2019/08/13放送

マツコの知らない世界

 

ムーを読み続けて人生を学んだ男

石原誠(イシハラマコト)さん(以下、石原)

 

 

 

 

石原「マツコさんムーに登場していますよね?」

マツコ「昔インタビュー受けたことあります。ムーさんから依頼きたら、受けないわけにはいかないと思って受けましたよ。『おかしな存在のアタシこそがある意味、オカルトかしら』。うまいこと言うわねあたし」

石原「今日僕がですね、ムーを通して訴えたいこと。不景気・コンプライアンスが息苦しい。オカルトを受け入れる心の余裕を持ってほしい。不景気になるとオカルトが盛り上がらない」

マツコ「そうねぇ、そりゃそうよね。オカルトを許せる心って、マザーテレサに近いものがあるわよね」

 

石原「では僕のプロフィールを」

マツコ「漫画家さんなの?」

石原「そうです。10歳の時に銭湯帰りに宇宙人を目撃して」

マツコ「さらっと言うんじゃねぇぞコノヤロー。許さねぇぞコノヤロー。どさくさに紛れておまえ。ちゃんと説明しろ」

石原「これ銭湯の帰りにですね、駐車場に2匹の宇宙人がボヤーッといるんです。三輪車に乗ってて」

マツコ「誰が?」

石原「三輪車のようなのりものに宇宙人が乗ってて。地質調査みたいな感じでウ~って」

マツコ「地質調査してたの?」

石原「はい。駐車場で」

マツコ「銭湯はどのへん?」

石原「田園調布です」

マツコ「田園調布の出なの?」

石原「そうなんです」

マツコ「田園都市に宇宙人?そうなると調査しようと思ったら、まず富裕層から調査しようと思うわよね」

石原「僕は富裕層じゃないです」

マツコ「それはなんとなくわかります」

石原「そこから宇宙人とかにハマり出しまして」

マツコ「しかも本屋さんがすすめてきた」

石原「そうなんです。そっからずっと読んでるんです。18歳で高校卒業後、就職したんですけど3日でやめてしまって」

マツコ「いさぎよい」

石原「今で言うニートのような生活で」

マツコ「ムーで現実逃避って、現実逃避の中でも最悪に近いですよ。ムーを読んでる時点で現実逃避なのに。それがニートが乗っかってくるからね。よく脱出できたわ。すごいわ」

石原「ありがとうございます。脱出したんです24歳で。漫画家デビュー。漫画『THE3名様』っていうので。毎日ファミレスでたむろしている3人なんです。画の中にもムーのメッセージを入れてて。どこだかわかりますか?毎回このテーブルとソファーは一緒なんですよ」

マツコ「教えて」

石原「ピラミッドアイが入ってるんですね。フリーメイソンのマークなんですね」

マツコ「上は強引だと思いますよ」

 

 

《ムーとともに歩んだ懐かしのオカルト年表》

 

 

