2021/08/10放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 

 

'地球50周分を車で走った、運転大好きアナウンサー'

安東弘樹(アンドウヒロキ)さん(以下、安東)



マツコ「地球50周って。地球って4万キロだっけ?ばかみたいね。安東弘樹さんです、どうぞ」

安東「どうも、ご無沙汰しています。よろしくお願いします。安いに東と書いて安東と申します」

マツコ「安いに東で安東だからね」

ナレーション「1991年、TBSに入社した安東弘樹アナウンサー。さわやかなルックスからアンディの相性で親しまれ、『アッコにおまかせ!』に16年間出演するなど多方面で活躍。ちなみにマツコとは2006年に情報番組で共演して以来、旧知の仲」

安東「この間、TBSのエレベーターでお会いして以来くらいですかね。僕は毎日拝見しているので」

マツコ「いやいや。毎日拝見しているとか簡単に言うのよ、この人は。見てないでしょうよ。ブーブーのことしか考えてないでしょ」

安東「CMもたくさん出られている」

マツコ「適当でしょ。なんとなく言っておけば。そりゃテレビ出てCM出てるのは確かだからね。具体的な細やかな気配りみたいなのは一切ないでしょ。次は、三回目は深堀りしてくるはずなのよ。どう?」

安東「あとはYouTubeでもよく拝見しています。YouTubeの間のCMでもけっこうマツコさん」

マツコ「CMじゃねえかよ結局。あんた本当に。そういうところだと思うよあたし」

安東「堀潤さんというアナウンサーが、僕はMXというところで時間違いの番組やってるんですけど。選挙特番のMCをやってらっしゃったんですけど、ああいう堀潤さんの姿見ると、そういう仕事は来ないだろうなと思いますよ、自分でもテレビ観てて」

マツコ「あんまり決めつけるのはよくないですけど、来ないと思います」

 

安東「まあ車好きっていうのは」

マツコ「知ってますよ。すごいよこの人。変態よ」

安東「まあ、変態です」

マツコ「変態。ド変態よ」

安東「普通車っていうのは目的地に着くための手段じゃないですか。僕は運転そのものが目的で。なので目的地に着くとだんだん落ち込んでくるんですよ。もうすぐ車から降りなきゃいけないっていう。っていう感じの車好きと思っていただければ。ということでございまして、これまでの愛車遍歴を見ていただきたい。これごく一部なんですけれども。20歳で免許取って初めて車を買って、45台目なんです、今」

