2021/06/08放送

マツコの知らない世界

 https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 


 

《小麦の香り&コシを味わう!渋沢栄一も愛した埼玉うどん》

 

 

2020/07/21放送分

'埼玉を日本一のうどん県にする会 会長'

永谷晶久(ナガタニアキヒサ)さん(以下、永谷)



マツコ「あれ?お会いしたことある?」

永谷「覚えていただいてますか?」

マツコ「何の回?」

永谷「東大うどん部の名誉顧問」

マツコ「覚えてる、この回」

永谷「放送で41秒くらい流れたんですけど」

マツコ「41秒数えたか」

永谷「こちらを見ていただきたいと思います。埼玉県民にアンケート、埼玉県の残念なところは?3位夏が暑い、2位海がない、1位何もない」

マツコ「この間の『翔んで埼玉』もそうだけど、あそこまでイジられるじゃない?あたしみたいな仕事やってると、イジられることだってのはすごいことだってわかってるから、逆に埼玉ってうらやましいなって思ってる。ああいうイジられかた千葉はしないから」

永谷「自虐も入っちゃってますね」

マツコ「それ気付き始めてるんじゃないかな、埼玉のかたも。自虐をするってことが効果的なんだっていう。だから埼玉の人はもう望んでないのかもよ。『名産とかいらねえんだよ!俺ら自虐で生きていくんだ』」

永谷「いやいやいや、違います。埼玉は何もない県じゃない。うどんがあるじゃないか!今こそ誇りを取り戻そう!」

マツコ「この温度がもう埼玉の人の望んでる温度じゃない気がするのよね。埼玉の人はものすごい絶好の場所を見つけたと思ってる気がするのよ。中途半端にまたうどんをそこでやっちゃうと、『中途半端』って、ごめんな。ごめん。今のはひどい。うどんがあるよ!埼玉には」

ナレーション「2019年、『翔んで埼玉』が大ヒット。埼玉には何もないという自虐は全国区に。しかし『埼玉には何もないだと?否!我々には』うどんがあるじゃないか!今宵、埼玉県民730万人のプライドを賭け、マツコに挑む。熊谷の気温よりも暑い戦いが今始まる。Don't miss it」

永谷「まず埼玉のうどんなんですけれども、自宅で食べるおうどんがメインなんです。冠婚葬祭の時にシメで自宅で作っていた」

マツコ「え!?自宅で作っていたの?これはどの辺りの地域?」

永谷「僕の住んでる埼玉県の西部、それからちょっと上がって小川町とか寄居とか、あの辺でも確認はされています」

マツコ「どっちかって言ったら西側だ」

永谷「そうです。ただ、東のほうも、いまだにうどん打ち部屋というか、うどん打ち小屋があったりする。自宅でうどんを打つというのはかなりやられてました」

マツコ「昔はけっこうやられてたんだ」

永谷「うどんを打てない女性は嫁に行けないとか」

マツコ「きっと今埼玉のかたが一番驚いてると思うんですけど。『そんな話聞いたのとないわよ私』っていう。そうなの?」

永谷「これは県内どこでも見られてましたし。実際家で打ってるうどんを今日用意いたしました」

マツコ「やだ、おいしそう。ちょっと、これなに、このナスの。これはどなたが打ったの?」

永谷「これは小川町在住の田中さん」

マツコ「恵子?恵子が打ったの?」

永谷「そうです。これ何やってるのかわかります?」

マツコ「足踏み。恵子の足踏み」

永谷「すばらしい。さっき言ったようにうどんの機械が、うどんの棒だったりうどんの板が各家に置いてある」

マツコ「あの辺がやっぱ中心というか、小川町が」

永谷「今でも農業の従事者のかたが多いので、うどんを打つということが比較的に今でも残っています」

マツコ「うーまい。香りがすごいね。なかなか市販のうどんだと、ここまで小麦の香りしないもん。てか、小麦食ってるみたいだもん。食感はモチモチというよりはシコシコだよね。すごい強い」

