2020/12/08放送
マツコの知らない世界
'高崎パスタを伝えるために市役所に勤める男性'
松田和也(マツダカズヤ)さん(以下、松田)
マツコ「あたしいただいたことはないんですけど、意外と知ってますよ。ジャンル的には好きな感じなので。おいしそうなのよ。量も多いし、クリームとかチーズみたいなね」
松田「お米以上にパスタを食べる」
マツコ「本当?香川の人がうどん食べる感覚で、高崎の人はうどん行くかの代わりに『パスタ行くか?』」
松田「主食です」
マツコ「もともと小麦粉の産地だもんね。だから粉物がすごいのよ。焼きまんじゅうとかもそうだしさ。群馬の方は粉物がお好きなのよね」
松田「私この番組大好きで、先日埼玉うどんの世界があったんですけども、我々高崎パスタもぜひ全国区にということで」
マツコ「なるほど。でもおっしゃるほど埼玉うどんはまだ全国区じゃないです。それを言ったら水沢うどんのほうがまだ全国区だと思いますよ」
松田「日本三大うどんですもんね」
マツコ「だいたい市役所の人ががんばると、空回りで終わるのよ。大丈夫ですか?」
松田「パスタは絡みが大事なんです」
マツコ「中途半端。うまくもなくヘタでもない」
松田「高崎のある群馬県は、10万人あたりのイタリア料理店の店舗の数が、東京に続いて第二位なんです」
マツコ「東京は異常ですからね。それを考えたら事実上トップって言っても過言ではない?」
松田「群馬イコールほぼ高崎です。東京と高崎が対等するくらい。もうひとつ、これ見てください。イタリアの国。長靴の形ということになりますね」
マツコ「ただ合併して形が変わっちゃいましたからね。合併したからなったの?」
松田「ほらほらほらほら」
マツコ「いやいや、これはそんなでもないですよ。別にいいですよ、そっくりにしなくても。どうやったらイタリアに近づけるかじゃないんですよ」
《進化が止まらない!その理由と驚きの背景》
松田「毎日高崎パスタに関わらないと、進化し続けているので」
マツコ「そんなに日々変わっています?」
松田「高崎パスタが進化し続ける理由がナンバーワンを競う祭典、キングオブパスタ」
マツコ「高崎市内のパスタを出しているお店で争っている?」
松田「そうです。市役所の近くにあるもてなし広場っていう所。毎年11月に開催される。2009年から始まって、今年で12回目。高崎パスタのお店が集結する。一般投票で一位を決めている。チケット制で、一番おいしかったお店に投票する。優勝すると、このパスタ店にとって最高の栄誉」
マツコ「優勝されたお店は、今でもすごい人気店?」
松田「そうです。優勝すると、お店の売り上げが1000万円アップする。これがまさに高崎パスタのドリーム」
ナレーション「そんな高崎ドリームをつかんだお店のひとつが『トラットリアバンビーナ』。2013年、赤城鶏の塩麹あんかけパスタで見事優勝」
松田「バンビーナさんのシンデレラストーリー、写真でご覧いただきたい」
マツコ「こんなこじんまりとしたお店だったの?」
松田「屋台村がありまして、ミスドくらいの店舗の中に、7、8席のお客さんが入れる席しかないなかでスタートした。もともと店主は建築業をやっていた。第一回のキングオブパスタのニュースを見てこれにぜひチャレンジしたいと思って建設業をやめて」
マツコ「料理の修行されたことなくて?」
松田「昔アルバイトでやってたような話はしていた。キングオブパスタに出店するようになって、郊外に2店舗目を」
マツコ「これはサクセスストーリーよ」
松田「キングオブパスタに出続けて、見事優勝。そんなバンビーナさんが続いてのお店を構える」
マツコ「夢ありますね。これは確かにすごいわ」
松田「昨年も優勝している。連勝している」
マツコ「今年どうなるかわかりませんけど、現時点では高崎イチと言っても過言ではない?」
松田「キングの中のキングですから」
