2021/07/20放送
マツコの知らない世界
https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/
'2000種類以上の駅弁を食べ歩いた日本史講師'
金谷俊一郎(カナヤシュンイチロウ)さん(以下、金谷)

金谷「こんにちは。よろしくお願いします」
マツコ「もうね、この昔の床屋さんの外にあったポスター並みにね。お手本の七三分け」
金谷「私が30年講師をやってきて、一番今回重要な授業だと思って」
マツコ「いやいやいや」
金谷「生徒はがんばってくれるんです。ちょっと押せば。でもなかなか押してもがんばらない人もいるから、しっかり押しにきた」
マツコ「あたしですか?」
金谷「今日私が一番お伝えしたいことはこちらでございます。世間の駅弁のイメージ、妥協案を変えたい」
マツコ「これはね、先生がそうおっしゃってくれるんだったら言います。かなりの確率で妥協です。申し訳ない」
金谷「駅弁は妥協案じゃないっていうことをぜひとも今日お伝えしたいということで。まずこちらを見てください。日本地図なんですけれども、こちらがここ2、3年でお取り寄せを始めた駅弁をまとめたものなんです。傾向があるんです。白黒の線が新幹線なんですが」
マツコ「いわゆる、新幹線で直接行けない駅ですよね」
金谷「そうです」
マツコ「新神戸はあるけど、他は全部通ってないもんね」
金谷「そうなんです。ですからやっぱり新幹線通ってたら、東京駅とか大阪駅とか博多で全部今けっこう買えるんです。青森のとかでも」
マツコ「東京駅の下にある駅弁屋さん、すごいですよね。あそこ行くとちょっと旅行した気分になりますよね」
金谷「でも東京駅で買えないものばかり」
マツコ「それは確かに。あの今治の、あれきれい。今治の『瀬戸の押寿司』本当きれい。あれ駅弁?」
金谷「私もこれがお取り寄せできるって、その時沸きましたもんね」
マツコ「あれもちょっと。『えんがわ押し寿司』。珍しくない?」
金谷「それ言ってくれてうれしい」
マツコ「あらやだやだ」
金谷「これ本当にすごいの」
マツコ「ちょっといいところ押しちゃったみたい。あれでおいくらぐらい?」
金谷「1000円はちょっと超えるかもしれない」
マツコ「あれだけの量のあのえんがわ、普通のお寿司屋さんで頼んだら大変なことになるよね?」
金谷「大変です、あのレベルのえんがわは」
マツコ「だからお得よね。でもあたし冷えたご飯って実はちょっと苦手な口なのよ。だから最後ウキウキで駅弁買うのって『ますのすし』くらいかもしれない、富山とか行ったときの。あれは帰りあたし2つ買っちゃうもん」
金谷「あの大きいやつ?」
マツコ「いやいや、普通の。そもそも大きいやつあそこで開けてたら、あたし思うつぼじゃないですか。通り過ぎる人見たら『やっぱり!』っていう。小さいのを1個だけ買ったふりをして、人が見てない間に俊敏にすり替えて2個めにいくっていう」
金谷「今お取り寄せできるんです。これを今までだったら電車で5時間も6時間も行かなきゃ食べられなかったものが、お取り寄せで家に届いちゃう」
マツコ「でも、どう?取り寄せてでも食べたい?」
金谷「なぜ私がここまで駅弁に魅了されたかということで。プロフィールを紹介させてください」
マツコ「プロフィールお聞きしなくても、みなさんだいたいわかってらっしゃる」
金谷「あらそう?意外にね」
マツコ「『駅弁王子』っていう通称があったことは初耳よね」
金谷「24歳で、趣味で全国にある史跡探索。それの移動中に駅弁を食べまして、魅力に取りつかれる。史跡を巡るときに」
マツコ「なるほど、それをしているうちに移動中にそれを食べるようになって」
金谷「そもそも史跡ってすごい変な所にあるから、そこに行って帰ってきたら、ご飯食べてる時間ないんですよ。もう帰らなきゃいけないから」
マツコ「もう汽車の時間が決まってて。駅弁ってそういう意味ではありがたいわね」
金谷「最初は『峠の釜めし』でした」
マツコ「やっぱりさ、あの素焼きの釜に入っているのって、あれ大変だと思うよ、ずっと続けているの」
スタッフ「今紙ですよ」