永谷「埼玉ではワシワシというふうに言ってるんです」

マツコ「ワシワシ?」

永谷「これ今朝打ったうどんですので」

マツコ「シコシコのほうがいいと思うんだけど。恵子おいしい、これ本当に。きんぴら関係ないけど、食べてもいい?」

永谷「けれ恵子さん手作りです」

マツコ「この中に入れてもいい?」

永谷「つけても大丈夫です」

マツコ「ホウレン草とか入れて?」

永谷「このホウレン草、糧って言って、茹でたホウレン草なので味がついておりません。おつゆにつけて食べる」

マツコ「おつゆが相当濃いんだよね、味が。めっちゃうまい、これ。こういうお店ないの?この家庭のうどんを出すお店。これ流行るぞ。恵子始めちゃえばいいのに」

永谷「家庭の味ですね」

マツコ「うん、うまい」

永谷「うどんだけで食べるのとは違う食感。シャキシャキして良い食感になります」

マツコ「このきんぴらとホウレン草入れるとウマい。恵子の子どもになりたい。...子どもってほど離れてないわ、年」

永谷「なぜ埼玉県でうどんが流行ったか。稲作に向かない土壌というのが」

マツコ「小麦とか蕎麦とかが産地になっているところっていうのは、そうやって稲が作れないから小麦とかを育てたっていう歴史的背景はあるもんね。香川だってそうだもんね」

永谷「そうです。おっしゃるとおりです。その背景があるのと、熊谷の麦王・権田愛三さんがいたから」

マツコ「突然具体的。熊谷の麦王?」

永谷「江戸時代の末期に生まれたかたなんですけど」

マツコ「小麦でブイブイ言わしてた人なのね」

永谷「よくご存知で。麦踏みとか二毛作とかっていう手法があるんですけど、それを確立して全国に広めたかたが権田愛三さんなんです」

マツコ「もっとうまいこと広めたら。だってわざわざ香川までうどん食いにいく人とかいるじゃん。東京からこんな近いんだから、もうちょっといくんじゃねえかこれ?」

永谷「そうですよね」

マツコ「あんたもなんか今までやり方下手だったんじゃないの?あんまり知られてないってことは」

永谷「すみません」

ナレーション「埼玉うどんの最大の特徴は、その種類の多さ。永谷さんいわく、県内の市町村ごとに、なんと23種類ものうどんが存在するんだとか」

1.煮ぼうとう、2.つみっこ、3.加須うどん、4.おっきりこみ、5.あずきすくい、6.呉汁、7.すったて、8.ずりあげうどん、9.武蔵野うどん、10.うちいれ、11.熊谷うどん、12.一本うどん、13.モロヘイヤうどん、14.エキナセアうどん、15.川幅うどん、16.トマトカレーうどん、17.シラオカ麺、18.鳩豆うどん、19.ゆずうどん、20.藤うどん、21.狭山茶うどん、22.鳩ケ谷ソースうどん、23.にんじんうどん

永谷「見ていただくと、1番から10番までは昭和の時代から食べられていたうどんです。11番以降というのは平成の大合併とか町おこしなんかで生まれたうどん。私はニューウェーブうどんって呼んでる。代表的なのは武蔵野うどんが」

マツコ「これさっき食べたようなやつだよね」

永谷「埼玉県の西部地域やあるいは東村山とか東京の埼玉寄りの地域ではかなり昔から」

マツコ「ウマそう。あれを中心にいくべきだと思う。ご当地うどんを作るのもいいと思うんだけど、あれに一点集中して。讃岐うどんだったら釜玉とかあるわけじゃない。とりあえずあれをベーシックにしてやったほうが、煮ほうとうとかってなっちゃうと、もうほうとう寄りになってきちゃうじゃん」

永谷「煮ぼうとうは深谷の特産品でして、渋沢栄一、来年大河に出るんですけども、それが好んで食べたと言われるうどんでもあるんです」

マツコ「ただ、あるじゃん。強敵がもういるじゃん」

ナレーション「そんな23種の中から、永谷さんが全国区にしたい、夏にぴったりな絶品うどんをご紹介」

永谷「埼玉の夏の猛暑を吹き飛ばす、川島町『本手打ちうどん庄司』すったてうどん」

マツコ「川越の先の辺りか」

永谷「わかりますか、川島町」

マツコ「あたし地図好きだから」

永谷「川越の上でして、実はこの町、駅がないんです。なので埼玉県の中でも知ってる人が少ないと言われているエリアなんです。そこのうどん屋さん、庄司さん。道路沿いにありまして」

マツコ「道路沿いすぎない?あんなに沿いで造らなくても。もうちょっと奥に造れたでしょ?」

永谷「すったてうどんです」

マツコ「すったて?」

永谷「ご存知ないですか?」

マツコ「あらやだおいしそう。なにこれ、なにこれ、なにこれ?これなに?」

永谷「それはおつゆです」

マツコ「知ってるわよ。そういうことじゃないよ。何汁か聞いてるの」

マツコ「知ってるわよ。そういうことじゃないよ。何汁か聞いてるの」

ナレーション「つけ汁の味のベースとなるのは、コクの強い八丁味噌。さらにもうひとつ、埼玉県産の香り高い金ゴマ。そして大葉とキュウリもすります。これがすったての由来なんだとか。味噌スープと合わせれば完成」