《大変革時代到来!スーパールーキー達が台頭》
松田「そんな高崎パスタに今大変革が訪れているんです。高崎パスタは今第四世代が台頭しています」
マツコ「三も紹介されていないのに、四なんですか?」
松田「今までは量が大盛り、スープたっぷりで安くてウマい。それが高崎パスタとしていってた」
マツコ「四の特徴はなんなんですか?」
松田「男飯が超おしゃれグルメに」
マツコ「急に分かりづらくなりました。どういうこと?」
松田「第一世代、高崎パスタのルーツですね、『シャンゴ』さん」
マツコ「シャンゴさんが一番よく聞くよね」
松田「お笑いでたとえるとビートたけし」
マツコ「たけしさんとかさんまさんとか」
松田「先駆けの部分。シャンゴさんは1969年に創業した高崎パスタのルーツ。先代の関﨑さんが高崎に粉物文化を広めようとして始めたお店。とにかく量が多い。おなかすかしている方々にいっぱい食べさせようと思って」
マツコ「これはもう有名よね」
松田「シャンゴ風っていうパスタです。カツの上に甘いミートソースを乗せた。高崎の市民であれば誰もが一度は食べたことのある高崎パスタの王様」
ナレーション「実は今ではおなじみのスープパスタもこちらのシャンゴが発祥と言われ、先代の高﨑さんがボンゴレを作る際に、当時は捨てるのが普通だったアサリの茹で汁に注目。うまみがたっぷりあるのに捨てるのはもったいないと、スープ作りに応用したのが始まりだそう」
松田「シャンゴさんからお弟子さんが独立したり、第一世代とともに牽引してきた第二世代」
マツコ「暖簾分けした人たちが第二世代」
松田「さっきのキングオブパスタっていうイベントが出てきたときに、市外・県外から高崎でお店を出してチャレンジするんだっていう人が第三世代」
マツコ「第三世代の方の店はみんなすごいおきれいね」
松田「サンドウィッチマン、タカアンドトシ、ブラックマヨネーズ、要はコンテスト。キングオブコントとかM-1グランプリ、こういうのと一緒。同じように高崎パスタの中では」
マツコ「キングオブパスタで優勝した世代だ。第四世代の特徴はなんですか?」
松田「もう今はイタリアンと関係ない異業種が」
マツコ「関係あるところから教えてくださいよ。第一世代も知らないんですよ。たけしさん、タモリさん、さんまさんを見ずにして、いきなりぺこぱとか見るの?」
松田「とにかく異業種が参戦して、今たいへんなことになっているんです」
マツコ「結婚式場のパスタ食べるんですか?」
松田「高崎にある高崎神社っていう神社の『Thrush cafe』。八芳園さんが出店している」
マツコ「その神社の中の結婚式場を、八芳園さんが経営されているんだ?その中にあるカフェ?」
松田「あと居酒屋さん。居酒屋さんでもパスタが食べられます」(『WAITRIA Tiga』ごま坦々クリームパスタ)
マツコ「みんなシメで食べるの?」
松田「おっしゃるとおり。宴会のシメ、もしくはお通しでもパスタが出てきます」
マツコ「お通しでパスタが出てくるの?」
松田「掘りごたつでおしゃれなパスタが出てくる」
マツコ「おしゃれなんだけど、やっぱりちゃんと踏襲してるなって思うのは、ごま坦々とか入れるあたりよね。ただ小洒落たのにはしないぞっていうね」
松田「そこにはなにか通ずるものがある」
マツコ「カツとミートソースから続いているわよね」
松田「そして肉バル系のお店。肉肉しい」(『炭火焼ワインバルLom』肉塊ミートパスタ)
マツコ「ずごいわねこれ。ミートソースの上にハンバーグ乗せてる。これはだからパスタじゃなくて肉ですよね、どっちかって言うと。あの店で出てくる感じではなかった。そこがまた高崎パスタの良いところよね。あんな小洒落た店でも、高崎パスタの流れは絶対に踏襲してるっていうね。高崎、2泊くらいして吐くまでパスタを食う。そういう旅もいいわよね」
