回顧録 中学3年秋 最後の全国予選 その① 初日 | 波太の日々精進 (サーファーだった人)

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せっかく書いたのにまた消えた…

何なんだAmeba?


回顧録


ついに息子の中学最後の全国予選が始まった。


東海北陸地方のいわゆる中日本のチャンピオンを決める大会。

そこで優勝出来れば翌月の全国大会に出場出来る。


もし負ければ即引退となる。


うちはシード。

だから土日で計4試合。


最後の遠征にならぬよう祈るばかりだった。


東海地方には愛知や三重にいくつか名門チーム がある。

ジャイアンツカップに出る実力があるチームばかり。

息子の学年はたまたま愛知や三重のチームとやる機会が少なく、ほぼ初見の対戦となる。


で、初戦はいきなり愛知の名門チームとの対戦となった。

少し前まで中日本を連覇しトップに君臨していたチームだ。


彼らはノーシードと言う事もあり、既に試合をして身体は温まっている。

クリーンナップの体格もかなりのもので強そうだった。


そしてうちのチームは既に緊張感バリバリ。

負けたら最後、

しかも他県で強豪、

更に対戦経験もない…


指導陣も保護者も何かいつもよりピリっとした空気が漂っていた。


そんな嫌なシュチュエーションで先発ピッチャーはうちの息子だった。


初回にエラーで出塁を許し、そこからタイムリーを浴びていきなりの失点を喫してしまう。

以前より言っているが我がチームの打線は爆発力はある。

が、キッカケがないとそれがなかなか点火しない場合がある。


緊張やプレッシャーからなのか勢いがないのかな…


しかしその裏。

バッターは息子。

うちの息子はこのチームにいるとバッティングは目立たない。

だが、小学校の時から大事な場面では必ず打ってきた。

そんな息子がヒットで出塁する。


それがトリガーとなりついに打線に火が付いた。


更にランナーを出して、タイムリーにより同点。


そこから中盤まで息子のピッチングもギアが上がっていき、ストレートを中心に失点を許さず中盤に入る。


エラーなどで出塁を許してしまい、2アウトながらスコアリングポジションにランナーをおいたピンチを向かえてしまう。


しかし、集中は切れず追い込んでから最後はインズバのストレートで見逃し三振でピンチを凌いだ。

この球は今まで見てきた中でも強くて速かった。

何より気持ちがこもった意志の強いストレート。



その勢いで次の回には味方打線のおかげでついに勝ち越しに成功。


そしてその時点で監督は息子の交代を告げた。

まだ60球にも満たない球数だったが、投球可能数をかなり残して交代して、次の試合や翌日の試合へ余裕を作っておくのが最近の監督の采配である。


自分のロージンを拾ってマウンドを降りる息子。

その息子にベンチでハイタッチで出迎える仲間達。

保護者達も拍手と労いの言葉をかけていた。


負ければそこで中学硬式野球の終わり、

しかも相手は名門、データもない初見。


この雰囲気の中でよく試合を作ったよ本当に。

後は頼りになる仲間に任せるだけ。

そこから中継ぎのエースが継投。

1失点したが9-3とリードして最終回へ。

すると2年生がマウンドに。


実は息子の学年は今まで下級生を帯同して来なかった。

それは3年が人数が多いのもあるが、実力的に差がかなりあり、なかなか上の学年でやれなかった。


だが今回の大会に監督は2年生を数名帯同していた。

この大会で3年に混じり、緊張感の中で次世代を育てようとしていた。


いくら点差があるとは言え、2年生の子は顔が真っ青。


そしてそれを見守る2年の保護者も顔が真っ青。


そりゃそうだよな。

こんな場面で投げたいやつなんていないわ。


そして2年のピッチャーはここから2アウトを取るまでに満塁にしてしまう。

点差はあれどこれはかなりまずい状況になった。

昨年の秋にもこんな具合で逆転負けしたし、何より息子の1つ上の学年がこの大会で最終回5点差を逆転されて引退した。


悪夢がよぎるが、ブルペンを見るとエースの子や速球派右腕が準備をしはじめていた。


内野の3年が何度かマウンドに声を掛ける。

そしてこのピンチを3年で1番守備が上手いショートが難しい打球をアウトにしてゲームセット。


点差とは逆にピリついた試合に勝利し、翌日の準決勝へと進んだ。


もう2年生ピッチャーの保護者が崩れ落ちるように深いため息をしたのが忘れられない。


そして次の対戦相手は昨年練習試合をした事があり、どんなチームかも認識しデータもある。

練習試合では差をつけて勝てているので、精神的な優位がかなりある。


それに初戦で緊張が解れているのも見てとれた。

精神的な優位があると我がチームは強い。

とても現金な奴ら…


案の定、打線が初回から得点。

小刻みに加点し見事に5回コールドで翌日の準決勝に勝ち進む事が出来た。

 

チームは初日としては最高の入り方が出来た。

息子に関しては調子が良かったわけじゃないにしろ、気持ちが伝わるマウンドだった。

春先から見たら本当に成長したよ。

指導者にも感謝しなくちゃならないが、逃げずに成長したのはお前自身だ。

それにつくづく頼り甲斐のあるチームメイトに感謝だよな。



さあ、いよいよ大詰め。 


翌日の準決勝、決勝となる。