2021/09/07放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 

 

 

 

'焼きいもに命を救われ、芋けんぴにたどりついた女性'

鈴木絢子(スズキアヤコ)さん(以下、鈴木)



マツコ「わあお!」

鈴木「今日は全身芋で参りました。芋エプロン、芋ターバン、芋ネイル」

マツコ「日本の未来は明るい」

鈴木「芋けんぴの魅力というのは、私が感じているのはこちらになります。芋けんぴ最大の魅力、骨に伝わる噛み心地」

マツコ「骨?どちらの骨に?」

鈴木「どちらかというと頭蓋骨です。五感を研ぎ澄まして聴いてみると、ゴリッ、ゴリッみたいな感じですごく骨に響くんです。骨に響くお菓子って、他にないじゃないですか。けんぴって外側がコーティングでガリッていう感じなんです」

マツコ「ゴリッゴリのやつあるじゃない。本当に死を感じるやつ。これよく噛み砕かないと刺さったら死ぬぞってやつたまにあるじゃない?ああいうときカーンってくるのね。なんかオススメある?」

鈴木「それで言うと、たくさんあるんですけれどもこちらの『川越けんぴ』さんなんかは本当に刀みたいな芋けんぴで。長くて鋭いんんですよ。画的にはすてきな芋けんぴだな」

マツコ「味的に変わってるやつは?」

鈴木「私のオススメだと『紅いもカリカリ』っていう。沖縄の『ティンミー』さんっていうメーカーさんなんです。琉球の黒糖をの味。おいしいんですけど、これ以外にもハニーバターとか塩バターとか、そういうフレーバーのものがあって。紅いもって生の状態だと本州に持ち込めないんですよね」

マツコ「あ、そうなの?」

鈴木「そうなんですよ。芋に虫がつくっていわれていて、その虫ごと持ってきてしまう可能性がある」

マツコ「加工品じゃないと本州に」

鈴木「そうなんです。なので芋けんぴだったら持っていけるっていう特徴があります」

マツコ「よかったですね」

鈴木「ありがとうございます」

 

 

《焼きいもに救われ芋けんぴにたどり着いた人生》

 

 

鈴木「すみません早速なんですけれど、私のプロフィールをご紹介させていただきます。中学時代なんですけれども、間食がやめられず、ケーキバイキングでは50個以上ケーキを食べていたりしました」

マツコ「それは間食って言いませんよね?」

鈴木「そうですね。実はこの時に悪玉コレステロール値が爆上がりしまして」

マツコ「えっ。中学校で『このままだと死にます』って言われたの?」

鈴木「言われたんですよ」

マツコ「あたしこんなだけど、今まで『このままだと死にます』って言われたことないからね」

鈴木「本当ですか?高校時代、安室奈美恵さんの登場でギャルブームが到来いたしました。アムラーでした。そして私も無理なダイエットをしてしまいまして、平均体温が1度以上下がったんですよ。なので35度の下のほうとか」

マツコ「ええ?極端な人ね」

鈴木「そうなんです。体ってすごくて、体温が1度下がったことによって、『体を守らなきゃ』ってたぶん思ったんですね。腰から毛が生えてきたんですよ」

マツコ「要はおまえが体温が上がるものを食べないんだったら、体毛で体を守る」

鈴木「そうなんです。最終手段に体が出てて」

ナレーション「医者から死の危険宣告をされた鈴木さんを救ったのが、母親が毎日作ってくれた焼きいも弁当」

マツコ「米を食わないっていうんだったら芋食えと」

鈴木「本当にその通りで。しょうがなく食べていたらまず体温も上がりましたし、デトックス作用、食物繊維とカリウムが入っているので便秘がまず治って、むくみも治って、そしたら肌荒れも治って、体重も減ってて。すごいいい連鎖がどんどん起きるようになったんですよ。これが10代最後のほうで、仕上がったピチピチギャルに」

マツコ「なかなか仕上がってますよね」

鈴木「はい、今の旦那になりました」

マツコ「旦那ももう今はおとなしくなってる?」

鈴木「もちろんです。私も今はこのようにだいぶ落ち着いて、まっとうな人間に」

マツコ「イメージチェンジはしましたけど、おとなしくはなっていません。今頃向こうで旦那も『そうだそうだ』って言ってると思いますけど」

ナレーション「鈴木さんは30歳のときある芋けんぴに衝撃を受け、毎日芋けんぴを食べる生活に。そのきっかけとなったのが」

鈴木「こちらなんです、高知県の四万十町です1966年創業の南国製菓さん。こちら私よく行くんです。自社ブランドの『水車亭』」

マツコ「知ってる!」

鈴木「知ってますか?やっぱり。すごく有名な芋けんぴ業界を代表する企業さんなんです。こちらですね、2005年に発売になった水車亭の塩けんぴ。こちらが私のきっかけになった芋です。原料は黄金千貫という、芋焼酎とかに使われるちょっと白っぽい。これを5ミリ角にカットします。一般的な芋けんぴよりちょっと細い」

