2021/08/17放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 

 

 

'アイスクリーム研究家'

アイスマン福留さん(以下、福留)



福留「僕深夜に出させていただいた時からだと、10年近く前、9年半くらいになります」

マツコ「最初に会ったとき、もうちょっと若かったもん。しょうがないわよ、10年経っちゃったんだから。10年間アイスクリーム研究家で生き続けられるってあたしすごいと思うよ」

福留「僕今までトラック運転手とかいろいろやってきたんですけど、今までの職歴の中で一番長くなっちゃいましたね」

マツコ「これ職歴って言っていいのかしらね」

福留「アイスって、前もちょっと触れたかもしれないですけど、年間で新商品ってどれくらい出てると思います?」

マツコ「覚えてないよ」

福留「1200くらい。コンビニとかで500とか600とか出てはいるんですけど」

マツコ「そんなに新商品出てる?」

福留「出てます。けっこう変わってるんです」

マツコ「今年はバターくらいじゃない?」

福留「『かじるバターアイス』?」

マツコ「そう。あれ食べられなかったの。気づいたときにはもう売ってなかったの」

福留「マツコさんも赤城乳業のCMやってたから、言えばこっそりもらえるんじゃないですか」

マツコ「あたしね、あなたが10年間でどれだけ薄汚れたかわかったわ今」

 

 

《このアイスは裏切らない!進化する王道アイス》

 

 

福留「マツコさんに伝えたいこと。アイスにだけは裏切られたくない」

マツコ「本当ですよ」

福留「裏切らないように進化した王道たち」

マツコ「そういうのですよ。あたしは夜中気づかないうちにアイスを食べてるオカマなんだよ」

福留「まずひとつめ。『バニラモナカジャンボ』、モナカを守る壁、チョコミミを開発」

マツコ「前からついてなかった?アイスの水分を吸収しないようにチョコのコーティング、ついてたよね?」

福留「ついてました」

マツコ「もっと進化したの?」

福留「はい。上と下にコーティングされてたんですけど、どうしてもモナカの間に隙間があるじゃないですか。あそこが一番水分が抜けて、モナカがしけっちゃうっていうところの原因のひとつだったんです」

マツコ「確かに、あたしめんどくさいから10個くらい買っておくわけよ、チョコモナカジャンボを。最初の2、3個はパリパリなんだけど、ちょっとふにゃっとはしてきちゃう。それがなくなるのね?」

福留「そうです。こんかいこのチョコミミがついたことで、だいぶ維持ができる。2つめ、こちら。『ガリガリ君』、『梨』を超える『うめ』が登場」

マツコ「超えてはないです」

福留「食べました?」

マツコ「食べましたけど、超えてはないです」

福留「僕の中で匹敵するなって思った」

マツコ「おいしいですよ。ただ梨が出たときの」

福留「梨は神ですよ」

マツコ「超えてないじゃない」

福留「匹敵。これ言い過ぎちゃったかな?」

マツコ「ちょっと待って。両方今ある?あたし梨に対してちょっと特別な感情を持っちゃってるのかな?」

福留「梨は本当に完成度本当にすごい」

マツコ「これはあたしたぶん歴代アイス、今のところ1位なの」

福留「本当ですか?それは全部?」

マツコ「全アイスの中で。梨と出会ったときは毎日近くのコンビニ行って、入荷されると全部買った。家の中の冷蔵庫、全部梨にしてたんだもん。味噌汁飲んでるようなものですよ。おいしいとかじゃないんですよ。今日もいい出汁とれてるねっていう。あたしね、ガリガリ君の梨味って、アイスに含んでないのよ。生きるのに必要なもの」

