2020/12/01放送

マツコの知らない世界


'究極のおせちを求めて1000種類以上食べてきた女性'

中井千佳(ナカイチカ)さん(以下、中井)





中井「おせちはどんなイメージございますか?」

マツコ「あたしはけっこう一人で住んでますけど、必ずおせちは毎回つきぢの田村さんのを買うんですけど。なんでかって言うと、三段目お煮しめなの。お煮しめがある程度量がしっかりないと」

中井「そうですね、お煮しめがしっかりあるところは本当においしいところだと思います」

マツコ「デパートとかで買える中で、一段お煮しめのところってそんなにないのよ。でも田村さんは絶対そうだから。あれが助かるのよ。ちょっと小腹ってときにお煮しめが一段ガッとあるとありがたいのよ」

中井「お目が高いですね。お煮しめは最重要」

マツコ「ですよね!ほら!気が合っちゃったわよ。顔圧が強い女と気が合っちゃったわよ」

中井「いろんなお取り寄せおせちがある中で、シェフが作ったおせちとか、百貨店、あとはスーパー、コンビニでも買えるようになった。おせちの需要が高まっていて」

マツコ「やっぱり需要高まっているよね?」

中井「高まっています。そんな中で今年は特に注目していただきたい。今日言いたいこと、おせちを食べ始めて約200年、史上初17連休!?で過去最大のおせち需要到来」

マツコ「日本人がおせちを食べ始めて200年」

中井「江戸時代後期から食べ始めた」

マツコ「17連休になるの?おせち1個じゃ足らないって」

中井「こんなデータがあるんです。ある大手百貨店では昨シーズンと今シーズン比べても30パーセント増の9月の売り上げ。大手通販サイトだと9月だけで去年の3倍売れてる」

マツコ「人気のあるところは一瞬でなくなるからね。あたしも早く予約しないと。あたし毎回2つ頼むから。田村さんのはもう決定なんだけど、もう1個別のところを毎年順番に頼んで、三段のやつ3、4日で2つ食べちゃうから。おなかいっぱいにする」

中井「おせちファンとしてはうれしいですね」

マツコ「三が日はおせちだけで過ごす」

中井「どんどん言っていただきたい。今回お休みも長いということで、ぜひやっていただきたいことがこちら。究極のおせちカスタマイズ、おせち具材アベンジャーズ」

マツコ「アベンジャーズって言葉を言われてこんなに恐怖を感じたことはないわね。今までで一番やられるんじゃないかっていう」

中井「いろいろと具材ごとにこだわりのメーカーさんが作っていらっしゃいます。冷凍技術も上がっているので、ひとつひとつの具材が取り寄せられるようになっている。今年はぜひごだわりのおせちを」

マツコ「それぞれ別々に取り寄せるってこと?」

中井「そうです。私はお仕事でおせちの具材をいろいろ取り寄せているんですけれども、コストなどの関係で本当に理想のおせちが作れていない。なので今回番組を利用させていただいて、理想のおせちを作らせていただけるということで。本当にありがとうございます」

マツコ「それでお煮しめくらいは自分で作ったら、最高のおせちよね。お正月を最近の人は軽く見ている。コンビニもずっとあいてるとなってくると。昔はキャンプに行くみたいな感じだった。年越しって7日くらいまでお店やってくれないから、最後はみんな飽きた餅との戦いだったもんね。だいたいみんなしびれを切らして5日か6日にカレー食う。だいたいみんなボンカレーを温め始めるのよ」



《おせちの未来を担う!2大キープレーヤー具材》



中井「おせちで問題なのが、20代30代の方がおせち離れしているという。一人世帯が増えたりとか、帰省しない方が増えたりってことで、全然食べていない」

マツコ「なくなりはしないとは思うんだけど、ちょっと不安よね」

中井「それを救ってくれる2大具材プレイヤーがいるんですけど。それがなにかわかりますか?」

マツコ「若い子も好きってことよね?昔からあるものよね。一個は黒豆じゃない?…違うのね。栗きんとん」

中井「正解です。2大プレイヤーとして、伊達巻と栗きんとん」

マツコ「はいはい、そうでしょうよ。子どもの頃好きだった2つだもんね。小学生の時とかこれだけ別に買ってきてもすぐ無くなるもんね。親が足すのよね。これきっかけで他のもわかってくれたらいいのよね」