マツコ「ああもうこの状態で食べたい」

鈴木「これ美しいですよね。すごく香りがいい状態できまして。あとは蜜をからめるだけなんですが、ここにポイントがあるんです。蜜に塩が入っているんですよ、塩けんぴなだけに。ここにザーッと入れまして。海水から作ったミネラル豊富な塩が、芋の甘みとかうまみを引き立ててくれるんです」

ナレーション「ではなぜ芋けんぴを塩味にしたのかというと?」

南国製菓社長、中城洋仁さん「当時甥っ子とか姪っ子が、芋けんぴを好んで食べてくれてたんですよ。だけど、フライドポテトを食べるときの勢いと芋けんぴを食べる勢いでは全然違って。それで違う味ができないかと思ったのが作るきっかけだったんです」

マツコ「新芋シーズンですよ、今」

鈴木「いかがですか?」

マツコ「あたし芋けんぴ、もちろん知ってたんですけど、ずるい味なのよ」

鈴木「これなんか麻薬的っていうか」

マツコ「麻薬って。言い方!でもこれ止まらないんだよ」

鈴木「止まらないんですよ。これ1キロの袋もあるんですけど、こんなに大きいんですけど、それもすぐ私3日くらいで食べちゃうんですよ」

マツコ「だってぼたもち食って、たくあん食ってを永久繰り返しちゃってる感じよ。同時。1回で甘じょっぱいだから、もう止まらないのよ。おいしい。あとこちら細さがいいね」

鈴木「そうですね、ちょうどつまみやすいしちょうど食べやすいっていう」

マツコ「これはウマイだ」

 

 

《噛み心地が楽しい 厳選芋けんぴ2選》

 

 

鈴木「こちらがひとつめのお芋になります。王道のサクサク系。高知県『芋屋金次郎』さんの特撰芋けんぴになります」

マツコ「全部おいしい」

鈴木「まずは音との対話を楽しんでいただきたいんです。どうですか、この噛み心地」

マツコ「はい、きました。きますね」

鈴木「これサクサク系と私は呼んでいるんですけども、軽やかでサクサクっと食べられる感じですよね」

マツコ「蜜がハチミツっぽい。香りがフワーってフルーティー」

鈴木「そうですね、本当に香りがけっこう特徴的なんです。VTRがあるのでご覧ください。日本橋の『コレド室町』にあります、『芋屋金次郎』さんです。7年前に出店したんですけれども、今でも行列がするような超人気店なんです。高知県の創業70年の製菓メーカーが作った芋専門店。こちらの芋屋金次郎さんの特撰芋けんぴなんですけれども、こちらも『黄金千貫』っていう先ほどと同じ白いお芋を使っています。香りが良い米油と菜種油のミックス油を使っています。サクサクにするポイントというのがありまして、1回目まず揚げていきます。そして2回目、さらに3回揚げる。手間暇かかってますよね。これが特製の蜜なんですけれども、これを揚げたての芋にたっぷり」

