2021/08/31放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'週に一度は文房具店へ行かないと気が済まないアーティスト'

KREVAさん(以下、KREVA)



マツコ「やんちゃでいてほしかったわよね。文房具に落ち着いているなんて思ってもみなかったわ。それともものすごいアグレッシブな文房具なのかしら」

KREVA「お願いします」

マツコ「まだかわいい。やっぱりやんちゃだ」

KREVA「よかった、まだあって」

マツコ「ちょっとびっくりしたの。45歳?」

KREVA「そうなんですよ」

マツコ「あたしと4つしか違わなかったんだね」

KREVA「俺は少しお姉さんだと思ってました」

マツコ「あたしけっこうやんちゃな若者って思ってた。4つしか違わなかったのよ。だからちょっと『え?』と思ったんだけど、まだ全然いける」

KREVA「よかった。フリップもいっちゃっていいですか?週に一度は行ってしまう文房具店の魅力。文房具が整然と並んでいる姿がマジでアツい」

マツコ「これは全然わかっています」

KREVA「よかったわー。もともと全然片づけできない人間で。今も片づけは苦手なんです。だから文房具店に行くと、整っている所が見られるので。こんな感じだったら最高だなって」

マツコ「ちょっとわかるのは、あたしも使う使わないは関係無しに、家の中にあの一角はほしいなって思うんだよね。ボールペン売り場みたいなのを家に置きたい願望はある」

KREVA「マツコさんは家にそろえたいって言ったじゃないですか。俺は文房具屋で寝たいって話してて」

マツコ「あー、ごめんなさい。それはないわ」

KREVA「次いこう。整然と並んでいる姿のどこに魅力を感じているかっていったら、ループ感があるってことに気づいちゃったんですよ。ただ並んでるだけじゃなくて、たとえば黄色黄色黄色、黄色黄色黄色、緑緑緑、緑緑緑。それがヒップホップってほぼループミュージックであると言ってもいいと思うんですよ。それに似てるから親しみがあるんじゃないかなっていうのを、気づかされたっていうか。話しているうちに」

マツコ「客観的にどうかって言われたら、KREVAさんの音楽ってヒップホップなんだけど、これを言われてKREVAさんがうれしいかどうかはわからないけど、おしゃれというかデザイン性というか。そういう部分が入っているヒップホップだったのよ」

KREVA「録画見返そう。すっげーうれしい。すげー鳥肌立った、マジで。ただのループミュージックだとしたら、全部同じものが並んでいるじゃないですか。前奏があってラップ部分があってサビがあって。自分がいつも波形で見て作っている世界とすごく似てるなって」

マツコ「あと音楽もそうだし、グッズとか見ててもそうだし、KREVAさんって昔からそうだったけど、いわゆるB系のファッションとかとは違う、ちょっとモードというかそっちが入ってる衣装だったりジャケットだったりPVだったり、だったじゃん。あれ?あたし今夜抱かれる?」

 

 

《週に一度は歌謡文房具店の未知なる魅力》

 

 

ナレーション「文房具の整然と並ぶ姿にひかれるというKREVAさんには、男としてあこがれるかっこいい文房具店があるという」

KREVA「たとえば一番最初の『MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店』。いつもの雰囲気に見せつつ、さりげなく最新を提示する男。あとは王道でも最新トレンドを意識することの大切さを知れる。いっしょに技術さんを連れてロケに行かせてもらったんですよ。ちょっと行ってきたので見てください」

KREVA『来たな。文房具屋を貸し切れるなんて、今まででラップやってて3番目くらいによかったな』

ナレーション「各コーナーには王道の商品を幅広くそろえているだけでなく、流行のカラーバリエーションをそろえるなど、最新トレンドを敏感に取り入れているのが魅力だという」

KREVA『来たら何かしら新しいのが必ずあるし、ヒップホップも流行りが必ずある。そのときどき、年々で。それでいうと常に新しいの提示してるっていうのは見習いたいところであります。ここのこっちのなるべく下切る感じで。ここ切った感じで端までいってみようか。いいね。ノートもいいね。ここに寄りすぎてるね。奥まで見えたほうがいいね。いいね。もうかっこいいでしょ?かっこいいよね?』

KREVA「俺はこういうのじゃなくちゃダメなんですということじゃなくて、やっぱフィットするのは『銀座ロフト』みたいなシュッとした感じもあこがれる」

ナレーション「KREVAさんによると、『銀座ロフト』のかっこよさは見た目のスマートさ。この均一に整頓された配列や、間接照明を使った空間作りに完璧で洗練された男の魅力を感じるという」

