円安について、悪い印象が多くありますが、これは、日本がバブル崩壊から30年ぐらいの政策と経済においてアベノミクスまでにいたるまでの政策と経営が継続されているためです。
 まず、円安が日本経済に与える影響について、円安の利点を整理してみます。

 円安の利点としては、輸出産業の競争力向上があげられます。
 円安になると日本製品の価格が相対的に安くなるため、海外市場での競争力が増します。
 相対的というのは、日本の価格が同じ価格だったとしても、円高に対して、円安なら、海外では安い価格になるからです。
 これにより、大企業の輸出が増加し、結果として生産が増やすことになります。
 大企業の生産増加は、部品や材料を供給する中小企業への発注も増やし、関連産業全体の景気が向上します。
 その結果、雇用の増加となりますが、日本は労働人口が少なくなるので、必然的に賃金アップせざるを得なくなります。

 さらに、国内産業と輸入産業の競争力が高まります。
 円安により、輸入品の価格が上昇するため、国内製品が相対的に安くなります。
 これにより、国内製品の需要が増加し、国内産業が活性化します。

 単純に円安が不利なのは商品の輸入の消費に依存している場合です。
 国産が安くなれば、輸入品に対して、国産が相対的に安くなるので、輸入品が高くなれば、国産品を選ぶ選択肢ができます。
 つまり、円安は、雇用も増えて庶民も恩恵があるという話です。

 こうなると、経営としては、人口の減る日本の個人消費に加え、世界の消費者向けの商品を開発すればよいという事です。
 中小企業には輸出は難しいというのは先入観にすぎません。
 日本語が通じないなら、通訳を雇うかそうした人を仕事をしている人と協力すればいいわけです。
 不得意なこと、不利な事は、短期的には外部と協力するか、貿易を得意とする企業と持ち株会社を作って貿易するという方法もあります。
 
 そして、政府はそうした貿易をやりやすい制度や政府間の約束事を作っていけばいいだけの話なのです。

 円安を嘆くのは簡単ですが、なーんにも解決しませんし、むしろ悪化します。

 それに対して、円安は円安として、雨が降ったら雨具を使うていどに状況に合わせて、やり方を変えていくのが経営と政策です。