■MONDOVINO モンドヴィーノ
●イギリス、ロンドンからパリ、いやアルゼンチン、アメリカ…飛んじゃうぞーと、ワインのお話で世界を旅する、てのどーですか。これは既に一部で公開済みの映画なのだが、これからぼちぼち…全国を巡回する模様なのでやはりアップしておこう。
刻々と様変わりする世の中の流行物の中にあって、ワインもまた然り。流行を作るもの、流行に便乗するもの、乗り切れずに廃れるもの、流行に関わることなく日々淡々と生きるもの…ま、こーゆー世界なのか、と改めてワインの面白さを堪能できるかもしれない。ワイン、その元となる葡萄の育つ土地、育て方にも人の経験と時間をかけて培った誇りもある。
ワインを知らない我は、ワインを語る良きアドバイザーやソムリエなどをどこでどう見分けるのだろう。つまるところ、人を見極めなければ道は拓くことは出来ないのかもしれんデスね。失敗を重ねることもあり、かも。普段の食事で美味い不味いをぶつくさほざく我の舌先の感覚なぞとは比較にならないワイン(酒の世界)の世界、はたまたワイン産業、経済の話、かな。
本作では、ワイン業界、ワイン生産者を追いかけていくノシターだが、ひとつの業界の流行や価値観がどのように決定されていくのか、この映画を見るとわかるそうだ。ヨーロッパ、アメリカ、南米の3大陸を往復し、世界中に広がるワインブームに迫った本作。
映画「Sideways」(サイドウェイ)によってまたまたワイン熱が上がったかと思える節がある。しかし、こちら「Mondovino」(モンドヴィーノ)の監督ジョナサン・ノシターは、この映画を見て幸せな気分にはならない、と思うよ~だと。これは神聖化されたワインの世界の実態が明らかにされるフィルムなんだと。ジョナサンは、自分がワインの映画を撮っている間中、ワインを取り巻く俗物根性の塊の様な連中や嘘で固められた様子に貢献するつもりなど毛頭なかった。そんなワイン映画を作ったんじゃないんだ、と語っている。アルゼンチンからイタリア、カリフォルニア、バーガンディーまで撮影を続けた映画「モンドヴィーノ」から垣間見えてくるものは、本当に様々な種類のワインと人間模様。
実は最近知ったことだが我が弟はワイン大好きだと(苦笑)。美味いものならタイでもスペインでも行く弟であるからして薀蓄も半端じゃなかった。どはッ、参ったデス。そこで夏を過ぎた頃にそのワインを開ける事になった。眠り込んだ記念碑の除幕式。弟の説明によれば、フランスの南部の産だという。シャトー・サン・ディディエ・パルナック、だと。ほほ~城かぁ~と言えば、これはいいワインだ、とのたもうた。それまで調べもしなかったラベルをよくよく見れば「chateau st didier-parnac 1997」、これ、シャトー・サン・ディディエ・パルナック 1997 フランスの南西地区カオールAC マルベック70%、メルロー、タナー…チンプンカンプン・シルブプレ~。
chateau st didier(映画に無関係)
上記映画とは無関係 chateau st didier
ワインにはド素人の我でさえ、そのワイン道の道標見える入り口辺りに立って眺めているよーな状態でさえ、そうなのだ、その奥深さには驚嘆するものがあった。で、ついでにと、弟夫婦が未見だというので薦めた「サイドウェイ」のDVDを両親と弟夫婦で見ていたわけだが、あ、シマッタ!相当大胆な場面もあった、と思った時には…時既に遅し、「あら~」とか「ありゃ~」という言う声。ま、いっか、映画だし、あなた達も経験あるかもしれんし、と我は部屋に退散。。。スタコラ。
ワインの話を深めていくと、その飲み方や作り方のこだわりと共に現状では人気の作り方、操作…なんだか映画の世界に似ているが、悔しいかな、映画の歴史なんぞ負けてしまうほどにワインの誕生は遥かな彼方から、だ。
「この映画を見に来る人々皆が必ずしもワイン通、ワイン好きというわけではないだろう。ワインが命!なんて思いもしなかった人たち、想像さえしない人、あなたがワインを飲むかどうかなんて事には関係なく映画を見ていただければ、ワインが人の人生というものにいかに深い係わり合いを持っているか、という概念を呼び覚ますだろう。それに今日のワインのアイデンティティに対する脅威は、実は私達全員に共通する脅威でもあるのだから。」ほほ~ッだ。
この映画の為にハンディ・カメラと3人程度のクルーで4年に渡ってワインを追い続けたノシターは1961年生まれのアメリカ人。フランス、イギリス、イタリア、ギリシャで育ったというノシターは、映画「Fatal Attraction」のアシスタント・ディレクターからこの仕事を始め、1990年「Resident Alien」で監督デヴュー。1997年のデヴィッド・スーシェ主演の未公開作「SUNDAY それぞれの黄昏」では脚本も手掛けている。2000年には矢張りデヴィッド・スーシェ、それにシャーロット・ランプリングを主役に「Signs and Wonders」を監督。この作品でサンダンス映画祭のグランドジュリー賞を受賞。これまた未公開。では、それ以前は…
彼は、15歳の頃からレストランで働いていた経験があり(手伝いか?未確認)、常に身近にワインに関する専門家がいたのだと。料理人やワイン専門家に日々鍛えられてソムリエになった、という。当時からワインの熟成していく過程、無限に広がる味わい、その多様性に目を見張りながら、同僚達とワインの飲み頃を逃さないように見てきたという彼曰く、ワインを取り巻くジャーナリスト達の力が異常に発達し、アメリカ流儀の食欲さに蝕まれるワインの状況はレーガン&サッチャー時代がもたらしたものだと。そこから悪化の一途を辿っていると言うのだ。
その彼が映画の中で、どんなワインでも売ることができるというワイン批評家ロバート・パーカーを登場させている。
ワインを取り巻くジャーナリズムとワイン評論家は80年代に合体して、90年代に至っては彼等のやりたい放題。それはもう~とても苦い果物を生産し始めた、のだと。ノシターはワインの味わいの均一化、生産から販売までの効率化といった現状を苦々しく思っていた模様。ワイン独自が築き上げてきた個性、歴史を破壊しているのはブッシュだ、とさえ言っている。
ノシターは、映画を製作するために500時間を編集、さらにそこから10時間のミニシリーズを作り、そしてこの映画「モンドヴィーノ」を完成させている。
▲Trailer:Japan
▲Official site:USA
▲Official site:Japan
オフィシャルでもTRAILERはご覧になれます。
●Directer:Jonathan Nossiter ジョナサン・ノシター
●Cast:Albiera Antinori Allegra Antinori Lodovico Antinori Piero Antinori Isanette Bianchetti Jean-Charles Boisset Marchioness Bona Michael Broadbent Antonio Cabezas Battista Columbu Lina Columbu Xavier de Eizaguirre Alix de Mondille Etienne de Montille Hubert de Montille Arnaldo Etchart Marco Etchart Salvatore Ferragamo Marquis Dino Frescobaldi Aime Guibert Bill Harlan Yvonne Hegoburu Patrick Léon Bernard Magrez Margrit Mondavi Michael Mondavi Robert Mondavi Tim Mondavi Jonathan Nossiter Robert Parker Michel Rolland Neal Rosenthal James Suckling Inaldo Tedesco Jean-Luc Thunevin Massimo Vinci Patrizia Vinci Marquis Vittorio ...