2019/04/23放送
マツコの知らない世界
'ウィーンの舞踏会に121回参加した日本人女性'
クローネ マキコ さん(以下、[クローネ])
[マツコ]「'クローネ'さん?ご主人がオーストリアのかた?」
[クローネ]「いえいえ、クローネというのは本名ではないので」
[マツコ]「舞踏会にでられるときの名前?マキコは本名?」
[クローネ]「マキコは本名です。牧子と書きます」
[マツコ]「ご結婚は?」
[クローネ]「プライベートなことは、今日はちょっと...」
[マツコ]「ごめんなさい、あたしもそんなに興味はなかったんですけど。......嘘、嘘ですよ」
[クローネ]「舞踏会っていうのは、究極の非日常空間。そこに行くと誰でもお姫様気分を味わえる。本物の宮殿とかそういう所で、綺麗なドレスを着て、素敵な男性にエスコートされる。それどけでも非日常空間。しかもですね、日本人も参加できます」
[クローネ]「私がどうして舞踏会にたくさん行くようになったかというと、子供の頃『ベルサイユのばら』を読み、貴族文化・舞踏会などに興味を持って憧れがあったんですね。学生の時に女優さんだったりタレントさんがウィーンの舞踏会にデビューっていう番組があったんですけども、それを見まして、こんな世界が20世紀にもあるんだと思って。おばあさんになる前に一生に一度は舞踏会に出たいという夢を叶えようと思って。当時ってインターネットもなかったし、今みたいに検索して何でも情報が出てくる時代でもなかった。元同僚の親戚がウィーンに住んでるって聞いて手紙を書いて、どうしてもウィーンの舞踏会に出たいので、ぜひお手伝いいただけないでしょうかと」
[マツコ]「それでようやく?」
[クローネ]「人生初めてのドレスでした。当時二十何歳」
[ナレーション]「一生に一度と思って参加したクローネさんですが、気がつけば参加回数は121回」
[マツコ]「ウィーンに住んじゃったら?」
[クローネ]「住んじゃいたい」
[マツコ]「でしょ?旅費だけですごいことになっちゃってるじゃない。ウィーンにいい男いなかったの?これからもずっと通うんでしょ?」
[クローネ]「ウィーンは50回くらいなんですけど、行くたびに3つ4つ参加するので」
[マツコ]「それでも50回でしょ?」
[クローネ]「日本との行ったり来たりがいい。住んでる人だったら、行こうと思えばいつでも行けるじゃないですか。わざわざ飛行機に乗ってでも参加したいっていう」
[マツコ]「飛行機代を稼ぐためにスポンサーの名前付けたら?」
[クローネ]「笑」
《日本のテレビ初潜入!世界遺産・王宮の舞踏会》
[ナレーション]「参加費はなんと○○円!?世界遺産の王宮で行われる舞踏会。参加するだけでお姫様気分を味わえるウィーンの舞踏会とは。パートナーの男性のお出迎えでお姫様気分が一気に高まります。舞踏会の会場へ。700年にわたりハプスブルク家の歴代皇帝が住み、現在は大統領の公邸としても使われる世界遺産・ホーフブルク宮殿。会場は正真正銘の王宮。さらにお姫様気分を盛り上げるのはその衣装」
[クローネ]「男性はタキシードか燕尾服。女性はロングイブニングドレスって指定されています。ドレスも何回も同じの着たくないので、リフォームしたりヤフオクで売っちゃったり」
[ナレーション]「いよいよ舞踏会のメイン会場へ」
[クローネ]「この部屋入っただけでも感動。普段は観光客に公開されていない部屋なんですよ。この舞踏会とか特別なイベントとかがないと入れないところなんです。法律家の舞踏会、juristen ball。裁判長が来たり弁護士が来たり、とても格式の高い舞踏会」
[ナレーション]「舞踏会が始まるのは夜9時半、終了時間は朝5時まで。いよいよ舞踏会がスタート。そのオープニングを飾るのはデビュタント。デビュタントとは、この日社交界デビューする若い女性たち。家柄などは関係なく、しかも外国人の女性も参加が可能」
[マツコ]「日本の人は誤解してるのは、デビューとかも厳正なる審査があって、やっぱり富裕層のご子息しかデビューできないと勝手に思ってる」
[クローネ]「格式も高いし、伝統文化なんですけれども、皆さん気軽に参加できる」
[マツコ]「ドレスコードさえ守れば」
