2021/07/06放送
マツコの知らない世界
https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/
'ガールズバンドに人生をささげる2人組'
寺田恵子(テラダケイコ)さん(以下、寺田)
SAKIさん(以下、SAKI)

マツコ「でた!出たわよみんな」
寺田「来ちゃいました」
マツコ「来ちゃったよ。この人とんでもないんだよ」
寺田「とんでもないってどういうこと?」
マツコ「だってとんでもないじゃない。あのね、だからなにがいいかって言われて、ここがオススメです、なんてそんなことは言いませんけど。わかりやすく言うとよ、これはあたしあんまり言いたくないんだけど、わかりやすく言うと、女性のみのバンドであんなえげつないことをやっていたバンドはたぶん世界的に見てもそうはないのよ。もちろんだからそういうのを全く抜きにして曲がよかったりして好きになったんだけど。知ってなんでハマったかっていったら、そこが大きかった。どんどん野郎どもをなぎ倒していってほしいっていう、その感情みたいなものも乗っかりながらの。導入が長くなっちゃいましたけれども。『HARD WAY』というアルバムがあるんですよ。最後のね。ここからだっていう時に、この人やめちゃってね。こっちは『ようやくきたぞ、ここからがSHOW-YAの本番だ』くらいに思ってたら、やめるの?って。『HARD WAY』を聴かされたとき、ここまでだったかSHOW-YAはっていう」
SAKI「これを本当に女性がやっているんだ。しかも日本でっていうのが、すごく衝撃的で。ガールズバンドってかっこいいっていうのをそこで」
寺田「ありがとうございます」
マツコ「いけー!って思ってたらやめたの。この人やめたの」
寺田「さあ、本題に入っていいですか?」
マツコ「青春を返して」
寺田「そうやって何回もいろいろSHOW-YAのこと言ってくれてるので、プロフィールなんか出しちゃったり」
マツコ「うわー、『しどけなくエモーション』。やだ。あたしはほらずっと好きで見てるからちょっと笑っちゃうんだ。デビュー頃のSHOW-YA」
寺田「自分たちも笑いますよ」
ナレーション「1981年、SHOW-YAとして始動。最初は事務所の意向でポップスバンドとして活動していた」
♪しどけなくエモーション
寺田「一番最初に買いにいかされたのが白いジーパン。白いジーパン買いにいかされて、原宿に」
マツコ「あと清楚って一言では片づけられない格好してるわよ。片鱗は見えてるからな。簡単に清楚とか言うなよ。ただの清楚じゃなかった。でもみんな見たでしょ、姉さんのポテンシャル。姉さんに限らずみなさんのポテンシャルを。ちゃんとやってもきれいな人たちなのよ。でもね、このあとオーメンが始まる」
寺田「それじゃオーメンを見てください」
♪限界LOVERS
寺田「このくらいからたぶん私は自分でいようって思ったくらい」
マツコ「『限界LOVERS』はなんか今までは普通に巷で流れてるもののひとつだったんだけど、これくらいからSHOW-YAを応援するわって決めて」
マツコ「その後、ハードロック界の女王としてガールズバンドを牽引しつつ、脱退などの危機を乗り越え2005年SHOW-YAに復帰。現在は女性だけの祭典『NAONのYAON』を主催。ガールズバンドたちを見続けているのだ」
寺田「後輩いっていいですか?」
マツコ「後輩ちゃん、いこう」
寺田「後輩のSAKIです」
SAKI「すみません、ざっと自分のプロフィールを紹介させてくださいませ」
マツコ「すごいわね、姉さんは堂々と57歳って書いてあるのに、あんたは年齢不詳でいくのね」
SAKI「そうです、ちょっとすみません」
寺田「そうなんです、ずるいなと思って」
SAKI「すみません。もともと中学くらいからクラシックギターをやってたんですけど、高校生のときにテレビで見た『聖飢魔Ⅱ』の恐怖の復活祭というのが、期間限定再集結をされたときのミサの映像を見まして、心に秘めたロックが目覚めると書いてあるんですが。それをきっかけに私も悪魔のようにギターを弾きたいと思いまして、エレキギターに転向をした」
マツコ「高校の時からギターを始めたんだ」
SAKI「そうです」
