マツコの知らない世界
2020/08/25放送
'平成レトロを愛し、平成グッズの保護活動にいそしむ男性'
山下メロ(ヤマシタメロ)さん、(以下、山下)
マツコ「うわわ、ひどいって思うでしょ、これ。前もずっとこうだったからね。こんな人隣に住んでたら、どうする?110番ギリギリだよね」
山下「平成レトロには一応定義がありまして。『平成レトロ』のメロ的暫定定義、平成元年から平成15年までを平成レトロとします」
マツコ「なんで15年って定義にしたの?」
山下「今回扱いたい内容を含めてなんですけど、基本最初は平成終わる前に、平成一桁代を言っていた」
マツコ「平成一桁って言うようになってきたんだね」
山下「平成レトロの意味も、何年かしたら平成全体を指す言葉になると思うんです」
マツコ「今の昭和みたいにね」
山下「はい。だから自分としては便宜上、懐かしがれる範囲はこんなものかな、ということでこれに決めさせてもらいました」
マツコ「うん、いいよ」
山下「平成レトロの時代、いろいろありましたねということで、平成レトロ年表」
マツコ「懐かしい!」
山下「働く世代が元気がなくなって、若者がわりとトレンドを生み出している。この時代はそういうおもしろさがあるなということで。特に平成6年の流行語『コギャル』、そして平成7年の『プリント倶楽部』、あと平成7年『エアマックス95』。エアマックスのシリーズで95が人気になりすぎて、エアマックス狩りが」
マツコ「あの頃はみんなとりあえず狩ってた。おやじ狩りとかもあのへんでしょ?」
山下「そうですね、まさにこのあとぐらい」
マツコ「おやじ狩っちゃったんだから。たいへんよ本当に」
《若者の勢いがすごい!ファッション&通信アイテム》
山下「まず最初のこれですね。全員何系かに所属、懐かしすぎる平成レトロファッション。ファッションはマツコさんお詳しいと思うので、これはまあ一応取り上げておかないといけないのかなというところです。まずはコギャルです。この時代、女子高生がルーズソックス。いろんな流行を作り出してすごい勢いのある時代です。このシッポあるじゃないですか、これ何度目かのブームだと思うんですけど。浜崎あゆみさんがあゆのしっぽ的な感じで、新しくブームを生み出した」
マツコ「そうだったっけ」
山下「そして渋カジ。渋カジっていうともうちょっとアメリカンカジュアルが多いんですけど、こういう派閥も」
マツコ「あれを高校のブレザーとするならば、BEAMSの袋はぴったりね。BEAMSの部分が剥げちゃってて。何が書いてあるんだかわからなくなるくらいまで。あれとムラサキスポーツね」
山下「そうですね、コギャルはムラサキスポーツとかLOVE BOATとか」
マツコ「スキーってここに並べるもの?」
山下「腕に巻いてるのが、ザウスの入場券」
マツコ「あたしバイトしてたんで。懐かしいですよ本当に。もうスノボデーを始めてから、関東各所からヤカラが来るようになったから。あたしは駐車場でヤカラとずっとケンカしてましたよ」
山下「ここでですね、マツコさんに見ていただきたい私が平成レトロアイテムとして保護したものがありますので。こちらです。肩パッドなんですけど、見てのとおり」
マツコ「うーん、それはね、捨てていいと思う。だってこれだけ展示しても」
山下「流行がいろいろ過ぎていくと、それを売りにだすんです、古着屋さんとかに。そうするとそれは全然売れないわけです。古着屋さんは切って外して捨てるわけです、肩パッドの部分を。普通は捨てられるものを、無理言ってゆずってもらった。これをすでに外されてしまった痕跡のあるジャケットに復元したりとか」
マツコ「なるほどね」
山下「こういうことに最適な逸品」
マツコ「捨てていいと思うわよ、あたし」
山下「これはさておき、どうしても平成レトロで伝えたいファッションがあるんです。こちらです。首にぶら下げるだけで誰でもおしゃれになれた、ミネラルウォーターホルダー」
マツコ「あたしこれちょっと異論、いいですか?そんなにいなかったよ。見たことないよあたし」
山下「雑誌の中だけなんですかね。こういうのでしか見たことないっていう側面もあると思うんですけど」
マツコ「懐かしいわ。ここでしか見たことないわよ」
山下「こういう感じで下げてもらって、ここに当時evianとか、ロゴが出るように。保温性は無視してとにかくロゴを出すっていう。海外のイメージのブランドを持ち歩きたいという、その気持ちがですぎてこうなったと思うんですよね」
