2021/04/27放送
マツコの知らない世界
https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/
'年間170回以上動物園に行く男'
野崎浩貴(ノザキヒロタカ)さん(以下、野崎)
スタッフ「ゲストが年170回動物園に行かれてる方で」
マツコ「ヒマだね」
スタッフ「一人で行かれてることが多いみたい」
マツコ「あ、そう。異常者ね」
野崎「こんにちは」
マツコ「一人で行ってるの?一緒に行っちゃおうかな」
野崎「動物園と言いましても、もちろん赤ちゃんもすごい好きなんですけど」
マツコ「赤ちゃんのうちはなんでもかわいいのよ。赤ちゃんの時期を過ぎても愛せるか」
野崎「赤ちゃんばっか注目されるけれど、ご長寿動物もおもしろい。その理由なんですけど、全く媚びない仙人感。動物園っていうと、動いている姿が見えなかったりすると、せっかく動物園来たのにって言う人がけっこういる。もちろん見れたらラッキーですけど、動物園っていうのは動物のその姿を拝ませてもらうっていうのが大事だなって。その中でも高齢の動物っていうのは仙人というか。自分たちの動物時間を確立している。もちろん赤ちゃんも媚びませんけど」
マツコ「特に老人は媚びませんよ。年を重ねて苦労してきて、残りの人生も数えるぐらいですってなった時に、媚びたくない」
野崎「だから今回、ご長寿の長生き動物をメインにお話しできたらなと思います。よろしくお願いします」
マツコ「よろしくお願いします。なんだろう、穏やかさと狂気が同居している感じ。カラムーチョみたいな感じ」
《動物園に年170回野崎くんが通う理由》
野崎「自己紹介を作っていただいた。ごめんなさい、ここにマウントとってみたいになっちゃって恥ずかしいんですけど、動物園に年に170回」
マツコ「大丈夫ですよ、世の中の人98パーセントマウント取られてるって思っていません」
野崎「出身は東京でございます」
マツコ「東京で止めちゃだめよね、狛江を。そこは狛江あるあるよ」
野崎「大学を何にもならないまま卒業しちゃって。最初の頃はお金を使わないように映画を観る以外はママチャリで多摩川沿いを走って」
マツコ「それが一番無駄な気がするんですけどね。目的もなく多摩川沿いを」
野崎「フラフラしている時期に、アジアゾウのはな子さんに出会いました。今までも動物園は行っていたんですけど、個体として動物を見ることがなかった」
マツコ「何々さんっていう思いはなかったのね」
野崎「はな子さんが動物園っていう限られた空間の中で、はな子さんなりにはな子さん時間、水浴びしたりとか木にぶらさがった鐘を鳴らしたりとか。そういうの見ているうちに就職活動で他人時間に流されていたなと思って。ちょっと落ち着いて自分で考えてみようと」
マツコ「答えは見つかったの?」
野崎「そんな急がなくていっかって思いました」
マツコ「もう10年経ってるんだけどね、はな子さんと出会ってから。だからはな子さんに悠久の時間を教わったわけね」
野崎「そうです。そのあと他の動物にも会いにいこうと思って。多摩動物公園の、もう亡くなっちゃったんですけど、ボルネオオランウータンのジプシーさん。全国に自分の血縁関係が、やしゃごまでいる。そういうのもあって、いろんな動物園で拝みたいなっていう気持ちもあり。そこから動物園に行くようになった」
マツコ「ジプシーさんは枝豆派なのね」
野崎「枝豆も好きでした」
マツコ「いい感じでほろ酔いだもんね」
野崎「2016年にはな子さんが亡くなり、翌年にはジブシーさんが亡くなっちゃった。なおさら『明日会おう』じゃなくて、行けるんだったら仕事あっても午前中に行くとか」
マツコ「それで170回も行ってるのね。だから本当に自分のおじいちゃんおばあちゃんに会いにいってるみたいな感覚で行ってるわけね。会える時に会っとかないと。なるほどね」
野崎「もともとおばあちゃんっ子っていうのもあった。畏敬の念みたいなのがある」
マツコ「おじいちゃんおばあちゃんはまだいらっしゃるんだもんね?」
野崎「今も自転車乗ってマックとか買ってきてくれる」
