2020/09/01放送

マツコの知らない世界



'総合格闘技チャンピオンになったモモンガ博士'

升水翔兵(マスミズショウヘイ)さん(以下、升水)



マツコ「チャンピオン?何系?」

スタッフ「パンクラス」

マツコ「ああ、パンクラス。怖い?」

スタッフ「まあ、会っていただいて」

マツコ「どうぞ」

升水「マツコさん、ぜひ今日はよろしくお願いします」

マツコ「大丈夫そう。あ、いた!」

升水「マツコさん、これがフクロモモンガ。どうですか?実際見たのは初めて?」

マツコ「うん。おお、かわいいけど。違うのよ、あたしさ、これくらい小さくなっちゃうと、例えば寝返りうったらさ。犬猫だったらピャーっと逃げるじゃない。悪気なくて殺めてしまうかもしれないじゃない。けっこう逃げる?」

升水「マツコさんの寝返りの速度にもよる」

マツコ「さすがパンクラス。チャンピオンになったの?」

升水「そうです。今現役のチャンピオン。ベルト持ってます」

マツコ「えっ!今現役なの?じゃあ何やってるんだあいつってなってるわけだ、知ってる人は。何あいつモモンガ肩に乗せてるんだっていう」

升水「あんまり公表してないので、たぶんびっくりするかなと」

マツコ「なんでパンクラスのチャンピオンが、エプロンしてモモンガ抱いてるの?」

升水「僕がまず言いたいのは、トガッていた僕を丸くしてくれた。とりあえず僕がトガッていたころの写真を見ていただきたい」

マツコ「イキってるわね」

升水「恥ずかしながら、ちょっとトガッている時期が」

マツコ「ほぼ片足つっこんでる」

升水「トガッているんですけど、恋人のようにモモンガちゃんが懐いてくれるので、だんだん僕のトゲが抜かれてきて、今このような感じ」

マツコ「モモンガを飼うまではあの感じだったのね?」

升水「あの感じでしたね」

マツコ「モモンガ怖いな。あたしも今ペット飼わないのは、丸くなっちゃったらどうしようっていうさ。すごい恐怖があって。そうなっちゃうわ。だってほら見てあれ。なんであんなに目デカいのよ」


升水「まずお伝えしたいことがあって、私のプロフィールとともに、モモンガちゃんとの出会いを語っていきたいんですけど。どうでしょう?」

マツコ「やって。かわいいね」

升水「こちらちょっと見てください。18歳で東海大柔道部に入部して、オリンピック強化指定選手に選ばれる」

マツコ「東海大柔道部、名門ですよ」

升水「僕の顧問が山下泰裕さん。問題児だったんで、山下さん見てたらおまえ丸くなったなってたぶん思う」

マツコ「これから柔道部にはモモンガを置いておくのが一番いいわね」

升水「23歳のときに実業団に入り北京オリンピックを目指す」

マツコ「北京に同じ階級だと誰が出た?」

升水「野村さんです」

マツコ「無理だそれは。すごいのがいたんだ」

升水「むちゃくちゃ強かった」

マツコ「野村さんは本当に強かったからね」

升水「例えるなら、全部の技が必殺技。なので総合格闘技に転向しました」

マツコ「なんでバイトにペットショップを選んだの?もともと好きだったの?動物は」

升水「大好きだった。ムツゴロウさんになりたかったので。ペットショップでアルバイトしているときに、モモンガが肩に駆け上がった瞬間にビビビ」

マツコ「さっきみたいに上がってきたわけだ、モモンガちゃんが」

升水「お客様のフクロモモンガが」

マツコ「お客さんが連れてきてたんだ」

升水「そこでひとめぼれして。その日に連れて帰りました」

マツコ「それ23の出来事でしょ?けっこうそのあとチャンピオンになるまで開くわよね?10年間なにやってたの?」

升水「アルバイトです」

マツコ「ペットショップで?」

升水「33歳で人生最大の悲しみを乗り越え、フライ級チャンピオンに。本当に悲しい出来事がありまして。僕が飼ってたフクロモモンガのリオとシュシュっていう子が、タイトルマッチの半年前に、あんまり思い出したくもないんですけど、亡くなってしまって。本当に落ちて、タイトルマッチもやめちゃおうかなって思ったくらい。僕が赤ちゃんのときから授乳して育てた子なので。ちょっとダメですね。放送できなくなっちゃう」

