2021/08/24放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'男性ハイトーンボーカルに恋する歌手'

平原綾香さん(以下、平原)



マツコ「あたしハイトーンボイスの男性も好きですけど、あたしは平原さんの低いトーンも好きですよ」

平原「ありがとうございます。私低さで売ってるんです。でも私は男性の低い声のほうが、歌手としてお手本にすることが多いのでよく低い声は聴いていたんですけど、ハイトーンは恋焦がれるように聴いていたんです。男性のハイトーンボイスに惹かれる理由、性別の枠を超えた神秘的な歌声に浄化される」

マツコ「エロスはあるわよね。男性が男性の音域を超えた声で」

平原「ちょっと中世的で、女性っぽさもあるみたいな人が好きなんですかね。特に最近聴いた中では『America's God Talent』に出ているクリス・クラフォードさんという方がいらっしゃるんです。この方どんな声出されると思いますか?」

マツコ「あれなんて言うんだっけ?男性ソプラノの」

平原「カウンターテナー」

マツコ「カウンターテナー、そう。ぽい感じなんじゃないの?」

平原「こちらなんです。裏声はすきとおってるんですけど、地声はちょっとしゃがれてて。なんかかっこいいですよね。声って恋するひとつの要因ですよね」

マツコ「いやいや、ひとつの要因どころか、ほぼ声らしいよ。若林文江さんってコメンテーターやってる株式トレーダーの女がいるんだけど、ずっと副鼻腔炎で悩まされてて手術をすることになったのよ。お医者さんに言われたのが、取り切れるんだけど、全部取り切っちゃったら若林さんの声じゃなくなりますと。人間っていうのは、もちろん画面に映っていれば視覚でも見てるんだけど、その人だなってより深く感じてるのは声からの影響なんだって。だから声が別人になってしまうと、すごく違和感をもたれますよって言われて。だから若林さんの声らしさは残してやったほうが、テレビ観ている人とかセミナーに来てる人とか、安心感は保てますそのほうが、ってお医者さんに言われたっていうくらい、この人好きだなとかこの人苦手だなって感じてる部分って、実は声からによるものが大きいらしいよ。声ってだから本当にその人の象徴みたいよ」

平原「ですよね。よくお店でご飯食べるときなんかは、声変えるんです」

マツコ「たとえばどういう声にするの?」

平原「『あのー』って」

マツコ「やばいって。頭おかしいんだわって思われるからやめなさい」

平原「気づかれたくない時あるじゃないですか」

マツコ「でも逆に目立ってるって」

 

平原「私がハイトーンボーカルにハマったきっかけをプロフィールとともにご紹介させてください。平原綾香、37歳。音楽一家の次女として生まれ、音楽に囲まれた生活を送ります。父・平原まことはサックスプレーヤー、姉はシンガーソングライターで今ロサンゼルスにいます。でも決して英才教育ではありませんでした」

マツコ「そのナレーション方式、誰が正しいって言ってた?」

平原「さっさとすませたほうがいいかなって」

マツコ「全然。むしろフル尺で使いますよ」

平原「そして保育園。最初に感じたハイトーンへのあこがれ。それが父がサックスで奏でるフラジオの音。フラジオっていうのは、普通のドレミファソラシドで出せる楽器の音よりも、もっと高い音を出す技巧のことなんです。よくリコーダーがまちがってピーっていうじゃないですか。あれもフラジオです」

マツコ「本来だったら突発的になんの音が出てくるか計算でできないんだけど、それをちゃんとこの音を出すっていって出せるのがすごいのね。お父様もツアーメンバー?」

平原「あの時はスペシャルゲストで出てくれました」

マツコ「いいね、お父さんもうれしかっただろうね」

平原「なんか人気が高くて、私よりも拍手が大きいんです」

マツコ「テレビ的にもお父さんのほうがおもしろい見た目をしてました。ありがたかったです」

ナレーション「父親が奏でるサックスの音から、ハイトーンへのあこがれを抱いた平原さんは、小学校時代にファンクラブに入会するほどあるハイトーンボーカルに虜になったという」