永谷「八丁味噌をカツオ出汁で溶いたものです」

マツコ「すっごい良い匂いする」

永谷「上のものを入れていただいて」

マツコ「これはもうウマいよ。...めっちゃくちゃウマい。なんかちょっと冷汁みたいな感じよね。冷汁のお魚の味が無い感じ」

永谷「実際に農家のかたが作って食べた、農作業の合間に食べたものなので」

マツコ「埼玉のうどんって、相当コシが強いほうだよね?」

永谷「固い部類には入ります」

マツコ「蕎麦で言う、田舎蕎麦食べてるみたいな、噛みごたえがあって、ウマいよ」

永谷「噛み切れないですかね?」

マツコ「これがいい」

永谷「埼玉県産の全粒粉を使ったうどんです。小麦の外側が入ってるので、香りも良いですし、固い。こうやって踏んで何回も何回も作るので、コシがある固い歯ごたえのあるうどん」

マツコ「突然割烹着です」

永谷「とってもお似合いです」

マツコ「ありがとうございます。想像をはるかに越えてうどんがはねるので。ようやくまともに食べられるわよ」

永谷「いかがですか、お味のほうは?」

マツコ「このうどんは普通のつゆでも食べたくなるわね。これももちろんすごいおいしいんだけど」

永谷「先ほど食べていただいた、つけ汁というか武蔵野うどんスタイルでもやってますので」

マツコ「あれでも食べたくなってくる。とりあえずこれ推し」

永谷「ここまで武蔵野うどん推していただけるとは」

マツコ「『まずは』ね。第一弾なんだから。自信を持ちなさいよもっと!」

 

 

《群馬が誇るソウルフード、高崎パスタ&お取り寄せ餃子》

 

 

2020/12/08放送分

'高崎パスタを伝えるために市役所に勤める男性'

松田和也(マツダカズヤ)さん(以下、松田)

 


松田「どうぞよろしくお願いします」

マツコ「これはね、タチの悪いほうの職員。30万人以上の都市の市役所だと、必ず2人くらいはいる。ごめんなさいね、あたし群馬にはけっこう行っているんですけど、高崎にはちょっと。昔あった遊園地、なんでしたっけ?」

松田「カッパピア」

マツコ「そう、カッパピア。もうカッパピア無くなっちゃったの。あと、昔暴走族で達磨っていう暴走族がいたわね」

松田「よくご存知で。そんな高崎からですね」

マツコ「どんな高崎ですか?」

ナレーション「安くてウマくてボリューム満点。具材もカツなど斬新な組み合わせが豊富。高崎市民のソウルフードとして知られる高崎パスタ」

マツコ「あたしいただいたことはないんですけど、意外と知ってますよ。ジャンル的には好きな感じなので。おいしそうなのよ。量も多いし、クリームとかチーズみたいなね」

松田「お米以上にパスタを食べる」

マツコ「本当?香川の人がうどん食べる感覚で、高崎の人はうどん行くかの代わりに『パスタ行くか?』」

松田「主食です」

マツコ「もともと小麦粉の産地だもんね。だから粉物がすごいのよ。焼きまんじゅうとかもそうだしさ。群馬の方は粉物がお好きなのよね」

ナレーション「そう、群馬県民はパスタなど粉物が大好き。人口に対するイタリア料理店の数も、東京に次いで2位。中でも高崎市内では150軒以上でパスタが食べられるといわれており、毎年おこなわれるイベント、『キングオブパスタ』には1万人以上が来場するまさにパスタの街」

松田「これ見てください。イタリアの国」

マツコ「大体オチはわかりますけど」

松田「長靴の形ってよくいわれますよね」

マツコ「ただ合併して形が変わっちゃいましたからね。合併したからなったの?」

松田「ほらほらほらほら」

マツコ「いやいや、これはそんなでもないですよ。

松田「玉村町が」

マツコ「いくとなります?ああ、そうするとヒールっぽくなるか」

松田「かかとに」

マツコ「別にいいですよ、そっくりにしなくても。どうやったらイタリアに近づけるかじゃないんですよ。怒ってますよ、玉村町。『そんなんで合併させられてたまるか』って」

松田「私この番組大好きで、先日埼玉うどんの世界があったんですけども、我々高崎パスタもぜひ全国区にということで」

マツコ「なるほど。でもおっしゃるほど埼玉うどんはまだ全国区じゃないです。それを言ったら水沢うどんのほうがまだ全国区だと思いますよ」

松田「日本三大うどんですもんね」

マツコ「だいたい市役所の職員ががんばると、空回りで終わるのよ。大丈夫ですか?」

松田「パスタは絡みが大事なんです」

マツコ「中途半端。うまくもなくヘタでもない」

 