マツコ「あと、今改めて見たけど、おしゃれじゃないよね。こんな恥ずかしいものが」
山下「これはどうしても手に入らなくて、去年友達に頼んで制作しました」
マツコ「すごい、新たにゴミを誕生させたわね。あたしあんたの心意気は本当にすごいと思う。どうやったら報われるかね」
山下「続いて、進化が今につながる、アナログ感が愛おしい平成レトロの通信グッズ。平成レトロの時代もいろいろあったんですというね。すごく勢いがある時代」
マツコ「あったこれ!アホがつけてた。ヤバいやつが、あやしい商売してそうな人がつけてたわよ。なんの憧れもなかったわよ」
山下「その光るアンテナの時代に、ロッドアンテナみたいな」
マツコ「何アンテナ?」
山下「ラジオのアンテナみたいな。警棒みたいなアンテナが流行った」
マツコ「覚えてる。折れるやつね」
山下「それをこういうふうに改造して、めちゃくちゃ長くして使う、そして目立つ、というのもある」
マツコ「バカみたいね、今思うと」
山下「通信系でどうしても忘れてほしくないもの。すれ違いざまのドキドキ感がたまらなかった、ラブゲティ」
マツコ「全然記憶にない」
山下「こちらなんですけど、いわゆる出会い系の元祖。出会うためのツールなんです。男性用女性用にわかれていて、近づくと音が鳴る」
ナレーション「平成10年に発売され、若者を中心に133万台を売り上げたと言われる、携帯端末ラブゲティ。スイッチを入れて、ラブゲティを持っている人同士が5メートル以内に近づくと、ランプとアラームで知らせるシステム」
マツコ「誰彼かまわず鳴っちゃうの?」
山下「そうです」
マツコ「わ、迷惑」
山下「一応マッチング機能で、おはなし、カラオケ、get2、っていう3つがあるんです」
マツコ「すごいよね、今思うと。誰彼かまわず鳴るっていう。どこで売ってたの?」
山下「これは問屋さんとかに残されてて」
マツコ「まだけっこうあるんだ」
山下「あります」
マツコ「じゃあもう一回ラブゲティブームくるんじゃない?」
山下「ありだと思うんです。スマホだとこの機能って禁止されてると思う、危なすぎて」
マツコ「いやいや、危なすぎてって言ってる時点でダメだよ。ブーム起こしちゃダメになっちゃった」
《平成レトログッズ保護活動に密着》
山下「ここからは平成レトログッズの保護活動。レッドリストを追うなら北海道に。北海道はわりとリサイクルショップが多いというのもありますし、家を壊さないというか。新しく家建てたら前の家を残しておいて、物を置いておいたりとか。商店も残っていたり、在庫も残っていたりして、探すのに非常に良い場所。北海道へ保護活動に行ったVTRがありますので、ここで見ていただきます」
ナレーション「平成レトログッズを求めて、メロさんが向かったのは北海道。しかも日本の空港の中で一番東に位置する根室中標津空港へ。メロさんいわく、平成レトログッズは、流行の移り変わりが激しい都会より、地方のほうが手に入る可能性が高く、北海道は何度も訪れているとのことですが」
山下「根室は初めて来るんです。ちょっと聞いたりするくらいの話しかないので、商店街とか見てみたい」
ナレーション「根室は初めてとのことで、さっそく市内へ」
山下「移動中も気が抜けない。電車とかでも常に車窓をチェックしながら。こういうところにある商店の情報は探しようがないので。外観、看板から推定するしかない」
ナレーション「お店が閉まっていても、シャッターや看板からヒントを得て、狙いを定めるという」
山下「これsince1990です。平成2年、平成レトロですよ、誕生したのが」
ナレーション「地道に足で稼ぐリサーチ。しかしはたから見ればかなりあやしい。翌日、朝からグッズ探し開始。初めての土地で必ず行くのがお土産屋さん。地方の観光地では、平成レトロの商品が意外と売れ残っていたりするそうです」
山下「今見つけました、良い物を。見切り品100円のカゴなんですけど、自分が集めてる時代のものは、ちょっと時代が経ってるのでセールになるんです。あ、まさにきた!すごい。『BOBY Jim Hitorini Shinaide』って書いてある。この時代のお土産って、『Boku hitoriboccinanda』ってキツネが言ってたり。動物が寂しがりやっていう特徴があって。まさにそれがでてる。かわいい」
ナレーション「さらにこんなお店にも」
