2021/05/18放送

マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/ 



'全国8000種類以上の袋麺を食べた男'

大和一朗(ヤマトイチロウ)さん(以下、大和)

 


ナレーション「およそ1年半前、インスタント袋麺の世界に登場した大和さん。全国7500種類の中から厳選。香りが最強の袋麺を紹介し話題に。しかし、そんな彼には衝撃の過去が。バイク事故で過去数年間の記憶がすっぽりと抜けてしまった。それ以来30年以上、彼は青春時代を取り戻してくれる袋麺の香りを追求し続けている」

マツコ「記憶喪失は重要よね、大和一朗を語る意味でね」

大和「僕が今回伝えたいのはこちらです。1年半の間に気づいたこと。汁なし袋麺こそ究極の香り。僕にとって記憶を取り戻す最強アイテム」

マツコ「やっぱり記憶喪失の回じゃないのよ。大丈夫ですか?全部記憶につながるものじゃないですよね?」

大和「おいしいものを紹介する回です。袋麺の魅力は、カップ麺より強く香りを感じられる。香りがいいっていうところがひとつ」

マツコ「あんまり言い過ぎちゃうのもよくないけど、最近のカップ麺もすごいですけど、やっぱり袋麺がおいしいですよ」

大和「汁なしのメリットに気づいちゃったのは、例えば料理でいうと熱すぎたり冷たすぎたりすると、うまさとか香りとかを感じづらかったりしません?」

マツコ「いいところで食べると、ちょっとぬるくして出されますもんね、料理ってね」

大和「それがちょうどいいあんばいがこの汁なし袋麺なんです」

マツコ「へえ、カップ麺よりも?」

大和「カップ麺よりもさらに。ちょうどいいあんばいで香りや味がしっかり感じられるということに気づいたんです、この1年半で」

マツコ「でも確かに汁がないから温度が下がりやすいわよね、調理後ね」

大和「あとスープがないからタレのインパクトが直接感じられるっていうところも」

マツコ「焼きそばあるじゃない、袋麺の。あれの粉おいしいよね。よく混ざらないのよ。ほぼ麺しか食ってないところと、粉の塊みたいな食ってるの。あれがおいしいのよね、口の中で」

大和「いまだに粉末タイプがあるのは、そういうファンが多いから」

マツコ「蒸し麺でやるやつもなくならないでしょ、粉。あの粉なめながらいける。酒のアテに」

大和「実際香りが強い汁なし袋麺を食べて、忘れていた記憶を取り戻した」

マツコ「えっ。ラーメンを食べたことで?」

大和「『尾道まぜ麺』。すごく優しい味なんです。昔懐かしい醤油の香りがたまらない。尾道ラーメンっていうのがベースの担々麺なんです。牛豚鶏不使用です。ジャンボニンニクが入っているので、ニンニクの香りもまたすばらしいんです」

マツコ「尾道ご出身なの?」

大和「尾道から渡った島なんです。因島っていう島があって」

マツコ「尾道で記憶喪失なんて映画みたいね」

大和「その話もさせてもらっていいですか。これを食べて、小学生の頃尾道で食べた町中華の味と、大林宣彦監督」

マツコ「まさしくそうじゃないですか」

大和「小学生の時に大林宣彦監督がロケハンしていたことを思い出したんです。さらに記憶を取り戻すために、汁なし袋麺にどっぷりハマっています」

マツコ「あたしたちは今大和さんが記憶を取り戻す旅に付き合っているのね?それでいいと思う」

 

 

《スーパー・コンビニで買える香り高き最強汁なし袋麺》

 

 

マツコ「こんなにあるの?」

大和「これ本当にごく一部なんですよ」

マツコ「あたしコロナになってから買い物を控えているから、近場で全部済ましちゃってて。最近東雲のイオンに行けてないのよ。だから袋麺の最新のものをあまりチェックできてないのよ。コンビニとか小さいスーパーだと、そんなに置いてないじゃない、種類。あのイオンのバーンっていう売り場を見てないから、本当に知らない。最近の事情」

大和「ちょうどよかったです。今日はその中でもトピックスが立つものを持ってきたので。上から乾麺タイプで、二番目が生麺タイプで、三番目が冷凍タイプっていうところです」