マツコ「あんまりやらないほうがいいわよ、パンクラスのために。泣いちゃったら。もし泣いたらモザイクいれるから大丈夫」

升水「タイトルマッチ獲ったときに泣いちゃったんです。その泣きがみんな感動してだと思うんですけど」

マツコ「モモンガ思い出して泣いてたのね」

升水「自分のチームでやってて、すごい珍しいと思います。事務所入ってない」

マツコ「そしてなんとなくおまえがどこのペット屋さんで勤めてるのかわかった。有名なところにお勤めですよ」


マツコ「ほら下の子見て、かわいい。目閉じて」

升水「ああ、寝顔とかも見てください」

マツコ「あんな目デカいのに、ちゃんと収まるんだね。かわいいね。目閉じてるの超かわいいね」

升水「この姿見てほしい。本当にみなさんこんな安らかに眠ってくれる動物って他にいないと思うんですよ。これが家に帰っているっていうだけで、本当に幸せになると思います。世界平和につながるくらい」



《驚きの事実だらけ!フクロモモンガの生態》



升水「モモンガちゃんの基本情報をよろしいでしょうか」

マツコ「そうね、ほとんどモモンガのこと話してないからね。ちゃんと話さないとね」

升水「フクロモモンガ基本情報ということで。有袋類双前歯目、フクロモモンガ科、フクロモモンガ属」

ナレーション「モモンガと名前がつく動物の中で、特に有名なのがアメリカモモンガ、タイリクモモンガ、フクロモモンガ、の3つ。中でも今SNS上でかわいすぎると話題沸騰なのがフクロモモンガ」

升水「アメリカモモンガ、タイリクモモンガ、ムササビ、これはげっ歯類。フクロモモンガだけが有袋類。要はカンガルーとかコアラとかの仲間です。アメリカ、タイリク、ムササビはリスの仲間、げっ歯類」

マツコ「確かに顔のつくりがもう違うよね。アメリカモモンガとかタイリクモモンガとかはネズミみたいな脇に目がついてるけど、フクロモモンガだけ前についてるもんね」

升水「さすがです。これすごい」

マツコ「いやいや、見ればわかるわよ」

升水「新人の子が入ってきたときに、よく言うのが『顔見ればわかるじゃん』ってよく言っちゃうんです。そうすると、『それパワハラですよ』みたいな」

マツコ「え、うそ。それがパワハラになるんだったら、もうあたしは殺人級だわ。怖っ。今それパワハラ?ごめんね、みんな。許してね」

升水「体長が13〜16センチメートル」

マツコ「そんなに大きくならないよね」

升水「飼いやすい。小さいスペースでも比較的飼える。寿命が10〜13年と言われている。これも小動物の中では寿命非常に長い」

マツコ「長い。この大きさで犬とか猫よりちょっと短いくらいだからね。だからちょっといいかもって思った。やっぱりね、7年とか8年とかで逝かれちゃったら。まだそのころ仕事してる可能性高いじゃん?13年だったら、あたしテレビやめてると思うな、確実に」

升水「あと特徴ですが、足の間の皮膜を広げて滑空。皮膜があって飛ぶってことはご存知だと思うんですけど」

マツコ「家で飛ぶの?」

升水「えーっと、なんで飛ぶかっていうところにあると思うんですよ。これはまずひとつ、エサを取るため」

マツコ「そっか、だからエサがあれば飛ばなくてもいいわけだ」

升水「そうです。飛ぶ必要がない。ですので、飛ぶ必要がないと飛ばなくなっちゃう。しっぽで舵をとる」

マツコ「じゃあ飛行機といっしょだ」

升水「自由に方向転換できるんです」

マツコ「こんなかわいい顔してるのに大胆ね。あんなことするのかおまえら」

升水「こちら見ていただきたいのが、夜行性なんです。睡眠時間が18時間も寝てます」

マツコ「えっ、じゃあもうほぼ寝てるのね」

升水「これがまた飼いやすい点なんです」

マツコ「あたし家帰ってから3、4時間いっしょに遊んで寝かしつけたら、仕事行って帰ってくるくらいまで寝てるわけだ」

升水「これみなさん本当にオススメなんです」

マツコ「ちょっとモモンガかも。まじで?ひとりにするのかわいそうじゃん、ネコとかなんて遊んであげないとあれだし」

升水「話聞いてくれますよ、モモンガは。僕試合で負けたときとか、モモンガに話しかけるんです。そうすると返してくれる」

マツコ「どういう感じで言うの?鳴き声は?」

升水「鳴き声はしないです」

マツコ「心の声ね」



《トガッた心も丸くなる!フクロモモンガ魔性の魅力》



升水「ここからはトガッてた僕がどのようにして丸くなっていったかというのを説明していきたい。フクロモモンガを飼って変わったこと、オラオラ系クラッチバッグから癒やし系肩掛けポーチに」