マツコ「マック買ってくるの?すごいわよ。ハイカラなおばあちゃんよ。チャリで狛江の駅前行って、マック買って。『マック』って言うの?」
野崎「『マック』って言います」
マツコ「もう狛江は世田谷でいいんじゃない?」
ナレーション「年間170回以上動物園に行く野崎くんに密着。やってきたのは横浜市の金沢動物園」
野崎「今日はもう一人、お友達を呼んでいる。来ました、友人の加藤諒くんです」
ナレーション「二人は4年前に知り合い、多い時には週3で会う大親友」
マツコ「諒くんと週3で会ってて、170日動物園に行くって、相当ヒマだな」
ナレーション「金沢動物園には野崎くんお気に入りの動物の個体が5頭いるという」
野崎「あれがボンさんです。国内にいる動物園のアジアゾウでは最大級の牙。こんなでかい牙のアジアゾウ、なかなかいない」
ナレーション「ゾウの牙は1年に10センチメートル伸びるんだとか」
野崎「ボンとヨーコさん」
マツコ「牙が長すぎない?」
野崎「日本最大級です。次、初めて日本の動物園に来た、オカピです。次に、ヒガシクロサイ。ロンとローラ。上野にいるヒガシクロサイのお父さんとお母さんがここにいる。アルゴのお父さんとお母さん。インドサイとシロサイとクロサイ、けっこう見た目で違う。多摩動物公園とか、インドサイは鎧着たみたいな感じでしょ。ベアードバグのアグアさん。95年生まれだから、今年で26歳になる。お客さんが見られる動物園で展示しているのはここだけ。座ろう」
ナレーション「気に入った動物は2、3時間かけてじっくり見るのが野崎流。待つこと1時間」
野崎「起き上がるんじゃない?起き上がったよ。歩きはしていないけど、起き上がったアグアさん見れて良かった。5分10分見てるだけだと、見えないじゃんってなっちゃうけど。ちょっとだけ諒くんに全身見せてくれたね」
マツコ「加藤くんと友達って、彼遠くから登場した時に『えっ』ていう驚きは一切無い、おさまりの良さね。『そうよね』っていうね」
野崎「もともと共通の友達がいて、そこで知り合った。今度遊ぼうっていうところから始まった」
マツコ「ありがとね、加藤くん。告知もないんでしょ?ヒマなのかしら?」
《人間だと100歳超え⁉レジェンドたち長寿の秘密》
野崎「本題です。人間も長寿の国日本なんですが、実は動物もご長寿ですよという」
マツコ「これは日本の動物園の飼育って、やっぱりすごく動物にとっては健康でいられる環境なのかね」
野崎「30年くらいでどんどん食べるものも、もっとこういうものがいいって変わってきてたりする。ゴリラも昔までは果物多かったりしたのが、あんまり糖分とらせすぎるのも良くないから、野菜とかを多めにしたりとか」
マツコ「たぶん、品種改良しちゃったからなのよ。昔は果物とかだってゴリラが食べてたような野生のものは、そんなに糖質高くなかった」
野崎「確かに」
マツコ「動物園行ってたわ。風太に会いに」
野崎「千葉市ですか?」
マツコ「そう。あたし出身地だから。ゴリラにガン飛ばされた」
野崎「ゴリラ2頭。モンタとローラっていうのが。あと千葉市動物公園にアメリカビーバーのマツコさんっていうビーバーがいますよ」
マツコ「あら。なんでマツコにしたんだろう」
野崎「肝っ玉母さん」
マツコ「あたしも肝っ玉母さん願望は強いから」
ナレーション「年に170回動物園に行く野崎くんが、国内最高齢レジェンド動物たちをご紹介」
野崎「いっぱいいるので、あくまでも超一部なんですけど、なにかパッと見、気になるものありましたか?」
マツコ「あたしとしては上野動物園のゴリラのピーコ先生が気になる(51歳)。なんでピーコっていう名前にしたんだろうっていう。おすぎはいたのか、気になるところよ」
野崎「あとマレーバクのジュリとか(32歳)」(福岡市動植物園)
マツコ「バクって普通何歳くらいまで生きるの?」
野崎「32歳ってけっこう長生きだと思います。たとえばコアラのみどりとかも飼育下では世界最高齢(24歳)。ギネス載っています」(淡路ファームパークイングランドの丘)
マツコ「ちなみにコアラは何歳くらいなの?寿命」
野崎「野生だと平均15歳くらい」
マツコ「そうなんだ、相当長生きね」
