そして総会は進み、次の父母会長の承認と新任監督の承認が行われた。
次期父母会長は一度退団したが、俺のトモダチ作戦により復帰したミニ筒香のパパが就任。
そして令和の時代にその歴史を紡ぐ監督には筋肉コーチが筋肉新監督として満場一致にて承認された。
名門硬式野球出身で3年前のチーム不協和音の時に一番俺に協力してくれた方が皆の後押しを受けて監督になった。
ヘッドコーチ(笑)の時期監督就任の野望はこれで数年先に持ち越された。
どうせ数年後にはやるんだから色んな意味で勉強する時間を設けなさい。
このままでは長男の時同様、次男の時にも『我が子びいき』をするのは目に見えてるんだから、しばらくはおとなしく少年野球のなんたるかを学ぶ時間だと思ってください。
この時点で俺が父母会長としてやるべき事の全てを終えた。
正式にバトンタッチをした瞬間だった。
ああ、やっと終わった。
それがまずは感想だった。
これで毎週毎週の天気予報との睨めっこも、飛び交うLINEも、グラウンドに行くこともしなくて済む・・・・
ただ一抹の寂しさも残る。
隣では次期父母会がさっそくスタートし、これからの予定や新しい決め事について話し合いがスタートして活発な意見が飛び交っていた。
もう既に
『過去の人』
扱いになった俺や老監督。
まぁそれが歴史だし過去より明るい未来を見据えるのが当たり前な光景。
もし息子の代で何らかのタイトルが獲れていればハッピーエンドだったのかもしれない。
満身創痍になりながらチームを1人で牽引してきた息子。
その息子への目に見えるご褒美は無かったのが悔やまれるよな。
いや、『県選抜チーム』に入れた事はご褒美なんだが、それはそれで個人の話しだしな。
総会の後に慰労会の際に新父母1つだけ新任監督に提言した事があった。
それは"野球が上手い子が正義"、"下手な子は切り捨てる"という図式にならないようチーム作りをする事と、指導者が野球に厳しい人だからどうしても言葉もきつくなる。
でもそこを我慢して優しい言葉をチョイスしてあげて欲しいとお願いした。
5年以下の子供達の間には既にレベルにあまりにも差がありすぎて、どう転んでもその差は埋まらない実情がある。
既に県選抜候補に入っている新キャプテンとなった5年センスの塊と正捕手。
その他の子の中にはまだルールが理解出来ない子がいるくらいだ。
だから下手な子がやらかすと責める風潮が眼に見える。
でもそれをすると人数ギリギリのチームで退団者が出ると試合にすら出られなくなってしまう。
だから仮に上手く出来なくても新監督が一番フォローをして退団者を出さずに1年を終える必要がある。
今はみんな新しい体制が発足し希望に満ちている。
が、それは今だけでありこれから他チームとの差を現実にする度にその傾向は強くなる。
ま、関係ないっちゃ関係ないわけだが、一応最後の老婆心と言ったところかな。
来年の今頃、残った子供達に笑顔が見られる事を心から祈っております。
がんばれよ。