マツコ「もう本当知らない」

大和「シマダヤさんの『鯛だしまぜそば』」

マツコ「シマダヤさんなんだ」

大和「ご存知なんですよね」

マツコ「当たり前じゃないですか。2食分なんだ。シマダヤさんは1食分では売らないのよ」

大和「そうなんですよ。いいところにお気づきですね。まず最初に香りをかいでいただいてから」

マツコ「麺の量と海苔の量が合ってないわよ。すごい海苔の量よ」

大和「鯛だしなんですけど、鯛ってすごく難しいんですよ。香りがすぐ消えちゃうんです」

マツコ「なるほど。繊細な」

大和「高級感ある鯛出汁の香りをうまく引き出したのが、このシマダヤさんの鯛出汁のやつ」

マツコ「高級な匂いね」

大和「手もみ風のもみ打ちっていう平麺なんですけれど、手作業で作ったような麺をうまく作ってますよね。鯛出汁の香りとよくからんでて、口の中で香りが一気に広がる感じ」

マツコ「麺がウマい。これは確かにすごいわ。さすがシマダヤさんね」

大和「シマダヤさんならではのこの麺の感触っていうのは特別なんです」

マツコ「ちゃんと鯛のお出汁が」

大和「この鯛の香りって本当難しくて」

マツコ「メンマとめっちゃ合う」

大和「まぜ麺ってお好きな具材を乗せていただけるっていうメリットがすごい強いので、お好きなものをいろいろ乗せていただければと思いますね」

マツコ「普通に全部食っちゃうぞ。今日はあたし一朗と戦うつもりで来たから」

 

大和「台湾から直接輸入されている『ラオマ・バンメン』っていうやつ。台湾ブームの中でもラオマ・バンメンって、バンメンって言われるまぜ麺がすごい流行してるんです」

マツコ「なんかお店で出してるみたいね」

大和「おっしゃる通りです。実際にお店があるんです、台湾に。それそのものでしたね」

ナレーション「香りのポイントは、天日干しで自然乾燥させたこちらの麺。じっくりと熟成させるため、小麦の香りが口の中で一気に広がる」

マツコ「えっ、麺を天日干ししてるの?」

大和「天日干し、昔のやり方なんですよ。手作りでないとできない味」

マツコ「どこで売ってるの?」

大和「北野エースさんとか」

マツコ「デパートの中に入ってるスーパーみたいなところで売ってるんだ」

大和「台湾のタピオカの次に来るのは間違いないくバンメン」

マツコ「食べたい。出して」

大和「これはなかなかもう台湾です」

マツコ「やっぱ天日干し全然違うね」

大和「台南のほうの伝統的な手法を使って乾燥しています」

マツコ「弾力がすごいのよ。やっぱ天日干しだからかな?」

大和「独特の弾力性を持つ。機械乾燥とはまた別の弾力性を持つという所がこの天日干しのポイントなんですよね。本格的なホアジャオの香りがするので、ちょっと苦手な方ももしかしたらおられるかもしれませんけど」

マツコ「そんなにすごく強いわけじゃないよね」

ナレーション「他にも、『日清まぜ麺亭焼豚油そば』。ごま油とキレのある黒こしょうの香りが特徴。極太ちぢれ麺に濃厚醤油だれがからみつく。チャーシューの他に、ネギ、なるとの具材が入っているのもうれしいポイント。がっつり食べたい人にオススメの一品。そしてこちらがマルタイの『ラー麦担々まぜそば』。深煎りしたゴマと特製ラー油の香る旨辛だれが特徴の冷やし混ぜそば。さらに麺にはラー麦を使用。洗練された小麦の香りも楽しめる。これからの暑い時期にぜひオススメしたい一品。さらに最近、トレンドとなっているのが、人気ラーメン店とメーカーのコラボ商品」

マツコ「あれは聞いたことある。蒙古タンメン中本」

大和「これはセブンで売っているものですね。冷凍タイプのものですね」

マツコ「みんなそんなに汁嫌いなの?あたし汁好きよ」

大和「一蘭さんも出されているんです。乾麺タイプ。『艶麺』っていうんですけど」

ナレーション「福岡発のラーメンチェーン、一蘭。臭みのない天然とんこつスープが大人気。そんな一蘭が商品化したのがお店では食べられない汁なし袋麺」

マツコ「ちょっと甘い感じもいいね。想像よりさっぱり」

大和「一蘭さん小麦にこだわってらっしゃるので、どうしても麺を主体に食べていただきたいっていう一蘭さんの考え方を見事に反映してる。良質の小麦ってこういう香りするので」