ナレーション「そしてギタリストとしての道を選んだSAKIさんは、現在2つのバンド(『NEMOPHILA』、『Mary's Blood』)で活動」
♪DISSENSION
マツコ「ちゃんとチェックしておりますよ。すごいいいなと思うのがね、ギャップがすべてではないけど、きれいな女がガンガンギター弾いてるっていうのが」
寺田「髪振り乱してね」
マツコ「そうそう。あたし男子プロレスより女子プロレスが好きなの」
寺田「わかります。わかりますって、ごめんなさい。プロレスラーになろうと思ってた」
マツコ「当時SHOW-YAの仙波さんってベースの方は、飛翔天女って言われた豊田真奈美にそっくりでね」
寺田「そっくり。今でも思う」
寺田「私たちがどうしても伝えたいこと」
マツコ「姉さんなかなか進行が上手よね」
寺田「いやいや、もうなんかドキドキなんだけど」
マツコ「やっぱりジャンルは違えどベテランだわ」
寺田「もう一回フリップ出してもらっていいですか。見た目とのギャップが世界で大人気。その魅力をもっと日本人に知ってほしい。今それこそガールズバンドっていうのはすごいたくさんいるんです。でもなかなか日本でみんなに認知されてないじゃないですか。でも世界ではすごく注目されてるんです。特に『BABYMETAL』はご存知ですか?」
マツコ「もちろん存じ上げております」
寺田「BABYMETALは2014年海外でやって、これバンドではないんだけれども、この見た目がすごくかわいい幼い。だけどサウンドがすごいヘビーで」
マツコ「これ後ろのバンドの人たちがえげつないもんね。当時世界のメタル界が賛否両論ですごかったもんね、出たときね」
寺田「彼女たちをきっかけに、海外のメディアも含めてなんだけど、日本の女の子バンドはもしかしてすごいんじゃないかってみたいなふうになってきてて。海外の人が日本のガールズバンドを探し始めたっていうのかな。その中では今もツアーとかをやっているロックバンドがいるんですけど、『LOVEBITES』という」
ナレーション「2017年にデビューした女の子5人組のメタルバンド、『LOVEBITES』」
♪Don't Bite The Dust
SAKI「ヘヴィメタル、ハードロックの世界で一番大きい祭典(『Wacken Open Air』)なんですけど、ここに初めて女性だけで出て」
マツコ「女性だけは初めてだったんだ?」
SAKI「初だと思います。海外でガールズバンド、いらっしゃるはいらっしゃるんですけど、みんな男の人みたいなんですよ。私は音楽をやってるのよみたいな」
寺田「SHOW-YAみたいなバンドが海外に多いんです」
マツコ「いやいや姉さん何言ってんですか。姉さんの当時の色気はえらいもんだった。あれはもう当時の全国の高校生が。やめましょう、これ以上言うのは」
寺田「当時の高校生諸君。姉さん熟女になりましたよ」
マツコ「みんな、姉さん今こうなっていますよ」
《ガールズバンド戦いの歴史》
SAKI「なんで盛り上がらないだろうというのは、こうではないかと考えております。日本のガールズバンドは男性バンドとアイドルの狭間でもがく存在。バンドっていうと男性のものっていうのがやはり大きくて。女性だけのグループだと今度はアイドルととらえられてしまう。てなると、ガールズバンドですって名乗っていても『バンドなの?』『アイドルなの?』ってところで本意でない見方をされてしまうこともあったりして、なかなか難しいところもあるのではないかと」
マツコ「難しいよね。誰に売るのかっていうことを考えたときに、絶対ターゲットがあるわけじゃない?音楽って。確かにガールズバンドってオタクの人をつかみづらいというか」
寺田「オタクの人は来ない。特にこっち系には」
マツコ「男性バンドってもちろん音楽性もあるんだろうけど、やっぱりかっこいいなとか憧れを女性が抱いて支持している側面があるじゃない。男の子がSAKIちゃんみたいな人にねってなってくると、なかなかそんじゃそこらの普通の男では太刀打ちできないから。難しい、ガールズバンドって」
寺田「でもがんばってる」
マツコ「がんばってるのよ。でも女性が宝塚を応援したりさ、もちろん今のアイドルのTWICEとかなんかAKBのグループでもいいけど、女の子のファンも絶対いるわけじゃん。その感覚でガールズバンド、きっかけさえあればハマる層、絶対いると思うんだよね」
