2021/08/17放送

マツコの知らない世界

 https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


'35年怪談を収集する芸人と現地取材がもっとの階段YouTuber'

島田秀平(シマダシュウヘイ)さん(以下、島田)

早瀬康広(ハヤセヤスヒロ)さん(以下、早瀬)



島田「お願いいたします」

マツコ「どうもご無沙汰しております。島田さんはもちろんだけど、いっしょになったことあるんだって?」

早瀬「10年ほど前にバラエティ番組で裏方をやっておりまして、そのときにごいっしょしております」

マツコ「ごめん、全然覚えていない」

早瀬「本当に数分なので」

マツコ「どうぞお座りください。島田さんって今なににでも手を出してるのね。って有吉さんが言ってたよ」

島田「そうですね、有吉さんからは手相じゃなくて手のシワを見る変態って言われています」

マツコ「今日は怪談でございます。よろしくお願いします。あたしすごい好きで。『ムー』とか見てたし」

島田「じゃあ今日はどんどんハマっていただきたいと思います。早瀬さんが以前お会いした時はスタッフさんだったんですけど、今YouTube界で大人気で」

マツコ「いち早くテレビを見限ったか」

島田「今オカルト界のプリンスと呼ばれてるんです」

早瀬「そうですね」

マツコ「自分で言ったね」

早瀬「でも本当に一部で」

島田「その界隈でイベントやったら人がたくさんですし、配信したらたくさん人が集まって」

マツコ「テレビで怪談ものがなくなったわけじゃん。夏といえばだったけれど、本当にやらないね。なんで?」

島田「やっぱりコンプライアンスとか」

マツコ「怪談はコンプライアンスいいでしょ」

島田「最近本当よくあるのが、地上波の場合ですよ、怪談話してってオファーがあるんですけど打ち合わせしたら『それ怖すぎるからダメ』っていうんですよ。固有名詞で迷惑かかっちゃうとか」

マツコ「じゃあ今日はどうするの?」

島田「うまいところ突いていきます。ちょうどいい怪談」

マツコ「ちょうどいい怪談ってなによ」

 

 

《時代とともに変化!怪談&オカルト日本史》

 

 

島田「今日僕らがマツコさんにお伝えしたいテーマはこちらでございます。今日訴えたいこと、怪談は想像力を刺激するエンタメである」

マツコ「それこそ昔そんな映像とかも進んでない時代、ネットもこんなに無いような時代とかは、それぞれの子どもたちの頭の中にその人が話してるものを映像化して、勝手に怖がって、っていう。すごいクリエイティブだったと思うのよね。受ける側の子どもも」

島田「話術だけで相手の想像力を膨らませて、それで相手を怖がらせるっていうね」

マツコ「一番すごい人よね。プリンス想像できないわ」

島田「プリンスすごいですよ」

マツコ「プリンスが言葉巧みにやってる姿」

ナレーション「ということでまず、時代の波に翻弄されつつ、形を変えていった怪談の歴史をご紹介」

島田「僕たちが作ったやつなので、ご了承していただきたいんですけども。歴史をぐーっと見ていただきたい。なにがすごいって、平安時代から始まりますから」

マツコ「えっ、平安時代からもうあったんだ?」

島田「やっぱり昔は暗くて、物の怪なんかを信じていた時代なので、今以上に怪談の地位は高かったはずなんです」

マツコ「たぶんね、暗いからって大きいと思うのよ。これだけ電気が普及しちゃって、明るいじゃない今。だからもうちょっとあんまり言うと本当にあたしオカルティだと思われたらあれなんだけど。あたし好きなの、山道とか行くのが。夜、けっこう山の雑木林とかに囲まれた所に車を停めて、エンジンも切ってライトも消して、もう無音にしてそこから離れて車の存在もわからないところに一人で立って、恐怖を感じるのが好きなのよ」

島田「だいぶ病まれてますか?」

マツコ「いやいや、何言ってるの。違うわよ」

島田「まあそれで、昔はそういう時代でした。江戸時代になると『四谷怪談』、『皿屋敷』、『牡丹灯籠』ですよ」

マツコ「名作ぞろいよね」

島田「もともと実際にあったものをもとにした創作といわれていますが、歌舞伎などで、娯楽ですよね。みんなが楽しむ市民権を得ていた時代に、明治に入ります。ここで危機を迎えます。『千里眼事件』ってご存知ですか?」