マツコ「えっ?」
金谷「今峠の釜めしが紙になっちゃって」
マツコ「え。うそでしょ?いつから?」
スタッフ「東京駅に売られているのは」
金谷「軽井沢に売られているのはちゃんと素焼きのままです。そのあと36歳の時に一応16歳年下の女性と結婚」
マツコ「まー!ちょっとみなさん。36歳の時に16歳年下。20歳よ」
金谷「彼女の成人式の時、紋付き袴着て、迎えに行って、そのまま市役所行って、入籍しました」
マツコ「ハレンチ。え、本当?」
金谷「生徒だと思っているでしょ?」
マツコ「違うの?」
金谷「違うの。大学の研究室みたいなところで、出入りしていた時に、そこでバイトしてた」
マツコ「今も仲良く?」
金谷「いや、44歳、駅弁にハマりすぎて離婚」
マツコ「でもそれを見る限りは、また新たな出会いはなさそうね」
金谷「ないですね。理想だったの、前の嫁」
マツコ「なに公共の電波を使って『もう一度戻ってきてくれ』みたいな」
金谷「それで離婚した時に、離婚の傷を癒してくれた『鯛めし弁当』、今治駅」
ナレーション「離婚の傷を癒してくれた鯛めし弁当を売っているのは、愛媛県今治駅」
マツコ「うわー、良い所。こんな曇っててこんな良いんだからね」
金谷「そうです、晴れてたら良かったんですけど。今治駅は新しくなりました。こちらを降りまして改札を出て左側。これ『二葉』さん。大正13年からずっと続いているんです。こちらです。私の傷を癒してくれた鯛めし弁当。930円ということで」
マツコ「すごいね、離婚の傷も癒せるんだから」
金谷「見て。来島海峡の真鯛」
マツコ「言い方悪いけど、お弁当にするのもったいないと思っちゃうんだけど。良くないわね、この発想はね」
金谷「これオーブンで丸焼きです」
マツコ「そのまま食いたい」
金谷「すごいでしょ、正月みたいでしょ」
マツコ「ああ、これはおいしいよ」
金谷「ちゃんと手作業ですよ、おばちゃんが。よその食べないって言ってました。お米と鯛の身と。骨ごと炊き上げる」
マツコ「おいしそう。この状態がいい」
金谷「それで鯛の身を上からまぶして完成」
マツコ「またパッケージも良い。こういうのがいいのよ。もしかして、あそこで作っておいた時の状態くらいの温度にしてるの?」
金谷「そうなんです。これがお取り寄せのひとつの魅力なんです。自分のいい感じの温かさにできる。それが楽しい」
マツコ「これいい香り。これはウマいよ。今ね浮かんだのは、『駅弁とは思えない』って言葉が浮かんじゃったのよ」
金谷「いいと思います。妥協案じゃないってことですから」
マツコ「本当にお店でいただいている鯛めし。あたしだって絶対これお取り寄せしようと思ったもん」
金谷「手作り感がね」
マツコ「ちょうどいい。これ本当に奈良漬もおいしい」
金谷「付け合わせがおいしい駅弁の会社は、どれを食べてもハズレがない。これ私の中でなんですけど」
マツコ「だから今治にもし本当に行けるんだったら、瀬戸内の海、海岸が見えるようなところ乗って、きれいな海見ながら食べたら本当にすばらしいだろうね。コロナ明けは四国か?今日決めますあたしは。今日の駅弁でコロナ明けどこに行くか。あたくし決めます」
金谷「私の人生で欠かせない駅弁ということなんですけど、最大の魅力というのがこちらでございます。駅弁の魅力とは、ご当地が知れる最高の歴史書だと。これご当地の食とか文化。しかも鯛めしって、めでたいってあるじゃないですか。『めでたい』ってダジャレだと思われてる方多いんですけど、起源はこの鯛めしにあるって言われて。神功皇后という方が、朝鮮半島の南に渡るときに、この伊代に寄るんです。寄ったときにこの神功皇后に献上されて、無事に戻ってこられてそこから縁起物とされたという説もあるんです」
マツコ「それが今の鯛がおめでたい時に使われるおおもとになったんじゃないかと」
金谷「そういうふうに言われているということです」
マツコ「やっぱり今治ってなにかあるのよ。あたし今治にすごい興味あるの。肉乃小路ニクヨさんも今治に行きたいって言ってた。女装を引き付けるなにかがあるのよ、今治に」
《日本の近現代史と駅弁の歴史、今すぐ取り寄せたい駅弁3選》
