天空の城ラピュタ(1986) | つぶやキネマ

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"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


天空の城ラピュタ(1986)


 採掘場のエンジニアのパズー(田中真弓)は、空から
落ちてきた少女シータ(横沢啓子)を助けるが、彼女が
身につけていた謎の"飛行石"を狙う軍や海賊たちの襲撃
を受ける...という、スタジオジブリ劇場用長編アニメー
ション第1作。前作の「風の谷のナウシカ(1984)」の
冒険活劇成分だけを抽出し、スウィフトの「ガリバー
旅行記」やヴェルヌの諸作の要素を加えて、ストーリー
そのものはアメリカ映画の冒険活劇と比べても遜色が
ないくらい面白く、映像的にも完成度の高い長編アニメ
ーションとなった(注1)...パズーとシータの関係性は宮崎
駿監督の傑作TVシリーズ「未来少年コナン」そのまんま
だけど。メカ関連の描写の緻密さは相変わらずだが、雲の
表現等に様々な工夫がなされていてアニメーション技術的
にも前作より安定しているし、前作ではミスマッチな場面
の多かった久石譲の音楽も今回は改善され作品を盛り上げ
ている。本作の成功の大きな要因としては、女海賊ドーラ
(初井言榮)一家を登場させた事でコメディ要素も加味された
のが大きく、裏に重いテーマが潜む物語の良いアクセントに
なっていて、その部分だけ観ても十分楽しい...食事シーンに
こだわるのも宮崎作品の特徴だね。


●スタッフ
原作・監督・脚本:宮崎駿
製作:徳間康快
企画:山下辰巳、尾形英夫
プロデューサー:高畑勲
制作:原徹、スタジオジブリ
作画監督:丹内司
作曲:久石譲


●ボイス・キャスト
田中真弓、横沢啓子、初井言榮、寺田農、常田富士男、永井一郎


◎注1; 海賊ドーラのタイガーモス号やフラップター、
ジュール・ヴェルヌ「征服者ロビュール」の映画化作品
「空飛ぶ戦闘艦(1961)」を思い起こさせる巨大飛行戦艦
ゴリアテ等、前作でも顕著だった航空機ヲタク監督の趣味
が全開で製作を楽しんでいるのが伝わって来る。ラピュタ
のロボット兵器は、宮崎駿が変名で脚本と演出を担当した
「ルパン三世」TV版第2シリーズ最終話「さらば愛しき
ルパンよ」にも登場している...元ネタは、フライシャー
兄弟が1941年に製作した短編アニメーション・シリーズ
「スーパーマン」に登場する現金強奪ロボットのメカニカル
・モンスター。ラストの、飛行石の力で宇宙空間に飛んで
ゆく空中都市ラピュタの姿は、ダグラス・トランブル監督作
「サイレント・ランニング(1972)」を思い出した...あれも
自然破壊がテーマの作品だったなぁ。


 

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