[ナレーション]「デビュタントに続いて会場にはオーストラリアの法務大臣など、来賓が入場。さらにはハリウッドのスーパースター、ニコラスケイジなどに会えることも。午後10時、デビュタントが一斉にワルツを踊った後は、参加者全員が踊り始める。ちなみに舞踏会は全く踊らなくても大丈夫。オペラや生演奏を堪能したり、お酒を楽しんだり。6時間以上滞在してその参加費は149ユーロ(約2万円)」
[クローネ]「人がたくさんで、2000人ぐらいいたかな」
[マツコ]「あんまり優雅さはないよね。構造はクラブと一緒ね。もちろん違うんだけど、わかりやすいようにね。やることに制限があると思ってる方多いと思うのよ。基本的にはお酒飲んでちょっとつまんで、踊りたくなったら踊って、みんなで会話を楽しむ」
《世界一のゴージャスさ!オペラ座の舞踏会》
[クローネ]「ウィーンの中だけの、主な舞踏会をまとめてみました。現在のウィーンの舞踏会って、職業別のの舞踏会がすごく多いんですね。お菓子屋さんのとか、医師会のとか」
[マツコ]「その業種ごとに、大体目立つ業種はほぼ行われているわね」
[クローネ]「シーズン中、木曜日、金曜日、土曜日って感じで毎週末どこかで舞踏会が行われているって感じです」
[マツコ]「ウィーンフィルのとかは行ってみたいかな。楽友協会の中で行われるんだ」
[クローネ]「ウィーンフィルのニューイヤーコンサートがあるあの学友協会で、ウィーンフィルの伴奏で踊るってすごい素敵な事なんですよ」
[マツコ]「基本ぎゅうぎゅうなのね」
[クローネ]「やはりなんといっても行っていただきたいのはこれです。オーストリアの国民行事となっておりますオペラ座舞踏会、ドイツ語でいうと『オーパンバル』」
[マツコ]「これもどなたでも行けるの?」
[クローネ]「チケットの入手はかなり難しい」
[マツコ]「倍率がすごいんだ」
[クローネ]「そうです。秋くらいには売り切れ」
[ナレーション]「2月28日、オペラ座。実はこの舞踏会、国営放送の中継が入りその模様は4時間にわたってオーストリア全土に生中継される。しかもその視聴率は驚異の46%。ゲストにはオーストリアの大富豪として有名な不動産王、親法務大臣、そして超有名ドラァグクイーンなど。さらにオーストリアの大統領も主催として登場。そのためこの日だけはオペラ座周辺に厳重な警戒態勢が敷かれる。6000人収容できるメインホール。その参加費は約4万円とどの舞踏会よりもお高め。そしてダンスフロアの横にはおよそ100部屋のボックスシート。最も高いのは何と300万円。いよいよ舞踏会がスタート。オーケストラの生演奏や、ウィーン国立バレエ団のダンス、超一流のエンターテインメントを堪能できる」
[クローネ]「オペラ座は本当に別世界なんですよ。別世界感がピカイチで」
[マツコ]「あとオペラ座の作りがいいですよね。バルコニー席がいっぱいあって」
[クローネ]「会場に入るだけで、来てよかったというぐらい。でね、朝5時に終わって、それで帰るだけじゃないんですよ。パートナーと一緒に朝食もしくは二次会に行きます」
[マツコ]「二次会はどこでやってるの?」
[クローネ]「隣にホテルザッハーっていうのがあるんですけれども、そのカフェとか」
[マツコ]「そんな時間からカフェやってるの?」
[クローネ]「舞踏会シーズンは主なカフェは夜中3時からやってる」
[マツコ]「そのアフター狙いで営業しているわけだ。昔は貴族が夜遊びしてたんだもんね」
[ナレーション]「女性の憧れオペラ座のデビュタント。そのお姫様気分を最高に盛り上げるのが世界的デザイナーが手掛けるティアラ。オーディションを勝ち抜きでデビュタントに選ばれれば、ティアラを獲得することができる」
[クローネ]「前の年には、カールラガーフェルドがデザインした」
《マツコ舞踏会デビュー、ウインナワルツを踊る》
[クローネ]「少しでもウインナワルツが踊れれば、ウィーン舞踏会デビューできます。それであちらに用意しました。実は今年は日本とオーストリアの外交樹立から150周年という記念の年なんです」
[マツコ]「あら!じゃあ日本の主宰のとかないの?」
[クローネ]「11月に私のやってる会で、ハプスブルグさんをお招きして夜会っていうのを都内のホテルであります」
~完~