金谷「このように歴史の文化が詰まっている駅弁っていうことですけど、日本の近現代史は駅弁の歴史と重ね合わせることができる。ですから今回、駅弁の歴史、それについてお勉強していただこうということで」
マツコ「ありがとうございます、こんな大金がとれる授業をこんなやっていただいて」
金谷「分かる教材を持ってまいりました。こちらでございます。まず鉄道開通が明治の頭です。そのあとに10年くらいしてから駅弁ができるんですね。これがなにかというと、こちらです。おにぎり系駅弁ということで。昔ながらのゴマをまぶしたものと、たくあん2切れ。竹の皮で包む。これ宇都宮駅で出ました」
マツコ「そうだね、宇都宮はちょうどグーグー腹が鳴る頃よね、きっとみんな」
金谷「そうなんです。当時でも東京から宇都宮まで4、5時間かかりましたから。それが明治時代終わりから昭和初期、戦前ですね。だんだん路線が拡大するんですけど、一般人が旅行するにはやっぱりちょっと高い」
マツコ「相当富裕層の方が乗るものだったのね」
金谷「もしくはお嫁入りする時とか、すごい特別な」
マツコ「人生の一大事の時に使うもの」
金谷「ですからハレの日にふさわしい駅弁ということで、こちら。上等駅弁」
マツコ「うわー、本当に幕間とかに食べる。明治座とか新橋演舞場の幕間弁当だよね。今の駅弁の感覚ではなくて、もう二度と乗れるかもわからないこの特急電車で、おいしいものを食べようね、っていうものだったんだ。そりゃすごいわ。本当に勉強になっています、当時の鉄道事情」
ナレーション「その後、高度経済成長期を迎え、人々の生活水準は飛躍的にアップ。旅行中、普段食べられないうまいものを食べたい、という欲求に合わせ、名物が豪快に乗った岩手県一ノ関駅の『平泉うにごはん』や、北海道長万部駅の『かなやのかにめし』など、寿司めし系駅弁が登場。この寿司めし系の中で、金谷さんが一番注目しているのが静岡県の修善寺駅で売っているあじ寿司」
金谷「三島駅から伊豆箱根鉄道に乗りまして、修善寺に参ります。この修善寺駅を降りまして、改札の左手。『舞寿し』さん。お寿司屋さんのように見えますけれど、駅弁屋さんでございます」
ナレーション「こちらが『武士のあじ寿司』。完成までに3日間もかかる」
金谷「武士と書いてたけしという。NIKKEIプラス1で専門家が選ぶ駅弁ナンバーワンになった」
マツコ「見るからにおいしそう」
金谷「駿河湾で育ったこの肉厚なアジ」
マツコ「これアジ?でかっ!」
金谷「こういうやつ、地元でしか食べられない。塩をつけて一晩寝かせます。これだけじゃないんです。酢でしめて、またもう一晩」
マツコ「えっ。2日かけて作ってるの?」
金谷「グルタミン酸とかうまみを凝縮させていくんです。小骨を取るんです。これ食べて小骨を感じたことないんです」
マツコ「これはすごい」
金谷「違うの。これお取り寄せがすごいの。2人前でこの大きいダンボールが届くんです」
マツコ「2個入ってるだけでしょ?」
金谷「何が入ってるか、ご覧ください。あじ寿司セット2人前。ただ2.5人前あります、量的には。シメアジ入ってます、お米も入ってて、ワサビとおろし金も付いてて。箱は空なんです。自分で炊いちゃうの」
マツコ「やだ、炊かれちゃうの?やだ〜」
金谷「おうちで炊いて〜」
マツコ「やだ〜、おしゃれ」
金谷「お店の味が自宅で味わえるし」
マツコ「これすごいね。ワサビも大産地だもんね、あのへんね。温かいごはんにこれだけでいいわ」
金谷「実はここの駅弁屋さん、ワサビが余っちゃうので。だからこのワサビとおかか。ごはんの上にワサビとおかか、醤油」
マツコ「それでいいの」
金谷「いただきます」
マツコ「…酒。日本酒」
金谷「香りがするの分かります?下に乗ってるでしょ?」
マツコ「乗っちゃってるのよ。わかる?みなさんこれ。いい香り。桜の塩漬け。桜も名物っちゃ名物よね。本当に小骨が一切ないね」
金谷「そうそう。もうそのストレスゼロ」
マツコ「丁寧なお仕事よ」
金谷「お酢の加減とかゴマの感じとか」
マツコ「おいしい」
金谷「でしょ。取り寄せただけでこの味が自分で作れちゃう」