平原「3きょうだいのバンド」

マツコ「3きょうだいでバンドなんてあった?」

平原「マツコさんご存知だと思います」

マツコ「『あー!』ってなるかな?」

平原「なります。『HANSON』」

マツコ「あー!なった。まだ小さい子だったよね?流行ってるのは知ってたんだけど」

♪MMM BOP

平原「特にこのテイラー・ハンソン。真ん中のお兄ちゃんのことが好きで。ほらかわい」

マツコ「これにハマってたのね」

平原「そうなんです。もう今は立派に成長されて」

マツコ「もうジジイでしょ?」

平原「でもね、今の年齢の歌もすばらしいんです、HANSON」

マツコ「今も追い続けてるの?」

平原「追い続けています」

マツコ「すごいわね」

平原「かっこいいですよ」

マツコ「狂気を感じるわね」

平原「その頃は他にもT.M.Revolutionさんも好きでした」

マツコ「はいはい。もうそれはさすがに。本当に声が高い人が好きなのね」

平原「なんででしょうね。切り抜きとかもしてました、西川くん」

マツコ「それまだとってあるの?」

平原「とってます」

マツコ「うわー。狂気」

ナレーション「男性の性別を超えた神秘的なハイトーンに心が浄化される平原さん。しかしそれは、アーティストに限ってのことではないという」

平原「ミッキーマウス。ギャップっていうのもあるんですけど」

マツコ「ミッキーマウス先生、ギャップあった?」

平原「だってあの感じで『ハハッ』て言わないじゃないですか普通。完全だけど、声だけちょっとすっとぼけてる。すっとぼけてるなんて言っていいのかな」

マツコ「でもそこがまた完全なんじゃない」

平原「そうなんですよ。理想の男性像だと思いませんか?」

マツコ「やべえ女だな」

平原「だって、優しくて、彼女想いで、愛想が良くて、疲れをみせない」

マツコ「わかります。でもミッキー先生を理想の男性像って言い始めたら、それは現実逃避」

平原「彼女いるしね」

マツコ「そういうことを言ってるんじゃないよ」

 

 

《恋愛目線で分析!ハイトーンボーカル分類マップ》

 

 

平原「これ本当一部なんですけど。気になる方いらっしゃいますか?」

マツコ「どれが好きかって言われたら、『硬派』かな。その絵も好き。むやみに笑わない感じ。一生で5回くらいしか笑わないのよこいつ」

平原「僕の代わりに笑ってくれってね」

マツコ「ねえ、大丈夫?」

平原「なんと言われようと、こちら『結婚したら幸せ系』。優しさに満ちあふれている。さださんは亭主関白な歌も歌われていますけど。さだまさしさん、クリス・ハートさん、Kくんと書いてます。自分をわーっとひけらかさない。押し込めて歌うのが本当にすごい」

♪Only Human/K

ナレーション「平原さんいわく、彼らは常に寄り添ってくれているようなハイトーンの持ち主。そんな優しさあふれる歌声に結婚願望さえ芽生えるという」

平原「いっしょに歌わせていただいたことあるんですけど、全部相手に合わせてくれるんですよね。声の音量も、息継ぎのタイミングも。もっとわーって歌い上げられるはずなのに、自粛するんです。その中でもクリス・ハートさん。すごいハイトーンですよね」

マツコ「教科書みたいな。完璧よね、歌がね」

♪I LOVE YOU/クリス・ハート

平原「日本語もきれい」

マツコ「発音がすばらしい。難しいところも全く違和感ないよね」

平原「なんかもっとゴリゴリのを歌いそうだけど、優しさにあふれていて。ずっと日本語ばかり歌っているので、英語歌うと新鮮なんですよ」

マツコ「あんまり英語の歌を歌っているイメージがもはやないもん」

平原「スタッフさんからも、英語うまいねって言われて。そしたら彼がスピードラーニングで覚えたって言ってました」

マツコ「その切り返しが日本人だよね。すごいなクリスさん」

 

平原「次、『いつも私が片思い系』。切なさを抱かせる歌手。デーモン閣下、稲葉浩志さん、小野正利さん、秦基博さん。彼らは見てくれないでしょう、私のことは」

♪ひまわりの約束/秦基博

ナレーション「平原さんいわく、彼らはどこか切なさを感じさせるハイトーンの持ち主。それはまるで片思いを彷彿とさせる歌声だという」

マツコ「秦くんはそんな人?」

平原「秦くんは見てくれないでしょう。一番もしかしたら」

マツコ「この『いつも私が片思い系』でうれしかったのは、小野正利さんが入ってるのが。ハイトーンといえば、小野正利さんですよ」

♪You're the Only/小野正利

平原「お前のことより、ハイトーンボイス。ってなっちゃうくらい突き抜ける感じが」

マツコ「クリスタルキング以来」

平原「私のラジオにゲストで来ていただいたことがあるんですよ。どうやって出すんですかって聞いたら、頭の後ろに出すイメージらしいですね。口から出てないんですよ」

マツコ「こっちじゃなくて、このへんから音を出してる感じ?」

平原「出すイメージで歌ってるそうなんです」

マツコ「普通に前に出そうと思ったらあのキー出ないんだろうね。はー、不思議」

 