マツコ「シティーターボⅡ、なつかしい」

安東「このへんでTBS入社するんです。TBSに入社して初めて買ったのが日産テラノという。流行りました」

マツコ「流行ったよね」

安東「7万キロ走ってもすごく高い下取り価格で。これで頭金が払えたので三菱パジェロという車」

マツコ「ダーツで当てたんじゃないの?」

安東「ダーツで当ててないです。アナウンサーがあの番組出てダーツで当たってももらえないので」

マツコ「そうなの?」

安東「視聴者プレゼントに。当たったやつはアナウンサーもらえないから視聴者にプレゼントという感じにして」

マツコ「喜んだフリしてたのね?」

安東「はい。いや、フリじゃないです。20代から国産の車が多いんですね。トヨタのハリアーも非常に良い車で。僕が乗っていたのは真っ黒に中が薄いベージュっていう」

マツコ「やんちゃな」

安東「いいでしょ、きれいで。このハリアー好きだったな」

マツコ「なつかしい、ビッグホーン」

安東「ビッグホーンもマニュアルのディーゼルに乗りました」

マツコ「好きだったわ」

安東「これも人気があったので」

マツコ「すごい人気だった。無骨でかっこよかったよね」

安東「話がわかる人は楽しい。そのとおりです」

マツコ「あたしも車は大好きですから」

安東「そうですよね。今日は話がスムーズにいくか、盛り上がりすぎて尺が足りなくなるか、どっちかだと思って今日進めています」

マツコ「それがいらなかったんじゃない?今の」

安東「ちょいちょい余計なことを」

マツコ「悪い癖。今日ゲストよ。ドーンとかまえて。でも無理なのよ。16年『アッコにおまかせ!』やってるともう無理なのよ」

安東「ゲスト感出せないんですよ」

マツコ「そう、もう染みついちゃってるのよ。追い追い自然にやってみて」

安東「マニュアルの車が数えてみたんですけど、7割くらいですね」

マツコ「本当好きなのね。マニュアル好きな人だってめんどくさいから、オートマ買っちゃうからね。やっぱり渋滞の時とか考えるとね」

安東「渋滞のマニュアルの運転、大好きです。もう何回もギアチェンジできるから。ギアチェンジという行為をずっとしている人生でいいんです、僕」

マツコ「どうしてこんなことになっちゃったんだろう、この人」

安東「今ハマっているのが林道ドライブということで。この林道ドライブをするためだけにスズキのジムニーを買いました」

マツコ「アンディがそっちいってるとは思わなかった。いつ頃から?オフロードは」

安東「オフロードは実は20代の頃にちょっとハマりかけたときがあったんです。それでちょっと離れて。赤坂に染まってしまったというか」

マツコ「ある意味ここもかなりのオフロードなんですけどね」

安東「そうですね。精神的オフロードですけど」

マツコ「精神的オフロード、いいね」

ナレーション「安東アナがみずから撮影した林道ドライブ動画で、その2つの魅力をリポート。向かったのは長野県川上村から山梨県に抜けるこちらの林道。車が走れる日本一標高が高い道でもある」

安東『さあいよいよ川上牧丘林道に入ります』

安東「これテレビ用じゃなくて、将来のYouTuber目指す用に撮りました」

マツコ「何をやってるのよ」

安東「我ながら何をやってるんだろうなと思いました」

マツコ「うわ、すごいところだね」

安東「すぐ白樺のトンネル。自然に囲まれているところが多いんですけど、ちょっとエンジン止めて止まると、鳥のさえずりとか小川のせせらぎとか、そういう音が聞こえてきて。ホーホケキョなんて聞こえてきたりするんです。自然の中に溶け込む癒し、緑がいっぱいです」

マツコ「こう見えて50歳すぎてるからね。ちょっと古いタイプのアナウンサーなのよ。顔とマッチしてないから『え?』って思われるでしょうけど」

安東「マツコさんの4つ年上なんですか?」

マツコ「そうなのよ。相当くそじじいよ」

安東「いやいやいや。基本的には塗装されてないところが多いので、本来の地球の上を走っているという、ちょっとしたスリルというか。踏み入れていいのかなっていう感覚もある」

マツコ「わかりますよ。あたしも男の子として。そんなにヒマラヤ登るとか、北極圏に行くってほどじゃないけど、ちょっと命を危険にさらしてる感を、ヒリヒリする感じを感じながら行くのがまたいいの。いい腕してるわね」

安東「あ、本当ですか。マツコさんに運転をほめられるという、すごく今うれしいこと」

マツコ「違う違う、『いい腕』よ」

安東「腕って運転の腕じゃなくて?」

マツコ「運転の腕なんて。あたしそんな偉そうな身分じゃないですよ」

 

安東「森林率っていうのがあるんですね。基本的に森林にあるので、林道って。日本って実は」

マツコ「えっ。ロシアより高いの?」

安東「驚きません?あんな自然いっぱいのロシアやカナダより」

マツコ「ロシアって凍土のところがあるから。国土は広いけど、実は森になってないところが多いのか。そうか、カナダも北極圏だからか。アメリカよりすごいって。砂漠があるからか。でもドイツはびっくりだよね。ドイツってあんなに森のイメージあるけど。だから日本ってすごいのね」

安東「そこに林道があるということなので、林道がいかに身近な存在か、マツコさんに紹介したいと思います。私としては16年間やった番組に近い感じのパネルをやらせていただきたいと思います。うわー、久しぶりですね」

