恋人たちの予感(1989) | つぶやキネマ

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140文字以内(ぐらい)という制約を自ら課して、
"つぶやいて"みようと思います...ほとんど
「ぼやキネマ」になりそうですが。

★注意!!! 作品の内容に触れています★


恋人たちの予感(1989)


 出逢いが最悪の結果となったハリー(ビリー・
クリスタル)とサリー(メグ・ライアン)は、5年後に
偶然再会したがやっぱり...というお話。洒落た
台詞が満載の脚本(注1)、センス満点の演出(注2)、
ニューヨークの美しい風景をとらえた撮影(注3)、
粋なテーマ・ソング+ニコニコ選曲(注4)、素敵
過ぎる俳優さんたち(注5)等々、これはもう文句の
付けようが無いロマンティック・コメディの傑作で
あります。最初はまったく噛み合なかったハリーと
サリーが、年月と共に互いに引かれ合っていく過程が
丁寧に描かれていて、途中に何度も挿入される老夫婦
たちの会話と合わせて、観客を幸せな気分にしてくれる。
何処にでもいるような登場人物たちの日常や自然な会話
が笑いを誘うという、コメディのお手本のような作品で
あります...サリーが悶えまくるダイナーのシーンや、
ふたりがカラオケでデュエットするシーンは、観る
たびに笑ってしまう。

●スタッフ
製作・監督:ロブ・ライナー
製作:アンドリュー・シェインマン
脚本:ノーラ・エフロン
撮影:バリー・ソネンフェルド
音楽:ハリー・コニック・Jr

●キャスト
ビリー・クリスタル、メグ・ライアン、
キャリー・フィッシャー、ブルーノ・カービイ

◎注1; ノーラ・エフロンは、核の危険性を訴えた後に
謎の事故死を遂げたカレン・シルクウッドの実話を
映画化した「シルクウッド(1983)」で脚本家デビューし、
いきなりアカデミー賞候補になるという順調なスタート。
ちなみに本作もアカデミー賞候補になっている。
「ディス・イズ・マイ・ライフ(1992)」で監督としても
デビューして、メグ・ライアンとは「めぐり逢えたら(1993)」
「ユー・ガット・メール(1998)」「電話で抱きしめて(2000)」
でもタッグを組んでいる。彼女の脚本の特徴は、とにかく
台詞が素敵な事。自然な会話の中に知性やユーモアのセンス
が隠し味のように込められていて、映画ファンとしては
登場人物たちの日常会話の中に"映画ネタ"が頻繁に出てくるの
も嬉しい。本作もハリーとサリーが「カサブランカ(1942)」
について語り合うシーンが効果的に使われています。
昨年亡くなってしまったのがとても残念です。
◎注2; 監督のロブ・ライナーは、近年の疑似ドキュ
メンタリー・ブームの先駆けとも言える「スパイナル
・タップ (1984)」で監督デビュー、「スタンド・バイ
・ミー(1986)」「プリンセス・ブライド・ストーリー
(1987)」の2本で映画ファンを狂喜乱舞させ、本作が
決定打とも言える作品となった。元々は子役出身で、
監督デビューしてからも俳優としても沢山の作品に
出演している。本作後も堅実な監督作品を多数発表して
いるが、日本では「ミザリー(1990)」以降は大ヒットに
結びつかないのがちょっぴり残念。
◎注3; 撮影監督のバリー・ソネンフェルドは、ジョエル
&イーサンのコーエン兄弟作品「ブラッド・シンプル
(1984)」やビリー・クリスタル主演作「鬼ママを殺せ
(1987)」、トム・ハンクス主演作「ビッグ (1988)」等の
撮影監督として活躍した後「アダムス・ファミリー(1991)」
で監督デビュー、「メン・イン・ブラック(1997)」で
ヒット・メーカーの仲間入りを果した。監督作は同シリーズ
や「ワイルド・ワイルド・ウエスト(1999)」等コメディが
中心だが、そのコメディ・センスは個人的にはあまり評価
出来ない...下品でアホらしいギャグが中心なんだよなぁ。
◎注4; 当時22歳だったハリー・コニック・Jrが歌う
「イット・ハド・トゥ・ビー・ユー」は、本作の
テーマ曲としてピッタリなんだが、サウンドトラック
のCDがハリー・コニック・Jrのソロ・アルバムに
なってしまっていたのは少し残念だった...しかも、
それがグラミー賞受賞という。作品中ではルイ・
アームストロングやエラ・フィッツジェラルド、
フランク・シナトラやオールマン・ブラザーズ・
バンド等の歌や演奏が効果的に使われていて、
監督の選曲センスにも脱帽。
◎注5; ビリー・クリスタルは、TVコメディアンとして
「サタデー・ナイト・ライブ」等で人気者だったが、
劇場映画「シカゴ・コネクション/夢みて走れ(1986)」
「プリンセス・ブライド・ストーリー(1987)」「鬼ママ
を殺せ(1987)」等で日本でも知られるようになった。
本作の後に「シティ・スリッカーズ(1991)」や2本の監督
・主演作「ミスター・サタデー・ナイト(1992)」「彼と
彼女の第2章(1995)」も公開されたが、日本でウケる
タイプではないため人気は盛り上がらなかった。そして
映画では彼の才能が上手く捉えられていないのがとても
残念。本作でも歌うシーンでその片鱗を観せてくれるが、
彼の本領が楽しめるのは何と言っても「アカデミー賞
授賞式の司会」である。1990年から2012年まで9回も
司会をまかされている事から解るように、アメリカン
・ショウ・ビジネスを体現したような歌とダンスに加え、
スタンダップ・コミック出身の辛口ジョークと巧みな
トーク術で、大スターも多数列席している授賞式会場を
大爆笑の渦に巻き込む才能には唖然としてしまう...
アメリカにはホントに凄い人がいるのだ。彼の司会した
年だけまとめてDVDやBlu-rayで出してもらえないかなあ。
メグ・ライアンは、日本でもロマンティック・コメディ
(ラブ・コメ)の女王としてファンが沢山いるので説明は
不要だろう。オシドリ夫婦と言われていたデニス・
クエイドとの離婚のドタバタ以降は迷走中なのが残念。
カラオケでデュエットするシーンの音痴ぶりは、ホント
なのか演技なのかがすごーく気になる。そして、
「スター・ウォーズ・シリーズ」のレイア姫、キャリー
・フィッシャーがサリーの友人役でいい味出してます。
コメディエンヌとしては「ブルース・ブラザース(1980)」
「メイフィールドの怪人たち(1989)」等で活躍、自作の
小説「ハリウッドにくちづけ(1990)」では脚本家としても
デビューしている。2015年公開予定の「スター・ウォーズ」
の新シリーズにも出演が予定されているので楽しみです
...出演契約に"ダイエット"の項目があったらしいが大丈夫か?


◎反省; 自分でも予想していたが「注」が長い...長過ぎる。


 

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