福留「エネルギーですか」

マツコ「エネルギーなの。だから買う時も、伊右衛門、天然水、梨味っていう。水分補給っていうジャンルなのよ」

福留「うめ」

マツコ「おいしいのよ。おいしいよ。なんて言うんだろう、とろろ汁くらいなのよ」

福留「うめも今回はみんなが選んだ味、みたいな感じで投票をして2位がマスカット味だったんですよ。それに2倍近くの差をつけて1位ダントツだったんです」

マツコ「あたしマスカット推してたの。だからすごいがっかりしたの」

福留「マツコさんアンケート投票されたんですか?」

マツコ「やらなかったけど。やりはしませんでしたけど、『マスカットがんばれ』って思ってた」

福留「マツコさんこのうめをちょっと。ガリガリ君と言えばやっぱりサワーじゃないですか。これもサワーにしたらおいしい。ちょっとやっていただきたいんです」

マツコ「それはわかる。ごめん、だからね、あんまりすっぱさをアイスに求めないんだよね。おいしんだけど」

福留「一回スプーンとかで砕いてよく混ぜたほうが、味がけっこう出ますね」

マツコ「これくらいでいいかしらね。いただきます。…むしろこっちよ。むしろこっちなのよ、うめさんは」

福留「合いますよね」

マツコ「これ女性、気をつけて。もうこれほぼお酒の感じがなくなっちゃう。ガリガリ君のうめ味」

ナレーション「さらにもうひとつ、アイスマンとっておきの王道アイスのアレンジレシピが」

マツコ「ああ、モナ王」

福留「これ横にオーブントースターがあって、ちょっと温めてほしい。これめちゃくちゃおいしいので」

マツコ「あんたまでそういうことをしだすのね」

福留「これは僕自信あるんですよ。20秒くらい温めていただいて。このモナカアイスなんですけれど、表面のモナカの皮の水分を飛ばして、ちょっとアイスが溶けるくらい」

マツコ「はい、20秒」

福留「ここからさらに40秒待ちます。完成です。それでモナカの皮をツンツンとやって。ちょっとコツコツとなります。それでかじってみてください」

マツコ「皮は完璧。中はやわらかすぎ」

福留「おいしくないですか?」

マツコ「おいしいけど、あたし溶けるアイス嫌なのよ」

福留「今回モナ王を選んだんですけど、それ以外のちょっとしけったやつとかはこれをやるだけで表面の水分がとんで、サクサクになります」

マツコ「皮は本当にウマい。結局食うんだよ」

 

福留「アイスクリーム研究家も驚愕、『チョコミント』を超える新フレーバー、『○○○』がブームに。ピスタチオです。最近特に多いんですよ、ピスタチオが。新幹線のアイス『スジャータ』のアイスでも」

マツコ「ちょっとスジャータさん、こんなハイカラなことしてるの?」

福留「これ東海道新幹線限定で出た味なんです。意外と食べてる人は少ないと思いますね。隣、これ『グリコ』の『パピコ』。『大人の濃厚ジェラートピスタチオ』っていうのが出てて。ピスタチオなんですけど、隠し味に西尾抹茶を使ってて、クオリティが高いんですよ」

マツコ「いやー、見たことない」

福留「奥が『クラシエフーズ』の『ジェラート屋さんのピスタチオアイスバー』」

マツコ「知らない。やだー。どこで売ってるのよ」

福留「スーパーで売ってて」

マツコ「うちの近所のコンビニって勇気がないのよ。全然入ってこないのよ」

福留「スイーツの世界チャンピオンが作る『究極の特濃ピスタチオジェラート4段階食べくらべセット』」

マツコ「6000円もするの?」

福留「世界チャンピオンですから」

マツコ「だけど。もしかしたら人生で一番高いアイスかも」

福留「世界大会の江森さんが、素材選びから配合から製造まで全部手掛けている。4段階でブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ってあるんですよ。食べ比べていただいて、比較をしてもらえればと思います。まずはブロンズ」

マツコ「なにこれ?いやもうピスタチオですよ。アイスっていうよりは」

福留「ピスタチオっていっても、いろいろ味が違うんですけど、日本に入ってきているピスタチオはだいたいアメリカとイランのピスタチオが二大産地で、だいたい8割くらいを占めている。ブロンズがイラン産のピスタチオを使っています」