マツコ「甘いね。これは乾麺でしょ?すごいわね。甘い」

大和「乾麺は熟成期間があるので、熟成の度合いで甘味を出したりというコントロールができます」

マツコ「乾麺の技術力がどんどんすごくなってきてるから、この感じで伸びていったら、生麺と変わらなくなる日来るよね」

大和「前もカップ麺出たんですけど、あれも麺だけ。490円でカップ麺出したんですよ」

マツコ「あたし全然知らない間にそんなことが行われていたのね」

 

大和「こんなにすばらしい汁なし袋麺なので、汁ありくらい定着してもらいたいなと思っている。それにはある課題を解決しないと定着しないことがわかったんです。汁なし袋麺を定着させるために解決しないといけないこと、汁がないことを邪道と思う人がいる」

マツコ「いや、あたしそこじゃないと思いますよ、ポイント。めんどくさいんですよ。そのまま煮て、スープのまま食べられたら、変な話鍋のままでいいじゃないですか。お湯を切らなきゃいけないじゃないですか。このひと手間ってすごい重要。そのひと手間っていうのをどうクリアしていくかっていうのが全部の食品に言えることだから。なんでこの湯切りをしなきゃいけないのあたしはっていう。カップ麺ってそれが済むじゃないですか。その差はでかいと思う。これぐらいやれよっていう話なんだけど。一人暮らしのそこまでのめんどくさがり屋とか、食器を使いたくない人はもう無理だと思う。ご家庭は大丈夫じゃないですか?それこそ韓国とか汁なしのほうがメインだったりするじゃない」

大和「チャバゲティとノグリを合わせたチャパグリとか、ああやって韓国でも汁なしがブームになっている。世界的に見ると圧倒的に汁なしのほうが多い。日本だけはどうしても汁物文化がベースにある。巷で人気の担々麺ありますけど、陳建民さんって、陳建一さんのお父さん、この方がいわゆる日本の担々麺の発案をしたっていうふうに言われている。日本人の汁あり文化っていうのとか、汁物文化っていうものを大事にした結果、汁が必要だって行き着いたみたいなんですよ」

マツコ「なるほど。だからこれは陳建民さんが作った料理なのね。もともと中国にはなかったのよね」

大和「もともと中国にはなかったものを日本風にローカライズした」

マツコ「だからこそ厄介だと思うの。なんでかっていうと、あのラーメンって日本が作ったものなのよ。いろんな国からいろんなものは入ってきたけど、麺とか発祥はたどれば中国だけど、あれは日本の食べ物。日本人が好きに作ったのよ。だからこそ根深いのよ。ルーツは違うのはわかっても、『いや、ルーツ関係ないよ。俺らラーメン好きだから、このラーメン文化作ったわけじゃん』っていうことなわけ。だから汁に対する、出汁に対する思いって、日本人ってすごい強いんだと思うの。あんまり中華料理ってそんなに汁物ってないもんね」

大和「汁物は全く別の料理になっちゃう。中国人の感覚としては、麺ってあくまでも白米の感覚。日本人の白米の感覚で食べている」

マツコ「餃子もそうだもんね。餃子もおかずじゃない。お餅とかの感覚よね。主食的な。ラーメンとライスを一緒に食うなんて信じられないわけよね。もっと言うとお好み焼きとご飯を一緒に食う国だからね」

大和「おそらく一番日本人の中にある主食が米っていう概念が世界と全く違う」

マツコ「韓国だった中国だってベトナムだってタイだってご飯を食べるけど、こんなにご飯が別物っていう感覚、ここまでじゃないよね。無きゃ無いでいいやっていうものじゃない。日本人はちょっと前までは絶対にご飯はあったんだもんね。百パーご飯は毎食出てたわけだから。汁っていうのはご飯に対しての汁だったんだよね、日本っていうのはね。ラーメン屋さん行っても半ライスがある。なかなかハードル高いわね」

大和「汁が無いっていうことに対してすごくハードルが高いんですけど」

マツコ「なんだろうね。だから味噌汁のせいなのかな。ああいうものを食べたときにスープがほしくなっちゃうのよね。だから汁なし担々麺もウマいんだけど、食べたあと汁ほしいなって思っちゃうんだよね」

 

 

《香りがすごい!2大エリアの絶品ご当地汁なし袋麺》

 

 