野崎「みどりさんに関しては自分で、ペーストにしていないユーカリとかちゃんと食べている。咀嚼できている」
マツコ「コアラも年取るとペーストにしてあげるんだ。やっぱり同じだね」
野崎「京都市動物園のアカゲザルのイソコおばあちゃん、78年生まれ」
マツコ「風情のあるおばあちゃんね。ちゃんと季節の花を」
野崎「ニホンザルとかアカゲザルとかも桜の花びらが好き。このあと花瓶に入れるんじゃなくたぶん食べちゃう」
マツコ「それでも春を感じてらっしゃるのよ。すばらしい」
ナレーション「イソコさん48歳、これまで10頭の子どもを産んだメスのアカゲザルで、平均寿命が15から20年と言われるなか、倍以上も生きているスーパーご長寿おばあちゃんなのだ」
野崎「イソコさん京都市動物園の老猿ホームという所で今暮らしている」
マツコ「それは猿専用じゃなくて?」
野崎「そこはアカゲザルだけが。他の群れといるとケガしちゃうと大変だから、だいぶ高齢な個体がそこに集まっている。今3匹。その中でも一番高齢のイソコさんの長生きの秘訣。めんどうなことには関わらない」
マツコ「大事」
野崎「もちろんアカゲザルにも順位があったりするから、たまにケンカがあったりするんです。そういうケンカにも極力関わらなかったり、ケンカになる前に相手に毛づくろいとかしたり、ケンカする方向にしないようにする。若いころはわからないですけど、もしかしたら群れでいろいろあったりしたかもしれない」
マツコ「いろいろあったから、そうしたっていうのもあると思うよ。苦労されてる顔だもん」
野崎「過去にはいろいろあったかもしれない」
マツコ「あったわよ、京都の女だもん」
野崎「次がニシゴリラのピーコさん。1970年、推定51歳」
マツコ「いいね。乳首の垂れ具合もステキ」
野崎「ピーコさんの長生きの秘訣。おしゃれすること。写真にあるように、いろんな色の布を」
マツコ「本当だ」
野崎「ゴリラとかオランウータンとか、麻袋や布をかぶる。そのなかでもピーコさんいろんなカラフルな布をかぶる」
マツコ「おすぎさんいてほしかったな」
野崎「ジプシーさんの娘の長女のジュリーさんも、ジュリーからきている」
マツコ「沢田研二さんから?」
野崎「そうです。ジュリー(長女)、サリー(次女)、チャッピー(三女)、キャンデー(四女)。キャンデーは『キャンデーキャンデー』からきてる」
マツコ「『キャンディキャンディ』ですけどね。いつからそんな吉幾三さんみたいな」
野崎「同じく多摩動物公園、アジアゾウのアヌーラ(推定68歳)」
マツコ「アヌーラ。またハイカラな。誰が決めてるんだろうね」
野崎「アヌーラさんもすごくて、多摩動物公園ができたのが1958年。多摩動物公園を超えてる」
マツコ「外国から来たのかしら」
野崎「外国から来て。アヌーラさんは多摩動物公園は今新しいアジアゾウのエリアを造っていて、お客さんは見られないんですけど新しいエリアに一足お先にお引越ししている。下が土でできてて、だから足に優しい」
マツコ「多摩が今すごいって。ライオンもすごい所にいるのよね」
野崎「ライオンバスの所、今新しくしています。アヌーラさんの長生きの秘訣。新しい出会い」
マツコ「うわ、老いらくの恋ね」
野崎「アマラ(16歳)と」
マツコ「若っ。うらやましいわ」
野崎「まだ交尾とかはしていないんですけど、今いい感じ。仲良さそうらしいんです」
マツコ「純愛」
野崎「もしかしたら。アマラはまだ全然若いので」
マツコ「多摩行こうかな」
野崎「その時はぜひ」
マツコ「諒くんも?うわー、化け物ツアーね。その3人でライオンに勝つわよ。こっち釘づけよ」
《人気者がいなくなる⁉動物園の未来を考える》
野崎「そんな高齢動物の話をしたあとに、悲しい話なんですけども。今動物園にいる動物の5割くらいがもしかしたら見られなくなる可能性がある。ワシントン条約とかもあるし、昔に比べて動物が減ってきているのもあって。安易に動物を持ってこられないていうのもある。結果全部人間のせいなんですけど。バブルの時はどんどん動物園増やそうっていう感じで増えてっちゃった。このピーク時が当たり前ってわけじゃないんです」