平原「次いきましょうね。『硬派系』。まじめさが出ている。ここはマツコさん好きなところだと思います。小田和正さん、ゴスペラーズ、平井堅さん、藤原聡」

♪I LOVE.../Official髭男dism

ナレーション「平原さんいわく、彼らは一途に誰かを思いながら歌っているようなハイトーンの持ち主。その歌声のまじめさに安心感を覚えるという」

マツコ「それはなんとなくおっしゃってることはわかる」

平原「みんなそれぞれ全く声が違うんですけど。その中でも小田さんっていうのは、どんな年代でも、いつ歌を作っても、『君を愛している』っていうただそれだけを伝えるためにこの星にやってきた、硬派なラブソングを歌う方なんです」

マツコ「オカルトすぎますよ」

平原「小田さんのスキルなら、いろんな曲作れるはずなんです。でも結局行き着くところは『君をすきなんだ』っていう気持ちなんですよ。硬派じゃないですか?」

マツコ「でもまあそうか」

♪言葉にできない/小田和正

マツコ「すごい。小田さんは」

平原「なんでこんな声が出るんだろうって思いますね」

マツコ「もう意味がわからない。どういうストイックな生活をされて、あれを維持されてるんだろう。お年でいろいろ言うのってナンセンスだけど。あのお年であの声を出せてること自体が」

平原「奇跡。どうやって出してるんですかって聞いたら、『気合いです』。すばらしいですよね」

マツコ「びっくりするよ。このあいだもライブ映像やってたんだけど、キラキラしてる、ライブ会場が。そのへん走ったりとかもされるし。うっとり聴いちゃってる人もいるような空気感。本当びっくりした」

平原「そのラブソングが、世代を超えてどの年代にも伝わるんですよね」

ナレーション「そして、『ギフト系』というジャンルに入るのは、X JAPANのToshI、森山直太朗。平原さんいわく、彼らは聴くときどきによって、さまざまな感情になれる魔法のハイトーンの持ち主。受け手にとって、その歌声はまるで神様からのギフトだという」

平原「この番組収録前に直太朗くんに会ったんですよ。この『マツコの知らない世界』の全容を全部話してくれました」

マツコ「なんて言ってたのよ?」

平原「自分らしくいきなさい。僕たちは現役のミュージシャンだから、感じたままに自分が思うことを話しなさい」

マツコ「すばらしいギフトをいただいたわね」

平原「彼は父にも母にもなれる。でも少年でもあるんです。少女でもあるんです」

マツコ「でも悪魔でもあるわよ」

平原「そう。だけど天使にもなれちゃう」

マツコ「うわー、おそろしい。そして母は森山良子」

 

 

《神秘の歌声 究極のハイトーンボーカル2選》

 

 

平原「特に私が本当に心救われてきた歌声をご紹介していきたいと思います。胸の鳴りが神秘、ささやきハイトーンがたまらない。玉置浩二さん」

マツコ「あたし昨日聴いたばっかり。あたしの頻繁にお聴きする方の一人です」

平原「ちなみに昨日はどこらへんだったんですか?」

マツコ「昨日はですね、ここ5年くらいとかの、仙人見てるみたいになってからの玉置さんです」

平原「その時代もいいし、昔の」

マツコ「もちろん。あたし安全地帯のころから好きでございます」

平原「わかる。私の父が浩二さんの歌を本当に近くでよく聞いていたので。体が鳴ってるんです。だから胸に耳をあてて聞かせてもらいなさいって」

マツコ「聞かせてもらったの?」

平原「もらったんですよ。胸っていうか、背中かな」

マツコ「あなたそんなことするから行き遅れたのよ」

♪ロマン/玉置浩二

平原「もうこの『はあ~』っていう。これがわざとらしくなく素でやってるんですよ。一生歌っててほしい」

マツコ「絶対に満足させないで終わらせるのよ、玉置さんって。最後ささやきとかで終わったりするじゃない?張り上げのままで終わらせないのよ。こっちは『あ〜!』ってなった状態でまた『もうイヤだ〜』っていうね。あたし『行かないで』が好きなんですけど、最後もうどうしようって。仏壇に手とかを合わせちゃう感じ」

