2019/08/06放送
マツコの知らない世界
スタッフ「折りたたみ傘使っていますか?」
マツコ「聞いちゃうそれ?折りたたみ傘大嫌い」
スタッフ「どうして?」
マツコ「あたし全部きれいにしないと中に入れたくない。そんなん毎回毎回手びちょびちょにするのイヤじゃん」
スタッフ「今日のゲストは対処法も詳しいかたなので」
マツコ「あれは対処法ない」
'自宅に100本の傘をコレクションする男'
土屋博勇喜(ツチヤヒロユキ)さん(以下、土屋)
マツコ「たまに会いたくなる友達みたい。毎回はきついけど、一か月に一回くらい会いたいなと思うタイプ」
土屋「私折りたたみ傘がすごく好きなんですけれど、今回マツコさんにどうしても伝えたいことがあって。折りたたみ傘はどんな女性よりも美しい、究極の精密機器」
マツコ「何を言ってんだお前は」
土屋「コンパクトさとか、スムーズな開閉とか、強度、全部兼ね備わって一つの折りたたみ傘になっているんですよ。なので精密機器なんですよね」
マツコ「どんな女性よりも美しいってのはのはどういう意味なのよ?」
土屋「やっぱりこの中のフォルムですね。骨がきれいにカーブを描いているわけじゃないですか」
マツコ「それがどんな女性より美しいの?」
土屋「女性の脚を見るより全然きれい」
マツコ「お?やべえ奴か?これ見て興奮してるわけじゃないよね?」
土屋「興奮はしてますよね。きれいな美しいもの見ると興奮は芽生えますよね」
マツコ「いや…え?これお気に入りなの?ちょっと開いてみてよ。どうこれ見て」
土屋「最高っすよね。ふふふ」
マツコ「とうとう来たぞ。真性変態が来たぞ」
土屋「そもそも折りたたみ傘なんですけど、実はドイツ人が考えられたんです」
マツコ「え、日本人じゃないの?日本っぽいわよね、発想が」
土屋「ドイツ人の工学士のハンス・ハウプトさんっていうかたで、足がとても不自由だったんです。左手でステッキ、右手に長傘だと、雨の日にすごく不便を感じてたそうです。胸ポケットとか小さいところに入って広げたいっていう思いで作られたのが、折りたたみ傘の始まりなんです。このボールロックシステムというのが開発されて、そこで折りたたみ傘っていうのができあがった。こういう骨同士がつながって連動して開く。このシステムを思いついたかたなんです」
マツコ「そうやって布とるとすごいわね。やっぱり。なかなかの努力の結晶よね」
土屋「そうですね。この方がこれ思いついてくれなかったら世界に折りたたみ傘が普及しなかった」
マツコ「そしてお前はこんなに興奮しなかった」
土屋「私のプロフィールを。千葉県出身で、職業は傘販売員です。私と傘の歴史としては、15歳のとき地元の千葉県のホームセンターでアルバイトをしていたんです。そのあとにもうちょっと大きい販売店で働きたいということで、東急ハンズに入社した。何も知らないまま傘売り場に配属になりまして、販売していくうえでお客様とお話ししなければいけないと。知識がなかったので、一生懸命勉強させていただいて。そこからだんだん折りたたみ傘の構造とかそういうのを知っていくにつれて、ただ好きだったのが今愛に変わっているというか」
マツコ「今も東急ハンズの社員なの?」
土屋「いえ、今は自由が丘にあります傘専門店『Water font』に」
マツコ「どんどんマニアックになっちゃったよ」
土屋「今非常に興奮しております。周り傘なので。傘をどんどん集めていくと、自然と給料の半分は使っちゃった。実家に暮らしていて、会社に置かせてもらったりとか」
マツコ「実家どこなの?」
土屋「柏市ですね」
マツコ「柏から自由が丘通ってるの?」
土屋「そうです」
マツコ「うわー、すごいな。好きって恐ろしいわね」
《従来のイメージを覆す!進化形折りたたみ傘7選》