マツコ「ちょっとフルーティーなんだよね、こちらの蜜」

鈴木「そうですよね。すごい、完食」

マツコ「食べちゃった。これで芋1個ぶんくらいいっただろ?さっきのと合わせて」

鈴木「芋は便のカサになって出てくれるので。ダイエットとか美容にすごくいいと言われている」

マツコ「見ていただければわかるように、ダイエットと美容を拒絶して生きてきた。大丈夫です」

ナレーション「続いてはやみつきのカリゴリ系。千葉県『寝た芋本舗』芋けんぴ甘味。果たして噛み心地は違うのか」

マツコ「これすごい!」

鈴木「わかりますか、このゴリっと感」

マツコ「これすごいコリッコリ」

鈴木「すごく骨に響く感じがしませんか?」

マツコ「すごいくるわこれ」

鈴木「ゴリゴリゴリって感じで」

マツコ「あっさりかかった蜜もいいね」

鈴木「ほのかに甘さがくるので、全然飽きずに食べられると思います。こちらもVTRがあるのでご覧ください」

マツコ「これすごい」

鈴木「千葉県香取市のさつまいも農家さんが作っている芋けんぴ。芋御殿と呼ばせていただきたいと。『しばやま農園』さんなんですけれども、1階が事務所で2階は会長のご自宅でございます。さつまいも畑は東京ドーム約10個ぶんの広さ。このカリゴリとした特徴のある噛み心地の秘密が、このお芋『紅あずま』なんです。紅あずまは繊維質が豊富で揚げるとカリゴリという食感になりますね。紅あずまとリンゴは糖度が約14度なんですけれども、さらに甘みを出すために低温倉庫で最低1か月寝かせる。だから『寝た芋本舗』というメーカーさんの名前なんです。焦げやすいため低温でゆっくり揚げて、水分を抜いていきます。甘くすることで焦げやすくなっちゃうんですよね。そして芋自体が甘いので蜜は少なめ。芋の甘さを最大限に活かした千葉の新名物と呼ばせていただきたいと思います」

マツコ「ありがたい。名物がないから。これは初めての出会いですわ。止まんねぇな。こんな感じだよ、あたしが家で食べてるときは。飯も食わずに芋けんぴだけで腹いっぱいになってる。ずっとこうやって食ってるんだもん」

鈴木「マツコさんの地元の千葉県産なんですけど、千葉も実はさつまいもの生産量ってすごく多くて」

マツコ「そうそう、千葉すごい芋作ってるのよ」

鈴木「全国で第3位です」

マツコ「千葉って本当に売り出し方が下手なの。いろんなもの作ってるのよ、千葉って」

鈴木「イメージないですね」

マツコ「食っちゃったわよ。順調に食い散らかしてるわよ。あと今から言っておきますけど、相当数持ち帰りますからね」

鈴木「ぜひ。こちらに40種類もご用意しておりますので」

マツコ「ありがとうございます。みなさんのおかげで」

ナレーション「芋の種類によって噛み心地が変わるという芋けんぴ。サクサク、カリゴリ系以外にも『なると金時』はカリカリ系の噛み心地(『神戸いもや』なると金時スティックソフト仕上げ)。そして『紅はるか』は鬼ゴリ系の噛み心地(『加藤けんぴ店』芋けんぴ紅はるか)なんです」

鈴木「芋の種類によっても味が違うんですけども、1つ私が発見した特徴がありまして。それが知られざる芋けんぴの真実、切り方で味が激変という」

マツコ「へえ。でも芋けんぴ基本的に今出てきたようなああいう細切りのやつしか、あたしはイメージないんだけど。いろいろあるんだ?」

ナレーション「こちらが驚きの切り方をしている、大阪にお店を構える『蜜香屋』さん。コーヒーやカカオ、チャイなどさまざまなフレーバーの芋けんぴを売っていることでも有名なのだが、中でもある斬新な切り方をしている芋けんぴが話題になっている。その驚きの形とは?スライス型。果たして気になる噛み心地は?」

マツコ「あー、ウマそうだね」

鈴木「こちら大阪市の『蜜香屋』さんというお店の『中崎POTATO』という平べったいお芋と、こちら通常版という、2つ出されている。食感の違いなどを比べてみてください。これ同じ芋を使っていて、同じ油で揚げていてっていう状況なんですけども。ちょっと切り方が違うだけで、食感が変わってくると思います」

マツコ「同じお芋なのね?」

鈴木「そうなんです。使っているのは関西圏なので『なると金時』を使用しているんです」

マツコ「甘いね」

鈴木「自然な上品な甘さという感じですかね」

マツコ「最初戸惑うくらい違う」

鈴木「楕円形に平べったく切った芋なので、これは芋けんぴじゃないんじゃないかという議論もあったりするんですけど、揚げてお砂糖をからめているので、やっぱりこれは芋けんぴなんじゃないかと私は思っています」

マツコ「でもあたし断然こっち(細切り)だわ」

鈴木「噛み心地?」

マツコ「よりお芋だね」

鈴木「そうですね、芋感がすごいんですよ」

マツコ「食べたあとの芋食ったんだーっていうね。あとこの中の、要は身の部分。これがあるかないかって重要なんだね、きっとね」

鈴木「それによって凝縮感が」

マツコ「芋感がより出るんだろうね、これがあることで。こっち(平切り)もおいしいんだけれど、あたしはやっぱりこっち(細切り)だわ。…食うんだけどね。おととい、夜中急に焼きいもが食べたくなって、どうやったら手に入るかいろいろちょっと調べたのよ。でもドン・キホーテの外で焼いてるのしか浮かばなくて。でもあれ時々ないときあるじゃん」

鈴木「時間でね、焼いたのがないんですよね」

マツコ「でしょ、でもなんか恥ずかしいじゃない。電話して『すみません、今焼きいも焼いてますか?』って聞くの。行ったのがあたしだったら、『おまえだったのか!』ってなるじゃない。ちょっと『うん…』ってこらえたのよ、芋。焼きいも食べたいのを」