松田「高崎パスタに今大変革が訪れているんです。高崎パスタは今第4世代が台頭しています」

マツコ「4なんですか?」

松田「今までは量が大盛り、スープたっぷりで安くてウマい。それが高崎パスタとしてこうなってきた」

マツコ「4の特徴はなんなんですか?」

松田「男飯が超おしゃれグルメに」

マツコ「急に分かりづらくなりました。どういうこと?」

松田「第1世代、高崎パスタのルーツですね、『シャンゴ』さん」

マツコ「シャンゴさんが一番よく聞くよね」

松田「お笑いでたとえるとビートたけし」

マツコ「たけしさんとかさんまさんとか」

松田「先駆けの部分。シャンゴさんは1969年に創業した高崎パスタのルーツ。先代の関﨑さんが高崎に粉物文化を広めようとして始めたお店。とにかく量が多い。おなかすかしている方々にいっぱい食べさせようと思って」

マツコ「これはもう有名よね」

松田「シャンゴ風っていうパスタです。カツの上に甘いミートソースを乗せた。高崎の市民であれば誰もが一度は食べたことのある高崎パスタの王様。シャンゴさんからお弟子さんが独立したり、第1世代のシャンゴさんとともに牽引してきた第2世代」

マツコ「暖簾分けした人たちが2世代」

松田「もしくはシャンゴさんといっしょになって高崎パスタを広めてきた。キングオブパスタっていうイベントが出てきたときに、市外・県外から高崎でお店を出してチャレンジするんだっていう人が第3世代。市外・県外から出店している新進気鋭の」

マツコ「第3世代の方の店はみんなすごいおきれいね」

松田「サンドウィッチマン、タカアンドトシ、ブラックマヨネーズ、要はコンテスト。キングオブコントとかM-1グランプリ、こういうのと一緒。同じように高崎パスタの中では」

マツコ「キングオブパスタで優勝した世代だ。第4世代の特徴はなんですか?」

松田「もう今はイタリアンと関係ない異業種が」

マツコ「関係あるところから教えてくださいよ。第1世代も知らないんですよ。たけしさん、タモリさん、さんまさんを見ずにして、いきなりぺこぱとか見るの?」

松田「とにかく異業種が参戦。高崎パスタの第4世代」

マツコ「異業種すぎません?結婚式場ですか?他はまだわかるんですけど」

松田「高崎にある高崎神社っていう神社の『Thrush cafe』。八芳園さんが出店している」

マツコ「その神社の中の結婚式場を、八芳園さんが経営されているんだ?その中にあるカフェ?」

松田「あと居酒屋さん。居酒屋さんでもパスタが食べられます」(『WAITRIA Tiga』ごま坦々クリームパスタ)

マツコ「みんなシメで食べるの?」

松田「おっしゃるとおり。宴会のシメ、もしくはお通しでもパスタが出てきます」

マツコ「お通しでパスタが出てくるの?」

松田「掘りごたつでおしゃれなパスタが出てくる」

マツコ「おしゃれなんだけど、やっぱりちゃんと踏襲してるなって思うのは、ごま坦々とか入れるあたりよね。ただ小洒落たのにはしないぞっていうね」

松田「そこにはなにか通ずるものがある」

マツコ「カツとミートソースから続いているわよね」

松田「続いて。スイーツ店が作る派手パスタ。『ルームス』ビーフシチューパスタです。高崎の街中で女の子に人気のスイーツ店。パンケーキがおいしい洋食屋があるんですけども。お笑いで話していいですか?お笑いで言うと、EXITさん、ぽぽぽぽーん!って感じ」

マツコ「今のは使いませんけどね」

松田「こちらです。ぜひ召し上がってみてください」

(上州牛と高崎野菜のビーフシチューパスタ)

マツコ「どうやって食べるの?かけるの?」

松田「さあ、どういうふうに食べましょう」

マツコ「つけちゃおうかな。つけ汁みたいにしちゃおうかな。おいしそう。…おいしい。これそんなに奇をてらってる感じでもない。王道の味よ」

松田「ビーフシチューのデミグラスソースが絶品です」

マツコ「めちゃくちゃ本格的」

松田「ホテルのシェフもやってたので、そういうところの技術があると思うんです。お野菜も高崎産のお野菜。ビーフシチューをライスやパンではなくパスタで食べるのが高崎パスタ」

マツコ「なるほどね。要はご飯とかパンの代わりにしてるんだよっていうのを、一番象徴的に表してる感じね。下手したらこれパスタだけでも食べてもいいってことよね、ご飯みたいにね」