中井「そうなんです。こんなデータがあるんです。おせちの好きな具材ランキングで20代30代」

マツコ「海老、肉料理って言われても。あんなもんはおせちじゃないからな。華やかにする添え物だぞ。てことは事実上栗きんとんが一位」

中井「そういうことです」

マツコ「次にぶりの照り焼き?なにが起きてるんだ」

中井「お魚とかお肉は普段でも食べられるものなので。おせちの救世主としては栗きんとんとか伊達巻」

マツコ「栗きんとんと伊達巻頼みね」

中井「ということで、究極の栗きんとんを探してまいりました」


心の安らぎを与えてくれる癒やしのふっくら感

京都 久御山町

「吉田喜」の伊達巻


マツコ「こちらはおせちとして作っているわけじゃないのよね?伊達巻を作られてるところなのよね?」

中井「伊達巻とかだし巻きとか、卵焼きメーカーさんが作っている伊達巻卵なんです。ちょっと待ってください、こだわりの食べ方がありますので」

マツコ「急に怖くなった」

中井「8年間研究して発見、中井流伊達巻の味わい方ということで、まずは皮から。卵と甘みの同時体験。あんまりそんな食べ方しないと思うんですけど」

マツコ「逆に行儀が悪い気がするんですけれども」

中井「焼き目のところなので、これが焦げていると苦いと」

マツコ「皮だけ食うと一気に酒のツマミになるわね」

中井「皮の焼き目がないと、卵の生臭さとか、すり身が入ってるのですり身の生臭さみたいなのが感じられてしまう。どうですか、卵感すごくないですか?」

マツコ「こちらのやつおいしい。良い意味で甘くない」

中井「関西のほうの伊達巻は卵焼き屋さんが作っていて、関東はかまぼこ屋さんが伊達巻を作るんです。なので、関西のほうは卵焼き感が強い。ふっくらしていて出汁醤油をきかせているのでさっぱりしている」

マツコ「砂糖の感じがあんまりないね。おダシの感じが強いね」

中井「知る人ぞ知るのメーカーさん。職人の内山さん、この方がずっと毎日毎日付きっきりで見ていただいている。1日に100本しか作れないという」

マツコ「関西の伊達巻おいしい」

中井「お酒に合います」

マツコ「そういうものだもんね」

中井「それが一番正しい食べ方。よりおいしく感じられます」

マツコ「おいしいわ。早く正月来ないかな」


中井「続いて2大プレイヤーのもうひとつのほうですね」


もはやモンブラン超え!驚異のなめらかさ

愛知県北名古屋市

「水上食品」の栗きんとん


マツコ「今思うと、昔の子どもの頃食べていたのってだいたい水飴のやつよね。黄色っぽい。日本って豊かになったわ」

中井「お待ちください。これも食べ方があります。中井流栗きんとんの味わい方。口に入れてからの3秒間。栗無しで餡をなめていただいて、餡だけを楽しんでいただく。スーッととけていく感じがあると思うんですけど。いかがですか?とけてなくなっちゃうので、なめらかさがメーカーさんのこだわり」

マツコ「子どもの頃、周りの餡ばっかり食べてたよね」

中井「子どもの頃食べてた餡は、全部さつまいもだったと思うんです」

マツコ「水飴が混ざっていてね」

中井「これは栗が2対芋が1の割合。なのでこれだけ高級感があって栗感があるきんとんです」

マツコ「全然違うわよ」

中井「栗をどうぞ」

マツコ「おいしい。甘さがほどよい感じね。蒸した栗っぽい、栗を食べてる感も残ってて、ちゃんと蜜もしみてて」

中井「餡の中に栗を入れると、栗って固いので裏ごしするのが大変なんですけど、餡のバランスが絶妙」

マツコ「お酒といっしょだと、マロングラッセみたいになる。今まで栗きんとんはお酒といっしょに味わっていなかったわ」



《嫌われ具材を救いたい!おいしい具材の見極め方》



中井「今はこだわりの具材を紹介させていただいたんですけれども、嫌われ具材もおせちの中ではある」

マツコ「全部おいしいんだよ」

中井「そうなんです。けれどもこんなデータがあります。『おせちを残したことがありますか?』こちらは10代から60代までのアンケートで、70パーセント。30代に至ってはは約9割が残しちゃいますと。何が嫌われているのか?嫌われ具材を救いたい。若者に受け入れられない○○、絶滅危惧種○○。なんだと思いますか?」