ナレーション「近代化が著しかった明治時代。透視能力などを持つといわれた女性らに対し、その真贋を当時の科学者たちが追求した騒動。映画『リング』のモチーフになったといわれる」

マツコ「『リング』のモチーフになった」

早瀬「そうです、御船千鶴子さんという方なんですけど」

マツコ「あれってさ、まだ白黒はっきりしている感じじゃないよね。なんかあれいろいろあとで聞くと、本当だったんじゃないかっていう可能性もあるよね」

島田「マツコさんこっち側の人間ですね」

早瀬「お詳しい」

マツコ「こっち側じゃないですよ」

島田「いや、ようこそというか。僕はすぐ言いますよ。『オカルト界にニュースターが誕生した』って」

マツコ「いやいや、オカルト界には入れないでよ」

島田「昭和に入ったら、マツコさんお詳しいんじゃないですか。オカルトブームが70年代」

マツコ「だってこの番組だって、タイトルだって『あなたの知らない世界』をパクッてるんだからね。パクリだからね完全に」

島田「それくらいの番組があって」

マツコ「大人気番組よ」

島田「視聴者投票、再現ドラマ、これでみんなが一喜一憂するんわけですよね。オカルト界さらなる飛躍の、芸能人発信怪談ブーム。ここで稲川淳二さん、宜保愛子さんという方たちが登場するんです」

マツコ「稲川さんってもうあの時代からか。すごいね。息長いね」

島田「ここから見てください、1970年代、80年代。『口裂け女』、『コックリさん』、『学校の七不思議』、『トイレの花子さん』。子どもたちにバッと広まるんです」

マツコ「どっぷり世代ですもん。コックリさんなんて何回やったか。あたしみたいな性格の悪いやつは、誰が犯人か探しをしだす」

島田「十円玉ね、誰か動かしてるんじゃないかって」

マツコ「意外な子がやってたりするのよね。わからない、人間って。生きている人間が一番オカルト」

島田「『口裂け女』はもう一大ムーブメント」

マツコ「すごい爆発力よね。そんなものがちょっとずつ変形しながら、全国にいきわたったんだから」

島田「100メートルを7秒台で走るとか」

マツコ「そうそうそう、あった。だんだんちょっとギャグみたいになっていくのよね、最後」

島田「弱点がポマードに弱いとか。わけわからない話になってくる」

マツコ「それ初めて聞いた」

島田「ポマードに弱いんですよ」

早瀬「お医者さんが整形手術でミスしちゃって、そのときにポマードつけてたからっていう」

島田「お医者さんがポマードつけてたので、その匂いを嗅ぐと『いやー』ってなるみたい」

マツコ「今聞くとおもしろい話だね」

島田「これもおもしろいんですよ。たとえば『口裂け女』。夕方出ますよ。当時、塾がすごく流行った時代でもあるんです。塾から早く帰らせようと親たちが広めたっていう説もあるんです。『学校の七不思議』も教育だったんじゃないか。たとえば当時人体模型って高級ですよね。子どもたちが人体模型の近くに行かないようにするとか」