マツコ「あたし『トゥールズ』さんは知らないなあ」

KREVA「トゥールズさんもロケさせていただいたので。ちょっと見てください。お茶の水にあるんです。シャレた門構えの。お茶の水はなかなか行かないと思うんですけど。けっこうゴチャっとしてるんです。マスキングテープとかとんでもない数あって。色味が派手なものとかが入り口に置いてあるんですけど、2階が画材屋なんですよ。もともとガチの画材屋さんだったのが、文具店で入り口を広げたみたいなところもあるから」

KREVA『全然違うじゃないですか。なにこれ。デッサン向け鉛筆削り。すげー。めっちゃ長い。そっか、寝かすから。寄せ付けない感じがあるじゃないですか、プロ仕様の物って。そこらへんにあるものじゃないし。みんなに手を広げて買ってください!っていう感じじゃない。そこに惹かれるんですよね』

KREVA「自分は全く使用する場面が浮かばないんですけど、いいなと思う定規とか。型が抜けてる定規とか。紙も100種類くらいあったりとか。それがさっきのファンシーな文具と隣り合わせである。両方見られる楽しみもありますね」

マツコ「良いお店聞いたわ。トゥールズさん知らなかった」

KREVA「プロ向きの人が使う道具に触れられるって、本当におもしろいと思うんですよね」

マツコ「でもこれ全部持ち合わせている男いたら、これは奇跡よ」

KREVA「だからあこがれっすね」

マツコ「そんなにいないわよ、この3つ。王道をわきまえてて、職人かたぎで、それでハイカラなクールでね」

KREVA「俺は『わかる人だけわかればいいや』っていう音楽をやりたいと思ってないんですよ」

マツコ「だからあの真ん中じゃなくて、両脇のどっちかでもないのよね。MARUZENもロフトも入っててほしいのよね。それはわかるわ」

 

 

《フェイバリット文房具 最強のエナジーを捧げる○○○》

 

 

KREVA「子どもの勉強に付き合う大人も楽しめるというか、自分から前のめりになれる文房具みたいなのをいろいろそろえてみたんですよ」

マツコ「なに?グラフがきれいに描けるの?」

KREVA「そこから。『クルリグラフ』は、子どもが『クルリグラフがほしい』って言いだしたんですよ。これはおもちゃ屋さんとかで売っている文房具なんですけど、ペンを刺してグルグル回転させて模様を描きましょうっていうものなんです」

マツコ「あの幾何学的な模様がぐるぐる回したらできちゃうの?」

KREVA「そうです。自分は教育的な話でいうと、あんまり子どもにおもちゃを買い与えないんです。だけど『これほしい』って言われたときに『またおもちゃか』の『おもちゃ』くらいで、いろんなペン試せるんじゃね?と思って」

マツコ「自分がね」

KREVA「自分が。買ってしまいました。どういうものか簡単に説明すると、こういう枠組みがあって、ギアがあります。紙の上に置きます。ここにはめながらグルグル回していくと、自然と図が描けますっていうようなもの。自分が描いてきたもの持ってきました。これとかヤバくないですか?めちゃくちゃ丁寧にやりこんでみたんですけど。研究してて」

マツコ「研究しててって言われちゃうとちょっと。大丈夫ですか?」

KREVA「俺のほうがハマっちゃって」

マツコ「俺のほうがハマっちゃって、って言われてもね」

KREVA「俺もなにアツくなってるんだろう」

マツコ「これも知らない」

(ユニボール エア)

KREVA「これは俺たち用っていうか。こっち側サイドなんですけど、丸つけ最強ペンだと思ってるんですよ。先端を見てもらうとわかるんですけど」

マツコ「なにこれ?」

KREVA「グルグル回してもずっと見える」

マツコ「ボールついてるんだ」

KREVA「独自の設計ですよね。立てて書いてみるとめちゃくちゃ細く書けて、寝かすとちょっと太めに書けるんです。丸つけするときは思いっきり寝かしてマルってみたいにいってもいいし」

マツコ「あとなんで丸付けてるの?」

KREVA「子どもってあるんですよ。丸付けしなきゃいけないのが。『これ丸つけて』とか、宿題をみたりとか課題とかで親が丸つけして」

マツコ「そんなことしてるの?」

KREVA「やらないと無理なんですよね。と思ってたんですけど、俺はこれ好きだから、これがあると思ったら『おりゃ!』って感じで。4本くらい買って」

マツコ「いやいや、違う。そういうことじゃなくて。あたしは今精神論を言ってる。でもその両方内在しているっていうのが良いわよね。そこがエロスなんだよね」

ナレーション「さらにパパKREVAのイチオシが、『セーラーどこでもシート』。静電気を帯びているためどこでもくっつき、家の壁に貼るだけで一瞬で黒板が完成。KREVA家では一日のスケジュール表として使っているという。ここからはそんなKREVAさんが今最もハマっている文房具をご紹介」