マツコ「なかなかそれをメディアで紹介しきれてないなって。音楽番組とかそういうのは結局売れてる人しかテレビに出てこないので、これからがんばって世の中に出ようと思ってる人たちがいる場所が昔と違ってなくなっちゃってるから。昔は新人で音楽番組っていっぱいあったじゃないですか。それこそ2時間で老若男女、ジャンル問わずで出てる番組なんていっぱいあったのに」
マツコ「あれがおもしろかったのにね、あのごちゃ混ぜ感がね。だってそれこそ姉さんたちの次に演歌の人が歌ったりしてたんだからね。でも今好きなものを一個決めちゃうと、それの関連ばかりが入ってきて、ずっとその中で収まっちゃうようになってるから、もったいないなとは思うんだよね。この番組でこれを言ってもしょうがないか」
SAKI「1977年、時はもうピンクレディーさんとか、沢田研二さんとか、歌謡曲の全盛期の時代なんですけれども。日本ガールズバンドの祖と言える『ガールズ』がデビュー」
ナレーション「1977年にデビューした、5人組ガールズバンド、『ガールズ』」
♪野良猫
マツコ「おしゃれな音してるね」
寺田「そんなに今と衣装も変わらない」
マツコ「本当にびっくりした」
ナレーション「当時歌謡曲全盛期の時代に異色な存在として大きな話題となった」
マツコ「勉強不足。悔しい。勉強になった」
SAKI「続いてですね、1980年代前半の松田聖子さんとか中森明菜さんとか、アイドルが全盛期の時代にSHOW-YAが活動を始めまして。ガールズバンドというものにハードロックテイストを持ち込んでしっかりバンドというものにさせたのが1980年代前半ですよね」
ナレーション「ガールズバンドにハードロックを持ち込んだSHOW-YAだったが、当時はまだまだイロモノ扱いされていたという。しかし1980年代後半に転機が。『THE BLUE HEARTS』や『UNICORN』などの登場で、日本に一大バンドブームが到来。そんな中、ガールズバンドの知名度が上がる出来事が」
SAKI「ハードなSHOW-YA、ポップなプリプリ、ここの戦いが勃発しまして」
寺田「これわかりますよね?」
マツコ「これは思いっきり青春ど真ん中よ」
寺田「バンド自体はお互いに構成じゃないですか。キーボードがいて、ギター、ベース、ドラム、ボーカル。だから割と仲良かったんだけど、周りがどうしてもバーサスにさせたくて、そこにファンの子も乗っかってファンの子もバーサスでやってたんだと思う。『SHOW-YA派?プリプリ派?』みたいな感じで」
マツコ「ちょっと、SHOW-YA派見てよ。『硬派で水商売・オネエ界隈で人気』って。それだけじゃねえからな」
ナレーション「このバンドブームにより、ガールズバンドの存在が認知されプリンセスプリンセスのDiamondsは108万枚を売り上げ、ミリオンヒットを記録した」
マツコ「もうひとつ加えると、あたしたちの組合はちゃんと奥居香ちゃんの声の野太さには気づいていた」
寺田「私よりハスキーなんだよね」
マツコ「そう、全然ハスキーだからね。ああいうもちろんいろんなレコード会社とか事務所とかのあれもあるし、ああいう形では出てるけど、プリプリはプリプリで只者じゃないわよっていうのはオカマは気づいてたからね。ああいう一緒くたな書き方はするんじゃないぞ。どこにもオカマは顔を出すんだよ。ちゃんと見てたんだよオカマたちは」
ナレーション「音楽業界は1990年代に入ると、小室哲哉のTKサウンドや『SPEED』などのダンスミュージック、さらにはヴィジュアルバンドが日本を席巻」
寺田「それこそ安室ちゃんとかはすごいSHOW-YAのことが好きでって言ってくれて、いっしょに歌ったこともあるし、アルバムの中でも歌ってもらったことがあるんだけど。好きなんですよ、みんないい人なんですよ。でも自分の中では暗黒の時代なので、TKサウンドの時代が一番嫌い」
SAKI「バンド全体が元気がなくなってしまった時代ではありまして、停滞期としているんですが。他方で『少年ナイフ』さん、『ロリータ18号』さんっていうのは本当に海外ですごく評価されて」
ナレーション「1992年にメジャーデビューしたスリーピースバンド、『少年ナイフ』」
♪Cobra Versus Mongoose