松田「おっしゃるとおりです。パスタだけでも食べてもいいように、パスタにも味付けしてある。マスターに聞くとそのまま食べる人もいますね」

マツコ「本当にご飯だね」

松田「主食ですね」

マツコ「おいしい。あっさりしたペペロンチーノみたい。高崎いいなあ」

松田「ありがとうございます」

マツコ「こんなん食べれるんだ、毎日」

松田「高崎パスタ、全国区になれますかね?」

マツコ「お店巡れたらおもしろい。新幹線とかで行って、1店舗しか行けないってなるとコストパフォーマンスが低すぎるから、昼行って夜帰るまでに4、5店回れたらおもしろいよね。ちょっとずつ食べて」

松田「1ドリンクとミニパスタで」

マツコ「そうそう。…なんでそんな具体的な話になるのよ」

 

2020/03/31放送分

'全国1000種類のお取り寄せ餃子を食べた夫婦'

小野寺力(オノデラチカラ)さん(以下、力)

小野寺いつか(オノデライツカ)さん(以下、いつか)



ナレーション「そして粉物が大好きな群馬県には、もうひとつ隠れた名物があるという」

力「お伝えしたいのは、都民はみんな食べている、群馬は隠れた餃子王国ということです」

マツコ「要はスーパーで売っているようなものが、群馬のものが多いんだ?」

力「よくご存知で。おっしゃるとおりです。たとえば、味の素さんの餃子、あれも関東は群馬工場なんです。味の素さんに限らず、いろんな大きい小さい工場があります。2つ理由がありまして、関東にアクセスがいい。東北道もあるし関越道もあるし。あともうひとつは、キャベツとか豚肉が群馬県ですごく名産地なんです」

マツコ「じゃあ原材料が近所で手に入るんだ」

力「そうなんです。けっこうメインな季節がそこでとれるので」

マツコ「なるほど。こんなこと言ったらあたしもわざわざケンカあおってるみたいになるけど、栃木の餃子も群馬の材料でできてるのね」

力「可能性はありますね」

マツコ「おもしろいよね、北関東の覇権争い」

力「今栃木の話、宇都宮の話も出ましたけれど、餃子を作るっていうことだけがすごいんじゃなくて、実は食べてる人もけっこう群馬は多くて」

マツコ「そうなんだ。どうしてもね、メディアのせいもあるけど浜松対宇都宮になっちゃうもんね」

力「実は購入金額で言えば圧倒的な2位と1位なんですけど、購入頻度、ひとつの家庭で購入する回数で言うと」

マツコ「ちょっと!なんで言わないのよ。メディアで」

力「不思議ですね」

マツコ「2017年なんて浜松も宇都宮もトップ5にも入ってないじゃないのよ。この2つが圧倒的ではなかったのね」

力「なんだったら浜松よりも前橋のほうが1位になることが多いくらい」

ナレーション「焼いた餃子は1000種類以上、餃子を知り尽くした小野寺さんが誰でも簡単にできる、餃子が100倍おいしくなる焼き方を大公開。まずはフライパンを中火で熱し、ここに油を投入」

力「あともうひとつ、油をしっかり」

マツコ「そうなのよ、油ケチったらダメよ」

力「今米油使ったんですけど、サラダ油に比べると、さらっと焼きあがるのと、あと胸焼けがしにくい」

マツコ「胸焼けもいいんだよね。胸焼けでごはん一杯食える。胃から込みあがってくる餃子の匂いだけでもう一杯メシ食えるもん」

ナレーション「続いて冷凍餃子を円形に並べます」

力「これから150ccくらいを入れていきます。まだこの時点では火を止めたまま」

マツコ「止めてるの?ちょっと、言った?止めてるって」

力「あら、言い忘れてましたか」

マツコ「ダメよ。大事なとこよね、それ。熱して、油をひいて、火にかけずに並べて、水まで入れて、そこから火をつける」

力「フタをとじてから火をつける」

マツコ「へえー。なんでそんな大事なこと言わないのよ!めちゃくちゃ大事じゃないのよそれ。これはやったことないわ」

力「そうすると油が跳ねなくてすむので、けっこう安全に焼くことができる」

いつか「言い忘れてるんですけど、お湯で入れて」

マツコ「水じゃなくてお湯ですよみなさん」

力「基本的にフライパンの温度を冷まさない。なので最初に余熱をいれて、途中でお湯を入れることによぅて冷まさないようにしてます」

いつか「これが『特撰生餃子』(金星食品)っていいまして、20粒で1080円」

マツコ「誰かが紹介してたのかな?うまくて安いみたいな感じで。かもしれない。なんかすごい見覚えがある」

いつか「今おっしゃってたとおり、一粒30円から50円くらいで買える」

マツコ「心置きなく100個単位で食えるわね」

いつか「『ギョーザDXセット』っていうものもあって、今の生餃子の他に、辛口餃子、青しそ餃子、にんにく餃子、まとめて120個入ってる」

マツコ「1回は頼んでいいと思う。でも最後、結局はスタンダードに戻るのよ。しそとかね、ハマるんだけどね。一時ね。一時ハマるのよ。(金星食品は)群馬のどこにあるの?」