マツコ「そっか、だから音楽室とかも、けっこう高価なものとかがあるから、子どもたちがいたずらとかしないように」

島田「そういう教育的なしつけ的なものを、階段を利用して広めたんじゃないかという説もあるんです」

マツコ「なるほど。すごかった。子どもたちが全員オカルトを信じてた。あの時代」

島田「このへんで幽霊の声が入ったCDなんかも流行るわけです」

マツコ「みんな見つけて大騒ぎやってたよね」

島田「REBECCAの『せんぱーい』なんかも有名ですよね」

マツコ「『MOON』ね」

島田「お詳しいですね」

マツコ「あたしREBECCA好きだからよ、たまたま」

島田「なんでだめなんですか。自分がオカルトちょっと詳しいってだめなんですか?」

マツコ「今のところだめ」

島田「ここからですね、90年代。実話怪談集『新・耳・袋』。今度は実話というものがフューチャーされだす」

マツコ「コンビニとかにすごい置かれてた時代あったよね。コロコロコミックみたいなサイズでさ」

島田「マツコさん全部知ってるんだ、あなた。全部で語れるんです。ただのオカルトクイーンなんです」

マツコ「違う違う、違います。オカルトクイーンはまだやりません」

島田「あと少しだな、マツコさん」

早瀬「もう少しでこっち側に」

島田「ただマツコさん、ここで怪談界に危機が訪れるんです。それがインターネット、高画質テレビの普及なんです。オカルトと高画質、やっぱり相性が良くないんですよ」

マツコ「確かにね。いろんなものをつまびらかにしちゃったよね」

島田「そうなんです。全部を白黒はっきりさせちゃったんです。ネットもすぐ調べられちゃう。下火になったんですが、やっぱり怪談はたくましいんです。今度はネットを逆手に取った、ネット怪談ブームが生まれるんです」

マツコ「ネットとかケータイだからこそ生まれるものもあるわけだ。やだ、たくましい」

島田「たくましいんです。怪談は時代時代に合わせてどんどん変わっていくんです。たとえばピアスが流行ったとき、ピアスの階段ありましたよね?覚えてません?」

マツコ「あたしピアスあけてないんですよ。ちょっと怖くなったもん」

島田「なんか糸出てますよ、みたいな。糸引っ張ったら真っ暗になって、それは視神経だ。そんなわけないんだけど、ピアスが流行るとそういう怪談が生まれたりとか」

マツコ「あれもだから簡単にピアスの穴あけるんじゃないよっていうね。誰かが言いだしたのかもね」

島田「タピオカの怪談までありますからね」

マツコ「怪談になる要素ある?」

島田「ある女の子がタピオカが大好きすぎて、昼も夜もタピオカばかりを飲んでいたんです。ある日突然『うっ』って体が動かないんですよ。病院に運ばれてみると、レントゲン、体中タピオカがぎっしり詰まっていたっていう」

マツコ「今そんなにレベル下がってるの?」

 

 

《最新!怪談界事情》

 

 

島田「今怪談どんどん進化しているんですが、今の怪談はどうなっているのか。こういうふうにわけてみました。『臨場感型』、これは稲川淳二先生を筆頭に」

マツコ「あたしたちがよくなじんでる怪談のスタイル」

島田「『一点突破型』っていうのが松原タニシさんの事故物件であるとか」

マツコ「今事故物件ブームだよね」

島田「大島てるさんという存在もあるでしょうね」

ナレーション「事故物件を検索できるウェブサイトを運営する、大島てる。今それにまつわる怪談も話題になっている」

マツコ「一応、引っ越し先見ちゃうよね」

島田「なにがすごいって、プロの不動屋さんが『大丈夫?』っていうと大島てる出して『ね、ここ大丈夫ですよね。炎マークないでしょ』って使ってるらしいですもん」

早瀬「『証拠提示型』というのは、お話の中に出てきたアイテムを今持ってますみたいなふうに出したりとか」

島田「たとえば心霊スポット行きました、変な声が聞こえたんです、最後にその時の声がこれなんです」

早瀬「僕の場合は呪いのアイテムみたいなものを20くらい持っていて」

マツコ「あんた来年あたり死ぬんじゃない?呪いのアイテムを20個も持ってるの?」

早瀬「一部僕が持ってるものをご紹介したいんですけれども。こちらです」

マツコ「なにこれ?」

早瀬「呪いの木の皮なんですけど。道の真ん中に大木があって、本当邪魔なんですよ、運転するのにも。でもそれが切り倒すときにケガをしたりだとか、行方不明になったりした人とかもいて、地元の人が近づかないっていうものがあるんです。その木の皮」

マツコ「おまえやべえな」

 

 

《イチ押し恐怖怪談》

 

 

 

島田「今日いろいろやってきましたが、ここで最後に僕らの怪談を」

マツコ「照明も暗くする気満タンだもん。この番組つまらないから、技術さんたちが。なんの変化も起きない番組だから。張り切っちゃうのよ、たまにこういうのがあると。あんなフィルム貼ってるのなんて8年ぶりくらいに見た」

