「ナイトキャップはシルクにする意味がわからない」
稲葉「ナイトキャップ、私つけています」
シルクナイトキャップ/リリー・シルク
マツコ「何の効果があるんですか?」
稲葉「摩擦を防ぐ」
マツコ「なるほど」
稲葉「髪が切れない」
マツコ「けっこう寝てるときの枕とこすれるのって。もうあたしくらいの歳になってくると、あれでどんどん。一度失われた毛のツヤは戻らない。若い子にはわからない。シルクのそういう成分も髪にもちろんいいだろうし」
稲葉「トリートメント効果があるでしょ。これおすすめです」
ナレーション「その他、同じく保湿機能に着目した石鹸や入浴剤、紫外線カットの機能を取り入れた帽子や日傘など、美容にうれしいアイテムや、リラックスできる趣味としてくず繭を使って花を表現する『花まゆ』教室も女性に人気なんだそうです。さらに良質なたんぱく質のシルクを使ったこんなものまで」
稲葉「シルクを使って体の中から美しく。私、シルクを食べてます」
マツコ「食べちゃった」
稲葉「身近で食べられるシルクってことで、『銀座シルクプリン』。お持ちしました」
マツコ「あたしこれ名前聞いたことある」
稲葉「やっぱりね。人気ですもん」
マツコ「人気なのね。だからか」
稲葉「なめらかでしょ?」
マツコ「なめらかなのはシルクが入っているから?」
稲葉「うん、シルクが入っているから」
マツコ「めちゃめちゃおいしいプリンだけど、別に味は。そんなシルクの味がするわけではなくて、プリンよ。シルクみたいな舌ざわりだから、シルクプリンっていうんだと思っていた」
稲葉「最初はそういうふうに作ったんですって。銀座にお店を出したときに、『本当に入れてしまおう、本当のなめらかさを追求しよう』といって入れたんですって」
ナレーション「他にも現在はシルクパウダー自体も販売され(『かやシルクパウダー100』)、美容と健康を考え、稲葉さんはスープに入れて楽しんでいる」


《ジャパニーズシルク、驚きの技術と進化》


ナレーション「現在、さまざまなシルク商品が市場に出回っているものの、実は稲葉さんいわくその99パーセント以上は外国産のシルクだそうです。そんな中」
稲葉「私の夢。ジャパニーズシルクを復活させたい。絶対復活させたい。なにがなんでも復活させたい。なんと製糸場の数はピーク時昭和29年、1960か所」
マツコ「だって日本の基幹産業でしたもんね」
稲葉「そうですよ。ナンバーワンでしたもんね」
マツコ「うん、品質も」
稲葉「本当にそう。今何か所だと思います?」
マツコ「もうおそらく100は切ってるんじゃないですか?」
稲葉「7か所。ひどいでしょ?」
マツコ「『ひどいでしょ?』って。まあ確かにちょっとびっくりするよね」
稲葉「ひどいの。ファッションは農業だと思っているんですよ」
マツコ「まあでも確かにそうですよね」
稲葉「養蚕も農業でしょ?綿もそう」
マツコ「コットンもそうだし」
稲葉「コットンもそうだし、ウールもそう」
マツコ「ウールだってそうよね」
稲葉「農業を復活させないと、国力は落ちるし、外貨は入らないし。だからこれじゃいけないと思って、立ち上がっている」
マツコ「そんな志が立ち上がった人の見た目じゃない」
稲葉「あら。それでも一貫して変わらないものっていうのが、これがまたすばらしい。ジャパニーズシルクの品質は世界一」
ナレーション「日本の養蚕業復活を目指し、現在シルクにまつわるさまざまなイベントを主催している稲葉さん(日本シルクを守り育てる会、横浜絹フェスティバル)。そんな稲葉さんがここから超レアなジャパニーズシルクですばらしさを訴えます」
稲葉「ジャパニーズシルクのここがすごい」
マツコ「2000種類もいるの?蚕さんって」
稲葉「そうなんですよ。2000種もの品種数は世界一ですよ」
マツコ「何が違うんですか?」
稲葉「品種改良していて。2000種類」
マツコ「え、今も品種改良?あれだけ生産量減っても?」
稲葉「研究だけはやめないの。もしも『よし、これを使おう』となったらちゃんと増やせるように飼ってあるわけ」
マツコ「なるほどね。まだまだ状況さえ整えれば、生産拡大はできるわけでしょ」
稲葉「そう、まだできる」
ナレーション「ということで、シルクを扱い続けてきた稲葉さん厳選の、蚕別ジャワニーズシルクをご紹介」