寺田「少年ナイフは全英ライブでニルヴァーナとライブをやるんだってウワサが入ってきて、うわすげぇってちょっと思ってた」
マツコ「いい意味で変な肩の力が入ってない世代の始まりよね」
SAKI「今でもロリータ18号さんも少年ナイフさん、今年またイギリスでツアーをやられたりとか。本当に日本のガールズバンドが海外で活躍していく基盤を作ったバンドさんなんです」
寺田「えらいなってやっぱり思う。日本でTKサウンドが流行ると、ロックバンド自体が行き場がない中で海外に飛び出していける強さみたいなのはすごいうらやましい」
マツコ「もっといけたんですけどね、あなたたちは。やだどうしても蒸し返しちゃう」
寺田「始終そこに行き着きますか?」
マツコ「どうしても蒸し返しちゃうあたし」
SAKI「そんな暗黒の1990年代が終わりまして、2000年代には一気に『モーニング娘。』さんのようにアイドルブームがここで到来しました。おそらくアイドルの一環みたいなこともあったとは思うんですけど、女の子たちがバンドをやるガールズバンドにまた脚光が集まりまして」
ナレーション「2000年頃にはモーニング娘。の活躍により、空前のアイドルブームが到来。冬の時代が続くかと思われたが。そのアイドル性を取り入れた『ZONE』や『Whiteberry』が爆発的にヒットし、日本レコード大賞新人賞を受賞するなどガールズバンドに脚光が」
寺田「かわいいっていうか、本当みんな子どもだったから。昔はバンドっていうのはだいたい高校くらいから楽器始めて、高校時代に文化祭とかそういうのでバンド組んだりとかするんだけど。もう普通に子どもなので、小学生とか中学生とか」
マツコ「でも今こうやって聞き返すと、よくできた歌よね」
寺田「耳にも残るし、今でもみんな受け継いでっていうか、歌っている人が多い」
SAKI「Whiteberryさんだったり、ZONEさんの曲は一気にヒットしたんですが、2010年代、つい最近になると演奏している方たちのメンバーさんたちの演奏技術だったりとか音楽性みたいなレベルがかなりここで一気に上がりまして。ここで挙げさせていただいてるのが『チャットモンチー』さんと『SCANDAL』さんなんですけど。チャットモンチーさんはメジャーデビューから最速2年4か月で武道館のツーデイズもやられていたり。この『シャングリラ』っていう曲でも実はここが変拍子になっていたりとか、こんなかわいい、みんなかわいいのにさらっと難しいこと入れてくるとか。ガールズバンドというかバンドとしてのレベルがかなり上がっている年代」
ナレーション「2008年にデビューした『SCANDAL』は、その見た目とは裏腹に高い演奏技術を駆使し若者たちに大きな影響を与えた」
♪少女S
SAKI「自分の周囲とかだと、『けいおん!』、『SCANDAL』、『チャットモンチー』の影響ってすごく大きくて。部活動とかでもチャットモンチーやりたいからみんなで楽器やろうよみたいなふうになったりして。すごく周りの女子にも影響を与えていたと思います」
マツコ「あと、実際はすごいことやられてるんだけど、できそうだなって思わせるのも大事だよね。このへんの曲は無理じゃん。聞いた途端に『なにこれ?無理だしあたし』っていうさ。これ親近感はどっちかって言ったらある気がするのよ、今でも。SAKIちゃんみたいな人にもっとがんばってもらって。まだかわいいが残ってるもん。姉さんたち、なにもかも捨ててやってたのよ」
寺田「だからねまだまだ若い人たちは捨ててないとかってやっぱり思うもの」
マツコ「もうモテを一切捨ててやってたのよ。まあでも今はSAKIちゃんみたいなくらいが」
寺田「人生を捨てなくてもやれる時代がきたっていうこと」
マツコ「あたしたちはついつい『捨てろ』っていうのよ。『覚悟が足りない』ってすぐに言うんだけど、そういう時代じゃないのよね」
《新時代に突入!多様化されたガールズバンドたち》
ナレーション「時代を彩ってきたガールズバンドたちだが、実は今、その系統を引き継ぎ進化させたガールズバンドたちが続々登場している。ここからは寺田さん、SAKIさん厳選、新時代のガールズバンドたちをジャンル別にご紹介」
寺田「私はこの中で下がちょっとあまりわからない。上のほうはもうみんなわかる」
マツコ「上の要はハードめなほうはね」