KREVA「そんな文房具の中で一番情熱を注いでいるもの。最強のエナジーを注げるフェイバリット文房具、それがペン。ここですよね、最強のエナジーを注げるっておまえなに言ってるのって感じだと思うんですけど。自分の場合、歌詞を書くじゃないですか。歌詞を書くときに注げるもの、それがペンで。ペンを探すのに執着しているっていう」

マツコ「ちょっとそこまで聞いちゃうと、今一番お気に入りのペン聞きたいわね」

KREVA「重要なのは汁気とジューシー度。これなんて言うかすごい迷ったんですけど」

マツコ「やっだー。でもね、エロスは大事ですよ」

KREVA「ワードチョイスね」

マツコ「これくらいだったら大丈夫。あたしここまでドストレートでこられるとね、のっからないから。安心してください。思う存分」

KREVA「普通の赤ペン。これで十分ジューシーだとは思うんですけどね。これ俺が好きな『エナージェルインフリー』ってペンなんですけど。見てください」

マツコ「たっぷり」

KREVA「ね。ジューシーさわかってもらえると思うんですけど。しかもあのエナージェルインフリーっていうペンが、ペン先の太さがいろいろあるんですけど、0.5と0.7で全然ジューシーさが違くて。俺は特に0.7がおすすめです」

マツコ「じゅるじゅるだったわね。あ、おしゃれ。全部そろって」

KREVA「特にそのターコイズがめちゃくちゃ人気です。一回限定で出て、あまりの人気に定番化しました。ドバッときますよ」

マツコ「あっ!ドバッて言っても、節度がある。あふれださない」

KREVA「紙にしっかり染み込んで、早く乾かせる。0.5のほうがカリカリっとした感じが残っているところがあります。ただそれでも気持ちいいです」

マツコ「違うんだね、全然」

KREVA「先端が違うので。両方出してもらえると。どうですか?」

マツコ「0.7かな」

KREVA「ですよね」

マツコ「0.5がじゅるじゅるだとしたら、0.7はジュルジュル」

KREVA「モイスチャライズドされている。これ書いたらわかりますよね?」

マツコ「わかる。全然違う。太いんだけど、太すぎてあふれださないギリギリが0.7。細いんだけど、じゅるじゅる感を最大に出せるのが0.5だったんだと思う。どう、ぺんてる?」

KREVA「汁気とは、こうなんかジワっと染み込んでいく感じ」

マツコ「好きです」

KREVA「正確に言うと、浸透率っていうんですかね。紙に対してどれくらいにじんでいく感じっていうか。ここにやっぱりアガるんですよね。あの感じを一番使って、俺が活かしているのが作詞。『ハイマッキー』で作詞してるんです」

マツコ「え?マッキーで?」

KREVA「歌詞を思いついた瞬間に、きれいに書きたいとかじゃなくて、形に残したいから殴り書きみたいにしたいんですよ。そのときにリズムよく思いっきり書けるんですよ。きれいとか汚いとか気にしないで、思いっきりみたいな。安心感もあって、裏移りもしっかりします、油性のペンなので。だけどそれも含めて、さっき言った汁気が。濡れてる紙の上に金属を走らせたら引っかかりになるじゃないですか。染み込んでるのでブレーキにもたぶんなりつつ、しっかり文字が残ってる感じが残せるので。実際に書いてるよっていうのを示すために、使っている歌詞を持ってきたんですけど。細のほうでいって。直しているのもあると思うんですけど」

マツコ「かわいい。あたしね、全部寄せてってるって思われたらイヤだから言わなかったんだけど、あたしも家に常備しているペンこれなの。すごい今だからうわどうしようかな、言うのやめようかなって思ってたんだけど。あたしもこれなの」

KREVA「こわっ」

マツコ「あたし家で黒いところが剥げたところとかマッキーで全部補正するから。ちょっと光っちゃうのよ」

KREVA「アツい」

マツコ「たぶんもう20年以上これ使ってる」

KREVA「いやー、うれしい。俺はこれでいつもこうやって書くんですって言ったら、いとうせいこうさんが『もうそれKREVAの機材じゃん』って言われたんですよ。すっごいうれしいこと言うなって思って」

マツコ「おしゃれなこと言うわね、あの人本当に」

KREVA「久保田利伸は『KREVAの字はヒップホップだね』って言ってました。なにかいっしょに書いてるときに」

マツコ「出てくる名前がおしゃれね」

KREVA「次に見せたいのが、これ知ってます?『マッキーケア超極細』」

マツコ「全然知らない」

KREVA「これこっちがまさかの0.3ミリのやつが書けるんですね」

マツコ「0.3ミリのマッキーなの?」

KREVA「たとえばそれこそお子さんいる方だったら、小さいネームタグとかあるじゃないですか。だけど渡邊の『邊』のほう普通のマッキーで書いたらつぶれちゃうけど、この超極細だったらいけるんですよ」

