■The Dying Gaul 原題:ダイイング・ゴール
●「The Dying Gaul」。美術に興味の深い方にはすぐにお分かりの事とだろう。映画の題名は、ローマのカピトリーニ美術館にある「瀕死のガリア人」の彫像を指す。これ、紀元前1世紀の作品。ローマ人が視覚化したケルトといわれる代表的な彫像で、ギリシャ・ローマ古典美術の中でも優れた人間主義的な人像彫刻だといわれている。この瀕死の戦士の表情に、やがて迎える死に対する無情も非情も悲嘆も全てを見て取れる傑作だという。
しかし、ケルト自身はこの人間主義的な美術表現の対極にあった、とも言われているところが面白い。「ケルト」という名称は、ギリシャ人が「ケルトイ」(よそ者)と呼んだことに由来するようだが、ローマ人は「ガリ」と呼んでいたという。つまり彼らの住む地「ガリア」に因んでいる。そこで一般的な呼び名としてこの彫像を日本では「瀕死のガリア人」としている。英題は「Gaul」=ガリア、 ゴール:現在の北イタリア・フランスなどを含むヨーロッパ西部の古代名であり、ガリア(ゴール)の住人を指す。ふむふむ・・・こーゆーのあんまり詳しくないデスから悪しからず。
脚本家であり、本作で監督デビューを飾るルーカスは、書き手としての切れ味をどう生かしてくるかが楽しみな一作。この脚本は舞台で演じられたものであるというが、内容そのままに映画の中の映画界を背景に主要3人の駆け引きでサスペンス仕立ては成功して欲しいもの。ハリウッド方面ではヒッチコック仕立ての正統派ミステリーという評価も聴こえてきたが…。(2005年/製作国アメリカ/アメリカ公開2005年11月4日NY, LA公開/日本公開未定)
▲Trailer
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●Directer & Screenwriter:Craig Lucas クレイグ・ルーカス
●Cast:Peter Sarsgaard ピーター・サースガード Campbell Scott キャンベル・スコット Patricia Clarkson パトリシア・クラークソン Linda Emond リンダ・エモンド Robin Bartlett ロビン・バートレット Ryan Miller ライアン・ミラー Jason-Shane Scott ジェイソン=シェーン・スコット