島田「早瀬さんいよいよ」

早瀬「了解です。人怖でまず」

マツコ「ひとこわ?」

早瀬「幽霊じゃなく、結局人が怖いよねというみたいな。時間とか」

マツコ「なるほど。さっきの『生きてる人間が一番オカルトよ』でしょ」

早瀬「そうです。なおかつ、身内の話を離させていただきます。

岡山で三十数年前に50代の女性で先生と言われていた霊能者の方がいたんです。

その霊能者のご自宅に、信者約10名が呼ばれるんです。

その約10名を相手に先生が、『この間病院行ったら、余命宣告されてしもうたんよ。もう数か月後じゃと、そう言うんよね。そのときに一番に浮かんだのがあんたらの顔よ。私おらんかったらみんな不幸になるんじゃないかなと思って。今回は幸せのおまじないいうものを、あんたらに教えてあげようと思ってね。それがあったらあんたらみんな幸せになれるから。あたしお手製のお札とおまじないがあるから。一番高いところに貼ってもらって、そこに向かってちゃんと声出しておまじないしてほしいんよね。できる?ありがとう』。

その10名の中に、当時学生だったうちの母親が混ざっていたんですね。

これから話す話はその母親から聞いた話です。

母親はおまじないとお札を持って帰ったんですけど、当時学生だったということもあって、ちょっとハードルが高くて。

親の前で貼ることもできないから、ついぞそのおまじないを唱えることはなかったんです。

また数か月後くらいに先生に呼ばれまして、同じ約10名が先生の前にいるわけです。

先生が弱っていて、一人で歩けなくなって杖をついてトントンとついていくわけです。

すると先生がまた語られるんです。『みんな幸せのおまじないやってくれた?声出さないと意味ないからね。声出してくれた?ありがとう。ほんならみんな呪い死ぬわ。あれ幸せのおまじないでもなんでもないよ。呪いのおもじない。頭おかしくなって地獄に落ちる、そういうおまじないなんよ。なんでこんなことしたかって?私余命宣告されたときに入院しててね。この中の数人に、ちょっとお金貸してくれんかな?ってそう言うたんよ。そしたらその人らなんて言うたと思う?このペテン師がって言うたんよ。私お金なんて一円も取ってないのに、このペテン師がって言われて、悔しゅうて悔しゅうて。こいつら呪い殺してやろう思うてね。ほんで幸せのおまじない言うたらね、そいつらのこのこ来やがって。このあほんだら。みんな、呪い死ぬわ。こんなことやったら私一人かもしれん。いまはもう一人じゃ。でもな、地獄言ったらみんな一緒じゃけんな。全然さみしくないよ。全然さみしない。ばんざーい、ばんざーい、ばんざーい』って。

細い体やのに、大声でばんざいばんざいやるもんだから、みんな怖がって家から飛び出たんです。

その数か月後に先生は亡くなられるんですけど。

母親はおまじないをしていないので、今も健康なんです。

ただ、当時学生だったので、他の約10名はどうなったかわからないよ、というお話です」

マツコ「確かにちょっと怖いわ。確かにこれテレビでやらなくなった理由わかるね。今日はでもやろう。どんなに気持ち悪くても」

島田「いいですか?僕じゃあちょっといいですか?

これは今から12年前です。

夏頃に深夜に心霊番組をやらせていただいていたんです。

どういう番組かっていうと、心霊スポットに行って怪談するんです。

その時行ったのが千葉県の○○ダム。

ご存知ですか?地元で有名な心霊スポットになってますよね。

以前女性がダムに落ちてしまって。

ダムってのぺーっとしたコンクリートの壁なので、つかむ場所がない。

もがいてもがいて亡くなってしまったという悲しい場所といわれている。

そこで撮影してたんですよ。

夜12時くらいから朝方まで。

そしたら2時くらいに休憩になって、僕も疲れたなと思ってこれくらいの岩に座ってたんですよ。

そしたらマネージャーさんがトコトコトコって来て、『島田さん、写真一枚いいですか?』『なんでですか?』『今日こういう仕事してるってFacebookにあげたいので』『わかりました』。