いつか「太田市です。直売所もあって、工場の近くにあるんですけど。そこだと焼きたてのものも買えるので、自分で焼かずに、焼いてもらったやつを買っておうちで食べるということをされてるみたいです」

力「だんだんと油の跳ねるパチパチっていう音になってきたら、もうすぐフタを開けるタイミングです。泡がだんだん白くなってきて、皮もだんだん透明になってくる。あとはフタを開けて、お湯をとばすっていうタイミング。途中で揺すってるんですけども、揺することによって餃子の皮が動くことであとで取るときに1個ずつ取れやすくなっています。じゃあ開けます。あとはここからお湯をとばしていって、最後に焼き目をつけていきます。このタイミングで油を追加して、さらに焼き目をつてことも多いと思うんですけど、最初にけっこう油を入れておけばこの段階でも油が残ってるので、キレイに焼き上がります」

マツコ「あんまり油をとりたくない人はね。昔はあたしほんと餃子食いながら台所から出ないで、そこでビール飲みながら焼き上がったらその場で食う。また無くなったら焼いて。ていうか、もう待つのがイヤな時はフライパン2つ体制で焼いてた。食いながらこっちで焼いて」

力「餃子の焦げることが失敗の例としてよくあるんですけども、どこらへんから焦げるかといいますと、餃子のはじっこを見ていただくと、茶色の部分が見えます。餃子の角の部分が茶色くなってきたら、ここまでくるとしっかり焼き目がついてるので。あとはギリギリのタイミングで攻めるか、ここでやめるか」

マツコ「でもね、やりすぎても焦げたのもおいしいんだよね」

力「そうなんですよ。ではここでお皿を入れて、油をよく切ります。最初にけっこう油を入れてるので、油が出ちゃう。切ったら、僕の一番大好きな瞬間を、マツコさんと共有したい。もう僕この瞬間が大好きなんです」

力「熱いうちに召し上がって」

マツコ「餃子はね、やけどするくらいがおいしいのよ。THE 餃子ね。もう非のうちどころがない。肉と野菜のバランスもちょうどだし。皮も厚からず薄からず。ちょうどいいわ」

力「野菜も多めで、シャキシャキした食感も楽しめておいしいですよね」

マツコ「焼き方うまい」

力「これは特別な技術がなくても、誰でも簡単にこういう形で焼けるので、これができたらお取り寄せも怖くないかな」

マツコ「うまいね。これ次から次へといっちゃうタイプ」

力「群馬の金星さんっていう」

マツコ「おいしい。太田の人いいな、これ」

力「例えば高崎の『フクヤ食料』。『ハッスル餃子』って高崎の人に聞くと、知ってる知ってるって」

マツコ「おいしそう!出てきてほしいやつが出てこないんだよね」

 

 

《36年連続生産量1位!茨城の栗スイーツ》

 

 

2018/09/18放送分

'10年間、栗のことしか考えていない男'

竿代信也(サオシロシンヤ)さん(以下、竿代)

 


竿代「失礼します、こんにちは。栗を収穫してそのまま、畑から。よろしくお願いします」

ナレーション「竿代さんは38歳の時、茨城の栗に衝撃を受けその後転身。2011年、東京谷中に和栗スイーツ専門店をオープン。現在栗農園を持つまでになった、生粋の栗マニア」

竿代「そんな私が抱える悩みが、栗が好きすぎて家に5か月間帰れていません」

マツコ「5か月も帰っていないのに、子どもは3人」

竿代「家の周りにコウノトリがいっぱい」

マツコ「うわー、スケベな鳥ですね。いやらしいですね本当に」

竿代「実は栗は茨城と、2位が熊本、3位が愛媛。その3県で日本の栗の和栗は、かなり3ぶんの2くらいは生産地として。マツコさんにお伝えしたいのが、栗スイーツは和栗がうまい。特に大切に育てられた茨城県産の栗を今日はオススメ」

ナレーション「実は茨城県は36年連続で栗の生産量1位。そんな茨城の栗を使った、竿代さんオススメの絶品栗スイーツ」

竿代「『やまり菓子舗』という山形県白鷹町という」

マツコ「じゃあ絶対食べたことないわ。すごいうれしい」

竿代「著名人の方もこぞって予約するという有名な栗蒸しようかんです」

マツコ「でかくていい?一口。…うま!」

竿代「創業100年くらいの老舗のお菓子屋さん。6代目が作っている栗蒸しようかんです」

マツコ「ウマい」

竿代「作っている方ご覧になっていただいてもいいですか?6代目」

(やまり菓子舗6代目、新宮利幸さん)