稲葉「これもそのひとつ」
マツコ「すごいのよ。ぐんま200、たぶん種類よね」
稲葉「そうなんです」
マツコ「これはものすごい高品質なお蚕さん」
稲葉「そうです。外国産のはわかりますよね?こちらのよくある感じの。違うでしょ?」
マツコ「同じふうに織られたものではないから、一概にちょっとはわからないけど。そういうのは関係なしに『どうだ?』って言われたら、もうまず肌ざわりが違います。こっちは若干硬さを感じる。あと見て、これ。シルクじゃないみたい。ニットみたい」
稲葉「伸びるでしょ?縦糸横糸で織ってないんです。繊維って織っていくでしょ?じゃないの。その砧打ち製法ってやつ。平らな石の上に乗せて、バンバン木槌で叩くの。バンバン叩いていくうちに」
マツコ「それでくっつけていくの?本当だ、お化粧するときのコットンみたいな感じ。織ってるんじゃなくて、糸の集合体みたいな感じ」
稲葉「そう、絡まっているんです」
マツコ「へえ、すごいこれ。シルクは伸びないイメージ」

稲葉「宮中御蚕所で飼育されてきた幻の繭、『小石丸』」
マツコ「小石丸ちゃん小さい。小石丸ちゃん、落花生みたいに真ん中にくぼみが入るのね」
稲葉「ちょっとかわいいでしょ?」
マツコ「かわいい、小石丸ちゃん。これは本当にあの皇居の中にあるの?」
稲葉「そうそう。美智子さまがずっと育ててらっしゃって」
マツコ「あの中で?」
稲葉「そう。今は雅子さまが継がれてるんですけど。あまりにも育てにくいから、一時生産をやめようって話が出たんですって。美智子さまが『それじゃいけない』っていうご意向がございまして、続けてくださったおかげで」
マツコ「ちゃんと後世に継いでいかなければいけないと」
稲葉「ちょっとよろしいですか?見ていただきたいものがあって」

小石丸の着物/綾の手紬染織工房
マツコ「あら、あるの?これ全部小石丸でできてるの?とんでもない値段でしょ?」
稲葉「そうでもないかも」
マツコ「こんなに貴重なので作ったわりには、恩着せがましくない感じのすてきな。なんかもっと絢爛豪華なのが出てくると思ったら。あら、『そんなこともない』って、けっこう高いですよ」
稲葉「えっ。でも小石丸にしてはそんなこともない」
マツコ「そうよね。でも『300万から』って書いてあるわよ」
稲葉「どこまでも続く」
マツコ「どこまでも続くのよ、これは。これ触ってもいいの?」
稲葉「いいんですって」
マツコ「いい?ああー、気持ちいいわ。夏に着たら」
稲葉「ねえ、気持ちいいでしょ。すてきよね、渋い色でね」
マツコ「渋い。でも渋いんだけど、やっぱりこれテレビだと伝わりづらいわね、画面だと。近くで見るとすごいキラキラしてるのよ」
稲葉「細かいんですよ」
マツコ「わかる?これわからないかしら。よっぽどのしょっぱい思いを重ねたババアしか似合わない。そんじょそこらの生娘が着てもね」
稲葉「今日本の品種改良ってお話が出ましたよね。日本の品種改良が生んだ傑作があるんです。『三眠蚕』、『GN7×GCS7』」
マツコ「上はいいんですけど、下はなんか急に。もうなんか疲れたのかしら、名前つけるの。『GN7×GCS7』はなんて読んだらいいのかね?」
稲葉「そのままです」
マツコ「そのまま?めんどくさいわね」
稲葉「今のところそのまま」
ナレーション「ということで、日本の品種改良技術で生まれた三眠蚕と、GN7×GCS7を使って作った2つのドレスをご紹介」