寺田「ハードめなほうはわかるけど、下のほうがちょっとわかりづらい」
マツコ「ちょっとあたしも存じ上げないバンド半分くらいだわ」
SAKI「マツコさんは見た目だけで気になるバンド」
マツコ「あたしがそれ言っちゃったら、そりゃ姉さんがかわいがってる系ですわ。あたしゴリゴリですから」
寺田「そうね、ゴリゴリ好きだもんね」
マツコ「そうなのよ。あたしもう足りないくらいですよ。もうちょっと盛ってほしいくらいですから」
SAKI「このハードロック系でいうと、『BRIDEAR』っていうバンドもヨーロッパで『LOVEBITES』と同じくいっぱいツアーとかを回っていて、海外ですごく人気。火もボンボン使って、ド派手な感じで。こういう激しい音楽性のSHOW-YAさん直系サウンドなんです」
♪Ghoul
SAKI「『NEMOPHILA』の一番左のむらたたむちゃんっていうのはドラマーなんですけど、去年出産しまして今一時の母」
寺田「本当に化粧しないで普通にパッと立ってたら小学生か中学生かみたいな見てくれなんだけど、すごいテクニックで、子どもがるんです」
マツコ「でも本当それも今っぽいよね」
寺田「子どもを産んでもまたこの世界に戻ってこられるって、考えられないじゃないですか」
SAKI「この曲(「雷霆-RAITEI-」)のレコーディングはたむちゃんは産後1か月くらいでこのドラムは叩いていました」
マツコ「いわゆるSHOW-YAみたいにあんなバスドラボコボコじゃないけど、すごい上手よね」
寺田「SHOW-YAの一番速いテンポ、みんな知ってる『限界LOVERS』とかテンポより明らかに速いし。ずっと踏みまくってるし、弾きまくってるしみたいな」
マツコ「あっさりやるのね」
寺田「そう。だからずるいなって」
マツコ「だって姉さんのときは威嚇だったんだから。『私今バスドラ踏んでますよー!』っていう。今はもうトコトコトコってやるのね」
寺田「サラっとやってのけて」
マツコ「ドラとか鳴らしちゃってたんだから昔は。『私今叩いてるわよ!』っていうね。『聴け!おまえら!』ってあれ威嚇だったから」
SAKI「ポップな音楽性を持っているバンドということで、『SILENT SIREN』さんを挙げさせていただいた」
マツコ「そのアー写だけだと、『(アー写)』って入れといてもらわないとわからないよね」
♪ハピマリ
寺田「デビューするときに対談させてもらったんだけど、読モって言われることをすごく毛嫌いしてて。私なんかどんどん売りにしちゃえばいいのにって思ってたんだけど。『読モでーす、でもバンドやってまーす』ぐらいやればいいのにと思ってたんだけど、ご本人たちはそこを売りにされるのはイヤだって言って、ちゃんとした演奏をしていきたいんだっていうのを言ってたときにちょっとなんかグッときた」
マツコ「そうね、読モってわざわざ書かなくても、あのビジュアルであの演奏しているっていうそれだけですごい目を引くことだから。わざわざ読モって言う必要はないよ、もうあれで十分だよ。こんな時代になったかって思うよね」
寺田「New時代ですよ」
マツコ「New時代って。無理してNewを使っちゃってるから。新時代でいいじゃないのよ。ニュージェネレーションね」
寺田「新時代突入」
ナレーション「そしてチャットモンチーのような高い音楽性を引き継いだのが、大阪出身のスリーピースバンド『Hump Back』。高度な演奏力で若者たちから絶大な支持を得ている」
♪拝啓、少年よ
SAKI「下の段いかせていただいて。『少年ナイフ・ロリータ18号系』としていますが、海外ですごく評価の高いパンサウンド、ジャパニーズパンクサウンドが基盤になっているということで。『東京初期衝動』さん、『CHAI』さん、『カネヨリマサル』さん、名前を挙げさせていただきました。この『東京初期衝動』さんはアーティスト写真がプリクラな時点で、イマドキ感がかなりあるんですけど。SNSですごく話題」
ナレーション「2019年にデビューした、今注目の新進気鋭の4人組バンド。全員が『銀杏BOYS』の大ファンで、その影響もあり激しいパンクロックの生々しいサウンドが若者を中心に人気となっている」
♪再生ボタン
SAKI「『CHAI』さんんもパンクというよりはいろんな音楽性を吸収していろんなところで活躍されているんですけど」
♪N.E.O.
