■The Assassination of Jesse James by the Coward | ツボヤキ日記★TSUBOYAKI DIARY

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■アサシネイション・オブ・ジェシー・ジェイムズ
 ・バイ・ザ・カワード・ロバート・フォード

●以前から話題になっていたブラッド・ピットの新作「カワード・ロバート・フォードによるジェシー・ジェイムズの暗殺」は、西部の世界に思いを馳せる時、ビリー・ザ・キッドと並んで浮かぶジェシー・ジェイムズにスポットを当てた作品。

本作はアメリカの最も悪名!?高いアウトロー、ジェシーの私生活から彼が起こした一連の出来事…強盗、これらを徹底的に調べた模様で、従来のジェシーの描き方とは一味違うぞ、と。この作品は、アメリカ人のみならず、西部劇ファンにとってもカリスマ的な存在であり、何をやらかすか皆目検討がつかない男ジェシー・ジェイムズの強盗計画と追っ手との攻防…そして、その後が描かれるのではないか、と思う。





原作は、ロバート・ハンセン(ロン・ハンセン)の同名小説。これまでにも幾度となく描かれてきたジェシー・ジェイムズだが、今回の趣向はジェシーを背後から撃った仲間だったはずの男ボブ(ロバート)・フォードの語りにより、新たなジェシー像が描かれていくようだ。
監督はアンドリュー・ドミニク。アンドリュー・ドミニクは、太目で早口のいけすかない殺人者を巧く演じたエリック・バナ主演作「CHOPPER クーパー」(邦題「チョッパー リード~史上最凶の殺人鬼」)の監督として浮上した人物。CFやミュージックビデオ畑で活躍したオーストラリアの映像作家だそうだが、今回も彼の脚本・監督による作品。ブラッド・ピット自らが切望したという情報もある監督起用に対して、アンドリュー自身の解釈を重ねた脚本に興味大。新たな視点により物語の行方がどう流れていくか、ジェシーの描き方も興味深い、かな。

南部ではジェシー・ジェイムズをを誉めそやす歌“Jesse James”があるという。
「ジェシー・ジェイムズは多くの人を殺した若者だった。
 彼はグレンデール列車から金を奪った。
 彼は裕福な層から大金を盗み、貧困層に与えた。
 3人の子供、彼ら兄弟は勇敢だった。…」と歌われている。

歌は、ジェシー・ジェイムズの死を悼み、射殺した側を蔑む内容。ジェシーは貧しい者達の様子を黙って見ていられなかった、と。歌詞は11番まであるのだが、そりゃもうジェシーの死を悼み、彼を撃った側、つまり今回の映画で語り役となるボブ・フォードを蔑み、悪者扱いだ。毎度最後のフレーズは“But that dirty little coward that shot Mr. Howard. Has laid poor Jesse in his grave.” 勝手に解釈すれば、「小汚い臆病者のハワードがジェシーを撃ったんだ。おいら達の味方だった貧しいジェシーは墓の中…」といった風か、な。報奨金欲しさに、俺達の味方ジェシーを背後から撃ったロバート・フォードは、その夜、泥棒のようにやって来た…とまで歌われる。はて?射殺は朝食の後ではなかったんだっけ、と思うがな…。





これまでにもジェシー・ジェイムズを主人公にした映画は多い。ジェシーはアウトローのヒーロー像。アメリカのロビン・フッドなんだと、今でも語り継がれているらしい。無論、正反対の立場にいる人々は冷酷な犯罪者だとも言うが。
彼を殺した若者は、ロバート・フォード。通称ボブ・フォードだが、映画ではその人物像が今回の物語の鍵になるのかもしれない。演じるのはアフレック。Trailerにも久しぶりすっきりとしたマスクで登場。このアフレックの様子が実在の人物ボブのイメージにすこぶる似せている点は注目大。ボブの若き日のポートレイトを見れば、実にイメージは近い、と思える。では、ジェシーはどうだったかといえば、若き日の姿は痩せているし、殺された時のジェシーはかなり太目。演じるブラッド・ピットとは骨格の様子から造作まで違うのだが、要は中身。善か悪か、どちらに重きを置いたか…監督アンドリュー。前作は、凶悪な殺人者を描き、その作品に惚れ込んだのがブラッド・ピットなのだから、ただでは終わらせない、で欲しいと願うか。





事実はどうだったか…。南北戦争後、兄と強盗集団を率い、次々に事件を起こしていったジェシー・ジェイムズだが、1876年ミネソタのノースフィールドにおけるファースト・ナショナル銀行襲撃で彼と兄フランクを除く全てが殺され、或いは傷つき捕らえられる。彼は兄と共に行方をくらませるが、翌年にはテネシー州ナッシュビル近郊に「J・D・ハワード」と名乗る男が現れる…ジェシー・ジェイムズの偽名だった。またしても鉄道や駅馬車の襲撃を重ねていく。
1881年の秋、家族を伴いミズーリのセントジョセフに現れた「トマス・ハワード」と名乗った男…ジェシー・ジェイムズだった。ジェシーと妻はセントジョセフを見下ろす小高い丘の上にあった市議会議員の小さな家を月14ドルの家賃で借り、暮らし始めたという。