フェアリーフェザーのウェディングドレス
稲葉「三眠蚕っていうのは、3回しか脱皮していない状態。その時にもう繭を作ってしまうっていう。だから余計に細い糸。髪の毛の6ぶんの1の細さくらいなんです」
マツコ「ほぼ無いに等しいわね。これをだからいっぱい使わなきゃだめってことよね」
稲葉「そうです。これちょうど600グラム」
マツコ「600グラムでできるの?」
稲葉「そう。桂由美先生の作品」
マツコ「えっ。600グラム?すごい軽い」
稲葉「すごいでしょ」
マツコ「すごい軽い。これは疲れないわね、花嫁さん」
稲葉「そのとおり。花嫁さんが疲れないように、軽やかにダンスを踊ってほしいって気持ちを込めて作られたんです。あとGN7×GCS7で作ったのがこれ」

浜ちりめんドレス
マツコ「もう『浜ちりめん』にしません?」
稲葉「織り方が浜ちりめん」
マツコ「ちりめんの、これちょっとわかるかな?生地がツルツルじゃないのよ、ちりめんって。ちょっとこうボコボコしてるのわかる?」
稲葉「この子なの。もうこの色ついているからね、そもそも」
マツコ「えっ?この子もう吐き出す色がこれなの?どういうこと?」
稲葉「感動でしょ?これ」
マツコ「えー?緑茶ハイでも飲ましてるの?なんでこんな色してるの?」
稲葉「それご説明するから、ちょっとお願いできますか?農研さん来てもらっています」
マツコ「えっ、なにが始まるのよ?」
稲葉「暗くしてください。じゃあ農研さん、お願いします。これブルーライトね。そのメガネでご覧になってみて」
マツコ「あ、本当だ。ネオンみたい。何を食べさせたの、あの子に。農研!何を食べさせたの、あの子に」
農研「エサは桑の葉だけ」
マツコ「桑の葉だけ?なんで?」
農研「光るたんぱく質の遺伝子を蚕のゲノムに組み込んだ、遺伝子組み換え蚕の繭です」
マツコ「おそろしいことをしているわね」
稲葉「おそろしいですよね」
マツコ「着ていく場所、いかがわしい場所しかなくない?どこで着ろっていうの?本当に」
稲葉「ねえ、すてきでしょ」
マツコ「要は発光するクラゲの遺伝子を蚕に」
稲葉「でも医療業界で活躍の蚕ちゃんなんです」
ナレーション「人間のたんぱく質に似ているため、蚕は医療用でも使われ、現在は人工血管の材料など、最先端の研究でも活躍しています」
稲葉「桂由美先生は、こういう技術、日本の最先端技術がこんなふうに美しくもなるよと作られたんです」
マツコ「披露宴でちょっと一回くらいブラックライト当ててもいいわよね」
稲葉「いいねえ。すてき」


《マツコにシルクをサプライズプレゼント》


稲葉「シルクデザイナー稲葉みちよのお願い。マツコさんにお手製のシルクをまとってほしい」
マツコ「でもほら、さっきのとんでもない金額見ちゃったから」
稲葉「うーん」
マツコ「『うーん』って。値引きはしないわよっていうね」
稲葉「はい。まとっていただきたい」
マツコ「あらまあ。すごいわ」
稲葉「すごいでしょ」
マツコ「これはすばらしい。スカーフ柄」
稲葉「そう、スカーフなの。スカーフそのもので」
マツコ「あ、これスカーフで作ってあるの?」
稲葉「そうなんです。横浜スカーフで作っているの」
マツコ「これすごいわね。何個使っているの?スカーフ」
稲葉「15枚」
マツコ「15枚。一生分よこれもう」
稲葉「すてきでしょう?」
マツコ「すてき。あとこの柄もすてき」
稲葉「うれしい。よろしいですか」
マツコ「みちよのシルク着ちゃう、あたし」
稲葉「ぴったり。すてきー!」
マツコ「土曜ワイド劇場のファッションショーのシーン。ありがとうございます」
稲葉「うれしいわ。いつもおうちでは裸でいらっしゃるっておうかがいしたの、私」
マツコ「ばれてました?」
稲葉「うん、ばれてる」
マツコ「よくないですかね?裸は。やっぱりシルクをまとったほうが」
稲葉「そう、冷えちゃうから」
マツコ「じゃああたしこれから家だとずっとみちよに抱かれていることになるわ」
稲葉「そうそう。そういうこと」
マツコ「ドキドキして寝られないわあたし」
稲葉「でもお肌すべすべに」
マツコ「絶対今日から着ます」

~完~