こんにちは。呟き尾形です。
麻生氏「マーケットと仕事してますんで。野党とでない」
朝日新聞社 2020/01/28 13:24
https://www.msn.com/ja-jp/news/politics/麻生氏「マーケットと仕事してますんで。野党とでない」/ar-BBZo8zp?srcref=rss
★★★ここから★★★
 「我々、マーケットと仕事してますんで、野党と仕事してんじゃない」
 麻生太郎財務相は28日午前の衆院予算委員会で、国民民主党の前原誠司氏から「(安倍晋三首相の)施政方針演説はウソじゃないか」と追及され、こう反論した。
 前原氏が取り上げたのは、首相が施政方針演説で来年度予算案について「公債発行は8年連続での減額であります」と述べた部分。前原氏は、財政法上は余ったお金の半分以上を借金返済にあてなくてはいけないのに、特例法で全額財源に繰り入れるという政府の手法を指摘。「財政健全化を遅らせ、来年度予算案に繰り入れ、結果的に公債発行を減らすことができたというのは、矛盾。ウソをついている。粉飾ではないか」などと批判した。
 首相は「ウソというのは言い過ぎだ」と反論した。麻生氏も「8年連続減らすという姿勢をきちんと示している。マーケットに与える影響が極めて大きいんで」と指摘。続けて「我々、マーケットと仕事してますんで、野党と仕事してんじゃない。マーケットが『財政再建やってないじゃないか』という方向になればものすごく大きいですから、そちらの方を優先させていただいた」と答弁した。
 前原氏はこの答弁に対し、「すごい答弁。マーケットに手の内を示している。粉飾決算している国の国債、信用されますか」と批判した。(三輪さち子)
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 だそうです。
 ちょっとわかりづらかったので、個人的にわかりやすいように金額をあててみました。
 日本の国債は本来国民に国家予算足りないからちょっと、貯金を担保に貸してね。
 というものですから、借金というと語弊があるような気はしますが、言ってしまえば、親が子ども達の貯金を担保に借金をするという構図のように例えられると思っています。
 で、このとき、20万円子ども達の貯金から借金しました。
 このとき、子どもたちはすぐに使うわけじゃないからと、借金したお金で今月余った分の半分は返してね。という約束をしたとします。
 子ども達は、将来に使う貯金だけど、今使うわけじゃないし、いま必要なお金ならと考えたのです。
 で、10万円余りました。
 本来なら、5万円返さなければいけませんが、来月どうせ5万円使う予定があるからと、返しませんでした。
 次の月、10万円借金したとき、借金する金額は減ったといえるでしょうか。
 ここで、前原誠司氏にとって重要なのは、首相が施政方針演説で来年度予算案について「公債発行は8年連続での減額であります」と述べた部分があるが、返すべきお金を返済に充てずに繰り越したことで、翌年の公債発行を減らせたと言い張るのは粉飾だ、財政健全化なんてできていないじゃないかなのに、財政健全化できてい嘘をついているぞ。
 というものです。
 それに対して、財政健全化の約束は守る努力はしているけれども、その前に、世の中の景気が落ち込んだらまずいからそっちを優先しているだけだよ。というのが、麻生氏の「我々、マーケットと仕事してますんで、野党と仕事してんじゃない。マーケットが『財政再建やってないじゃないか』という方向になればものすごく大きいですから、そちらの方を優先させていただいた」
 という回答。つまり、経済が、財政再建を優先させるニーズがあるならやるけど、財政再建よりも、政府がお金を出して景気回復の事業をしてほしいというニーズが大きいということを説明しています。
 わからないでもないですが、前原氏の質問の回答にはなっていないで、粉飾している構図にはふれていないみたいです。
 まぁ、その前に、麻生氏は「8年連続減らすという姿勢をきちんと示している。マーケットに与える影響が極めて大きいんで」と指摘していて、約束は守ろうと頑張っているけれど、日本の経済の現状は、余ったお金があるなら財政健全化よりも、マーケットに使った方が景気回復につながるということをのべています。
 麻生氏の言い分は、約束を守ろうと頑張っているけれども、完全に果たせなかったということですね。理由は、日本経済のニーズは、財政再建よりも、景気回復策の予算に使うことだからというものです。
 つまり、約束を守れなかったことにはなりますが、嘘をついたことにはならないと思うのです。
 もっとも、財政健全化だけをみれば、前原氏の指摘は正しいけれども、政府はもっと大局をみなくちゃいけないわけで、麻生氏が「マーケットと仕事してますんで。野党とでない」といっちゃったんでしょうね。
 小役人じゃないし、大臣経験したんだからわかるでしょと。
 それにしても、安倍首相は「ウソというのは言い過ぎだ」と反論していますが、国債の金額を減らす目標をもち、借りたお金の半分は返すルールがあるけれど、返済にあてずに、余ったお金を全額繰り越して翌年予算に組み込んで、翌年借りる金額を減らせたら、借りる金額を減らす目標は達成できたことにはらなないのが目立たないように粉飾しているんですから、財政健全化をしてほしい人にとって嘘と言われてもしかたないんですよね。
 それにしても、首相の「ウソというのは言い過ぎだ」と反論は、嘘とは言いすぎだけど、粉飾の指摘は妥当だと認めないと、言い過ぎという表現は成立しませんよね。 
 まぁ、そもそも何のための財政健全化かという話なんですけどね。財政健全化するのは、日本経済が財政を支えられなくならないようにするため。つまり、日本経済のニーズが財政健全化以上のものがあれば、財政健全化よりも、マーケットに使うのは妥当だとおもうんですよね。
 まぁ、野党の役割の中には、与党や政府を批判して、与党や政府の暴走を抑止していくというのもあるので、それはそれでいいんではないでしょうか。
 実際、余った分から返すべきものを返して、国債減らせたなら財政健全化できているといえるけれども、返すべきもの返さず、全額翌年の予算に繰り越して、国債減らせても、それは財政健全化していないわけですよね。よくて、トントン。それなのに、財政健全化していると言い張られても、それは印象操作にすぎず、粉飾と指摘されても主権者は間違った認識になって、正しい判断できずに困るわけですし。