松田「他にも大注目の第四世代の高崎パスタが。『高崎カメレオン』っていうお店。おしゃれな内装の人気の居酒屋さん。こちらのお店で提供しているのが、濃厚ウニボナーラ極。海なし県群馬なのに、こんなに海産物ふんだんに使ってしまって」
マツコ「不幸になりますよ。群馬でこんなにイクラとウニ大量消費したら」
松田「合うんです。クリームソースにウニ混ぜて」
マツコ「これはおいしいでしょうよ」
松田「本当においしい。ほっぺた落ちそうになる。続いてこんなお店もあります。少し郊外にある『高崎Ring Road』さん。洋食屋、喫茶店。ハンバーグやオムライスが絶品。サーモンとたらこのスパゲッティ」
マツコ「木の皿で出されるとちょっとね。どう向き合ったらいいか悩むわね」
松田「半分食べたところで鰹ベースの濃厚和風出汁をかける。ひつまぶしのように」
マツコ「あたしはかけないかな。出汁だけ飲みます。おいしいんですよ」
松田「続いて。スイーツ店が作る派手パスタ。『ルームス』ビーフシチューパスタです。高崎の街中で女の子に人気のスイーツ店。パンケーキがおいしい洋食屋があるんですけども。お笑いで話していいですか?お笑いで言うと、EXITさん、ぽぽぽぽーん!って感じ」
マツコ「今のは使いませんけどね」
松田「こちらです。ぜひ召し上がってみてください」
(上州牛と高崎野菜のビーフシチューパスタ)
マツコ「これ混ぜるの?どうやって食べるの?」
松田「さあ、どういうふうに食べましょう」
マツコ「好きに食べていいのね?」
松田「おっしゃるとおりです」
マツコ「つけちゃおうかな。つけ汁みたいにしちゃおうかな。おいしそう。…おいしい。これそんなに奇をてらってる感じでもない。王道の味よ」
松田「ビーフシチューのデミグラスソースが絶品です」
マツコ「めちゃくちゃ本格的」
松田「ホテルのシェフもやってたので、そういうところの技術があると思うんです。お野菜も高崎産のお野菜。ビーフシチューをライスやパンではなくパスタで食べるのが高崎パスタ」
マツコ「なるほどね。要はご飯とかパンの代わりにしてるんだよっていうのを、一番象徴的に表してる感じね。下手したらこれパスタだけでも食べてもいいってことよね、ご飯みたいにね」
松田「おっしゃるとおりです。パスタだけでも食べてもいいように、パスタにも味付けしてある。マスターに聞くとそのまま食べる人もいますね」
マツコ「本当にご飯だね」
松田「主食ですね」
マツコ「おいしい。あっさりしたペペロンチーノみたい。恥ずかしい話だけど、家になんにもないときとかあるじゃん。パスタにマヨネーズだけ入れて食べたりするのよ」
松田「僕もそうです」
マツコ「ホント?いやだ〜」
松田「パスタにマヨネーズ。ちょっと醤油かけたり」
マツコ「高崎の人に近いのかもしれないけど、本当にご飯として使うときあるのよ」
《巻き心地がたまらない!松田さんオススメ最強パスタ》
松田「異業種の方々がチャレンジしている進化系の高崎パスタもありますけれども、老舗のお店もやっぱりすごい。150店舗がひしめき合う激戦区で、何十年もお店が続けられるには理由があるんです。『安い・多い・ウマい』は当たり前、実は高崎パスタの魅力は巻き心地。この巻き心地の良さがあるかないかで高崎パスタは変わってくる」
マツコ「さっきいただいたやつも相当巻きやすかったです」
松田「巻けないパスタは高崎パスタじゃないと思ってるんです」
マツコ「巻けないパスタってあるんですか?」
松田「ペンネとか」
マツコ「ああ、ペンネとかはダメ?」
松田「高崎パスタとは言えない」
マツコ「高崎のお店の方、すぐにスパゲッティに変えてください。恐ろしい市の職員がいますよ。ペンネをパスタと認めない職員がいますからね」
松田「スパゲッティはアルデンテがおいしいよって言われるじゃないですか。高崎パスタはアルデンテではなくて、ミディアムレアくらい。ちょっとやわらかめの麺。アルデンテだと、麺をはじく感じ。ミディアムレアだと巻き心地が最高。実際にシャンゴさんの映像が。シャンゴさんはある方法で麺の巻き心地をアップさせている。茹でた麺を冷まします。ここに油をかけて冷ましながらなじませる」