山下「ワードプロセッサ、ファックス、平成の遺産みたいな。NECって書いてあるじゃないですか。NECの文字が、90年の半ばにはまっすぐのロゴになったんですよ。だからそれより前だと思うんですよね、あのNECのロゴ」
ナレーション「看板は期待できるが、移り変わりの激しい家電に平成レトロって?」
山下「平成初期とかのバブルの頃の懐かしいものを探す感じでして。あれがすごく良いなと思って。あれって売り物?」
ナレーション「目に留まったのは、かつてのトレンディドラマでよく見かけた揺れるインテリア。こちら当時の販促品らしく、こんなものに出会えるのも保護活動の楽しみだそうです」
山下「というわけで、戦利品がこちらになります」
マツコ「イルカの置物が物議を醸しだしてる。イルカの扱いがわからないですよ、若い子がもう。乗せられてない。逃げたわよ」
山下「乗せられてない。やじろべえみたいに」
マツコ「若い子はわからないわよ、こんなの。やったところで果たして正解なのかっていうね。これが正解です」
《若者の勢いが詰まっていた子ども部屋を再現》
山下「平成レトロな子ども部屋を再現。これは自分が住んでたような部屋です。90年代の中学生くらい。いわゆる小学生時代の昭和要素も残りつつ、ちょっとおしゃれなものも買おうみたいな。こちらはわりと小学生のまま置いてある。いっぺんに全部をおしゃれにする財力はないので、このへんでおしゃれをがんばっているような感じ。タブクリアもこれみよがしに飾ってあったり。あとTACTICSとか」
マツコ「シーマン懐かしいな。シーマンやるためだけにドリームキャスト買ったもん。まあでもずいぶん最近の話よ。まだ20年くらい前よ。···最近でもねえか」
山下「こちらもちゃんと、renoma。あとまあこちらの英字新聞のゴミ箱」
マツコ「ああ、懐かしい。あとLARK、CABINね。あれはヤンキーにはいっちゃうのか」
山下「よりおしゃれなのがこっち。あとパズルどうですか、パズルを飾る文化」
マツコ「ラッセン風パズル」
山下「流行りました」
マツコ「『モモ』があるのはちょっと泣かせるわよね。みんな一度は通る。ミヒャエル・エンデの『モモ』。読み切った人がほとんどいない」
山下「テレビゲームに対抗した玩具たち。15年あったので、いろいろなものが出たんですけと。たまごっち、育てる系のゲーム。ファービー、AIBO、ひとりでも相手してくれるロボットペットや人形がキーワードだった。ひとりで寂しいときにもこれっていう商品を紹介しておきたい。独りぼっちの夜も美女の励ましで元気が出た『お酌パラダイス 釈お酌』」
マツコ「懐かしい」
山下「出てきました」
マツコ「売ってたんだ?釈由美子さんよ」
山下「電源を入れて。ちゃんと会話できる」
マツコ「会話してくれるの?」
山下「会話っていうほどのAIは搭載されてないんですけど。自分も自粛で、家でひとりでいるときにいっしょに飲む気持ちになれる。これやられたことあります?」
マツコ「ないでしょ」
山下「ちょっとやってみますか?このピンクの部分にグラスを押し付けると問答無用で倒れてくるので、もうやめてって言うと止まる」
マツコ「絶対やらない」
山下「声で言うと反応悪いときがあるので、このエマージェンシースイッチがある」
マツコ「だめ。声でやって」
山下「わかりました。成功させます」
マツコ「そりゃそうでしょうよ、だって本来の」
山下「ちゃんと成功させます」
マツコ「静かにしてあげて」
山下「『もういいよ』!成功です」
マツコ「おおー。···なんだこれ!」
山下「というわけで、いろいろ平成レトロなものを見てきましたけれども。ソーシャルディスタンスで、こういう状況でも遊べるおもちゃをご用意したので」
マツコ「今までもほぼ遊んで」
山下「いやいや、まじめな」
マツコ「まじめ?」
(拳闘士PART2)
山下「これ当時のトレンディドラマでも遊ばれていた」
マツコ「同じのじゃないけど、これ系多かったよね」
山下「そうですね。はめていただいて、こうやると空気圧でパンチを打ちますので。じゃあちょっと勝負しましょう」
マツコ「これ届いてないよ?」
山下「けっこうすぐ倒れるので」
マツコ「届いた瞬間に終わるんだ?」
山下「そういう感じです。···あ、参りました。平成レトロって良い時代ですね」
マツコ「平成レトロって達成感がないわね。でもこれが良いのよね」
山下「そうです」
マツコ「このなんかモヤモヤっとしたままね」
〜完〜
