風の谷のナウシカ(1984) | つぶやキネマ

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140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


風の谷のナウシカ(1984)


 「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって文明が
崩壊してから千年、世界は猛毒の瘴気を放つ腐海に
飲み込まれようとしていた。腐海を調査研究している
族長の娘ナウシカ(島本須美)が暮らす平和な辺境の谷に、
巨大生体兵器の卵を積んだ大国トルメキアの輸送機が墜落
する...という、宮崎駿監督の劇場用長編アニメーション
第2作であります。雑誌連載中の宮崎駿監督自身による
未完の漫画を元に再構成した形だが、漫画版の複雑で
ドロドロした世界観をスッパリ切り捨てたのは大正解、
深いテーマを扱いながらシンプルで面白い冒険活劇に
なった。愛らしいナウシカのキャラクターは良かったが、
航空機や戦車・銃器等のアクション描写に異常にこだわ
っているのに対して、「TVアニメか?」と思えるような
手抜き演出も多くて、全体のバランスはあまり良くない
(注1)。後に宮崎作品常連となる久石譲の音楽も、テーマ
曲以外はシンセサイザーを多用した安普請で薄っぺらい
曲調で画面とマッチしない場面も目立った。ラストシーン
は王蟲の怒りを鎮める方法を自己犠牲以外で考えて欲しか
ったなぁ...人類による自然破壊という深いテーマが何処か
へ行ってしまったよね。


●スタッフ
原作・監督・脚本:宮崎駿
製作:徳間康快、近藤道生
企画:山下辰巳、奥本篤志、尾形英夫、森江宏
制作:原徹、トップクラフト
プロデューサー:高畑勲
作画監督:小松原一男
音楽:久石譲


●ボイス・キャスト
島本須美、納谷悟朗、榊原良子、家弓家正、松田洋治、
京田尚子


◎注1; 宮崎駿監督の特徴でもあるアクション・シーンは
ホントに素晴らしいけど、製作費も関係しているとは思う
が動きの少ないシーンは淡白過ぎて萎える。劇場用作品で
口パクとか止め絵のパンとかホントに勘弁して欲しい。
メカ関連の描写の緻密さに比べると、王蟲の暴走シーン
は使い回しも多いし構図等も不徹底で全体的にボリューム
不足なのが残念。エンド・タイトルのバックで去って行く
王蟲の大群を俯瞰で捉えたショットの絵のヒドさには脱力
...TVアニメ創世期なみのアレはカットすべきでしょう。


 

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