マツコ「ラッコなんかは、ラッコブームがあったじゃない?その時にたぶんいろんな水族館がバーッていれたんだろうね」
野崎「ラッコなんて今絶滅危惧種だし、気づいたら日本にはもう5頭しかいないという」
マツコ「ラッコって繁殖がすごいさせづらいんだってね」
野崎「けっこう大変です。福岡は1頭しかいない。野生をつかまえて持ってくるってもちろんできない」
マツコ「絶対無理だ。野生の自体がすごい減ってるんだよね」
野崎「全部人間のせいですけどね。シロサイも要は漢方になるってツノとかをとるために密猟とか。アフリカゾウはスポーツハンティングみたいな、トロフィーハンティングみたいな」
マツコ「いまだにやってる」
野崎「これはあくまで日本で少なくなっている。日本に1頭しかいない動物っていうのもいて。ズーラシアのモウコノロバ、ミンミン。だいぶ高齢なんですけど」
マツコ「このロバちゃん、餃子が好きっていうわけじゃないんだよね」
野崎「あの餃子のミンミンではないです」
マツコ「最初から1頭っていうわけじゃなかったんでしょ」
野崎「最初は1頭じゃないと思いますよ。最初は何頭かいたけど、特に長生きしちゃって残り1頭になっちゃった」
マツコ「どういう気持ちなんだろう、1頭になっちゃって」
野崎「ミンミンはだいぶ今一人に慣れてきて」
マツコ「一人って慣れるのよね、そうなのよ」
野崎「難しいところなんですけどね。今から仲間導入する」
マツコ「無理無理。あたしもそうだもん。今さら誰かと暮らすなんて考えられないもん」
野崎「多摩にもシャモアっていう動物が。もうモンブラン1頭だけなので」
マツコ「きれい。なんか劇団四季みたいな顔しているわね。結局動物園ってさ、たとえば絶滅種を保護するような目的の側面もあったりとか、いろんな研究が進んだりとかするっていう側面もあったり」
野崎「実際にモウコノウマっていう中国大陸にいる野馬は、一回自然では絶滅しちゃった。人間のせいなんですけど。それも動物園にいた個体を増やしたことで、今野生復帰している。日本のコウノトリも一回日本に来るコウノトリいなくなっちゃったんですけど、今増やしてて」
マツコ「トキとかもそうよね。あれ中国のやつだけど」
野崎「野生では数減ってるのに、日本の動物だと」
マツコ「動物園のほうがうまく繁殖をさせられている動物ね」
野崎「それがレッサーパンダ」
マツコ「レッサーパンダってけっこうヤバいんだ?世界だと」
野崎「野生の数は少ないんですけど」
マツコ「動物園だと大家族のイメージあるわよね」
野崎「80年代だと26頭くらいしかいなかった。繁殖も国内でうまくいっていて、280頭近くレッサーパンダが国内だけで全国の動物園にいるっていう状態」
マツコ「年とってもかわいいのよ。だからずるいのよ。まだ童貞ですみたいな顔してるのよ。ずるいのよ顔が」
野崎「風太くんまだ存命なので」
マツコ「今孫とかが立ってるのよ。もっと言っちゃうと、レッサーパンダが立つのはそう珍しいことではなかったらしいのよね」
野崎「みんな立ちますよ」
マツコ「そうなのよ。あれ千葉市動物公園がうまいことやったのよ。動物園行きたいなっていう気になった」
野崎「よかったです。いろいろ学べる場所でもあり、いろいろ感じられる場所でもある」
マツコ「東京近郊のオススメ」
野崎「埼玉いいですか?埼玉でけっこう行く所あるんですよ。埼玉県こども動物自然公園っていうところを忘れていました。高坂っていう駅です」
マツコ「森林公園の隣?」
野崎「そうです。あそこはけっこうオススメです。ライオンとかはいないんですけど、カナダヤマアラシとか、ペンギンヒルズとか、割といい展示が」
マツコ「ペンギンヒルズ?そんな六本木ヒルズみたいなのがあるの?」
野崎「そうなんです。丘とかがあって」
マツコ「旭山みたいな、動いているペンギンが見えるんだ」
野崎「そうですね、住んでいるような環境も作って」
マツコ「水族館はどこがいいの?」
野崎「水族館は相模川ふれあい科学館っていう」
マツコ「いきなりマニアックな所。アユとかがいるの?」
野崎「淡水の」
マツコ「だよね、相模川だもんね。どこにあるの?」
野崎「(相模原駅から)バスに乗って」
~完~