遊星からの物体X ファーストコンタクト(2011) | つぶやキネマ

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140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


遊星からの物体X ファーストコンタクト(2011)


 ノルウェーの南極観測隊が氷の下に埋まっていた巨大
宇宙船を発見し、調査チームに招集された古生物学者の
ケイト(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)はアメ
リカ人クルーと共にノルウェー基地に向い巨大宇宙船の
側から発見された氷漬けの地球外生命体の生態調査を
する事に...という「遊星からの物体X(1982)」の前日譚
であります。ある程度の顛末や結末が解っているストー
リーをどうまとめるのだろうと興味津々だったが、前作
と作風や画面のトーン等を合わせ、少しだけ描かれていた
ノルウェー基地の惨劇場面も再現して、ラストから前作に
自然につながるような作品にしたあたりは好感が持てる。
前作で不自然だった設定や人間関係部分も多少改善して、
宇宙船の内部の描写等も加えていてナカナカ面白かった。
特に、"物体X"は歯の詰め物や骨折治療の金属プレートは
同化出来ず排出してしまい、それが擬態化を判別する要素
としてサスペンスを盛り上げているあたりは思わず唸って
しまった。"物体X"の描写は基本的に前作をなぞっただけ
のような感じに終始し目新しさゼロなのが惜しいですな
(注1)。今回の最も良かった点はヒロインの存在であります。
前作は登場人物がむさ苦しい男ばかりで"潤い"が無かった
ので、この改善は大歓迎...メアリー・エリザベス・ウィン
ステッドは古生物学者としてはアレ?だけど可愛いかった
からOK(注2)。


●スタッフ
監督:マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr.
製作:マーク・エイブラハム、エリック・ニューマン
製作総指揮:J・マイルズ・デイル
原作:ジョン・W・キャンベル・Jr.
脚本:エリック・ハイセラー
撮影:ミシェル・アブラモヴィッチ
音楽:マルコ・ベルトラミ


●キャスト
メアリー・エリザベス・ウィンステッド、
ジョエル・エドガートン、ウルリク・トムセン、
アドウェール・アキノエ=アグバエ、
エリック・クリスチャン・オルセン、
トロンド・エスペン・セイム


◎注1; 設備の乏しい観測基地で検査や解剖を強行する
のは、調査チームのハルヴァーソン博士(ウルリク・
トムセン)が人類史上最大の発見という功を焦ったため
とか、それに反対する古生物学者ケイトとの軋轢とかが
きちんと描かれ、ストーリー上の不自然な感じを埋めて
いる...解剖する時はマスクして白衣ぐらいは着ろよと
言いたい。最初、宇宙船はかなり深い所に埋まっていた
ので前作との整合性はどうするのかと思ったら、それが
ラストで解るあたりの構成も上手い。擬態化の途中の
"物体X"は特殊メイク+CGで描かれ、前作よりも動きが
滑らかで気持ち悪さ倍増。ドラマ部分のサスペンス演出が
前作よりも上手く出来ているのに、結局インパクトの強過
ぎる"物体X"が画面に登場するたびに、ただの見世物映画に
なってしまい、こういった作品でもモンスターのデザインは
"節度"が必要だと強く感じる。

◎注2; メアリー・エリザベス・ウィンステッドは「グライ
ンドハウス:デス・プルーフ in グラインドハウス(2007)」
「ダイ・ハード4.0(2007)」「スコット・ピルグリム VS.
邪悪な元カレ軍団」「リンカーン/秘密の書(2012)」等で
大活躍。今回は古生物学者というちょっと知的な役柄なので
心配(?)だったが、ちょっと幼い感じが強過ぎるけど雰囲気は
悪くなく演技としては及第点...20代後半には観えないよね。
生存を匂わせるラストなので続編の可能性があるし、カート
・ラッセルも出ていたアメコミ・ヒーローの傑作パロディ
「スカイ・ハイ(2005)」の頃からのファンなので楽しみで
あります。


 

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