彼はそこで暫くは静かに暮らすのだが、翌年ネブラスカの小さな農場を手に入れたくなるものの、資金不足のために再び銀行襲撃を計画。しかし、彼の初期のギャング・メンバーは死んだか、刑務所の中。新たな襲撃仲間にボブとチャーリーのフォード兄弟を雇い入れる。このフォード兄弟はジェシー・ジェームズのいとことも言われていた時期があるそうだが、実際にはジェシーとの血縁関係などはない、ただの雇われ強盗。この時期、ジェシーを追い続けるピンカートン探偵局により、ジェシーには10,000ドルの報奨金がつき、一味の若手ボブ・フォードにピンカートン探偵局員が接触した。
1882年4月3日、朝食の後(多分)にジェシーは居間の壁にかけてあった絵の埃を掃い、真っ直ぐにかけ直すために椅子の上に立った。その時、ボブが銃の引き金を引いた。ジェシー・ジェイムズは後頭部にボブ・フォードの弾丸を受け、死亡。死体の様子、死亡時期の顔写真が公開された。



この話には後日談がある。ジェシーの兄フランクは自首し、無罪になった模様。このいきさつがわからないのだが、静かな晩年を過ごし、弟の死から33年後の1915年、72歳で老衰のため死亡。
ジェシーを射殺したフォード兄弟は、ジェシーにかけられた報酬金を受け取る画策を試みるが、皮肉な事に彼らは逆に殺人罪で告発される…が、当時の知事の計らいにより放免された模様(詳細は未確認)。しかし、その後の彼らはジェシー殺しにより、帰る場所を失う。 2年後、失意のあまりか?行くあてのないデラシネの日々に精根尽きたか…兄チャールズ自殺。
1892年にはボブ・フォードがコロラドのクリーデのボウル・ルームで口論の末、射殺。




ロバート・フォード




これもジェシーなんだと!

さて、長い長い題名の映画「The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford」は、どこまで史実に基づき、どんな脚色で描き出すのか。ジェシー・ジェイムズにブラッド・ピット。兄フランクにサム・シェパード、というから兄は自首後の姿になるのか…回想があるのか?。妻Zにメアリー=ルイーズ・パーカー。この映画で重要な役どころ、ジェシーを射殺するボブことロバート・フォードにケイシー・アフレック。さらにその兄チャールズ役のサム・ロックウェル、なんともいいキャスティングではないかい。ロバート・フォードってレッドつければ、レッドフォードだぁ~と妙なとこで不思議がったりしてマス。ブラット・ピット、レッドフォード、ジェシー・ジェイムズ、ふむふむネ。実は結構この映画、ケイシー・アフレックにも期待しておるデス。あはッ!

人々の心に我等がヒーローとして仰ぎ見られたお尋ね者ジェシーを殺した事を得意気に話すボブ。ボブはジェシーを射殺した時に使ったリボルバーを手に、ポートレイトさえ撮影する始末。そんな英雄気取りの兄弟の自慢話には人々は冷笑しか返さなかった、のかもしれない。先に記載したジェシーの歌は、彼の死後直ちに中西部の至る所で歌われたのだという。

実はジェシー・ジェイムズに思い入れのあるファンの間では憶測が絶えない。我こそがジェシーの末裔だと名乗る身内同士の争いもあった模様。実は殺されないでひっそりと生きながらえていた、というのだ。
一例では、ジェシーの死亡は、1882年4月3日に検視官ヘッデンスと医師のカレットにより検死が行われているのだが、ボブが殺したという射撃に関する報告書の記載が間違っている、というのだが…う~む、そこまではわっからない。ここで弁解させていただくが、西部劇、も、ホント我は詳しくないデスよ、聞きかじり、読みかじりなんで間違っておったらご指摘を。ちょっと不安なのがフォード兄弟を仲間にいれた年月日、わっからないんだよ~ん(苦笑)、もしかしてもっと早かったんかいな~。ペコリ。

さて、またここで余談だが、ジェシーを執拗に追い続け、ボブが射殺するに至った指図…は、かのピンカートン探偵局。当時、世間はジェシーを味方、追うピンカートンを敵と見なしたのだが、それにはワケがある。その辺りも映画では描かれると思うのでここでは控えるが、このピンカートン探偵局こそが世界初の民間の探偵社、つまり私立探偵登場、なのだそうだ。スコットランド出身のアラン・ピンカートン(Allan Pinkerton)がシカゴで創設したとされている。多くの映画に登場する探偵社としても有名だが、かのダシール・ハメットもボルチモア支局に在籍していたというから渋いデス。ボルチモア、ってのもネ、エエですね。あ、矢作俊彦のプロフィールには一時期、「。。。横浜ピンカートン支局勤務。。。云々」とあったデスね。あれ、嘘だった…そーゆー嘘がカッコ良かったデスがね。蝶々さん?あれは創作やからね。。。
あ、邦題は「ジェシー・ジェイムス なんたらかたら」になるんだろーか。 (2006年/製作国アメリカ/アメリカ公開2006年9月/日本公開:あるデスよ。。。)




▲International Trailer


▲Teaser


▲Official site
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。

●Directer:Andrew Dominik アンドリュー・ドミニク
●Screenwriter:Ron Hansen ロン・ハンセン(Novel)
  Ron Hansen(screenplay)
  Andrew Dominik(screenplay)
●Cast:Brad Pitt ブラッド・ピット Casey Affleck ケイシー・アフレック Sam Shepard サム・シェパード Mary-Louise Parker メアリー=ルイーズ・パーカー Jeremy Renner ジェレミー・レナー Paul Schneider ポール・シュナイダー Sam Rockwell サム・ロックウェル Zooey Deschanel ズーイー・デシャネル Garret Dillahunt ギャレット・ディラハント