サタデープログラム | 月見書店日記(仮)

サタデープログラム

ここはどこ?(挨拶)

0a2529e7.JPG







な、名古屋キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!
つーかこの週末、誰にも言わないでこっそり名古屋に行ってきたんですよ名古屋。
世間がやれセントレアだ万博だと騒ぐ中
そんなものには目もくれずサタデープログラムに突貫かけてきたけんの!


んなわけで今日はサタプロレポ。後悔はしていない。




サタデープログラム
平成五年より施行された月2回土曜休業により、私たちの高校では週休2日制となりました。土曜休日を最大限に活用するために開かれたのがこのサタディ・プログラム(通称サタプロ)です。

 サタデー・プログラムでは休日土曜にOBの先輩方や、講師を多方面からお招きして講習を行ってもらうというものです。講習といってもただ聞くだけではなく、参加する形式の講習もあります。
つまり、講師をお招きし、講習を開いてもらう企画。それがサタプロです。
ちなみに、サタプロの運営は大半が私たち生徒が行っております。

(以上東海高校ホームページから抜粋)

というわけで
名古屋の雄東海高校で行われている奇祭お祭り、サタデープログラムなわけですよ奥さん。

毎度毎度すごいゲストを呼ぶことで話題となるこのサタプロですが
高校なのにエロゲーのminoriを講師に呼ぶという暴挙からも
東海高校の懐の深さがわかるというもの。
先生は止めなくていいんでしょうか?
むしろ率先して煽ってるんでしょうか?

今回は
第一部:YURIA 「夢は未来の予定~夢を夢のまま終わらせない~」
第二部:江川達也 「夢は叶ったら、地獄。叶わないから夢なんだ」
     田中公平 「作曲家のお仕事」
第三部:橋本紡 「電撃ゲーム大賞のとり方~作家で稼げると思うな(笑)~」
     小原乃梨子 「声に恋して声優」

というなんとも豪華なラインナップ。
自分はYURIA→田中公平→橋本紡で参加したんですが
三部は最期まで小原さんにするか橋本さんにするか迷った。

ちなみにYURIA→江川達也で参加されたさざなみ壊変 さんのレビューはこちら

第一部:YURIA
YURIA-!ゆーっ!ユリアーっ!ユリー!あー!


なんてのはさすがになかったですが
学校の視聴覚室にオタとリア厨が一堂に会すというのがすごく印象的だった。
ぶっちゃけありえなーい。

でYURIAさんの登場。
さざなみさんも書かれてましたが帽子がマイクにごっつんこというドジっ娘ぷりに月見も萌え。
ほんのりとした関西弁も相まって開始早々から萌え死にそうでしたよ。

序盤はノリが深夜帯ラジオを彷彿とさせるもので
講演会としてはどうかなあーと思ってたんですが
次第にYURIAさんもエンジンがかかってきて
自身の生い立ちから現在の仕事に就くまでのいきさつとかを
笑いも交えて面白おかしく語ってました。
中学校の時にやってた演劇が現在声優をやるにあたっての基礎になっているとか
ピアノのパリ留学を蹴ってでもバンドをやりたかったとか
コネでもデビュー出来たけどあえて自力でのデビューを目指してデモテープ送りまくったとか
「YURIA」になるためにもそれぞれにいろいろと紆余曲折があったんだなあ、と再認識。

最期のほうは「夢をただ夢として思い浮かべるだけじゃなく、自分が生きている現実の先に位置づけて、それに至るにはどうすればいいかを具体的に考えて実行することが大事」と上手くまとめにもっていったなあと思いました。

あと、「人のつながり」の大切さも熱く語っていたのが印象的。
今回声を当てることになった「SHUFFLE!」でも
原画の西又さんがなかば冗談で「この声YURIAさんに当ててほしいよねえ」みたいな事を
口に出したら、その場にいたYURIAさんが声優をやりたがってることを知ってるディレクターさんを経由して本当に声優起用ということになったとか
そういう「つながり」がもたらす思いもしない幸運も夢のためには必要なんだよ~ということか。

ラストはSHUFFLE!の曲で締め!!
とプチライブも開かれたり、すごく濃い1時間半だったにょー。

追記:ちなみにライブでは機材の関係で、YURIAさんは校庭での挨拶で使うようなマイクで歌ってたのにはワラタ。曰く「人生初視聴覚室ライブ」
7f6524d3.JPG