大和「ご当地汁なし袋麺の二大巨頭、山形&九州の香りがすごい。特にこの2県はちょっとすごい」

マツコ「九州はだいぶ範囲広いですけど。もともとラーメン文化が強いところだもんね、両方」

大和「まず山形なんですけど、山形は夏の気温が高くて、汁なしが好まれる。ラーメンに対する懐の深さから汁なし麺が浸透していった経緯があります。全国トップクラスのラーメン人気から、そのレベルは折り紙付きです。対して九州は福岡の焼きラーメンや長崎の焼きちゃんぽんなど、そもそも汁なし文化が根付いていたので競争力が高くてさまざまなバリエーションが販売されている」

ナレーション「まずは山形から。『米沢牛の油そば』。米沢牛の牛脂を使い、まるでステーキのような香り。一見こってりのように思えるが、ワインや煮干しで味をととのえているため意外にもあっさり」

マツコ「ちょっとナポリタンみたいね」

大和「ベースはしっかりとした醤油なんです」

ナレーション「実はこれを作ったのは大自然の中にあるぽつんとある『こしゃる』という喫茶店。もともとはお店のまかないだったという」

大和「雪室っていう自然の冷蔵庫で熟成させている豆を使っらっしゃるコーヒー屋さん」

マツコ「えー!すごいわね。そっちが気になり始めたんだけど。これお店で出しているスタイルといっしょなのかな。キムチと温玉」

大和「そうですね。パッケージにもなってます。こういうふうに温玉を乗せていただくようなスタイル」

マツコ「まずは麺だけで。やっぱちょっとパスタっぽい。太くてモチモチしてる」

大和「モチモチ食感がポイントですね」

マツコ「まずはこの麺すごいね」

大和「本当は自分たちが食べるために最初は作っていたというところがポイント」

マツコ「自分たちが食べるっぽい料理だよね。カフェでお店で出そうって思ったら、この感じで作らないでしょ、たぶん」

大和「香りはいかがですか?」

マツコ「牛テールスープみたいな感じの香りだよね。そんなに濃くないわよ。ステーキって言っちゃうとものすごい肉肉しい感じに感じるかもしれないけど、牛脂がそんなギリギリまで入っているほどギトギトはしてないわね」

大和「良質の脂っていうのは、イヤな感じがしないそうなんですよね。ですのでスルスル入っていっちゃう」

マツコ「まかないっぽい。まかないで最初作ったんだろうなっていう。すごいおいしい。でもね、ちょっと汁物はほしくなる。その問題はどうするのよ」

大和「うーん」

 

大和「もうひとついくと、こっちもおいしいんですよね。噛むたびに香りの変化が楽しめる。山形、みうら食品『やっぱり旨い油そば』」

マツコ「油そばの文化はあるの?山形はもともと」

大和「諸説あって、油そばは他の県にも点在していたみたいです。名前は変わるんですけど。まぜそばとか、汁なしそばとか。油そばのそもそもの発祥は東京武蔵野の方にある『珍々亭』っていうところ。最初は学生さん向けに大量にガツ盛りっぽく出してたのが始まりっていうのがルーツらしい」

マツコ「じゃあ最近流行りだしたものではないのね。けっこう昔から食べられていたものではあったのね」

大和「戦後ラーメンとともに夏に食されていたっていうのは各地あるみたいです」

マツコ「へえ。なんでこんな最近になるまで表舞台に出てこなかったんだろうね」

大和「ここはちょっと謎なんですけど。これも食べていただきたいと思うので。香りを嗅いでいただくとまたさっきの山形とは違う香り」

マツコ「あ、本当だ。全然違う。ちょっと酸味みたいなすっぱいのなんだろう」

大和「おそらく醤油の香りをそう感じていると思います。どうです?」

マツコ「にんにくだ」

大和「そうですね。プラスにんにくの香り」

マツコ「これ好き。なんかね、ふるさとみたいな味がする油そば」

大和「それはすごく当たってて。山形の伝統的な醤油って、ちょっとマイルドなんです。人によっては酸味に感じたりとか。あと非常に香ばしい感じに感じたりとか。人によってちょっと感受性が変わる」