マツコ「もうこれはピスタチオ」

ナレーション「さらにシルバーとゴールドは、イタリア産のピスタチオを使用し、乳脂肪分を加えることでよりクリーミーに」

マツコ「なにこれ。ブロンズはピスタチオなのよ。これなんて言ったらいいんだろう、アイスっていうか冷たいピスタチオなのよ。シルバーはアイス。すごいクリーミーだし、乳脂肪分も感じる。品種でこんな違うんだ。プラチナいきます。プラチナずるくない?明らかな差別。これかわいそうだろ。公平を期するために、あたしこの上のデコレーションを排除した形でプラチナをいただきます。まずは公平を期するために、これのみ。ジェラートとして考えたときは、本当にこの順番。ピスタチオを食べてる感で言うと、ブロンズが一番する。だんだん弱くなっていく、ピスタチオ感が。だからたぶんこれがついたんだと思う。でもこれが正しい形だから。それはね、これずるいですよ。下はとんでもないリッチなジェラートで、上はピスタチオ乗ってるんだから。これ最強ですよ」

 

 

《次にブレイクするのはこれ!絶品ご当地アイス》

 

 

福留「全国にいろんなアイスがあって、ハマってることがあるんですけど。こちらです。しろくま&あいすまんじゅうに代わるご当地アイドル探し」

マツコ「確かにここまでのものはないね、いまのところ」

福留「僕が今ご当地アイドルって感じてるのは、みんな最初は知らないんですけど地方のアイスがどんどん支持されていって、有名になっていく。それがうれしくもあり、ああ、スーパーに並んじゃったか、みたいな」

マツコ「わかりますよ。お別れのときですよね。もう僕の力はいらないんだねっていう」

ナレーション「鹿児島で生まれ、九州自動車道の開通とともに爆発的に広がったといわれる『しろくま』や、おまんじゅうのようなやわらかさとあんこのとろける食感で大ヒットした『あいすまんじゅう』など、今は当たり前のように並んでいるアイスの中でも、地方で火がついて全国にやってきたものも。そんな中」

福留「マツコさん、『竹下製菓』はご存知ですか?」

マツコ「なんか聞いたことあるな」

福留「パッケージを見たらたぶんわかると思うんですけど、これです」

(「ブラックモンブラン」)

マツコ「それ前いただいたとき、すごい本当おいしかったの」

福留「竹下製菓が、埼玉の幸手にある『スカイフーズ』っていう会社を完全子会社化してるので、これから伸びそうだなっていう感じがあって。けっこうおもしろいんですよ、こういう『DO NOT EAT』っていって。要は冷凍庫にアイスを入れておくと食べられちゃうことが多いので、保冷材の形をしたアイスで。中身はブラックモンブランが入ってるんですよ。チョコクランチ」

マツコ「久しぶり。周りがちょっと厚い気がしない?」

福留「あとけっこうピーナッツの風味がすごい効いてますよね」

マツコ「バニラアイスの量はこの半分くらいで。ぜいたくなのよ」

福留「昔『赤城乳業』とかもローカルでやってたのが、今は全国区で。これから10年後20年後になったら、地方のメーカーさんもどんどん力をつけきて、ヒット商品が生まれるとけっこうおもしろいかなというふうに」

マツコ「流通網さえあれば、すぐにスタンダードになるアイスよね」

ナレーション「そんな中、全国のありとあらゆるアイスを食べたアイスマンが、ネクストブレイクまちがいなしと豪語するご当地アイスをご紹介」

福留「マツコさんなにか気になるものあります?」

マツコ「『塩ソフト』と、『こんにゃくアイス』と、『バクダンキャンディー』と、『ガリっとチュー』。気になるわね」

福留「塩ソフトに関しては、富山の『横山冷菓』っていうところが作っているんですけど、サービスエリアとかで食べられるんですよ。ソフトタイプのアイスっていうところでいうと、昭和30年代に始めたと思うので、かなり早いんですね」

マツコ「こんにゃくアイスはどういう状態で売ってるの?すごい色がいっぱいあるんだけど」

福留「主原料がこんにゃくで、いろんな味があるんです。ちょっと溶けにくい感じですね。群馬に行くとだいたいあって、昔ながらのこういう感じのショーケースに入ってて買える感じです」