マツコ「細かいようだけど、クラッチバッグなんておしゃれな言い方じゃないの。セカンドバッグ、もしくはポーチよ。クラッチバッグなんてのはおしゃれな人の呼び方だから」

升水「細ければ細いほど良いみたいな」

マツコ「そうそう。そんなのだったら持たなくていいだろみたいなね」

升水「その理由は、ポーチフェイスがかわいい」

マツコ「顔出すのね」

升水「実は」

マツコ「あ、いるのね」

升水「モモンガポーチと言われている」

マツコ「すごいわね。セカンドバッグからモモンガポーチ。ちゃんとそこが網になってて、キャリーケースみたいなものだ」

升水「開けてみますね。はい、おいで。ほら出てきた」

マツコ「かわいい。どうしよう」

升水「わからなかったでしょ?これ中に入ってるって」

マツコ「わからなかったけど、この人こんなのぶら下げるくらい変わったんだな、とは思ってた。まさかモモンガが入っていたとは。そのラインがはいってるのもかわいいね」

升水「今肩に乗せているじゃないですか。ポーチから出てきたり肩乗せたり、こんなアニメの動物いませんでした?」

マツコ「ポーチはわからないけど、ずっとさっきから白いのを見て思ってたのは、アメデオだよね。『母をたずねて三千里』の。知らない?年代がわからないか。マルコっていう主人公のここに小さいサルを乗せて、お母さんを探しにアルゼンチンまで行くのよ。うーんとね、たぶん言ってるのは『ナウシカ』のことだと思うのよね」

升水「そうです。僕も初めて動物を肩に乗せたときに、テトちゃんの姿が頭にバーンと」

マツコ「わかるのよ、わかってたのよ。たぶんあなたたちはそう言うんだろうなって。だけどあたしは自分を裏切りたくなかったの」


升水「フクロモモンガを飼って変わったこと、ふたつめにいきます。人を痛めつける拳から、優しくなでる手のひらに。昔はずっと拳を握り込んで相手をパチンと殴る」

マツコ「もう今信じられないでしょ、そんなことしてた自分が」

升水「信じられないです。その理由は、至福の顔が見られる。モモンガちゃん、なでられてるときに本当に気持ちよさそうな顔するんですよ。なでるポイントを、実際になでながらいっしょに見ていこうと思います。よーしおいで。ちょっと待っただ。よしよし」

マツコ「大丈夫なのか、そんな姿見せちゃって」

升水「まず頭のてっぺん。ほっぺただったり。モフモフモフと、こんな感じでなでてあげれば非常に喜びます」

マツコ「耳がかわいいね」

升水「マツコさん、やってみます?」

マツコ「いい?何ちゃん?」

スタッフ「ぽにょです」

マツコ「ぽにょ。ぽにょ。かわいいよ」

升水「フクロモモンガは食べる仕草が世界一かわいい」

マツコ「世界一って言ったわね」

升水「世界一です。これは自信持って言えます。見てください、手でしっかり持って食べます」

マツコ「本当だ。かわいいけど、相当奪い合ってるね」

升水「食い意地。マツコさん、よかったらあげて」

マツコ「はいはい、うわっ、かわいい」

升水「マツコさん甘やかしそうですね」

マツコ「すごいね、両手で取られないように。かわいい。かわいいわ、モモンガ。やばいんですけど」


升水「続いての、僕がフクロモモンガと出会って変わったこと。これは僕自身も驚いたんですけど、長渕剛のヘビロテから森山良子のファンに」

マツコ「これはギャグだろ。本当に?モモンガ関係ないだろ」

升水「今も長渕さん好きなんですけど、森山良子を聞くようになった。その理由、鳴き声が癒やし系」

マツコ「森山良子さんの鳴き声ってこと?」

升水「違います」

ナレーション「実は感情や気分によってフクロモモンガの鳴き声は全く違ったものになるんだとか」

升水「威嚇ですね、怒ってます。来るなって感じです」

マツコ「あ、けっこう激しいわね」

升水「これは求愛です。見ててください、かわいいですよ」

マツコ「顔がかわいいわね」

升水「次、さみしいときです。さみしいだけじゃなくて、大きい意味で習性的なものもある。次はうれしいとき。ちょっと森山良子っぽい」

マツコ「森山良子さん?まあ、長渕さんではないわよね。最後の『プクプク』いいわね。なんか鍋みたいな音するわよね。かわいい、かわいいね。どうしよう。モモンガなの?」



《究極のかわいさ!赤ちゃんフクロモモンガ》



升水「マツコさんもだいぶトゲが抜けて丸くなってきてくれたところで」

マツコ「ああやだ。だからイヤだ、動物って。あたしがあたしでなくなっちゃう」

升水「フクロモモンガの人気の理由っていうのが、SNSでみんなでかわいい動画をあげて、それで人気になってきた動物なんです。僕自身、モモンガ博士っていう名前でtwitterやっています。そこでみんなでかわいい画像だったりとかそれを共有してる」