マツコ「自分の故郷を思い浮かべてしまう要素が入っているわけね。そんなに油そば食べていないのに、ずーっと食べてた感じがする味」

大和「山形の伝統的な乾麺の製法ですので、乾麺のうまみっていうのが」

マツコ「これは本当に乾麺の良いところが出てますよ。よくできてる乾麺」

大和「実はこれ僕も食べたときに、やっぱ思い出が出ちゃったんですよね。高校時代に山形へバイクで行った時に食べた汁なしの記憶がよみがえった」

マツコ「限定的な記憶だったわね」

大和「前後のことは思い出せなかったんですけど」

マツコ「高校時代に山形までバイクで行ったの?」

大和「ラーメン好きだったので」

マツコ「顔と合わないわね」

 

大和「この番組で初めてカミングアウトさせていただいて」

マツコ「記憶喪失の話ね」

大和「僕自身もこの1年半で大きな変化があったのがこちら。記憶喪失経験者から声をかけられるようになった」

マツコ「ラーメン関係ないじゃん」

大和「こんなに記憶喪失の人いたんだって初めて知りました」

マツコ「あたしも知り合いに何人かいらっしゃいますよ。そんな劇的じゃないこともあるんだよね。ほんのちょっとしたきっかけでポーンと飛んじゃって。一部分だけ無い方もいるんだよね、全部じゃなくてさ」

大和「この方も交通事故で記憶喪失になったんですけど、起きたときに韓国ドラマみたいな話はないんです。記憶喪失あるあるの話とかいっぱいしてたんです」

マツコ「わかりやすそうでわかりづらいんですけど。どういうことですかね、その韓国ドラマみたいなっていうのは」

大和「起きて、周りの人がいて、『なんとか!』って言っているのを、『あんた誰?』みたいな。人によって症状はさまざまだなっていうふうには感じましたね」

マツコ「記憶喪失の回じゃないんですけど」

大和「そうでしたね」

マツコ「ラーメンですよ」

大和「あと、高校の同級生から35年ぶりに連絡が来る」

マツコ「つまりもう忘れてる方からってこと?」

大和「そうですね、僕は忘れているけど、向こうは覚えている」

マツコ「じゃあいろいろ聞いたんだ、高校時代の話とか」

大和「それでも全く記憶がないので。高校がどこにあるかも知らないんです」

マツコ「本格的に記憶喪失の回になってきたわ。終わりです。本題に入りますよ」

大和「続いて九州代表のほうにいってみましょう。九州代表はこちらです。豊潤でさわやかな香りがたまらない。福岡、鶏志商店『麺と匠 冷やし中華そば かぼす味』」

マツコ「一個難癖みたいなのつけていい?これは冷やし中華なんじゃないですか?」

大和「いや、これはまぜ麺だと思っています」

マツコ「まあ、見てから判断しますよ。出してください。…けっこう冷やし中華。なかなかの冷やし中華感が。大丈夫?具はね。麺だけで勝負しないと」

大和「麺嗅いでください。麺香り良いですから」

マツコ「確かに麺は冷やし中華じゃないな」

大和「うれしい」

マツコ「麺だけでまず。これあたしが夏にやるやつだよ。冷やし中華の甘酢みたいなすっぱいタレあるじゃない。そうめんであれをつけて食べるの。めっちゃおいしい。やってみ。そうめんをちょっと硬めにゆでて。ゴマダレでもいいんだけどさ。近い。超好きな感じ。あたしの血の中にこういう感覚が流れてたのね。親父はルーツ九州だからね」

大和「これも歴史古い。100年以上歴史持っているところなんですけれども」

マツコ「あー、ウマいよ。これ本当にウマいよ」

大和「3日かけて熟成乾燥させるんです。鳥志掛けっていう特殊なかけ方なんですけれども。温度と湿度を3日間徹底的に管理して熟成させる。管理を間違えると、麺がすぐ割れちゃうんですよね。ここまでの弾力も出ないですし、うまみも閉じ込められないんです」

マツコ「やっぱり作り方そうめんに似てるよね。あたしがやっていたことは邪道でななかったんだわ。これあんまり人に言わないでいたの。揖保乃糸とかから怒られるかなと思って。あんまりあたしこの食べ方していること公言してなかったんだけど。言っていいのね、堂々とね」

大和「これを食べたときにまた記憶が戻ってきました。柑橘系の香りがいいので、これを食べたときに私の生まれ故郷である広島因島のおじいちゃんのみかんの畑の記憶をいっぱい思い出しました」