平原「ハートから出てる声なんですよね。玉置さんに曲を作ってもらったことがあるんですけど、それでデュエットをさせてもらったときに、ちょっと空き時間があったから30分くらいずっと立ち話をしてたんです。そしたら、『最近は僕洗濯物をたたむんだ』って言ってました」

マツコ「貴重な情報をありがとうございます」

平原「お手伝いしているそうです」

 

平原「そして私が好きな、浄化される神秘なハイトーンの方をご紹介します。6オクターブの美声と美貌を持った奇跡のシンガー、ディマシュ・クダイベルゲン」

「突然わからないんですけど」

「そうなんですよ、すごい流れですよね。ちょっと歌声聴いてみましょうか」

♪悩める地球人のS.O.S/ディマシュ・クダイベルゲン

平原「このディマシュくんのすごいところは、低い声も出せるっていうところが魅力ですね。高い声ばかりの方もいらっしゃるんですけど、それだけでもすごいんけど、低い声も出せるっていうところが彼の魅力のひとつだと思います」

マツコ「ファルセットの声量がすごいよね」

平原「そうですね、ミューっていっちゃいますよね。その普通のファルセットと、それからホイッスルボイスと。それぞれ使い分けているってところも魅力かなって思います」

マツコ「6オクターブか。完全すぎない?すごいね」

平原「きっと結婚しても」

マツコ「なんでそこに結び付けるの?あなたなんで全部結婚に結び付けるのよ?焦ってるの?」

平原「37ですからね」

マツコ「どうしてもっていうんだったら、いっぺん結婚してもいいと思うけど。大丈夫?ずっと誰かいるのよ?動物的には飽きてしまうかもしれない人が」

平原「想像ができない。このホイッスルボイスって、出してみたいと思いませんか?」

マツコ「いやいや、無理ですよ」

平原「でも、さんまさんがホイッスルボイスなんです」

マツコ「ああ、引き笑いのときのさんまさんね」

平原「あれって、出してない。引いてるけど。さんまさんのままでいくとホイッスルボイスになるんです」

マツコ「出してないってどういうこと?」

平原「たとえば、ネズミ。あのチュウチュウって声を出してないんですよ。『チュウチュウ』って言わないじゃないですか。そのチュウって言うときにあくびをするような。さんまさんをイメージして、『アー、アー』」

マツコ「アアー、アアー。違うと思うんですけど」

 

 

《数年間しか聴けない!儚き少年ハイトーンボーカル》

 

 

平原「数年間しか聴けない、儚き少年ボイス。男の子っていうのは声変わりっていうのがありますから。男性はのどぼとけが前に出ることによって、声帯が伸びるんです」

マツコ「だから太くなっちゃうんだ、声が」

平原「女性も声変わりっていうのがあるんですけど、男性ほどのどぼとけが長くならないのでわからないんですよね」

ナレーション「一般的な男性は、11歳から14歳で声変わりを迎え、それまでの子どもらしい澄んだ声質は失われることが多い。たとえば、言わずと知れたキングオブポップ、マイケル・ジャクソン。その華麗な歌声とダンスで世界中を魅了してきたが、デビュー当時はピュアな歌声で聴く人々の心をわしづかみ。そんな数年間しか聴けない、儚き少年ボイスの中で平原さんがオススメする究極の一曲が」

平原「こちらです。究極の儚さを感じる天使のハイトーン、LIBERA。ボーイソプラノのユニットっていうんですかね。だいたい下が7歳から18歳くらいまで。それくらいの男の子だけのグループなんですけど。観ていただきましょう」

♪Far Away/LIBERA

マツコ「これはちょっと卑怯よね」

平原「なんかお迎え来たって感じですよね」

マツコ「これはずるいわよ。こんなの夜聞いたらあたしとりあえず何者かに謝るわよ。ごめんなさいって」

平原「私も夜寝る前によくこのLIBERAのCDを聴いて寝ていた時代もありました」

マツコ「うわー、相当ヤバかったわね。大丈夫ですよ。あたしも『グレゴリオ聖歌』を聴いて寝ていた時代がありました」

平原「マツコさん、いっしょに住みましょう」

マツコ「いやいや、あたしいっしょに住んだらお互いを許さない日々が続くと思います。ひとりがいいの、こういう連中は。こういう連中て、失礼だわ。ゲストに向かって」

 

~完~