マツコ「すばらしい。普通にこれをお皿に盛って出したら、奥様料理上手だって近所で評判よ」
金谷「駅弁の歴史に戻りますけれども、昭和中期にあるものが誕生して、旅が身近なものになりまして台頭してくるのがこちらでございます。軽食系駅弁。たとえば有名なもので『大船軒サンドイッチ』」
マツコ「初めて食べたときびっくりしたんだけど、本当においしいよね、これ」
金谷「見た目から想像できないよね」
マツコ「全然想像できないよこれ。奥深い味。これびっくりする」
金谷「あるものが誕生して、この軽食系駅弁というのがワッと出てくる。これ何が誕生したか」
マツコ「昭和中期?」
金谷「昭和39年」
マツコ「あっ、新幹線」
金谷「はい、正解です。新幹線です。新幹線が誕生してその結果駅弁の下剋上が起きるわけです。今までおまけだった駅弁がのし上がってくる。今までだと東京から大阪まで8時間かかりました、特急で。それが4時間で行けるようになったのでどうなるかというと、そこの現地に行ってから食べたい、でも小腹はすいてる、みたいな。だったらということで」
マツコ「わかります。東京駅ではどんなに腹が減ってても買うまい、現地に行って食べよう、と思うんだけど、あたしは買ってしまう。そして小田原に着くころにはもう食べ終わっている」
金谷「昭和の終わりから平成初期です。バブル経済です。妥協案じゃない、妥協したくないっていう人たちが出てくるわけです。その妥協したくない人たちに対して、駅弁界が出した提案、こちらでございます。あったか系駅弁」
マツコ「特に牛肉乗せた系をあったかくするやつとか。一大ブームになったもんね」
金谷「引っ張るやつですよね。生石灰というのが入ってて、生石灰と水が混ざることによって熱が出るという。これまさしく駅弁の世界の鉄砲伝来ならぬ、石灰伝来。プシュっと引いてパン!」
マツコ「歌舞伎の家に生まれたらよかったのにね」
ナレーション「加熱式容器の発明を機に、仙台駅の『極選炭火焼き牛たん弁当』や松阪駅『松阪でアッツアツ牛めしに出会う!』などあったか系駅弁が一大ブーム。そして今、金谷さんのあったか系のイチオシ駅弁が」
金谷「江戸の食文化に舌鼓、『日本橋玉ゐ』さんの『あったか特選玉ゐ箱』」
ナレーション「国内でも珍しい、天然あなご専門店、『日本橋玉ゐ』。使用するのは煮込むととろけるような食感がたまらない天然あなご。これを職人が一匹一匹丁寧にさばき、秘伝のタレでじっくりと煮込むことで、ふんわりとした仕上がりに。最後に濃厚なツメをつけて表面をこんがり焼けば、『あったか特選玉ゐ箱』の完成」
マツコ「うわ、温かくなってるよ」
金谷「中開けていただきますと、あなごでございます」
マツコ「もったいないです。うわー、贅沢食い。ちょっとこれはもう駅弁じゃないですよ。駅弁なんだろうけど。これはね、本当においしい」
金谷「玉ゐさんがもともと寿司職人さんが集まって、江戸前のおいしいものを作ろうっていうことで、それでできたところ。その寿司の技術ですよね。あなごの煮方とか、卵焼きとかに表れているわけなんです」
マツコ「おいしい。卵焼きおいしい」
金谷「寿司職人ですから」
マツコ「うわっ、コンニャクおいしい!いやーっ、全種類ウマかった。すごいこれ」
金谷「しかもお値段がお安くはないですけど1650円」
マツコ「いやいやいや、食べたらわかる。これ東京駅とかで売ってるの?」
金谷「そうです、東京駅です」
マツコ「どこで売ってるんだろう、東京駅の」
ナレーション「これが売られているのは、東京駅八重洲北口改札の目の前。昨年オープンした『プレシャスデリ東京』」
金谷「去年から」
マツコ「去年からか。そりゃ知らないわけだあたし」
金谷「そうなんですよ。しかもすぐなくなってしまうので、私も一度か二度くらいしか遭遇できてない」
マツコ「これはすごいね」
金谷「紹介したらますます遭遇できなくなるんじゃないかっていう」
マツコ「やめます?これたぶん紹介しないほうがいいよ。2分くらいで売り切れちゃうぞ。これはあたしどういう形でかわからないですけど、絶対にリピーターです」