マツコ「難しいほうの渡邊さんはポリシーがあるからね」

KREVA「これはさっき我々が求めてた染み込み度ありながらの超極細ですから」

マツコ「あ!すごい。染みてる」

KREVA「うれしい。ちゃんとマッキーですから」

マツコ「あたしゼブラさんに自信を持ってほしいのは、あたしたち裏移りなんて気にしてないよ」

KREVA「すげー最高」

 

ナレーション「ここからはKREVAさん厳選、ジューシー度と汁気がマックスのベストオブペンをご紹介」

KREVA「まずひとつめ。なまめかしい色でノートをド派手に。提案型ペン『ユニボールワン』。ジューシー度4.5。我々が避けているカリカリ感とかサラサラ感、それがあるのに見た目がジューシーだぞっていうので、うわっとなったんですよ。独自のユニボールワンインクっていうのを作って、こういう水滴みたいなのがあります。そこの中にビーズ状に青をたくさん残す。書くときに水の部分だけが紙に染み込んでいくから、我々が求めてる書き心地はあるんだけどパックになってるやつが紙の上に残ってキラッと色が濃く出るっていう。黒がもっと黒いんですよ。黒いと記憶力がアップしたって結果が出てるんですよ、立命館大学との。これで書いた文字を見たのと、従来のやつで書いた文字を見たので、記憶の残り具合が黒が濃いほうが強いっていうのが出てるんです」

マツコ「勉強するときも、これ使ってやったほうが」

KREVA「マツコさん本当すばらしすぎるんですよ。だからいろんな色が出てるじゃないですか。いろんな色がきれいに出てくる、でもたくさんあって選べないから、今流行っているのが会社がこの組み合わせでいったらいいんじゃないかってアソートして。アソーテッドで、組み合わせで提案してくれる。俺も持ってるんですけど、朝勉強用、昼勉強用、夜勉強用って、その提示された3色でノートを書き分ければ、自然と色くっきり見やすくまとめられるますよっていうふうになってるんですよ。ヤバくないですかこれ」

マツコ「朝の日の光に合うってこと?」

KREVA「そこはけっこうノリっていうか」

マツコ「ノリなの?」

KREVA「次はこれ本当迷ったんですけど、話題になったのを紹介するっていうのも大事だと思ったので。企業努力の結晶。超極細なのに汁気ペン『ジェットストリーム エッジ0.28mm』。このペンが出るってなったときに、ガチの文房具好きが、ちょっと中の人に片足突っ込んでるくらいの人たちが、ヤバいの出るよって言ってくるんですよ」

マツコ「みんなそんな人なの?文房具好きって」

KREVA「言う人がいたんですよ。まずこれが大定番っていうか、ド定番で。ジェットストリームで書いてみてください。いわゆるボールペンの書き心地があると思います。特に紙が重なっているやつの上で書くと、ノートとかで書くと、より感じられると思います。もしかしたら余ってる紙とか、赤いフェルト上で書いてみたりすると、持っていたボールペン感からいやなところを消し去ったみたいな」

マツコ「水性ボールペンに近いじゃない?あんまり水性ボールペンの感覚が好きじゃないから、あんまり使わないんだよね、これは」

KREVA「それの超極細なんです。それは本当に限界に挑戦するくらい、それの4ぶんの1を狙って書いてみてください。それでも書けるので」

マツコ「これアップにするとわからないだろうけど、これ5ミリくらいなのよ。ほら、爪と比べると」

ナレーション「そう、こちら油性ボールペンでは世界初の0.28ミリサイズを実現。KREVAさん流超便利な使い方が」

KREVA「振込用紙の真ん中の住所書くところ、ほぼいじめサイズじゃないですか。値段とか書くところはわかります。最終的に我々に渡される部分の住所のところ。上に郵便番号書いて、フルで住所書いて。どれで書けるの?って思ってたけど、これだ!と思って」

マツコ「わかるわ。ああ、書けた。その前にこの用紙改善しよう。無理だよね。これすごい。水性っぽくないから、このしっかりした感じで書けるんだろうね」

KREVA「もう一個使い道があって、俺365日日記を書いているんですよ」

マツコ「かわいいね」

KREVA「10年分の日記を1行ずつかけるみたいな」

マツコ「その日の10年分が出てくるんだ」

KREVA「俺最初の頃は思いついたときにだけ書くようにしてたから、全然書いてないんだけど。パッと開くとなんか1行書いてある。これはたとえば8月22日。2011年月曜日。高松から帰京。晩ごはんで長女が『昆布チョーおいしい』と言った、って書いてあります」

マツコ「そのときいくつだったの?」

KREVA「2歳」

マツコ「2歳で昆布の味がわかる女。なかなかよ」

 

 

~完~