なぜにフロゲ


第二部:田中公平さん
あとで更新。

第三部:橋本紡
そろそろ体力的にも限界に近かったんですが、気合で参加。
自己紹介の変わりに「毛布おばけと金曜日の階段」と「半分の月が昇る空」が配られるも
今後これについての言及は一切なし。
作品の構造解説などで軽いラノベ論が展開されると思ってただけに少し肩透かしでした。

まずラノベ業界について裏話も交えつつ語る。
昨今の文学新人の低年齢化からも分かるように
作家志望者の裾野が広がって、電撃大賞といったラノベの業界も例に漏れず
志望者が急増しているらしいです。以前は700人ぐらいしか応募者がなかった電撃も
今では3000人を超すに至るまで規模が大きくなった模様。
新人賞も増設されてプチバブル状態に今のラノベ界はあるのかもしれません。
こうした中で「ドクロちゃん」みたいな以前だったら落とされているような異色なものも上手くすくい上げる土壌が出来てきたということですね。

しかしこれだけ爆発的に新人が増えたとしても
出版部数全体はそう増えたわけでもないのが現状。
そこで、新人同士の生き残りをかけたサバイバルレースが行われるわけなのです。

なんでも電撃とかは「三冊までは出すことを保障。しかしその三冊の中で一回でも増刷かかるくらいに売れなければサヨナラ」という制度を採っているようで、どんなに面白い作品を開ける才能があったとしても
三作目までにそれを開花できない人は、よほどのことがない限り作家生命が絶たれてしまうというシビアな世界のようです。
下手すると「一回で結果を出せ」なんて言われる人もいるらしいですし、橋本さんは面白おかしく語ってましたが実際はかなりキツイ世界なんだなあと思いました。
売れなくなると
①担当編集者が直接電話に出てくれない
②プロットを送っても担当からはなしのつぶて
③仕舞いには担当自体が連絡もなく異動する
みたいになるよ~なんて冗談交じりのお話も妙に生々しい気がしなくもなかったですがたぶん気のせいでしょう。

ちなみに橋本さんは残高は8万しかなく、バイト先ではやくざに絡まれるような生活が嫌でラノベ業界に足を突っ込んだとのこと(笑)
作品の中にもそういった時期の苦労話が混じってるらしいので、小説持ってる方はどれがノンフィクションなのか探してみるのもいいかもね。

あと長く描くコツについて聞かれて、橋本さんは
「引き出しを多く持とう」と応えてましたが、これは田中公平さんも同じことを言ってました。
ものを作る人に限らず、人間は常に自分の「幅」を広げるように努力しなきゃいけないということです。

小説には、「自分のことを書けば誰でも傑作を書ける」という格言があります。
自分自身の抱えてきた問題だからこそ、文章にするときにも魂がこもりやすく、多少稚拙なところがあっても読み手に訴える度合いが大きいということですね。
しかし、このように自分を切り売りして作品を作っていくといつか自分の中に何も削りだすモノがなくなってしまうという喪失に陥る危険とも隣り合わせ。
だから作家は常にアンテナを張りめぐらせ、削ることができる別のものを自分の中に作っていかないと長く書けないと橋本さんは語っていました。

他にも「平均年収は低いけど好きなことをやって食えていけるのはイイ。」
とか「高畑京一郎は印刷所を止めたことがある」などの電撃作家内の暴露話などがあったりと
聞いてて笑える講演会だったと思います。

最期にサイン入りの「リバーズエンド」を配るとなったとたんおとなしく聞いてた東海生が我先にと
前に殺到したのはすごかったです。そんなに欲しいか<欲しいです

その後も会場の希望者全員にサインをしたりと気前のいい兄ちゃんぷりが光る橋本紡さんなのでした。
a146da6e.JPG
<その光景








サタプロ全体を通して思ったことは
本当に生徒中心にがんばっているんだなあということ。
事前の打ち合わせとか会場の設営、ホテルの手配とかまできちんとこなす姿を見てちょっと感動しましたよ。
授業数が削減されたおかげでこのような総合学習的な取り組みが出来るようになったと
監督の先生も話してましたが
確かにこういった総合学習なら
生徒も社会や自発性などを学ぶことが出来るなあと月見も思いました。
さすがは東海中学校!<minori呼んでるけど