マツコ「なにやってたの?おじいちゃんの畑で」

大和「セミの抜け殻をいっぱい獲っていました」

マツコ「思い出さなくてもいい。なんかもっと前後の記憶出てこない?」

大和「セミの抜け殻でした」

マツコ「ちょっとずつ柑橘系を攻めてみたら?匂いの刺激って大きいらしいのよ、記憶の中で。おじいちゃんのみかん畑っていうのはいろんなものを思い出させてくれるじゃない」

大和「おそらく良い思い出なんでしょうね」

マツコ「そうよ。だからラーメンじゃなくて、みかんそのまま食べりゃいいのよ。ラーメンはラーメンで食べたらいいけど。みかん食いなさい。そのほうがいろいろ思い出すわ」

 

 

《SNSでも話題!汁ありを汁なしに大胆アレンジ》

 

 

大和「ここまでは袋麺の最高の香りを楽しんでもらいましたけれど」

マツコ「なかなかですよ。こういう言い方はインスタントが良い悪いって話じゃないから、お仕事されてる方とかには申し訳ない言い方になっちゃうけれど、やっぱりインスタントって言うと、『インスタントにしては』っていうのが付きまとうわけじゃない。今日いただいたやつはなんだかわからないですよ。インスタントなんだか店で出てるものなんだか。よくわからないぐらいのものですよ、今日いただいたやつは。すごい」

大和「非常にクオリティが高いものがたくさんあるんですけれども、世間のみなさんもどうも汁なし袋麺の魅力に気づき始めたのか、巷ではこんな現象が起こっているんです。それがこちら。汁ありを汁なしにチェンジ。豪華かつ香り豊かなトッピングでアレンジ無限大」

ナレーション「昨今のおうち時間の増加により、汁あり袋麺を汁なしにアレンジするのが人気に。本来の袋麺の味を活かした大胆なオリジナルレシピが続々とSNSに登場。たとえばこちら。マルちゃん正麺旨塩味をペペロンチーノにアレンジ。作り方は簡単。唐辛子とニンニクをオリーブオイルで炒め、茹でた麺と液体スープを混ぜるだけ。ニンニクの香りと塩のすっきりとした味わいが見事にマッチ。その中で大和さんが厳選した、究極の絶品汁なしをご紹介」

マツコ「実はあたしもやってたんですよ、幼少期から。濃い味を食べたくなりまして、サッポロ一番のみそを、極限までお湯の量を減らすんですよ。茹でるときはお湯で麺を茹でるよ。粉を入れるときに量をどんどん減らしていった。耐えられるところまで。丼の麺の場所の3ぶんの2くらいかな。お湯の量がね。濃いの食べたくて。おいしいの」

大和「焼きそばを作るときと似てますね」

マツコ「そうなの。それも試したことがあるの。サッポロ一番のとんこつが一番おいしかったのよ。炒めるの。お湯の量を少なめに作ったサッポロ一番をフライパンで炒めるの。マジウマいぞ。これは本当教えたくないくらいウマいぞ。あたし実は汁なし好きなのよ、きっと。それこそ中学校とか、それぐらいのときからやってるから。3玉ぶんくらい食ってる。そうするとこうなりますからね。みなさん気をつけてくださいよ、食べる量はね」

大和「マツコさんがさっき言った、焼きラーメン風とかもできる」

マツコ「ほら!ほらやってる。作って!久々に食べたいな。作って。…あら。ちょっとあたしと作り方違うわ。あたしはもっと焦がしちゃう。でもこんな感じ。はい、ウマいです。やってみてみなさん」

大和「これ割と九州の方はよくされています。九州の方は割と定番的に普通のマルタイの棒ラーメンなんかでもこういうふうに夏は作ってらっしゃる方多いですね」

マツコ「マルタイの棒ラーメンでやったことあります。あたし好きなんだろうね、乾麺を茹でて焼くの」

大和「こちらが麺を固めに茹でて、豚肉、玉ねぎ、キクラゲを入れて粉末スープで炒めてください。そうするとうまかっちゃんポークエキスが香ばしさアップなんですよ」

マツコ「ただ味が濃くなるだけじゃないんだよね。汁の状態で食べるとんこつよりも、いろんな味がしてくるっていうか」

大和「素材の良さが活きてくる」

マツコ「あたしこれ九州の人がやってるの知らないでやってた。さっきのそうめんもそうだし、あたしやっぱり九州の血が流れているのかな?」

大和「やっぱりルーツそこにあるんでしょうね。あとオススメなのが、ジャージャー麺もけっこう」

マツコ「いただきます。マルちゃん正麺とかさ、あたしがけっこう大人になってからじゃん。試してみる。マルちゃん正麺がすごいっていうのは10年前くらいから聞いてるのよ」