マツコ「こんにゃくアイスは相当いくんじゃない?東京で売り出しても。だってこんにゃくゼリーがこんなことになってるんだから。パッケージがこのままできたら、東京じゃ手間がかかって大変だねっていう」

福留「昔ってこういう感じだったじゃないですか」

マツコ「そうね、これは手間かけてるわ。硬い。歯が折れるんじゃないかという恐怖との闘い。あ、おもしろい。最後ちょっとこんにゃくゼリーと同じ感触が残る。これ売れるんじゃない?」

福留「あとマツコさんが気になってるのだと、『バクダンキャンディー』っていう。これは昔ゴム風船に入ってるボンボンアイス、おっぱいアイスみたいなやつ、あれに入ってて。ぽっきんアイスあるじゃないですか、あれのハイブリッドみたいな。岡山のほうだと、このバクダンキャンディーっていっぱいあるんですけど、ここはやっぱり元祖というところで」

マツコ「こちらのメーカーさんだけじゃなくて、いっぱい出してるんだ?」

福留「そうです。あとは、『ガリっとチュー』、熊本の三角形の袋に入ったかき氷なんです。九州だとこれ当たり前っていうくらいなんですけど、三角形で残っているのはたぶんここだけだと思います」

マツコ「みんな最初は三角形だったんだ?」

福留「破いてそのまま食べる感じですね」

マツコ「へえ、いいね。かき氷系がいいなって時ない?ガリガリ君15本くらいで過ごす日あるもん」

ナレーション「他にも、岩手県の南部せんべいを使ったアイス(『チョコ南部アイス』)や、刃物の街として知られる岐阜の『日本刀アイス』など、全国には個性豊かなご当地アイスが」

福留「その中でも僕が次は絶対くるって思ってる推しアイスがありまして、それがこちらです。これがカステラの究極の食べ方、ニューヨーク堂『長崎カステラアイス』」

マツコ「ニューヨーク堂」

福留「これ長崎にあります」

マツコ「ポルトガルから伝わったカステラのアイスを。不思議な。すごいわね」

福留「もともと創業者の方がニューヨークに行かれて23年間修行をされたんですよ。今は小さな洋菓子店なんですけど、長崎に行くと軍艦島に行く船の中で出てきたりとか。一口食べてここのアイスは違うぞってすぐわかると思います」

マツコ「こんなんで紹介しちゃったら、どこか大手がマネするんじゃない?大手は怖いから」

福留「でもなかなか長崎っていうブランドがやっぱりあって、県認定のカステラでザラメもちゃんとついている」

マツコ「カステラ自体は本当にガチカステラ。…おいしい。『うわー!』とか『おいしい!』とかじゃないの。しみじみしてくる」

福留「けっこうアイス自体がおいしいですよね」

マツコ「アイスもおいしいけど、カステラがもうおいしい」

福留「ニューヨーク堂さんの長崎カステラアイスは、地元の太陽卵っていう赤卵を使っているんです。カステラにもアイスにも使ってて、本当に全部手作りなんですよ」

マツコ「もう1個」

福留「バニラの他に茂木びわって、要は長崎の有名な茂木びわを使ったものとか」

マツコ「カステラにびわのアイスが入ってるの?それもあるんだ。そういうものは全部出すんだ。…絶対バニラのほうがいいと思ってたの。びわもすごい。すごいのは、アイス挟んでるのに、カステラが全然湿っぽくない。紹介するのやめよう。迷惑かけたくないもん。だって細々やられてるんでしょ?」

福留「そうですね。ただ今通販とかもやってはいる」

マツコ「やってるのね。じゃあ大丈夫か」

福留「はい、大丈夫だと思います」

マツコ「あたしこれ通販がパンクする前に頼もう。今年の夏はこれをずっと冷蔵庫に入れておく。やばい。これあと3つくらいいける。これやばいわあたし」

 

~完~