マツコ「おしゃれね」
SAKI「『NEOかわいい』っていうのがキーワードになっていて、新しいかわいい日本らしいバンドということでやってらっしゃいます。ビデオもこんな感じで、すごい彩りで」
ナレーション「さらにSNSで話題沸騰中の『カネヨリマサル』はパンクサウンドに青春ロックを取り入れた」
♪もしも
SAKI「カネヨリマサルっていうのは架空の人名をイメージして」
マツコ「架空の名前なのね」
寺田「おじいさんの名前じゃないんだ」
SAKI「おじさんの名前みたいにしたかったというふうに」
寺田「なんだ、架空のおじいさんね」
マツコ「たださ、すごい海外でもウケそうだなっておもうんだけど、残念なのは海外もバンドが下火じゃん今」
寺田「ロック全体がっていうか。どうしてもね、音楽がいっぱいありすぎるし、ジャンルもありすぎるし、数も多いし、それこそYouTubeとかそういうのでそれこそライブ見にいかなくてもネットで見れちゃったりとか。フェスも全部ネットで見れる時代になっちゃってるから。その部分ではすごい大変だなとは思うんだけど」
マツコ「アメリカも今いわゆる王道の『今これが流行ってます』みたいなジャンルがないもんね。昔はそれこそマイケル・ジャクソンとかマドンナとかがいた頃はさ、わかりやすくこの人が今ポップなんだなっていう。ずっとみんなが好きなジャンルがあって。今アメリカで一番人気があるロックバンドって誰になる?」
寺田「ロックバンド?ロックバンドって誰だろう?」
マツコ「もうレッチリとか以降わからないんだけど」
(Red Hot Chili Peppers)
寺田「私もレッチリとかそのへんの時代しか」
マツコ「そのへんまでだよね、最近。レッチリ全然最近じゃねえんだもん。もうだめだわ。今それこそネットとかを使えば、絶対音楽って動きがあるじゃん。また戻ったりするじゃない。またロックテイストなものが支持をされる時って絶対来ると思うのね。その時に、日本人ってロック好きよね。世界的に見てもこんなにロックにがんじがらめになっている国ってないと思うのよ。ロックが生まれたアメリカとかイギリスとかですらこんなに今ロック信者っていないくらい多様化しちゃってるし。ヒップホップとかダンスミュージックのほうが強いから。ビートルズの洗礼を一番受けたのって日本人じゃねえのかなって思うくらい」
寺田「それこそ『QWEEN』が売れるきっかけも日本で爆発的にヒットして、QWEENが世界にそこから売れ始めたっていう歴史もあるくらいだから」
マツコ「すごい枯渇していた時にロックがポンって入ってきたじゃない、日本って。衝撃度合いが欧米よりもすごかったんだと思うんだよね、たぶん」
寺田「DNAの遠い遠い記憶の中に?」
マツコ「完全に染み込んだんだと思うんだよね、日本人の中にロックが。だからいまいち韓国って全然ロック人気ないんだって。やっぱりさずっと外国文化禁止で、解禁されたのが80年代だから。だからその時ってマドンナ、マイケル・ジャクソンじゃない。それでうちらのビートルズ的な洗礼を受けたんだと思うのよ。だからあんなにK-POPってそっち寄りで栄えたんだと思うんだよね」
寺田「そうだね、今売れてるやつもそうだね。BTSもね。だからロックをやってる国民がロックをやってる女の子たちを聴かないのかって、ずっと不思議でしょうがないの」
マツコ「なにを聴いてるの?でも結局アニメの音楽とかだってロックじゃんやっぱり」
寺田「ロックですよ。すっごいロックですよ。だからそういうの好きなのに、なぜこっちに来ない?って感じ」
マツコ「だから、もうちょっと待とう」
寺田「えっ。待つんですか?」
マツコ「もう大丈夫。姉さんはもうたぶんロック界の徹子さんみたいになってるから。大丈夫です、姉さん」