土屋「実際、世界と日本で折りたたみ傘ってどれくらい...?」
マツコ「ハンスさんがああいう事情で開発されたのはわかったし、海外はステッキを持つ文化があるからそういうかたが使うのはわかるけど。日常使いしてる欧米の人いる?」
土屋「折りたたみ傘の使用率世界55パーセント、日本21パーセント」
マツコ「全然認識不足だった。あたし日本人らしい発明ねくらいに思ってたから。なんで日本人は折りたたみ傘をそんなに受け入れなかったの?あたしみたいなのが多いのかな?」
土屋「実際そういうのもたぶんあるかと思います。折りたたみ傘を使わない理由、①広げたりたたむのがめんどくさい、②強風が吹くと簡単に壊れる、③なんとなくダサいイメージがある」
マツコ「昔って、あたしが子どもだったころとか思春期だったころね、こんなにかわいい折りたたみ傘なんてなかった。黒かグレーか紺か深緑みたいな、サラリーマンのおっちゃんが持ってるイメージ」
土屋「もしかしたらマツコさんの認識も今日で覆して」
マツコ「いやもうそのかわいこちゃんを見て覆りましたよ。マブい土屋の女」
指一本で簡単操作
「TS.220 Stripe Mystic Blue」
(Knirps)
6264円
土屋「傘のめんどくさいところをすべて解決させたいと思います」
マツコ「そんな調子いいものはないでしょうよ」
土屋「ありますマツコさん、こちらです。赤いボタン押してみてください」
マツコ「いくよ」
土屋「で、もう一回ボタン押してみてください」
マツコ「...!」
土屋「そうなんですマツコさん。閉じちゃうんです」
マツコ「いい女だねぇ」
土屋「すごいいい女なんですよ」
マツコ「うわこれちょっと家で遊んじゃいそう」
土屋「そして開いてるとき、風が一番よく当たる先の部分をより細くしてしなるようにしている。風を受けても受け流すようになってる。これも専用の樹脂のグラスファイバーっていう素材を使っています」
マツコ「反り返りもないの?」
土屋「実はですね。ウィンドプルーフシステムっていうんですけど、元通りになる」
マツコ「なるほど。すばらしいんですけど、あたしが問題視しているのはここではない。これを収納する際のここをそろえたいんです」
土屋「実はそれにもコツがあるんです」
マツコ「マジすか」
土屋「まず最初に下を持っていただいて、ちょっとこれを振るんです。そうすると折り目がこういうふに一回つくので、手を通してください。手も濡れないですし、隅もそろっているので軽くたたんでこのとおりきれいに」
マツコ「お前は女のあしらいがうまいからよね」
土屋「そうすると水もきれいに切れるので。もともと折り目がしっかりついている傘なので、振ってもらうと折り目とおりにちゃんと戻ってくれるんです」
マツコ「これくらいだったらいいか。これはなかなかマブいですよ」
土屋「僕からしたらアグレッシブでボーイッシュな女の子に見えちゃって。ふふふ」
マツコ「ショートヘアーね」
土屋「イエス!恥ずかし~」
折りたたみたくなければ、たたまなくてもいい
「2通りにたためる折りたたみ傘」
(無印良品)
2990円
土屋「まぁ普通の状態はこんな感じなんですけど、なんでたたまなくていいかってとこですよね。普通の傘だったらマツコさんが言ったみたいに、ここまで開いてこうやって最後までしまわないといけないじゃないですか。こちらの場合だったら、お店にちょっと入るときとか、わざわざポキポキ折れない。なのでこのままこういうふうに」
マツコ「ああ、普通の傘っぽく使えるってことか」
土屋「長傘のように使えるんです」
マツコ「これ便利だわ。その傘入れも伸ばして使えるのね。うわー、思わせぶりな女ね」
土屋「もうまさにオンオフを使い分ける、都会のキャリアウーマン的女性に見えちゃう」