石原「今日は言いたいことをまとめてみたんですけど、ちょっと見ていただきたい。まず1個目にですね、『オカルト滅亡の危機迫る』」

マツコ「一時ちょっとはやったけれど、また下火になってきたわよね。3年前くらいに1回ブームが来たよね」

石原「そうなんです。年表を用意したので見ていただこうかなと。70年代ってすごく盛り上がってるじゃないですか」

マツコ「そうね。川口浩探検隊ね」

石原「UMAの先駆け」

マツコ「すごいわね。口裂け女ブームと同時にムーは創刊したのね」

石原「100メートルを6秒で走る」

マツコ「日本陸連が血眼になって探したからね」

石原「ちなみにムー的な話になっちゃいますが、映画『未知との遭遇』の中に本物の宇宙人が出てるんです。最後の母船から出てくる宇宙人は本物だって言われている」

マツコ「すごいわねー」

石原「80年代も『E.T.』とか、盛り上がってる部分もあるんですけど。見ましたよね」

マツコ「見ましたよ」

石原「90年代もまだあるかなっていう。『X-ファイル』とか、『リング』とか」

マツコ「ちょっとなんかスタイリッシュになってきちゃってる」

石原「確かに『X-ファイル』もすごいスタイリッシュになって。風水とかもあって。99年のオカルト大イベント、『ノストラダムスの予言年』」

マツコ「あれで一気に冷め切ったわよね。なんかあるんじゃないかと思ったら、何も起きなかったっていうね」

石原「そこからブームが下がっていった」

マツコ「悲しいわね」

石原「悲しいですよね」

マツコ「70年代から80年代にかけて、神々しいね」

石原「ほんとですよ。楽しかったですね」

マツコ「『丹波哲郎の大霊界』が入ってくるんだから」

石原「うわー懐かしい」

マツコ「いいわねー」

石原「ムーには40年間鉄板のジャンルがあるんです。実は、40年間でこの10個でまわしている」

 

①予言、②宇宙人 UFO、③都市伝説、④古代文明・遺跡、⑤超能力、

⑥心霊、⑦UMA、⑧未来科学、⑨占い、⑩探検

 

マツコ「だいたい予想通りよ」

石原「すべて言い切る、破壊力抜群の見出しがこちらです。ムーを彩ってきた攻めの見出したち。すごくないですか、この言い切りかた」

マツコ「一番すごいのは『異星人地球侵略の証拠をつかんだ!』。それがすごいところよ」

石原「証拠をつかんじゃってますからね」

マツコ「まぁでもこれはまだいいですよ。一番ひどいのは『実用スペシャル年末ジャンボ宝くじ必勝法』。これはひどい」

石原「これは一応、初めて読むかたにも参加してもらえる企画として毎回この『実用スペシャル』というコーナーがあるんです。宝くじ発売までのラッキーアクションが全部書いてあるんです。『7月29日、昼食には豆腐をおすすめする。それに一味唐辛子をかけて食するのだ。これで宝くじの当選確率は激しく上昇する。』ほかの占いここまで言い切りますか?」

マツコ「やってる?」

石原「やりました」

マツコ「マジか。当たってないだろ?」

石原「当たってないですね」

マツコ「この時代にあれが許されてるのもすごいわね。ムーは治外法権を手にいれたわよ。すごいわよ」

石原「学研といえば付録ってことで、付録が持つ役割。誌面であおり、付録で守る。ムーってのは、基本的に不安をあおっているんです。最後のページに付録が付いてるんです。これで安心してくださいってオチをつけてくれている」

マツコ「お札でもついてるの?」

石原「今日いろいろ持ってきたので」

マツコ「遠目から見ただけでもひどいわね。これどこで売ってるの?」

石原「しまむらで売っています」

マツコ「え!ムークッションかわいいわね。あとこのナスカジャンがかっこいい」

石原「素晴らしいですよね。かっこいいんですよ」

マツコ「いいわね。素材が安っぽいところもたまらないわね。あ、これちょっといただいちゃおうかな、ムーアクリルピアス。ロゴが最初っからデザイン性が高いわよね」

石原「かわいいですよね、この三角形が」

マツコ「これをいただこうかな。どこでつけるんだこれ!」

 

 

《ムーから学ぶ3つの人生訓》

 

 

石原「続きましてはムーから学ぶ3つの人生訓。これが今回の僕のメインみたいになるんですけど。①失敗は振り返らない。一番有名な大きな失敗がやっぱりこちらですね。『ノストラダムス最終大予言』」