マツコ「なますとかかな?」

中井「正解です。黒豆と紅白なます」

マツコ「ばかやろう」

中井「そうなんです。本当においしいもの食べていない」

マツコ「ウマいの食べてないのよ。黒豆のウマいのを食べたことがないのよ!おいしいんだから黒豆って。本当においしいんだから!食べさせてやりたい」

中井「10代の方、黒豆がランキング1位で嫌われている。年配の方には一番人気くらい」

マツコ「あたし一番好きだわ、おせちの具の中で。うそでしょ?なんで?理由は?」

中井「たぶんもともと黒光りしてて食材として若い人からは敬遠されがちなのかな。なますはこういうデータもあります。おせちの中で残しがちなもの、なますが1位。好きな具材のランキングでも、『好きな具材はない』の下になますが入ってしまう。こんな具材を救いたいということで、私が研究した結果、おいしい黒豆の見極め方を発見しました。シンクロすると感動、人差し指の第一関節サイズ」

マツコ「そんな大きいのがあるんだ?」

中井「だいたい2.5センチメートルくらいなんですけれども。毎年違うメーカーさんの黒豆を取り寄せて、研究した。このサイズが黒豆のベスト」

マツコ「けっこう大粒よね。大きいやつのほうがホクホクしててね」

中井「小さいと皮が厚くて硬くなっちゃう。ほっくりしたサイズがこのサイズということに行き着きました。このサイズのベストを作っているのがこちら」

マツコ「もう見ただけでおいしそう。全部いくわよ」

中井「愛媛県の『志賀商店』さん」

マツコ「おいしい。最小限の味付け。お豆の味がちゃんと残ってて。しわが全然入ってない」

中井「志賀商店さんがあるのが愛媛県西条市。水がおいしい名水の場所と言われてまして。この黒豆を炊くためだけにここに工場を建てたっていうくらいこだわりのメーカーさんなんです。15時間くらい水戻しをしてから炊き上げる。炊き上げる時にもこの水を使う。水にこだわっているので、雑味のない味わいになっている」

マツコ「おいしいわ」

中井「おせちの味をわかってらっしゃって本当にうれしいです。そんなマツコさんは食べちゃうと思うんですけど、家で残りがちなので、今回アレンジレシピをご紹介させていただきます。黒豆のポタージュと、黒豆のクリームチーズ。お子さんでも食べやすいようにっていうアレンジ」

マツコ「それこそ黒豆のケーキとか最近すごいおいしいけど。どうやったらおいしいって気づいてもらえるんだろうね?栗きんとんが好きっていうんだったら、絶対好きだと思うのよ。なんで栗きんとんが好きで黒豆が嫌いなのよっていうね。もったいない。なにをやってるんだ」