ナレーション「平成に入ると、駅弁文化に新たな流れが。一流シェフや高級食材が注目される、グルメブームが到来。駅弁を取り扱っていなかった『叙々苑』や『分とく山』などの高級店が参入し、ブランド系駅弁が台頭」
金谷「これはなにかと言いますと、完全に駅弁界の黒船だと思うんです」
マツコ「恐ろしい」
金谷「この黒船来航で、さまざまな戦いが起こるんですよ、駅弁界で。そこの中で私が注目してるのが、鶏めし戦争」
マツコ「確かにですよ。あたしは鶏めし大好物なので」
金谷「今まではかしわめし一択だったんですよ。かしわめしというのは国産種です。純国産種です。そのかしわめしを倒そうと、名古屋コーチンとか比内地鶏、新しい鶏たちが」
マツコ「全部おいしいですけどね。手強いですよ、初代は」
金谷「こちら、『名古屋コーチンとりめし』」
マツコ「ブランド鶏の元祖みたいな鶏よね」
金谷「これが勝てるかどうかっていうのが、私も注目しているんですけど」
マツコ「けっこうオーソドックスな感じの見た目で攻めてきたわよね」
金谷「上に乗ってるものは名古屋コーチンの新しいも感じで作ってます。それはモモの照り焼きですね」
マツコ「これ何十年も出てますって言っても、納得できる味よね。ごはんがウマい」
金谷「これもち米。おこわです」
マツコ「やだ、食べちゃう。おいしいんですけど」
金谷「ごはんは名古屋コーチンのエキスで炊き込んだというものなんです」
マツコ「おいしい。パッケージもそんなに。最近は本物志向なのかな?」
金谷「要は定番になろうとしてるんですよ。戦いを挑んでるから」
マツコ「完全に本気よね。ド定番にしようとしてるよね。でもその本気がすごいわかる。いやウマいですわ」
《駅弁の最新トレンド、〇〇系駅弁》
金谷「実は今、新たなトレンドが起きているんです。今けっこう世の中いろんなジャンルが細分化されてて、みんなそれぞれ好きなものを好きなだけ、You Tubeもそうですし、なんでもそうなんですけど、そういうのを選ぶ時代。その波が駅弁界にも押し寄せてきている。それが一体何かと言いますと、こちら。駅弁界の最新トレンド、マス系駅弁。私が作った言葉なんですけど、いわゆるマスで区切られた駅弁ってことです。昔からあるとは思うんですけど、これがだんだん進化してきて、だいたい9マスとかから始まって、今なんとこちら24マス」
(新青森駅「ひとくちだらけ」)
マツコ「今つっこもうと思ったけれど、名前が『ひとくちだらけ』だったから許すわよ。でも、ちょっと一杯新幹線でひっかけようとおもったら、ツマミにするには最高ね。これあったら、絶対これと酎ハイとか買うわ」
金谷「そうそう。いいでしょこれ。だってコスパ、1マス56円」
マツコ「これはお父さんの気持ちちゃんとわかってる人が作ってる」
金谷「妥協じゃないよね」
マツコ「うん、これはお父さん泣いて喜んじゃう」
金谷「それで私がオススメしたい最後はこちらです。お酒がススミマス、JR山陰本線鳥取駅、アベ鳥取堂『鳥取の宴』」
マツコ「鳥取?らっきょうぐらいしか思い浮かばないんだけど。申し訳ないんだけど」
金谷「いやいや、だからそういう方がこういうの食べていただいて、鳥取ってこういうものがあるんだねって」
マツコ「なるほどね。鳥取の産地でとれたものによって、そこの名物を知るっていうね。何からいこうかな。これなんだろう?」
金谷「鳥取の名物のとうふちくわというものです。地元の食に地元のお酒。合うようにできてるんです」
マツコ「あたりまえでございます。ちくわウマい。とうふちくわもウマいけど、あごちくわもウマい」
金谷「お取り寄せですからねこれ」
マツコ「このちくわ作ってるお母さん、見てくださってるかしら?あたし食べてます」
金谷「見てると思います。喜んでると思います」
マツコ「いつ旅行行けるかもわからないし、しばらくお取り寄せするか」
金谷「いいと思いますよ。それで行きたい所を探す」
マツコ「コロナ明けたらこれ最後買って、鳥取から。だからあの辺にするか?復帰祝い。京都行って。ちょっと京都も行かせて。鳥取だけだと賭けになるから。…やめなさいよ!失礼よ鳥取に」
〜完〜