9.14 石田順裕vsダビド・ラデフ ヘビー級8回戦 〜石田快勝!年末に京太郎戦をコール〜 | @TUG_man石田順裕応援ブログ

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世界リアルボクシングドキュメント

2014.9.14 Nobuhiro Ishida vs David Radeff


14日、大阪ボディーメーカーコロシアムにて石田順裕のヘビー級第2戦が行われた。前回の京太郎戦では勝っていてもおかしくない内容で僅差判定で敗れてしまった。

控え室アップ
「借りを返したいし、まさかあれで終わりにはならないでしょう。僕ももっと高みを目指してますけど、その前にハッキリと決着をつけたい。勝つ自信ももちろんあります」

この京太郎との一戦を受けて、石田順裕は日本ヘビー級2位、東洋ヘビー級では6位にランクインした。今や石田はいつでも正式にタイトルマッチが可能な位置にいる。

さて一方の日本王者京太郎も10日、同級1位の竹原虎辰を5RTKOで下し、2度目の防衛に成功した。京太郎は「今後は外国人選手と戦いたい」と石田順裕との再戦には慎重な構えを取っている。

“石田は京太郎に勝った後どうするつもりだろうか?”

というような声をたまに見かけるが、京太郎はWBC世界ヘビー級ランキング22位に着けている世界ランカーだ。石田が京太郎を倒して日本ヘビー級王者となれば、同時に世界ヘビー級ランカー石田順裕が誕生することにもなる。

つまり打倒京太郎を果たせば、ヘビー級戦線で世界トップ20位台へ躍り出ることができるのだ。もちろん東洋ヘビー級王者ハウモノの首を獲って世界ランク入りをする道もあるが、そうすると石田と京太郎のチャンピオンロードはまるかぶりのラインを辿ることになる。

50年ぶりに復活した日本ヘビー級創世記に、石田順裕、藤本京太郎という2人のスターボクサーが同ライン上に存在することは運命の巡り合わせと言ってもいい。

日本最強のヘビー級ボクサーは誰か。時代が決着を望んでいる。国内のヘビー級が隆盛を見せてこそ、初めて世界ヘビーへの扉が開けてくるのだ。

世界の重量級へ殴り込みをかける最短コース、それが京太郎リマッチ真の目的だ。

そして世界ヘビー級ランキングに入ってしまえば、〝打倒クリクリチコチコ〟しかり、ライトヘビー級やクルーザー級をも視野に入れてビッグマッチを狙うことだってできるようになる。

石田はロス合宿の際、WBA世界クルーザー級王者デニス・レベデフの専属スパーパートナーを務めたが、それが現実に世界戦として行われることだって十分にあり得る話だ。

レベデフはつい先日ギレルモとの統一戦が急遽中止となってしまったが、そこで興行カードに穴を空けたくないプロモーターから〝急だが2週間後世界戦のリングへ上がってみないか?〟なんて話が舞い込んで来ないとも限らない。

ラスベガスのあの興奮を再び。

それまでは絶対にあきらめるわけにはいかない。今夜の一戦も、そうした世界へと続く大事な試合だ。

石田順裕密着テレビ取材
この日はノンタイトル戦だというのに、新聞雑誌各社の他、テレビカメラが2社、MBS放送そしてJ-SPORTSのカメラクルーが取材に入っていた。石田順裕の動向に、いかに注目が集まっているかが伺える。

クラッシュボクシング、待ちに待ったメインイベントの時間がやって来た。石田順裕、地元の大歓声に包まれて入場だ。

〝石田せんせ~い!頑張れー!!〟

世界を戦い抜いて来た男のヘビー級挑戦は、コアなボクシングファンはもちろんのこと、今やお茶の間やスポーツ全般のファン層の興味をも惹いている。

石田順裕
リング上、石田順裕の鍛え上げられた肉体が光る。201.5ポンド、キロにして91.4kg。ウエイト自体は前回、前々回とほぼ変わらないが筋密度がより濃くなっているのが見て分かる。

うっすらと頬が痩け、腹筋が割れるほどにシェイプされつつ、肩口から腕、胸、腰回りは前回よりさらにもう一回り大きく盛り上がっている。

ヘビー級の身体が安定してきたようだ。照準はあくまで年末の京太郎戦を見据えながら、着実に進化を遂げている。ピークに達する頃には、イメージ通りのボクシングをより体現できるようになっているだろう。