《進化系ガールズバンドの魅力①、男性にはマネできない「あざとさ」》
寺田「今のガールズバンド、本当に知ってほしい魅力です。男性には出せない最強の武器『あざとさ』。自分たちがデビューした時もそうだったけど、使えるものは全部使え。ネットがない時代にテレビとかで2分くらいしか流れないじゃないですか。その2分でお茶の間にどう印象付けるかっていう。だから女の人おなか出せる人はおなか出す、脚出せる人は脚出すとかね。そういう男の人ができない武器を利用して世の中に出てくっていうのが私の中であざといのかなって」
マツコ「それはめっちゃ大事。本当大事。それって男性ウケを狙ってて、一見フェミニズムとは反対をいっているようだけど、それを利用して女がのし上がるっていうのは、あたしはある意味すごいフェミニズムだと思うのよ、あたしの中では」
SAKI「最近海外のメディアからインタビューを受けることがあるんですけど、その時に『NAONのYAON』、ずっとSHOW-YAさんがやってたフェスのこと聞かれて、『日本は女性の地位がすごく低いことで知られているのに、なんでそういうものをやっているんだ』っていうふうに聞いてくるんですね。じゃあさぞかしあなたの国では女性バンドがいっぱい活躍して、NAONのYAONみたいなフェスがいっぱいあるんですかって聞くと、ない。それってSHOW-YAさん、恵子さんはじめとして、プリプリさんだったりみなさんが戦ってきた結果だと思うんです。日本ってすごいでしょ?って私はいつも思う、海外の人とやりとりしてて」
マツコ「もし向こうの連中に言われたら、声高らかにそれは言いなさい。おまえの国にSHOW-YAはいるかと」
SAKI「あざとさをもつバンドということで、衣装と世界観ということで。『BAND-MAID』さんをご紹介させてください」
寺田「知ってます?『BAND-MAID』」
マツコ「知らない」
寺田「すごいですよ」
ナレーション「2016年にメジャーデビューした『BAND-MAID』。その見た目は萌え重視のメイド服姿。しかしそのサウンドは」
♪Different
マツコ「今もメイドの格好しているの?」
寺田「今もメイドの格好してるし、海外とかですごい人気があって、やっぱり海外の人もメイド好きなんだなって思う」
マツコ「めちゃかっこいいわね」
寺田「彼女は小鳩ちゃんっていって、言葉の最後に『ぽ』ってつける」
マツコ「あんなMCするんだ」
寺田「でも演奏はすごい。だからそのへんもギャップ萌えのひとつじゃないけど、こんなかわいい子がこんなことをやって、それでまた演奏の派手なのが終わると『なんとかだっぽー!』みたいになってしまうっていうね」
ナレーション「他にも、あざとい衣装を着こなす、2020年にデビューしたガールズバンド『Aldious』。キャバ嬢スタイルでハードなメタル演奏をおこなうあざとさマックスで今若者に人気のガールズバンド」
♪Sweet Temptation
寺田「そして次、紹介します」
SAKI「続いては衣装ではなくて歌詞に注目して」
寺田「『すっとこどっこい』って読みます」
SAKI「これは女性にしか書けないあざとい歌詞。真骨頂ということで『Su凸ko D凹koi』さんを紹介します」
ナレーション「2014年にデビュー、普通の女の子が歌うその奇抜な歌詞に世の女性たちの共感を得ているスリーピースバンド」
♪ブス
SAKI「こういうかわいい声で『ブス』って強いワードを使いながら、自分の気持ちを発信していて。この曲は『私がブスだからあなたは私を捨てたの?』だったりとか、『この顔だからバイトも落ちるし水商売もできない』そういうことを赤裸々に語っていて。男性のバンドで『このブス』とか言っちゃうと、ちょっともうDV臭しちゃうじゃないですか」