マツコ「16年のあともね、同じようなパネルの前に立ってたよ」

安東「そうですね、マツコさんとやらせていただいた番組」

マツコ「パネル人生だよ」

安東「ご覧のように46都道府県すべてに林道があります。だから東京都にもあるんです。奥多摩のほうなんですけど」

マツコ「あっちすごいもんね」

安東「マツコさんが住んでいた、そして今私が住んでいる千葉県にもこのように」

マツコ「千葉ってね、全国で一番標高が低い都道府県なのよ」

安東「唯一500メートルを超える山がない県」

マツコ「悲しいって言ったらあれだけど。だからのっぺりした林道」

安東「林道もあんまりハードな林道じゃなくて」

マツコ「ハードじゃない。ただ、素掘りのトンネルとかが現れるのよね」

安東「よくご存知で」

マツコ「素掘りのトンネルだらけよね、千葉の南側」

安東「月崎林道なんてまさに手掘りの」

マツコ「ちょっと大きい車で行ったらギリギリだから、すごいスリルよ」

安東「全国の林道の長さを合計しますと、13万5115キロメートル。これがなんかの2倍なんですよね。これが実は国道です」

マツコ「国道の倍あるんだ」

安東「国道全部の距離の2倍なんですよ。いかに身近かっていうのがわかっていただけると思います」

マツコ「利用者数で言ったら、国道のほうが圧倒的だろうけど」

安東「林道大国って言っていいですね。最もその中で長いのが全長87.7キロメートル。林道ファンの聖地と言われているところなんですけど」

マツコ「四国」

安東「正解です。一番長い林道は剣山スーパー林道。これ徳島県にあるんです。多くの林道ファンがいつかは走ってみたいと思っている林道」

マツコ「四国は良い道が多いのよね」

安東「そうなんですよね、よくご存知。87.7キロ路面も非常にバラエティに富んでおりまして。フラットダートあり、ちょっとゴツゴツした道もあり、景色もやっぱりいいんですね。季節によってまた変えてくれるんです」

マツコ「良い所ね。女性の方は奥の山を見るのよ。きれいな山よ」

安東「全部の都道府県にある林道なんですけれども、林道を走ったことがある人っていうのはどのぐらいいるのかっていうことで。これ人数比でいうと50人中の6人ということで。この中のスタッフのひとりも走ったことがあるっていう人が誰かいたんですよね」

マツコ「おまえどこ出身だっけ?」

AD蓮見さん「僕埼玉です」

マツコ「どこ走ったの?」

AD蓮見さん「長野とかそっち側の心霊スポット巡ったりとか、廃墟巡ったりとか」

マツコ「廃墟巡りしてたんだ。まあいいわよ、理由は。だから林道目的ではなかったんだな」

安東「少ないということがわかっていただけると思います。なぜ少ないかということで。おそらくみなさん、林道に対するこんなイメージがあるんだと思います。入っちゃいけない感じがする」

マツコ「まあ確かにこれ怖いよね。この先Uターンちゃんとできるかとか。たぶんだからビビって女性の方とかは怖くてちょっと行けないと思う」

安東「同時にですね、『おまえに覚悟はあるのか?』と聞いてくれている。すなわち入りたいと私は思うんですね。おまえに覚悟はあるのか?って自然が語りかけているからこそ、じゃあ覚悟をもって入っていこうっていう」

マツコ「それがいいのよ。あんまり日常で都会を生きてて感じない恐怖みたいな。あたしちょっとズレちゃうんだけど、ちょっと山道を上がって真っ暗な所で、エンジンもライトも全部消して外に出るのが好きなの」

安東「わからなくはないです。自分の感覚が研ぎ澄まされるようなそういった感覚が非常にあるということで」

マツコ「わかります、非常に」

安東「よかったです。アッコさん、あ、まちがえた。すみません」

マツコ「いやいや、これであたしが怒るのも違うから。難しいわ本当に」

安東「パネルやったあとなので、完全にパネルに引っ張られましたね」

ナレーション「ここからは東京から日帰りで行ける、絶景ドライブコースをご紹介」

安東「オススメの林道があるんですけれど。まさにここがスーパーがつくんです。『御荷鉾スーパー林道』。群馬県の藤岡氏から南牧村氏というところまで行くところ。関越自動車道の本庄児玉インターチェンジをおりて。都心から2時間ちょっとでいけるところ」

マツコ「群馬っていっても、距離的にはすごく行きやすいね」

安東「そうですね、埼玉のちょっと上っていうところなので。ここもなにがすごいって、景色がすごい。これは私がよく見ているバイクおじさんっていうYouTuberなんですけど、ここは女性にも見ていただきたい。最大の魅力というのが景色なんです。このパノラマ。ここはいわゆる観光地になっているわけじゃないけれど、普通に走っているとこういう景色が。今初めて女性スタッフが身を乗り出してモニターを見ました」

マツコ「これくらいきれいだとちょっと興味わく?それともバイクおじさんに興味ある?」

安東「なんでこういう眺望が見られるかっていうと、尾根伝いにこの林道があるからなんです」

マツコ「尾根を通ってるんだ?めずらしいね」

安東「しかも秩父連山、浅間山、妙義山ものぞめるという。ここ見てください。バイクおじさんはいつもここ止まるんですけど。御荷鉾林道の終盤なんですけど。この眺望」

マツコ「これすごい。どっち方面?」

安東「浅間山と妙義山が見えるんですけど。これを目指して来る人もいます。そしてこのバイクおじさん、お決まりのシーンが、インスタントラーメンを毎回作るんですね。これがウマそうなんですよ」