マツコ「柄もね、さっきのとは違う」
土屋「かわいい。ふふふふふ」
マツコ「ちょっと抑えてくれ」
土屋「すいません」
日本海の豪雨・豪雪を跳ね返す最強折りたたみ傘
「富山サンダー」
(シューズセレクション)
2700円
土屋「もともと富山県って日本海の風とかそういう悪環境に耐えられるように作られた」
マツコ「ずっしり重いね。これはしっかりしてるわ」
土屋「実はこう見ていただくと、普通ならハトメで留まるところを合金で留めているので、風にも耐えられる」
マツコ「あたしなかなか普通の傘だとけっこう小さいのよ。折りたたみでこれはすごいわね」
土屋「そうなんです。70センチメートルってそういうサイズ作るのは難しくて。それで合金をかしめて強度をアップしている」
マツコ「お前じゃなかなか手の届かない女だろ」
土屋「確かに肝っ玉のすわったお母さんみたいな感じなので」
マツコ「それはちょっと言い過ぎじゃない?まだまだ女だよ」
土屋「ふふふふふ」
小さくたって台風にも耐えられる
「Pentagon72」
(アンベル)
4320円
マツコ「ちっちゃ!」
土屋「持ってみてください」
マツコ「なにこれ!かるっ!」
土屋「72って書かれてるじゃないですか。72グラムなんです」
マツコ「こんなのお前バキバキだろ、台風の日」
土屋「いやいや、もう小さくてタフなんで台風にも負けないです。これホック式っていうポキッてやる」
マツコ「布も薄いな。全然雨風しのげない。トトロみたいになってるじゃねえか。衝撃的に軽いね」
土屋「なんで風に耐えられるかっていうと、よくしなるカーボンファイバーっていう飛行機にも使われているような素材を使っている。そういう素材を使うことによって、風速15メートルまで耐えられるようになっている」
マツコ「これ台風はもちませんよ旦那」
土屋「これが実際台風に耐えられるか、実験してみてもいいですか」
マツコ「今日扇風機あるの?まぁ地味に金をかけて」
土屋「どうですか?すごくないですか?」
マツコ「お、無傷。壊れはしないんだろうけど、こんなとき傘ささない」
土屋「地味な傘がでてきちゃったと思うんですけど、今度はおしゃれな傘を紹介したいと思います」
日本の伝統美を折りたたみ傘に注入!
「12本折りたたみ傘 江戸」
(mabu)
3780円
土屋「ぜひ開いていただけたら」
マツコ「おー、12本」
土屋「きれいに円を描く。それによってこの骨の樹脂、グラスファイバーを多く使っているので風にも対応している。なおかつ和風モダンな柄がはいっている」
マツコ「大きさもまあこれくらいあったらいいか」
土屋「男女兼用サイズ。ユニセックスサイズです」
彫刻家が作ったさす芸術品
「パンプキンブレラ スーパーミニ サヴィ」
「マルガリータ スーパーミニ モチーフジャカード」
(ディチェザレデザイン)
10260円
土屋「こちらの傘もなかなかおもしろいんです。スーパーミニサヴィ」
マツコ「うわー、変態性が強い」
土屋「こちらカボチャをモチーフにしたデザインになっている。普通の傘ってきれいに円になっている。こちら見ていただくとこの骨の長さが違うのわかります?骨の長さを変えることによって、より立体的に傘を見せています」
マツコ「長いのと短いのを交互にしてあるわけだ」
土屋「これは彫刻家のかたが考えたデザインっていうだけありますよね」
マツコ「こういうのはどうなのよ。奇抜な女は」
土屋「美大女子みたい。こちらはマルガリータスーパーミニ」
マツコ「ちょっとなにこれ。ここから雨入ってくるじゃないのよ」
土屋「入らない」
マツコ「入らないのねぇ」
土屋「もともとこれはマーガレットの花びらをイメージしてデザインしたそうです。大好きです。うひひひひひ。ドキドキしちゃいますよね」