マツコ「まぁ大失敗よね」

石原「1999年8月号なんですよ。要するにこれが7月に出てるんですよね」

マツコ「これが最後のムーになるつもりよね」

石原「ラストムーです。しかしですね、次号。普通なら言い訳しますよね。しかし『2000年1月1日電脳ハルマゲドンの勃発』。新しい予言が入ってるんです」

マツコ「ごめんなさいみたいなのは無かったのね」

石原「そうなんです。ノストラダムスの名前1個も入ってないんですよ」

マツコ「すごいわね」

石原「ないない、知らんってなっちゃってるんです」

マツコ「いいんですよ。切り替えの早さがね。生きるヒントです」

石原「僕がこういうところから学んだことっていうのは、ニートで家でもしたけれど、それをネタに漫画にしたっていう。振り返らずに」

マツコ「振り返ったところでね、取り返せるわけじゃない。ムーはそれを言ってるわけよね。くよくよするなと」

石原「では次にですね。②時には強引に突き進む」

マツコ「時にはっていうか毎号強引ですけどね」

石原「令和、新元号が決まるとき、ムー編集部もすごい盛り上がってたんですよ。次の元号を予測していた。三上編集長が、内々に明かしていた元号があるんです」

マツコ「なるほど、外れたんでしょうね」

石原「それがですね…」

マツコ「えっ?」

石原「『あすか』っていう元号だったんです」

マツコ「ああ、もう絶対なりそうにないですよね」

石原「飛鳥時代の飛鳥ではなくて、超古代文明のアスカ。カタカナです」

マツコ「もう誰も文句も言いますまい」

石原「でもですね、外れたじゃないかとみんな言ったわけですね。編集長は当たったと言ってるんです。アスカじゃないかと。令和の漢字の中にアスカが隠れてるんです。まぁ僕もさすがにこれは、あ、って思いましたよ。正直言って」

マツコ「いやいやこれは入ってましたよ。絶対サングラス取ったらいい人」

石原「そうなんですよ。編集長は『テレビに出るときはサングラスをかけてくれ』って広報の方に言われている。非常にスマイリーな」

マツコ「両方嫌いじゃない。お伝えください」

石原「ここから僕は何を学んだかというと、編集者になんと言われても曲げなかったわけです。先ほどの『THE3名様』という連載見ていただいたんですけど、あの設定でいくつも漫画を描いてるんです。普通だったら出版社の垣根を越えられないじゃないですか。でも越えちゃってるんです。今『キン肉マン』のスピンオフ漫画をやらせていただいていて、こんな感じで飛び越えて強引にやっています」

マツコ「これは学研さん?」

石原「集英社さんです」

マツコ「その前は?」

石原「小学館さんです」

マツコ「大手の漫画出版社渡り歩いてるなお前」

石原「ありがとうございます」

マツコ「ありがとうございますじゃないよ」

石原「最後に、③目立たず生きる。これが僕の最大の教訓ではあるんです。実はムーっていろんなところとコラボしていて、新海誠監督の『君の名は。』」

マツコ「『君の名は。』にムー出てた?」

石原「出てるんですね」(登場人物テッシーの愛読書として作品内に登場)

マツコ「あ、見てる」

石原「ちゃんと読んでるぞっていう」

マツコ「全然話題にならない」

石原「でもまあ僕がこういうとこで学んだのが、『巻末とかでひっそり』。僕のスタンスで、4ページとか2ページで漫画描いてまして、雑誌でも目立たないんですよ」

マツコ「あら大変ね」

石原「ムーのほうでもやらしていただいて。巻末に」

マツコ「2ページところか4コマじゃん」

石原「おまけのページ。でも5年間やらしていただいてます」

マツコ「お父さんが『マイクロチップをインプラントしたぞ。これでウチのカギも手をかざせば開くんだぞ』って言ったら、子どもが『ウチのカギ南京錠よ』って」

石原「ありがとうございました、わかりやすく」

マツコ「なんだお前ら。相当おもしろかったぞ今の」

 

 

《女子人気ナンバーワン記事 パワースポットに潜入》

 

 