マツコ「ちょっとチャラくない?」

竿代「イケイケに見えるんですけど」

マツコ「イケイケに見えるけど違うのね?」

竿代「イケイケなんですけど」

マツコ「イケイケでしょ?」

竿代「なんですけど、北島三郎さんや長嶋茂雄さんが」

マツコ「すげえな」

竿代「長嶋さんに『おまえは和菓子界のスーパースターになれ』と言われてから、より真剣に和菓子作りに没頭されてる、かなり熱い方です」

マツコ「栗でついたようかんてパサッパサ系になってしまうことが多いのよ。これはものすごいしっとりしてるし、栗とようかん部分の差がそんなに無いの。一体なのよ」

竿代「新宮さんが一人でそのバランスを考えて作っている」

マツコ「これはすごい」

竿代「ありがとうございます。本当に情熱を持って作られている方なので」

マツコ「これはすごいです。でもあんまり言うとね、お忙しくなって迷惑をかけちゃうから。だからあんまりおいしくないです」

 

竿代「全国の名店が仕入れる加工の達人、茨城県笠間市『小田喜商店』の小田喜保彦さん。この方が栗を扱うと、もう魔法のように栗がびっくりするくらいおいしくなる」

マツコ「栗蒸しようかんのところもこちらのお店から仕入れてるの?」

竿代「はい。和菓子の老舗の『とらや』さんも」

マツコ「『とらや』もこっちから?あら、恐ろしいお店」

竿代「秋になると全国の和菓子屋さんや洋菓子屋さんがこぞって小田喜さん詣でをするくらい、栗のこと教えてもらいにくるくらい、すごい方なんです」

マツコ「あら~。どの世界にもいるのね。ゴッドファーザーみたいなのがいるのね」

竿代「じゃあ小田喜さん、ご登場いただいてもよろしいですか?」

小田喜さん「はい、こんにちは」

マツコ「いたって柔和な、ゴッドファーザー感のない。よろしくお願いいたします。すごいですね、日本中の老舗とか洋菓子屋さんから」

小田喜さん「幸せです」

マツコ「すごいね、だから違うんだろうね。何が違うの?」

竿代「一言で言って、愛情だと思います」

マツコ「本当?」

小田喜さん「その通りです。栗はもともとおいしいです。だからそのおいしさをそのまま出せばいいんです」

竿代「そんな小田喜さん、実ははすごい若い奥さんを。30歳年上」

マツコ「だから結局男ってこうよ。それはそれ、これはこれなのよ」

竿代「さっそく小田喜さんが作った甘露煮」

マツコ「あっ、いいね。甘露煮」

竿代「私が衝撃を受けた」

マツコ「おいしそう」

竿代「一般的には、甘露煮って形・色重視なんですけど、こんなに栗の味がする甘露煮があるのかっていう」

マツコ「おいしい。なにこれ」

竿代「愛です」

マツコ「愛じゃないと思う。なにか秘密があるのよ」

小田喜さん「秘密はないですね。栗と砂糖だけ。もともと栗はおいしい」

竿代「簡単に本当においしい栗を食べられるお菓子を小田喜さんが開発されたんで、最後食べていただいていいですか?」

マツコ「いろいろやってるのね。あら。なにこれ?」

竿代「これは『ぎゅ』っていうお菓子」

マツコ「『ぎゅ』って言う名前なの?でもこれやっぱり基本栗だけだよね?」

小田喜さん「栗と砂糖です」

マツコ「でもなんかちょっと湿らしてあるのかなっていうくらい。『ぎゅ』ってしてるからか」

竿代「岐阜に栗きんとんっていうすばらしいお菓子がありますよね。茨城を代表する栗菓子がなかったので、小田喜さんが栗きんとんに負けないお菓子を作ろうということで、ギュッとしたお菓子を。だから栗きんとんより栗が濃い」

マツコ「だから栗きんとんよりギュッとしてるってことね」

竿代「日本一栗が濃いお菓子です」

マツコ「栗いい。いいですわ」

竿代「お忙しい中ありがとうございました」

小田喜さん「ありがとうございました」

マツコ「こんな終わり方?」

 

 

《国産唐辛子の生産量1位、栃木・旨辛からあげ》

 

 

2019/07/09放送分

'唐辛子を日々研究する激辛ラーメン店主'

一匠(イッショウ)さん(以下、一匠)