《骨の構造がすごすぎる!究極の折りたたみ傘3選》
思いやりあぶれる骨の守護神
「バッグに優しい傘」
シューズセレクション
2700円
土屋「実際に現物をみていただけたら。こちら、どういうふうに開くと思いますか」
マツコ「え、バッグに優しい傘でしょ」
土屋「軸がずれているんです」
マツコ「ああ、リュックサック背負っている人用か」
土屋「そうです。後ろが左右非対称になっていますので、濡らしたくないもの。ハンドバックだったりとか」
マツコ「意外と便利かもね。二人で並ぶときとかは。あたし大きいからちょっと無理があるけど、細い女の子二人とかだったら横の子が濡れないわけだ。すごい構造ね」
土屋「そうです。それ専用の樹脂を使ったり専用のパーツを使っているので、より安定性をもって傘が開ける」
マツコ「これけっこう使い勝手がいいわね」
土屋「ふふふふふ。もうマツコさんにどれを気に入ってもらえるんだろうってゾクゾクして」
骨のスタイリッシュニュースター
「スマートフラット」
シューズセレクション
2160円
土屋「薄い形状になっているんですけど」
マツコ「えー?なにこれ?どういう意味?なんだこれ?」
土屋「普通は傘って丸くなるじゃないですか。でもサイドに3本ずつセパレートするので、薄くできるんです。実はこのスーツの胸ポケットにいるんですよ」
マツコ「あたしね、一番最初にお前が入ってきたときに、薄い傘を入れてるのは見てた。いやだからすごいなって思ったの。最初に見たときに」
土屋「この生地を張るとよりその形がしっかり」
マツコ「あ、ほんとだきれい」
土屋「そうなんです、開くと普通の傘なんです。で、閉じるとこういうふうに」
マツコ「こんなだよ。ほら。すごくない?何に例えたらいいかな。扇子」
土屋「お、マツコさんよく気づきましたね。実はこれ扇子をモチーフにしているそうです」
マツコ「これはもう常に入れとけばいいじゃない」
土屋「鞄の中で絶対邪魔にならない」
土屋「僕がどうしても紹介したい究極の傘職人さんがいます。骨の魔術師、グレイグ・ブレブナーさんです。ニュージーランド出身のかたで、工学士のエンジニアのかたなんです。僕にとっては、このかたがいたから傘が好きになったと言っても過言ではない。傘業界を震撼させたすごい傘を作っている」
骨の魔術師が作った究極の折りたたみ傘
「XS_METRO」
(BLUNT)
7020円
マツコ「けっこうしますね」
土屋「でもたぶん構造を見ていただいたらビックリします。骨組みこちら。こういう特殊な形状になっているんです。どんな感じだと思います?」
マツコ「なんでここが動くの?なにこれ」
土屋「このフォルムがけっこう特徴的なんです」
マツコ「なんで傘の先が動くようにしてあるの?」
土屋「傘の逆のパターンで中に先端を入れたんです。そうすることによって、傘同士がぶつかっても壊れないようになっている。この骨組み回るんです。風が吹いたりぶつかったりすると、回るんです」
マツコ「本当だ。危なくないしね。すれ違う人とかに当たってもね。これ子どもとかいいんじゃない?小学生とかうえーいってやってるじゃん。あほみたいね。あれもしガンって目とかに入っちゃったらたいへんじゃない」
土屋「本人が先端恐怖症だったがゆえに思いついたデザインです」
マツコ「すべての傘がこの構造になってもいいわよね」
土屋「いろいろ傘を紹介させていただいたんですけど、いかがだったでしょう」
マツコ「ホントにね、バッグの中に一本入れとこうと思いました。あたしの思っていた折りたたみ傘像はずいぶん昔のものでした」
土屋「ああ、よかったです」
マツコ「びっくりしました。ちゃんと人間の女とも向き合うんだよ」
土屋「ふふふふふ」
マツコ「変態っていいね」
~完~