マツコ「女性のバンドじゃない歌手の方が歌ったとしても、なかなか風当り強いよね。バンドの形だからできることかもね」
《進化系ガールズバンドの魅力②、「超絶テクニック」》
マツコ「みんな演奏がうまくなったね」
寺田「だから本当に自分たちが演奏もがんばらなきゃ、世の中に知ってもらわなきゃ、ってがんばってるときとレベルが違うので」
SAKI「続いての魅力がまさにそこなんですが」
寺田「ギャップがあるからこそウケる会場爆アゲ超絶テクニック。どうしても今日は知ってほしいバンドが。いろいろバンドを紹介したけれど、ちょっとこのバンドたちが世の中に出ていかないのはおかしいって思っているバンドを紹介する。ひとつめは超攻撃的&ド派手な最強ロックバンド、全員がテクニックモンスター『Gacharic Spin』です。ご存知ですか?」
マツコ「あたしちょっと申し訳ないけれどこれは存じ上げておりました」
寺田「知ってました?すごくないです?もう大好きで、自分のおなかを痛めて産んだ子だって言ってもいいくらい好きなんですよ」
マツコ「それ本気で思い出したらたいへんだからね、やめなさいよ」
ナレーション「見た目はかわいいアイドルのようなバンド、『Gacharic Spin』。中でも寺田さんがマツコに見てほしいというのが、ベースとドラムの超絶テクニック」
寺田「全員のパフォーマンスがすごいんだけど、とりあえず今日は古賀ちゃんのチョッパーとドラムのはなちゃんのパフォーマンスをみんなに知ってほしい」
♪赤裸ライアー
♪逆境ヒーロー
SAKI「本当に激しい曲を激しいドラミングをしているんですけど、それにも関わらずどれだけ高いキーでも全くぶれずに歌うことができるという。本当にドラムのはなちゃんもそうなんですけど、みなさんスキルの高いミュージシャンの集まりのバンドなんです」
マツコ「ちょっとアイドルの楽曲っぽいの。メロディーとかは。打ち込みの音を生音でやってるみたいな。ああそっか、こうやっていろんなジャンルがあっていろんなものをみんな聴いてくると、こういうことをやろうって思い出す人もいるんだなって思って。すごい怒ってる、さっきから」
SAKI「怒ってないですけど」
マツコ「『姉さん、ウチじゃないんですか?』っていう」
寺田「もう一組、超絶テクニックの持ち主を紹介したい」
マツコ「よかった。もう一個あったのね」
寺田「もうお気づきですね。ということで、男性に負けないSAKIの速弾き。実際に今日ここで弾いてもよろしいでしょうか。SAKIちゃんよろしくお願いします」
SAKI「マツコさんにちょっとお願いが」
マツコ「ていうか実際さ、生で見ると本当かわいいんだな。PVとかライブとかでかわいらしい子ねとはおもってたけど、本当にかわいいのね」
SAKI「ありがとうございます」
マツコ「それもまた姉さんの時と違うわよね」
寺田「違うの」
マツコ「やめなさいよ。きれいよ」
SAKI「マツコさん、お手数なんですけれども、『おまえも蝋人形にしてやろうか』というフリをいただいてもよろしいでしょうか」
寺田「お願いします」
マツコ「お前も蝋人形にしてやろうか」
♪蝋人形の館
マツコ「おおー、すごいね」
SAKI「ありがとうございます」
寺田「SAKIちゃん、緊張したでしょ」
SAKI「緊張しました。なによりも緊張しました」
マツコ「すごいですよ」
寺田「すごいでしょ。でも今やってるバンド、『NEMOPHILA』っていうバンドをやっているんですけど、そのバンドは本当にかっこいい。できればみなさんYouTubeチェックしてください。よろしくお願いします。『NEMOPHILA』と『SHOW-YA』よろしく」
~完~