中井「続いてなますの研究結果。究極のなますの見極め方。引っ張っても負けないカッチカッチなます」

マツコ「引っ張っても負けないってどういうこと?」

中井「大根を一本引っ張るんです。繊維が弱いものは切れてしまうのですが、しっかり繊維があるものは全然切れない。繊維が残っているものは、口の中でシャキシャキ感が」

マツコ「なますを若い子が嫌いなのはなんでなの?」

中井「味付けがすっぱいとか」

マツコ「こういう言い方したらあれだけど、ただのお酢の味が強いやつってあるよね。ちょうどいい穏やかなバクバクいけちゃう感じのなますね」

中井「ご用意しました」

マツコ「これぐらい一口でいけるなますね。もう見た目が美しい」

中井「こちらは新潟県の『野島食品』さんのなます。新潟県契約農家さん1軒の農家さんに作っていただいてる大根」

マツコ「香りも良いわ」

中井「酢がポイントでして」

マツコ「全部酢が強くないもん」

中井「米酢と醸造酢をしっかり合わせて」

マツコ「感動したのは、大根の香りがする。なかなかこんな大根の香りなんて、お酢だけ使ったら繊細だから消えちゃう」

中井「切り方にもこだわっていますし、シャキシャキ感が残る」

マツコ「大げさに言うとサラダっぽい」

中井「サラダ感覚でパクパク食べられる」

マツコ「日本酒が入ると新たな味付け。お出汁感が増す」

中井「大根の味がしないなますとかありますからね」

マツコ「すっぱいだけのやつ食べちゃってるから、みんな嫌いになっちゃうんじゃない?」

中井「そんななますも残りがちではあると思うので、アレンジレシピをご用意しております。なますのバインミー」

マツコ「バインミーおいしそうね」

中井「フランスパンに乗せて、少しお肉を乗せて、そのまま召し上がっていただく。あとタルタルソースも刻んでいれるだけなので、これもピクルスの代わりに」

マツコ「なますと黒豆なんてけっこうなくなるほうだけどな」



《おせちの定番化を目指せ!全国のご当地具材》



中井「今日私が言いたいことがこちら。8年間研究してどうしてもやりたいこと。ご当地おせち具材の定番化。地域の特色でその地域でしか採れなかったり作られなかったりとかする。最近では取り寄せることができるので、こだわったものを取り寄せたい。私の中で気になってるのが、石川県のべろべろ。溶き卵を寒天で固めたもの。色がべっ甲に似てるっていうところからべろべろっていう名前が付いたそうです。マツコさん千葉県ご出身」

マツコ「でもハゼの甘露煮は知らなかった。一部の地域なのかな?」

中井「九十九里のほうでハゼがとれるということで。ハゼが動きが早いとか成長が早いということで、目標を早く達成するという願いが込められている。山梨県のアワビの煮貝。山梨県って海がないんですけれども、なぜアワビなのかっていうと、その昔、他県でとれたアワビを持って帰る時に馬の背中に醤油漬けにして持ち帰ったところ、おいしい煮貝ができていたという」

マツコ「高級なものだったんだろうね。お正月くらいしか食べられなかった。香川県のあんこが入ったお雑煮。あれおいしいのよね。白味噌に一見丸餅なんだけど、中にあんこが入ってて。あんこと白味噌、本当においしいの」

中井「中でも私が定番化したいのがこちらです」

マツコ「なにこれ?」

中井「こんにゃくなんですけれど、赤こんにゃく。滋賀県の名物」

マツコ「安心したわ。なんか血を固めたやつとかかと思った」

中井「取っ付きづらいビジュアル。お正月にダシで煮込んで出される」

マツコ「おいしい」

中井「ビジュアルとは全然違う味わいがある」

マツコ「なにこの味付け。こんにゃくを煮るときにする味付けじゃないよね」

中井「お出汁で煮てるので、中まで浸透してて上品な味になっている。この味付けしているのが、滋賀県の『丸長食品』さんで作られている赤こん。お酒が進んじゃう。お正月だけじゃなくで、定番で食べていただきたい。私もお酒のアテでけっこう食べています」

マツコ「ウマいわ」

中井「ヘルシーなので、女性にも人気だと思います」

マツコ「色もお正月っぽい。これはすばらしい」

中井「今日は私の夢を実現していただいてありがとうございます。私のおせちアベンジャーズをお重に詰めさせていただいたので、見ていただけるでしょうか?」

マツコ「すてき」

中井「これでだいたい4300円くらい」

マツコ「これともう一段細かいのがあって、三段目にお煮しめがあれば、一日はもつわよ。やっぱり良いわね、うつわにちゃんと入ってるの。きれいだわ」

中井「日本人だからこそちゃんとしていただきたい」

マツコ「本当にちゃんとしよう。家だとなんかもう割り箸でお重から取って。とっくりなんて使わないわよ。コップ酒。なんの風情もないわよ。一人でホテルとかでお正月迎えようかな」



〜完〜