最近、簡単なものばかりなので、「たまにはお料理らしいお料理を食べたい」と思った昨日。

 

たまたま豆料理を探したくて借りた『アメリカ南部の家庭料理』の中で、気になったものを作ることに。

 

それは「フライドチキン」(*´∀`*)

 

まあ、普通のフライドチキンですが、下味の付け方で以前から気になっていたことがありまして。

 

私の方法は、骨付き肉なら最低3時間、できれば6時間くらい前に塩をして寝かせ、作る寸前に水気を拭いて、スパイス・粉をまぶして揚げます。

 

ところが、アメリカのお料理本を見ると、今回の本もそうですが、塩水につけるというブライン法をとっていることが多いんですよ。

 

フライドチキンだけではなく、ローストチキン・ローストターキーなどもブライン法が使われています。

 

この方法、イギリスでは聞いたことがありませんし、コンチネンタル・ヨーロッパの調理法でも見たことがないんですわ。

 

もちろんイギリスといっても地方によって青森と鹿児島くらい違いますし、ヨーロッパはさらに地方色豊かですから、どこかではしているのかもしれません。

 

ただ私が知っている範囲内では、塩水にお肉を漬けるのはベーコンやハムや燻製の下ごしらえくらいのもの。

 

ずいぶん前から「おいしいのかしら?」と気になっていたんです。

 

そこで昨日は、「ブライン法」「普通に塩で下味」をフライドチキンで作り比べることに(*´∀`*)

 

使ったのはウィングスティック(鶏手羽元)です。

 

ちょうど前日スーパーで安売りしていたので、まとめ買いしておきました。

 

昨日は外出前に、3本のウィングスティックを「塩10g 水240cc」と本の分量を1/3にしたもので、ジップロックに漬け込み。

 

さらに2本を塩をまぶしただけで密封容器に。

 

そして夜に、カボチャのサラダを作り、ご飯をお鍋で炊いた後、衣を用意しました。

 

ビニール袋に片栗粉を入れて、「あ、アメリカンなら!」と途中でコーンミールを入れ、粗挽きガーリック、カイエンペッパー、黒コショウを混ぜてシャカシャカと。

 

ちなみにこの片栗粉とコーンミールの取り合わせは、やっちゃいけません(^_^;

 

米粉と片栗粉なら問題ないのですが、粒子の細かい片栗粉と粗いコーンミールを混ぜると、鶏肉に先に片栗粉がついてしまって、なかなかコーンミールがくっつきません。

 

片栗粉だけ(または米粉を混ぜる)、コーンミールだけでした方が、なじみます<(_ _)>

 

味付けは、だいたい本の通りに(パプリカが切れていたので省略)しましたが、おいしかったですわ。

 

ブライン法も塩まぶしタイプも、ペーパータオルでしっかり水気を拭き取り、スパイス入り粉をしっかりまぶしました。

 

そしてフライパンに1.5cmほどの高さに太白胡麻油を入れ、まずアメリカ風から揚げました。

 

最初は熱い油でそのまま、途中から蓋をして揚げるのですが、いやあ「蓋をせよ」よ書いてあった理由がわかりました。

 

透明な耐熱ガラスの蓋を使っているのでよく見えたのですが、はねるはねる。

 

とにかく間欠泉かと思うくらい、油がはねて蓋に突撃していました。

 

普通、フライドチキンにしろ、唐揚げにしろ、こんなにはねたかしら? と思うほどはねました。

 

火加減を弱めても止めても同じ。

 

そして、蓋を開けて盾のようにして油から身を守りながらひっくり返し、盛大に油が蓋の下ではねているのを見ながらじっくりと揚げて、できあがり。

 

次にいつもの下ごしらえの鶏を揚げましたが、こちらも蓋をしてみました。

 

ええ、同じ条件で揚げようと思いまして。

 

もちろん油ははねますが、ブライン法のウィングスティックよりは、ずっとはね方が弱いです。

 

もちろん火加減は同じ。

 

そしてこちらもできあがって、お夕飯。

 

フライドチキン

 

ご飯も野菜という位置づけにしてみました(*´∀`*)

 

白っぽいのがアメリカ式、茶色っぽいのがいつものというかヨーロッパ式塩まぶし。

 

色の違いは、2回目の方が油の色が強くついたという、普通の揚げ物の理由。

 

衣の堅さや揚げ上がり具合は、全く同じです。

 

そして、実食。

 

まず、アメリカ南部のフライドチキンから。

 

皮というか表面の衣部分はザックリ。

 

そしてお肉が「あらま、柔らかい!」

 

ええ、塩水にしっかり浸かっていたためか、とてもジューシーで柔らかい。

 

ふーむ、アメリカ南部式、いけるかも。

 

ハグハグと食べ、次にヨーロッパ式下処理フライドチキン。

 

一口食べて、「なるほど」と納得。

 

これは微妙な差なので、私のように物好きに同時に作り比べないと、気がつきにくいかもしれません。

 

ブライン法がおいしいなら、フランスやイギリスでとっくに使われているはずなのに、なぜ入っていないんだろう? 単なるアメリカ嫌い?と思っていましたが、理由ははっきりしましたわ。

 

ええ、アメリカ式は確かにお肉が柔らかくなります。

 

ところが、塩水を含むので、言葉は悪いですが「水ぶくれ」。

 

普通に塩をまぶして下味を付け、出てきた水気を拭いて揚げた方が、お肉は締まってブライン法よりは堅くなりますが、余分な水分が逃げる分だけお肉の味が濃くなります。

 

全く同じ安いブロイラーの手羽元ですが、断然ヨーロッパ式の方が味は良くなります。

 

もし子供向き、歯やあごが弱いお年寄り向きに作るなら、ブライン法で柔らかく仕上げた方がいいかもしれません。

 

でも、たかだかスーパーのブロイラーのお肉なら、どうがんばってもそんなに堅くはなりませんから、余分な水気を逃がして味をぎゅっと引き締めた方が、私は好きでした。

 

いや、してみて良かったです。

 

長年の疑問が解けました。

 

なるほど美食の伝統を持つフランス・イタリア、肉の味そのものにうるさいイギリス・ドイツで、ブライン法が加工肉以外には使われなかったはずです。

 

もしかしたら貧しい地域で、堅いお肉しか手に入らなかった土地ならば、ヨーロッパにも「塩水漬け」でローストやフライを作る地域があるのもしれません。

 

この辺り、ご存じの方がおいでなら、是非教えてくださいな。

 

ちゃんとした銘柄鶏肉なら、どうなのかしら?

 

今度、奮発して××鶏などのブランド鶏で試してみたいです。

 

しばらく揚げ物は食べたくありませんが、今年中には再チャレンジできるかしら(*´∀`*)

 

ちょっと楽しい実験でした。

 

 

 

 


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