マツコ「これはお店の名前なの?」

スタッフ「普段からそう呼ばれている」

マツコ「呼ばれているのね。一匠さんです、どうぞ」

一匠「こんにちは!」

マツコ「あれ?元ホストですか?」

一匠「違います。唐辛子と戦う男です」

マツコ「ちょっと~。これお店の名前なんじゃないの?」

一匠「そうです」

マツコ「うわ、宣伝」

一匠]「違います、あだ名が通称一匠です。どっか行くと『一匠さーん』って」

マツコ「あとなに?その『DEAD or ALIVE』って?」

一匠「これうちのラーメン屋さんの名前です」

マツコ「ラーメン屋さんの名前が『DEAD or ALIVE』なの?『一匠』じゃないの?」

一匠「『拉麺一匠 DEAD or ALIVE』です」

マツコ「あー、なるほどね。たぶんね、そのお店あと3年だね」

一匠「30年と言ってください」

マツコ「こんなおちゃらけに見せといて、ちゃんとメモ書いてきて。まじめよ。ちゃんとしよう、ちゃんとしようって思ってるでしょ」

一匠「最初だけですね。かなりテンションがあがってきちゃって。後ろのスコヴィル値が。唐辛子の辛さの単位スコヴィル値が」

マツコ「そうですか」

一匠「唐辛子本来の旨辛を味わうには生で食べるべし。今実際流通している唐辛子って、乾燥している物が多い。なった状態から乾燥させてるんですよ。乾燥させたあと細かく砕いて粉末にしてビンにつめる。そうすると唐辛子にもともとある水分を飛ばしちゃってる。実はその水分って旨みで、その旨みの部分が無くなっちゃってるのはもったいない。実際生の旨さをどうやって味わうのかというと、輸入に頼らない。逆境に立ち向かう日本産を狙え。しかし全国の農地約450万ヘクタール中、唐辛子は約70ヘクタール」

マツコ「えっ、70ヘクタールしかないの?もともと唐辛子を食文化に組み込んでた国ではないからね」

一匠「日本には1500年に唐辛子が伝来したんですけど、最初は食用ではなくて、靴下の中にいれて、凍傷とかしもやけよけに使ったりとか、忍者が武器に使っていたりした」

ナレーション「日本で唐辛子農家が少ない理由は、同じ畑で連作がしづらい、収穫が手作業が多く大変、といった理由が」

一匠「輸入にほぼ頼ってはいますが、本当に心をこめておいしい唐辛子を作ろうっていう農家さんが日本にはけっこうたくさんいるんですよ」

ナレーション「中でも日本一の生産量を誇る都道府県がこちら」

一匠「日本の唐辛子の救世主、栃木の唐辛子です。唐辛子の世界ではレジェンドと呼ばれる吉岡源四郎先生という方がいるんですよ。1930年代にうまい国産の唐辛子作るぞ、といろんな土地を探した結果、たどり着いたのが栃木県の那須高原の近く。大田原市なんですけど、そこで作り始めて栃木三鷹という名前で。これはキレのよいカリッとした辛さも味わえるんですけれども、野菜としての旨さも感じられる唐辛子で、最高にうまいです」

ナレーション「そんな大田原市には国産の唐辛子を使ったラーメンや餃子、スイーツなど、旨辛料理を味わえるお店がなんと27軒も。中でも一匠さんイチオシのお店がこちら」

一匠「創業60年の老舗、栃木県大田原市にある『岡繁』というお店です。このお店はけっこうお肉料理を多く扱っている。地元の方でいつもいっぱいなお店。お肉もそうなんですけど、ここはいわゆる激辛のお店ではない。実はこの店、超人気な旨辛料理がございます。唐揚げです。サンタ唐揚げというんですけど、このサンタ唐揚げには衣に三鷹を練り込みつつ、お肉にももみこんでいる」

マツコ「サンタ唐揚げっていうの?」

一匠「三鷹にちなんでサンタ唐揚げ」

マツコ「お前がやっちゃったわけじゃないんだな?お前のことだからやったのかなと思った。うまい。衣辛い系いいね。ご飯うまい。辛いと余計すすんじゃうわよね」

一匠「大田原市では震災の影響で生産農家さんが十数軒まで減っちゃったんですけど、今の現状では189軒まで増えてきてる。またこの唐辛子を作る農家さんが増えてきている」

マツコ「洋物と辛さが違う。すっきりする。スキーッ、カーンとくる。おいしい」

一匠「これが日本の実力です」

マツコ「ほどほどが一番いいってことよね。調和よね」

一匠「以上、マツコさんの知らない唐辛子の、あ、いや旨辛の世界でした」

マツコ「いいんだって、そういうのもお前らしい。旨辛の世界」

一匠「唐辛子の世界でした」

マツコ「唐辛子の世界だっけ?なんだこのやろう」

 

 

~完~