鈴木「私も毎日芋を始めて24年間、毎日さつまいもを食べて。持ち歩いてるので毎日焼き芋食べている」

マツコ「焼き芋を持ち歩いてるの?」

鈴木「焼きいも持ち歩いてます。24年間毎日」

マツコ「焼きいもを作るのって流行ってるじゃん。あれ時間長すぎない?どうやって作ってます?」

鈴木「私電子レンジを利用しているんですけれども、最初電子レンジ600ワットで1分半加熱するんですよ。すると一気に芋の温度が70度まで上がるんですよ。70度っていうのが一番芋のデンプン質を糖に変える温度なので、70度のままキープして火を通すとすごく甘くておいしいお芋ができる。そのあとは200ワットのボタンで10分くらいチンするとおいしい」

マツコ「要はそれ以上上がらないくらいにして、ずっと下がらない温度を保って10分間ゆっくり加熱するんだ。だから焼きいもっていうか、焼きいもとふかしいもの中間くらい?」

鈴木「そうですね、皮をパリッとさせたかったら最後オーブントースターでちょっと焼くとカリッと。あと私フライパンで焼いちゃうんです。フライパンの場合はカットして2、3センチ角にして最後蒸し焼きにして。そうすると表面がカリッとなるので、けっこうちゃんと焼きいもっぽくなります」

マツコ「甘くしようと思ったらさっきの電子レンジのやり方のほうが?」

鈴木「そうですね、甘くなります」

マツコ「70度で調理した方が。さすがもうやっぱりね。芋で人生救われてるから」

 

 

《究極の噛み心地の芋けんぴ》

 

 

鈴木「これまで噛み心地とかをご紹介してきたんですけれども、ここで全てを凌駕する奇跡の芋けんぴを発見いたしましたのでご紹介したいと思います。究極の新食感半生芋けんぴ。愛知県『覚王山吉芋』吉芋花火です」

マツコ「ちょっと待ってよ。あたし忖度はいたしませんからね。まあまあ。拝見いたしますけれども。半生芋けんぴ?」

鈴木「そうなんですよ。これはかなり驚かれると思います。こちら名古屋市の高級住宅街覚王山にお店があります」

マツコ「最近あの辺のお店全国進出よくしてるよね、パン屋さんとかね」

鈴木「そうですね、ブランドですよね。こんな感じで極細の4ミリにカットしたお芋を使用します。菜種油でカリッと」

マツコ「カリッと中まで揚げるけど半生?」

鈴木「そうなんですよ。半生食感のひみつというのがあるんです。それがこの絡める蜜です。一般的な蜜に比べて水分量が多く、芋に染み込んで固まらないため半生のしっとりした芋けんぴができるんです」

マツコ「なるほど。いっぺんカラっと揚げてから半生に戻す感じ?へえー!なんでこんなことしようと思ったのかしら?」

鈴木「これはけっこう衝撃的で」

マツコ「あたし本当に初めてです」

鈴木「私叶姉妹さんの回を拝見して、お勉強させていただいたんですけれども、試食用とおみやげ用ということで」

マツコ「あれはあたしもお勉強になったわ。持った感じは硬いですよ。半生ってみなさん聞くと、ふにゃふにゃしたものを想像してしまうと思うけど、硬いんですよ」

鈴木「ちゃんと音も最初カリって」

マツコ「カリなのよ。なんだけど、あたしの場合だと2、3回グッグッと噛んだところで、そのあとはホロホロホロって感じになって」

鈴木「最後蜜になって溶けるみたいな」

マツコ「これなんて言ったらいいんだろう?食感芋けんぴ寄り、味大学芋寄り。いいとこ取りみたいな感じ」

鈴木「まさにいいとこ取りだと思います」

マツコ「ニュースイーツでいいんじゃない?」

鈴木「半生の和菓子っていうか、そういうようなイメージですよね」

マツコ「あたしずっと考えていたのよ。いい食べ方。みなさんこれ勇気をもってですね、これくらいいっちゃていいと思うんですよ」

鈴木「それ一番私オススメの食べ方です。薪みたいな感じで。最高の幸せっていうか、最高のぜいたくですよね」

マツコ「絶対やっぱりそう。あのね、これくらいだと蜜の量と、噛みしめたときに出てくるジュワっていうね」

鈴木「口いっぱいに広がりますよね」

マツコ「これじゃ少ないの」

鈴木「薪みたいにポキポキってなる」

マツコ「『薪みたい』好きね」

 

~完~