石原「女子ウケがいいと言えばパワースポットということで」

マツコ「女子でムー買う人いるの?」

石原「はい。占いとかおまじないに惹かれてムーに入ってムー民になっちゃったっていう女の子もいます」

マツコ「そうなんだ」

石原「パワースポットってめっちゃメジャーな言葉じゃないですか。エスパーの清田さん、わかります?」

マツコ「わかります」

石原「あのかたが作った言葉なんですよ」

マツコ「へぇー」

石原「それを広めたのがムーといっても過言ではない。僕のオススメパワースポット。千葉神社と長野県の分杭峠」

マツコ「千葉神社?」

石原「そうです。行かれたことあります?」

マツコ「行かれたもなにも、あたし七五三から何から全部千葉神社よ」

石原「だからだわ」

マツコ「お前に言われると全然嬉しくねぇな。早く説明しろ!」

石原「千葉神社って、北極星の神様」

マツコ「そうそう。千葉氏っていう、千葉を治めてたところの家紋がそうなんだよね」

石原「北斗七星なんですよね。妙見様という神様を祭ってまして、この妙見様っていうのがひとことお願いすれば、願い事がかなうっていう神様なんです。ここは僕単行本が出るときは必ず行ってます」

マツコ「お願いしに?売れてるの?」

石原「はい。ムーの本とか売れました」

マツコ「ムー推薦ってなってくると…。千葉神社がムーに推されてるっていう。大丈夫か千葉?」

石原「ガンガン推されてますよ」

マツコ「オカルトシティーじゃないの」

石原「オカルトシティーですよ」

マツコ「『オカルトシティーですよ』じゃねぇよ!」

石原「もうひとつが分杭峠です。超有名なトップオブパワースポットです」

マツコ「ただの峠じゃないの?」

石原「違います。中央構造線ってあるじゃないですか。あのプラスとマイナスがぶつかり合って、ゼロ磁場を作っているすごい所なんです」

ナレーション「ムーでも特集が組まれ、日本三大パワースポットに数えられる分杭峠。東京から電車を乗り継ぎ5時間。長野県伊那市と大鹿村との境。標高1424メートルに位置するこの場所は、大きな断層がぶつかり、N極とS極がぶつかりあう通称ゼロ磁場と呼ばれる、世界的にも非常に珍しい場所。ちなみにふもとにあるバスチケット売り場の方位磁石も定まらない。そこから発する不思議な力を求め年間約2万人が訪れるという。さらにそのパワーを証明するかのように、ここで写真を撮ると健康や運勢を示すと言われる体から発せられるオーラが写ったり、オーブと呼ばれる光の玉が写ることがあるんだとか。果たして本当なのか。番組スタッフも撮影。すると得たいの知れないものが写ってしまった」

石原「写っちゃいました~」

マツコ「大丈夫これ?」

石原「ご覧になりますか?」

マツコ「見せるだろ、見たくないって言っても」

石原「まぁそうですね。見てください」

マツコ「うん?なにこれおまえから生気が出てってる?そういうんじゃないのか?」

石原「1枚なら光の加減だろってなるけど、2枚目、別の場所で。出てますね」

マツコ「どういう意味なのよ」

石原「ちゃんとムーのエスパー小林さんていうかたに、鑑定してもらった」

ナレーション「今回、ムーでも執筆活動をしている、霊能者の小林世征さんに鑑定をお願いしました。写真に写りこんだ光の正体は?」

小林さん「この写真ちょっとここだけ色変わってるでしょ。こういう色ってあんまり出ないんですよ。ちょっとブルーっぽいような。エネルギーが足もとから出てるのは事実。2枚目も同じように、足元から出てる。大地からプラスエネルギーが出てる。マイナスエネルギーだとこんな色じゃなくて、色がもっと暗い。その波長と合うとすごく運気が上がる。運気低迷してたり体を悪くしていたなら、どんどん上がっていく」

ナレーション「小林さんいわく、光の正体は大地からのプラスエネルギーとのことで、近くに立って波長が合えば、運気が上がるらしい。信じるか信じないかはアナタ次第」

マツコ「でも確かにこんな色写真で見たことないよね」

石原「顔色良くなってる感じするんですけどね」

マツコ「どうなの?」

スタッフ「耳鳴りがしてたんですけど、行って時間が経つと落ち着いてきた」

マツコ「その前になんでお前耳鳴りしてるんだよ。大丈夫か?根本的にこいつに運気があるように見えない」

 

 

~完~