大和「麺が短いのが特徴ですよね、マルちゃん正麺は。どうです?」

マツコ「これお店みたいな味ね。普通に出されたらわからない。すごいですよ」

大和「最近はお肉を冷凍に挽き肉にしてたりする方多いので、冷凍庫から出していただいて。砂糖とお酒とごま油だけで簡単に肉味噌が作れますので。甘みとコクがマルちゃんの優しい醤油とドンピシャなんです。マルちゃんってちょっと優しいんですよね、醤油自体が」

マツコ「お子さんがいる方、ご家族はこれくらいでいいと思うけど、もっと辛くしてもいいね」

大和「焦がしが入るとよりコクが増しますので、それもひとつの手かもしれませんね。あとラー油とごま油を足していただければ、より立体的な味になっていくかなと思います」

マツコ「マルちゃん正麺すごいわ。今さらマルちゃん正麺がすごいと言っているオカマ。遅いわよね。やばい、食っちゃうよ。このままだと食っちゃうよ。あといくつ出てくる?」

スタッフ「あと2品」

マツコ「えっ、もう2つだけ?なんだ」

大和「あと気になるのあります?」

マツコ「塩らーめんカルボナーラ。サッポロの塩らーめんあるじゃん?あれあたし牛乳で作ってたことある。牛乳で茹でて、塩らーめんの粉を入れて。石狩鍋っぽくなる。カルボナーラはそれに近いのかなと思って。自分がやってたことを確かめたいの。…ちょっと近いかもしれない。スープには卵入ってないでしょ?」

大和「牛乳だけで煮てるパターンのやつですね」

マツコ「でしょ?あたしがやってたのに近いと思う。もうちょっと汁が多かったけど。じゃあ卵を混ぜずに。なるほど。濃厚にするのね、この人はね。ただごめん、個人的な趣味言っていい?ちょっとミルクが。牛乳だけある?入れすぎちゃうと汁なしじゃなくなっちゃうもんね。カルボナーラ感が出ると思う。意外とサッポロ一番の塩らーめんってなかなかの味なのよ。濃いめの」

大和「野菜入れても薄くならないように」

マツコ「そういうことなの?『♪季節のお野菜いかがです』っていう歌だもんね」

大和「昭和世代の」

マツコ「知らないでしょ、みんな。うん、これぐらい。カルボナーラ」

ナレーション「大和さん一押しなのが、マルちゃん正麺味噌味をナポリタンにアレンジした一品。作り方はトマトジュースに液体スープを混ぜ、ソーセージなどの具材と一緒に煮るだけ。なぜか昔懐かしのナポリタンの味になるという」

マツコ「ああでも見た目はそれこそ昔のナポリタンだね。これ味噌がどうなってるかよね」

大和「そうですね。一度お食べになっていただくと」

マツコ「ウマい。味噌が活きてる」

大和「トマトと味噌の相性ってすごく良くて」

マツコ「お味噌汁にトマト入れる人とかもいるもんね」

大和「トマトのうまみを引き出してくれるようなんですよ、味噌の成分が」

マツコ「ウマい。ナポリタンに隠し味で味噌を入れるべき」

大和「僕の実家が喫茶店をやっていたことがあって、隠し味に味噌をすこし入れていたことがあって。昔の喫茶店は味噌を入れていた可能性が高いですね。少し和を入れることでうまみがグッと。なじむ味っていうんですかね」

マツコ「これだけ食ったのに負けない。おいしかったですよ」

大和「本日いかがでしたでしょうか」

マツコ「久々に行ってみますわ、大型スーパーに。汁なしコーナーを見てみますわ。これはなかなかの事態が起きていました、あたしが行っていない間に」

大和「気がついたらいろんな各メーカーが汁なしを出していたっていう」

マツコ「汁なしもいいけど汁ありもいいよ。両方愛してね、みなさん」

大和「両方愛していただいて、どちらもおいしく食べていただければと思います」

マツコ「じゃあ次に来ていただく間には、もうちょっと記憶がよみがえっていることを期待しておりますので」

大和「そうですね、汁ありも汁なしもしっかり食べて」

マツコ「それでもし本格的になにか戻った場合は、記憶喪失の世界でもいいので」

 

~完~