ダビド・ラデフ
今回その仮想京太郎の相手に選んだのが、UBO世界クルーザー級王者ダビド・ラデフだ。石田よりやや背が低くスピードがある選手で、左右フックを主武器にしている。中でも特に右フックがよく伸び破壊力がある。

現在はマイナー団体のベルトを巻くラデフだが、キックボクシングでは凄まじい戦績を誇る。

なんと95戦して86勝9敗。ムエタイ、キック、フルコンタクトカラテと3つの格闘技のリングに上がり2006~2009年の間、立て続けに8つのベルトを獲得し同時に複数の世界王者に輝いた。

ボクシングへの転向は2009年だが、この時もラデフはISKAのチャンピオンベルトを保持していた。

ラデフ得意の、身体ごとあずけるようにして打つ右ロングフックは、キック出身の選手が最も得意とするパンチの一つで、相手のローキックに対しカウンターで放つKOパンチだ。

元キック世界王者のデニス・グラチョフが、テクニシャンのイスマイル・シラクから一撃で逆転したのもこのパンチだった。

石田順裕のディフェンス
「気をつけるのは右フック。不用意にジャブを出すと合わされるかも。しかもめちゃくちゃパンチありそうだし」

試合前、石田順裕はこの右を十分に警戒していた。重量級の一発は、それだけで試合を決めてしまう威力を持つ。控え室では、この右フック対策を反復していた。

さあ、赤コーナー石田順裕、赤のリングシューズに赤のトランクス、赤いグローブと全身赤のコスチュームだ。ヘビー級第2戦目にして、どんなパフォーマンスを魅せてくれるだろうか。

第1ラウンド、ゴングが鳴った。

開始から石田からプレッシャーをかけ左を出して行く。真っ直ぐに突き刺すようなジャブ。ラデフが入ってくると瞬時に間合いを外し、パンチ打たせるタイミングを与えない。

ラデフの鋼のように鍛え上げられた後背筋。パンチ力の強さを物語っている。食らえば効く。

その強打を生かしたいラデフは、得意の右フックを引っ掛けるようにして打って出るが、石田これを落ち着いてかわした。

1R石田順裕左ボディー
2:15石田の左ボディーが炸裂、ラデフ大きく腰を落として苦しそうなそぶりを見せた。

第2ラウンド。開始から早々ラデフが仕掛けて来た。右フックを強振し、これがまともには当たらないと見るや、左手で石田の頭部を抱え込みながら右を叩き込んだ。

ラデフその後も勢いに任せて左右フックの連打。石田ガードで防ぎ、打ち終わりを狙い反撃開始。1:40ラウンド中盤の接近戦から盛り返した。

石田順裕はラデフの力任せの荒々しいファイトにも屈せず、見事パワーで応戦してみせた。過酷なウエイトトレーニングの成果がまざまざと出ている。

3R石田順裕ボディー攻撃
第3ラウンド。追う石田に、距離を取るラデフという展開に。1:39石田の左右ボディーが決まるとラデフ一気に下がった。

第4ラウンド。ラデフが右のビッグパンチを狙って打って出た。石田もこの乱打戦に応戦し、激しい打ち合いを演じた。石田パンチの多彩さ、的確さでラデフを上回る。

うまく行かないラデフは、肩からタックルで当たって行き、押し返そうとする行為を何となく繰り返した。レデフプッシングの反則で1点減点だ。

第5ラウンド。京太郎との初戦では後半のスタミナが一つ課題だったと言える。タイガー合宿で鍛え上げた下半身トレーニングの成果はどうだろうか。

5R石田順裕左ジャブ
課題の後半戦スタート。石田は終止プレスをかけ続け、左を小気味よくポンポンと出していく。接近戦になっても細かいパンチを繰り出し、押し合いにも負けない。まだまだガソリンは十分にある。スタミナ面も克服したようだ。

第6ラウンド。石田、ジャブ、ワンツーからボディーへとつなげ一方的に攻め込んで行く。ラデフも打ち返そうとはするが、石田の堅いディフェンスを崩せない。

第7ラウンド。ポイントでは石田順裕が圧倒している。ラデフ一発逆転を狙って猛ラッシュをかけて来た。

ラデフは戦前から気合い十分で、石田をKOすると息巻いていた。0:43ラデフ得意の右フックから鬼気迫る反撃。この試合に勝って明日を切り開きたいのはこのラデフとて同じだ。

