■Midnight Cowboy 真夜中のカウボーイ
●映画「卒業」をアップしたら、あれも見直したい、これもアップしたい、と次々に旧作が出てくる。新作もあれこれあるとゆーのに、も、わけわからんのさ(苦笑)。で、サイモン&ガーファンクル聴いたら、ニルソンが聴きたくなった(苦笑)。ニルソン、トム・ウェイツに負けない位好きやね・・・。
アメリカ、テキサス。そこでの今ひとつ満足出来ない暮らし、葬り去りたい過去、全てを水に流して、とは日本流か・・・では、オサラバして新天地を求めニューヨークに来た勘違い男のジョン・バック。都会じゃ、カウボーイが女にモテル、と周囲から浮きまくりながら摩天楼のど真ん中を闊歩する始末。時代錯誤も甚だしい。そこで都会は容赦なく、次々にリアルな現実で男を打ちのめしていく。能天気な絵空事は空虚なまでに木端微塵に粉砕されて、行き場のない男の心を蝕む。そこに登場するのは、都会の底辺で蠢く住人ドブネズミ男ラッツォ。イタリア系の移民の子だった記憶だが、当時のニューヨークでのマイノリティの一端。互いに傷を慰めあい、罵り合い、しかし相手がいてくれる僅かな救い。彼らが雨露を凌ぐのは廃墟となったビルの一角。ホームレスが増え出し、ニューヨークの都市化から取り残されたビルの廃墟 が目立ち始めた時期でもあったか。
実は韓国映画「マラソン」があったので、へそ曲がりな当方は「マラソンマン」をアップする準備をしていたのさ。アメリカンデビュー作が先になった。1969年、ベトナム戦争泥沼化、アポロ11号月面着陸。この年、映画「イージー・ライダー」「ひとりぼっちの青春」「明日に向かって撃て!」があった。「ナタリーの朝」も忘れてはならんデスね。何れも「ここではないどこか」を求めて・・・淋しかった。
映画「真夜中のカーボーイ」の主演は、ジョン・ヴォイト。アンジー姐さんの疎遠になったパパ。この後、ジェーン・フォンダと共演した78年の「帰郷」でアカデミー主演男優賞受賞。しかし、「真夜中のカウボーイ」鮮烈。相方は、「卒業」でデビューした後、相変わらず仕事がなかったというダスティン・ホフマン。ジョン・ヴォイトとの身長差を逆手に取って、足の不具合を加えた汚れ役。彼のウォーキングは、後のケヴィン・スペイシーに受け継がれているよーに感じるのは当方だけか。主題歌「Everybody's Talkin'」は、ニルソンの名唱(フレッド・ニールのカバー)で、邦題「うわさの男」。ジョン・バリーの主題曲もすこぶるイメージを駆り立てる。物凄い個人的な事だ。ん十年前某局で「モーニングダイヤル」というラジオ番組があった。その番組のテーマソングだった。パーソナリティは高千穂正史氏。4月ご逝去。亡くなる前に某処でニコっと笑顔。会釈のまま擦れ違った。どこまでも淋しい・・・。1969年アカデミー作品賞・監督賞・脚本賞、ニューヨーク批評家賞主演男優賞受賞。(1969年/製作国アメリカ/アメリカ公開1969年/日本公開1969年)
▲Trailer
●Screenwriter:Waldo Salt ウォルド・ソルト
●Cast:Jon Voight ジョン・ヴォイト Dustin Hoffman ダスティン・ホフマン Brenda Vaccaro ブレンダ・ヴァッカロ Sylvia Miles シルヴィア・マイルズ Bob Balaban ボブ・バラバン Barnard Hughes バーナード・ヒューズ
誰もが俺の事を噂してる
俺はそんな噂など知ったことじゃない
ただ俺の中に聞えてくる
俺自身の声を聞くだけさ
みんなは立ち止まって俺を見る
俺に奴等の顔なんてわからない
奴等の視線を感じるだけさ
- アーティスト: Original Soundtrack
- タイトル: Midnight Cowboy: Original Motion Picture Score
- アーティスト: Harry Nilsson
- タイトル: Everybody`s Talkin`
- アーティスト: Harry Nilsson
- タイトル: A Little Touch of Schmilsson in the Night
- アーティスト: HARRY NILSSON
- タイトル: Harry
- アーティスト: Harry Nilsson
- タイトル: Nilsson Schmilsson