ダムバックにピースして、カシャッ。

写真アップしたんですよ。

けっこう遅い時間だったんですけど、コメントけっこうきたんですよ。

『体張ってますね』とか『怖くないですか』とか『がんばってくださいね』。

ありがたいなって見てたら、『え、え、なにこれ』みたいな。

急に『ちょっとこんな時間に心霊写真あげないでくださいよ』って書いてあるんですよ。

写真見返してもわからないんです。

『心霊写真こわい』『心霊写真やめて』っていっぱいくるんです。

なにこれ?ってよく見たら、『島田の左側に女が写ってますよ』『島田の左肩に女性が』ってみんな同じこと書いてるんです。

なんだこれ、やばい。

スタッフさんに話したらみんな怖がっちゃって、早めに今日は撤収しましょう。

無事撮影は終わったんです。

大丈夫かなと思ってたくらいから、体に異変が起き始めまして。

左の肩がずーんと重くなってきて。

肩こりっていうか、肩の真ん中あたりだけ1センチ四方くらいにこりができちゃって。

マッサージ行っても『なんかこここってますね』『重たいんです、気持ち悪いんです、肩も回らないし』みたいな。『これなんなんですかね』。

考えるとやっぱりあれが原因かなって思ってた矢先に、ある番組で霊能者さんに会うことができたんです。

じゃあ相談してみよう。本番前に楽屋に行ったんです。

コンコン、失礼します、っていったら。

何も言う前からその方が僕の左肩をじーっと見てるんです。

『なんかちょっと気持ち悪いです。なにかあります?』

『島田さん最近水辺行ったでしょ?』

『え、なんでわかるんですか?実はこういうことがあったんです。なにか関係あるんですか?ここ重たいんですよ』って言ったら、霊能者の方が笑ってこう言ったんですよ。

『そりゃそうでしょ。だってそこずっとびしょ濡れの女が指一本でぶら下がってますよ。重たいはずですよ。そこからぐーっと這い上がろうとしてるんでね』」

マツコ「指一本が気持ち悪いんだけど。なんで指一本なの?」

島田「僕も聞いたんですよ。『だってしょうがないでしょ。もがいてもがいて、もうその指しか残ってないんだから』」

マツコ「なんかちょっとやだ。やあね。じゃあもうちょっとあたしも1個しようかな。

あたし実際自分が出てくる夢なんだけど。

タイタニック号に乗ってるのよ。

ディカプリオってはっきりわかるわけじゃないんだけど、要はイケメンがいるのね。

本当にタイタニックの中で生活をしてるのよ。

船の先端でディカプリオかどうかはわからないけど、こうやって支えてもらいながらこれをやるの。

あたしね、おしっこしてるのよ。先端で。大海原に。ものすごい気分が良くて。

パッて場面が切り替わったら、極寒の海の中なの。

なんなのこの夢と思って。

やっとの思いでバーッて海面まで上がってハッてやったら目が覚めたの。

全部夢だったんだけど。真冬だったのね。

寝小便に霜がたってたの。おそろしい。

実話です」

島田「実話でしょうね。そんな作り話やめてほしいです」

マツコ「作り話じゃないです。これ本当の話なの」

島田「でしょう」

マツコ「びっくりしちゃったあたし」

島田「途中まですごかったですけどね」

早瀬「名称ついてます、そういう夢。明晰夢という夢の種類で、夢で本当に生きてるみたいに。たとえば僕だったら、雪の中しんしんと雪降ってるところ歩いた夢見たんです。夏なんですけど、足だけキンキンに冷えてる時あったんです」

マツコ「これじゃああたし一個の才能ではあるの?」

早瀬「才能です。見たくても見れない人がたくさんいるので。なおかつ宇宙人に連れ去られるって言ってる人も、おしっこ漏らす人多いんです」

マツコ「ええっ。そうなの?」

早瀬「強い衝撃を受けてるから、記憶だけごっそり消されててショックだけが体に残ってるので、緊張でおしっこしちゃうみたいな。連れ去られてる人おしっこ漏らしてる人多いです」

マツコ「こんなに世の中に人がいる中から、あたし選ぶかな?あんまり正常なデータとれないわよ」

 

 

~完~