7R石田順裕左ストレート
タフな展開なら石田も望むところだ。2:24今度は石田の右フックから左ストレートが決まった。

このラデフの腕の振りっぷり、ミート具合からして、おそらく京太郎よりパンチ力はずっと上だろう。このラウンド、そのラデフの強打を受けても石田は動じず押し返した。

ということはつまり〝仮に京太郎のベストショットが決まっても石田には全く効かない〟ということになる。

最終第8ラウンド。

〝いっしっだ!いっしっだ!いっしっだ!〟

会場内に石田コールがこだまする。

海外のリングを主戦場にしていた石田順裕は、長らくこの大声援受けて戦うことができなかった。向かうのはいつも敵地。

8R石田左アッパー
ホームのファンに自分の熱い試合を見てもらいたい。石田攻撃の手を緩めることなく最後まで攻め続け、そしてゴング。

ポイントは問題なく石田順裕だろう。4ラウンド、ラデフの反則減点も加味すると5ポイントほど差をつけているはずだ。

ジャッジ公式採点が読み上げられる。

78-73、78:74、78:74の3-0で赤コーナー石田順裕の大差判定勝利だ。

石田順裕vsダビド・ラデフ
「39歳ですけど、中年の星目指して頑張るんで、これからも応援よろしくお願いします」

試合後、本人的には「あまり納得のいく動きが出来なかった」と反省しきりだったが、前回より進化したヘビー級石田順裕を披露してくれた。

ヘビー級を効かすパワー、ヘビー級のパンチに耐えるタフネス、ヘビー級で動き続けるスタミナ、そしてヘビー級とは思えないほどのスピードだ。

今回ラデフの粘りもあってKO勝利こそ逃したものの、調整試合としてはなかなかの内容で戦えたのではないだろうか。

仮にラデフがすぐ折れるタイプで、第1、第3ラウンドあたりのボディー攻撃であっさり沈んでしまっていたら、テストにならず収穫は少なくなってしまっただろう。

今は1ラウンドでも多くヘビー級の戦いを身体にしみ込ませ、京太郎戦に向け、年末にしっかりとピークを持って行けるようにするのが目的だ。

途中ラデフのラフファイトを受け、タフな場面もあったが、それらを見事跳ね返しての結果完勝を収めた。これが大きい。

しかもトレーニング中に痛めた腰もまだ完治していなかったという中での圧倒ぶりだ。トレーニングにしてもウエイトが中心で、本格的なLAスパー合宿は行っていない。

コンディションを万全にし、完全に仕上げて来た状態の石田順裕は、一体どこまで強いのだろうか。期待が膨らむ。

本石昌也グリーンツダジム会長
本石グリーンツダジム会長
〝京太郎選手と12月やりたい。ちょうど向うも試合やったばっかりなんで、時期的にも合うかなと。日本ヘビー級で京太郎と石田というカードは今一番のカードだと思うんで。大晦日にと、そういうつもりでいます〟

また角海老ブログを見てみると、京太郎陣営としても実は、石田vs京太郎の日本ヘビー級頂上決戦に期待をよせているようだ。

角海老-ボクシングコラムより抜粋
〝藤本とラスベガスでの試合経験もある石田とのタイトルマッチであれば、国内のヘビー級戦線を盛り上げる起爆剤にもなる可能性がある。前戦が僅差判定に終わっただけに、石田との再戦にも期待したい〟

現在、日本ランキング2位の石田順裕は今回の勝利と、1位竹原が京太郎に敗れたことにより必然的に1位に昇格する見通しだ。

全てのお膳立ては揃ったことになる。後は王者京太郎本人がやる気になるだけだ。

インタビュー
「京太郎君、次は判定決着でなくてKOで借りを返したいと思うので、やりましょう」

2014年末大晦日、石田順裕vs藤本京太郎の日本ヘビー級タイトルマッチを目指す。

チームISHIDAは近日中にもまた、グリーンツダジムでこのドリームマッチ実現に向け、対戦表明の記者会見を行う予定だ。


ファンに囲まれる石田順裕