マツコ「うちでもオリーブオイルかけておくとくっつかなくていいのよ」
松田「この工程が大事で、冷蔵庫で一晩寝かせるということをやっている」
マツコ「茹でたてじゃないの?」
松田「そうするとモチモチ感が出る」
マツコ「へー!あれをもう一回火を通して提供してるわけだ?」
松田「もうひとつ。こちら『はらっぱ』さん。スープたっぷりのガーリック赤唐辛子トマトソース」
マツコ「ガーリック乗せすぎじゃないですか?食べれちゃう?」
松田「私は大好きです。よく食べるメニューなんです。たっぷりのチーズとガーリック。このお店の特徴は、生麺か乾麺か選べる」
マツコ「乾麺派です」
松田「最高です。チーズがたっぷりあるので、フォークとスプーンで巻いた時に、巻き心地の良さ」
マツコ「生麺もおいしいです。でもこのスープには乾麺が合いそうな気がするんだよね」
松田「けっこう生麺がスープを吸ってくれるんです。さらにですね、もっと最高の巻き心地の良さがあるお店。『CARO』のレモンクリームカルボナーラというメニュー。フィットチーネの太麺を」
マツコ「フィットチーネはいいんですね?フィットチーネ意外と巻きづらいですよ」
松田「フォークを脇腹に刺したときの入った感覚ですね。この心地良さと、フィットチーネの麺を持ち上げた時に真ん中のあたりをつかんでいればしっかり巻ける」
マツコ「フォークのチョイスが、お店がどういうフォーク選ぶかによってセンスが問われる」
松田「麺と汁のコンビネーションです。ここで巻き心地の最高峰出します。3種類の濃厚ソースがからみつく巻き心地が最高。『ボンジョルノ』チキンカッチャジョーネ」
マツコ「鶏が入ってることしかわかりません」
松田「まず何がすごいって、麺をトマトソースとミートソースであえてあるんです。その上にカッチャジョーネソースがかかっている」
マツコ「カッチャジョーネソース?」
松田「カッチャジョーネというイタリアン料理。通常それはその料理だけで食べるんですけれども、ボンジョルノさんはパスタの上にかけちゃった」
マツコ「いいんですか、そんなにかけちゃって」
松田「巻き心地が良いんです。私は高校の時からよく食べてたので。こちらもぜひ」
マツコ「ご自分のも出るじゃないですか」
松田「我慢しきれずに。すみません」
マツコ「こんなの見たことがない。ああでもなんか、1.5世代だ。懐かしさが。うちらの世代が初めて食べたミートボールとかの味。懐かしいこの味。うん、おいしい。イタリアの太ったお母さんが作っている味。食べたことないんだけどね、イタリアの太ったお母さんが作ったの。懐かしいって言って巻き心地を調べなかったけど、調べますね。あ、巻き心地良い!なんのストレスもなく」
松田「スルスルスルっていけるんですよね。羽生結弦くんの高速スピン並みに回せる」
マツコ「それはいいです。見てよほら。一回も引っ掛からないからな」
松田「だいたいお店で食べると21巻きくらいなんです」
マツコ「なにを言ってるんです?どういうことですか?」
松田「21巻き」
マツコ「これ全部を21巻きで食べるってこと?」
松田「私が心地良さで食べ終わるのが21巻き。生涯ここまで食べたのが1万巻きは超えてますね」
マツコ「ご苦労様でした。高崎良いな〜。こんなん食べてるんだ、毎日」
松田「高崎パスタ、全国区になれますかね?」
マツコ「お店巡れたらおもしろい。新幹線とかで行って、1店舗しか行けないってなるとコストパフォーマンスが低すぎるから、昼行って夜帰るまでに4、5店回れたらおもしろいよね。ちょっとずつ食べて」
松田「1ドリンクとミニパスタで」
マツコ「そうそう。…なんでそんな具体的な話になるのよ」
〜完〜