マツコ「うわ、あのラーメンウマそう」

安東「これ藤原製麺っていう、けっこう凝ったラーメンを食べるんですよ。卵をちょっと落として。ラーメン食べて、休んで、もう一回走り始めるっていう」

マツコ「いやでもこれすごいわ」

安東「これバイク好きなので、バイクがドーンと真ん中にありますけど、バイクがなかったらバーンと見渡せる可能性がありますよね」

マツコ「やめなよ、バイクおじさんをなにディスってるわけ?」

 

安東「もうひとつオススメ、こちらです。ドキドキを温泉でリセット。秋鹿大影林道と万沢林道というところ。特徴が秋鹿大影林道と万沢林道の間に四万温泉が。途中で四万温泉につかって、もう一回万沢林道に行くのも良し。そして万沢林道が終わったところに草津温泉があるんですよね。今回は秋鹿大影林道のほうから攻めることに」

マツコ「うわ、すげえなここ」

安東「けっこう細いダートが続くんですよ、秋鹿林道は。この新緑の緑もいいんですよね。ここ迫ってくる感じが」

安東『さあ、荒れてきました、あれてきました。けっこうここら辺は岩だらけ、石だらけ』

マツコ「けっこう悪い道。見ていただければわかりますが、斜めかつけっこう荒れた道。ここを走破するのがいいんですよね」

マツコ「ジムニーが似合うわね。いい道だね」

安東「でしょ?常に路面と対話しながら走るのがいいんですよね。

安東『水たまりを走ってるときは完全に子どもの頃に長靴を買ってもらって、水たまりの中に入るのと同じ感覚』

マツコ「『決まった!』って顔してたわね。『ここは使われるだろう』って顔をしてた」

安東「意識してしゃべりました。けっこううまいこと言ったなと思って。でも本当にそうなんです。入りたくありません?」

マツコ「わかるわかる。ああいうところは車だとわざとバーッといってね」

安東「間に四万温泉があって。四万温泉通過して」

マツコ「あれ?四万温泉の入浴シーンはないの?」

安東「実は入浴シーンの予定あったんだけど、ちょっと時間がないってことになって。急遽なしになった」

マツコ「へたくそ」

安東「スルーして万沢林道。明らかに近いんですけど、秋鹿大影林道とは違う景色で。岩が迫ってくるところなんです。これもたまらんです。石のゴツゴツっていう、タイヤが石を踏んでいく音が大好きなんです。この荒々しい道を走ったあとに、長い林道のラストに待っているのがこちら。万沢ストレートです。雨の日でも見渡せますね。1キロの直線」

マツコ「あらあら。最後こんな道があるの?」

安東「こんな直線があるの、こういうとこないんですよ、林道では。必死にドローンでこれ撮りましたけど、先のほうまで見通せる珍しい林道」

マツコ「これすごいね。北海道みたいね」

安東「まさにそうです。富良野くらいでしか見たことないです、こういう道はね」

マツコ「またあれ一人で行くから良いんだよね。あのちょっとした不安が。やっぱり隣に人がいると、ちょっと安心しちゃうじゃん」

安東「誰も助けてくれない中で。だから無茶もしちゃいけないけど、ちょっと冒険もするっていうところのバランスで楽しんで。僕一人で実際に行く時は、家出て車乗って林道走って帰ってくるので、誰ともすれ違わないで帰ってくることあるんですよ」

マツコ「すれ違う車あるかないか、でかいよね。ところどころスペース用意してくれてるところはいいんだけど。どうしてる?」

安東「あれはね、林道の鉄則みたいなのがありまして。だいたい林道ですれ違うと、この人のスキルとか車の感じで、どっちが慣れているかわかるんです。そうすると慣れているほうが下がるという不文律があるんです。だから僕も林道ですれ違うときにいわゆるガチ勢といわれている、ものすごい車を改造してっていう人は会った瞬間にグワッと下がっていく」

マツコ「たまに軽トラのじじいとか300メートルくらい下がってくれる人とかいるよね。正面向いてるあたしを振り切るくらいのスピードで下がっていくじじいがいるのよ」

安東「もはや後ろ見ないくらいの感じで運転してる人いますよね。そういう人を見ると『ああ、ありがとう』っていって」

マツコ「そう、あれ良い瞬間なんだよね。あのすれ違いの瞬間ってね」

安東「それ言いたかったんですよ」

マツコ「あたしも好きなの。窓ちゃんと開けておじさんに『ありがとうございました』ってやって。そうなのよ、あれ良い瞬間なのよ」

安東「それが一般道では味わえない。林道は特にそれが濃くなるから」

マツコ「やだ、ちょっといっしょに行けるね」

安東「…はい。ごめんなさい、ちょっと『はい』が遅れたかな」


〜完〜