マツコ「モモンガ博士っていうのは、顔を出してやってるの?」

升水「やっちゃってます」

マツコ「ああ、もう登場のときモモンガの着ぐるみとかで出たら?飛んでくるっていう」

升水「モモンガちゃんのかわいい画像集を、僕自身でも編集して作ってきました。素人の編集なので、見にくいかと思うんですけど、そのへんご了承のうえ見てください。ティモンくんっていうんですけど、このブラッシングのときの顔、見てください」

マツコ「歯ブラシでやるんだ」

升水「はい。至福のひととき。もうこの顔見たくてみんな飼ってるみたいな。あー、幸せですね」

マツコ「ブラッシングすると喜ぶんだね」

升水「ティモンくん、なでてるとだんだん力が入らなくなってきちゃうんです。もうダメだってなってきて、モモンガの合掌ポーズができました。奇跡の瞬間」

マツコ「これはもう力が入らないときこうなるんだ?」

升水「そうです。こちらはノアくんっていうんですけれど、将来は漁師になるって言ってますよね」

マツコ「いや、言ってないですよ」

升水「とにかく引っ張って遊ぶことが好きな子です」

マツコ「こういう遊びするんだ」

升水「するんですよ。マツコさん、DVD作ってきたので」

(フクロモモンガちゃんかわいい集♡♡)

マツコ「ファンの人、ハートがついてるよ」


升水「マツコさん、だいぶ角がとれて丸くなってきたと」

マツコ「そうね、今ちょっと最後の砦だけは崩すまいと必死にやってるんですけどね」

升水「マツコさんの牙城を崩すとっておき、最後にあります」

マツコ「負けないわよ」

升水「こちら、赤ちゃんモモンガの授乳」

マツコ「汚い手を使うなこいつは」

升水「これね、本当にかわいい」

マツコ「どのくらいの大きさなの?赤ちゃんのとき」

升水「今日来てますので。呼んできます。モモンガどんな感じか、見えますか?ちょいちょい。おっぱいいっとくね。どうですか?ちょっとやってみたくなったりとか」

マツコ「うん、まあ、やりたいね」

升水「2か月弱、小さいですよ」

マツコ「おほほー。かわいいよー」

升水「これくらいの赤ちゃんから育てると、お母さんだって思ってくれる」

マツコ「えっ。お母さんだって思ってくれるの?」

升水「今マツコさんのことをお母さんだと思ってますよ。ミルクくれる」

マツコ「でもこの子があたしをお母さんだと思ったとしたら、自分もこんなにデカくなるって思うってこと?おかしくならないかしら。ああ、ごめんね、なくなっちゃう。なくなっちゃった」

升水「あごとかなでなでしてあげて」

マツコ「あごをなでるの?うわっ、かわいい。ていうか寝た」

升水「すごい」

マツコ「あー、起きちゃったね。ごめん、うるさかったね。あ、また寝た。ちょっと本当にかわいいんだけど。どうしよう」

升水「本当迷っちゃいますよね」

マツコ「迷っちゃうわ。これ出したらダメなの?」

升水「いいですよ。そっと手に包み込む感じ。手の中でポーチみたいな袋をつくってください。そのまま親指で隠しちゃってください。それがスタンダードな持ち方。おにぎりもちっていうんです」

マツコ「小さいときから肩に上がってこようとするんだね」

升水「つかむ力は強いので大丈夫」

マツコ「落っこちちゃダメだよ」


升水「本日、いかがでしたでしょうか?」

マツコ「意外と動物に好かれることがわかったのよ。動物ってわかってるよ、好きじゃないって言ってたときは近寄ってもこなかったし、犬にほえられたりしてた。かわいいなって思うようになってくると、すごい懐いてくるようになる」

升水「動物あるあるで、好きな人と嫌いな人わかる。僕クラッチバッグ持ってたときあるじゃないですか。あの時嫌われてたんです」

マツコ「だってあれ人間だってイヤだもん。あんなやつ近づかないもん」


〜完〜