大切な裏方 KATO DD13 | 趣味のNゲージと鉄道写真

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「趣味のNゲージ鉄道模型」という名称で続けてきましたが、鉄道写真の記事を載せる機会が増えたことからブログ名を変更しました。
内容は自分への備忘記録が中心で、旧型車両の話題に偏る傾向があります。拙い内容ですが、ご覧頂ければ幸いです。

こんにちは。

 

先日、KATOのDD13後期形が発売になりましたね。いつも通りの素晴らしい出来栄えだと思います。

うちの鉄道にも1輌やってきましたので、今回はDD13についてお話しすることにします。

 


DD13211 KATO 配属H28.6.1 第1エンドより

DD13というと、ヤードで貨車の入れ替えや支線等で貨物の小運転など、主に裏方的な仕事に従事していましたね。正直なところ、あまりパッとせず陽の当らない機関車だったと思います。首都圏でも当たり前の様にその姿を見かけましたが、ファインダーを通して見たことはほとんどありませんでした。

 


DD1372 KATO 配属H27.5.6 第1エンドより

運用面で特筆されるものというと、やはり数少ない旅客列車の牽引でしょう。よく知られているのは紀勢本線和歌山-和歌山市間、水郡線、清水港線、尼崎港支線、和田岬支線などです。特に水郡線では長編成の客車列車を牽引し、冬季には暖房車も連結していました。また特殊な例として、房総地区の夏季多客臨でDD13重連が153系6連や80系6連を牽引したことがあります。この時は、電源車代用として発電機を載せたクハ16を連結しています。旅客列車以外では、DD14ロータリー式除雪車の後補機としても使用されました。
 


DD13初期形(左)と後期形(右)の並び

さてこのDD13、S33年からS42年までに416輌が製造され結構な大所帯になっています。細かく分けると第1次から第19´次までロット数は20ありますが、ここでは大まかな分類だけを載せておきます。

 

大まかな分類

前期形 前照灯は1灯 機関は370PS×2の弱馬力

 1~ 50 台車はイコライザー式DT105

51~ 84 台車はイコライザー式DT105 車体高が80mm高くなる

85~110 台車はウイングバネ式DT113 燃料タンクが大型化 元空気溜の位置変更

 

後期形 前照灯はシールドビーム2灯 機関は500PS×2の強馬力

111~264 台車はウイングバネ式DT113 171~登場時より新塗装 219~一般形と寒地形あり

       142・143の2両は半重連形(DD14との総括制御を目的として製造されたため)

501~518 台車はウイングバネ式DT113 一般形と寒地形あり 重連総括制御(全重連形)

301~383 台車はウイングバネ式DT113E 駆動軸等に互換性がない 一般形と寒地形あり

601~651 台車はウイングバネ式DT113E 駆動軸等に互換性がない 一般形と寒地形あり

       重連総括制御(全重連形)

 

これらのうち、合計20輌が新幹線912形へ改造されました。因みに最初の7両は登場当初2000形という形式でした。

 

 


では製品について見ていきましょう。

 

初期形

DD1358 KATO 配属H25.6.31 第1エンドより

S34年~S35年にかけて製造された第4・5次車(51~84号機)がプロトタイプです。フライホイール搭載の動力ユニットで滑らかに良く走ります。過走はほとんどしません。ヘッドライトは電球色LEDで進行方向に点灯します。カプラーは付属のナックルカプラーがシャンクが長いため、手持ちのナハフ11かもめナックルカプラーに交換しました。

 

 

後期形

DD13211 KATO 配属H28.6.1 第1エンドより
S39年~S41年にかけて製造された第14・15次車で非重連形(203~264号機)がプロトタイプです。(因みに、第15次車からは重連形500番代の製造も始まりました)

フライホイール搭載の動力ユニットで滑らかに良く走ります。音も静かです。過走はほとんどしません。ヘッドライトは電球色LEDで進行方向に点灯します。個体差と思いますが、うちの初期形(赤58・茶72)に比べて幾らか走りが速く、走り出しはラビットスタート気味(N-1001-CLを使用)です。カプラーはナハフ11かもめナックルカプラーに交換してあります。

 

 

     
左写真:初期形は通風部分がルーバーになっており、台車はイコライザー式のDT105を履いています。

右写真:後期形は通風部分がグリルになっており、台車はウイングバネ式のDT113で、その上には目立

      つ元空気溜があります。171号機からは、ボンネットのキャブ寄りにある空気清浄機用空気取入

      口の形状も変更になっています。

 

     
左写真:初期形はキャブの床下にある燃料タンクが小さく、元空気溜が燃料タンクの両脇にあります。

右写真:後期形はキャブの床下にある燃料タンクが大きく、元空気溜は台車の上に移動しています。

      またキャブ側窓にヒサシが付いています。(このヒサシは171号機から付いています)

     
左写真:初期形と後期形で正面の印象が大きく異なります。後期形は車端部歩み板が少し延びていて、

      デッキ手すりの形状も後退角がついていますね。ファンもいい感じに表現されています。2灯式

      シールドビームもシルバーで縁取りされています。

右写真:後期形の付属品類です。初期形・後期形とも付属のナンバー及びメーカーズプレートは選択式

      となっており、それぞれの実物データは次の通りです。

 

【実物データ】

初期形

58 落成S34.12 メーカー汽車 最終配置区八王子 廃車S56.12

72 落成S34.11 メーカー日車 最終配置区宇都宮 廃車S54.9  

75 落成S35.2  メーカー日車 最終配置区品川   廃車S56.12 複線用スノープロウ装備

80 落成S35.3  メーカー日車 最終配置区宇都宮 廃車S53.6

 

後期形

211 落成S40.2 メーカー汽車 最終配置区品川 廃車S60.7

225 落成S40.9 メーカー三菱 最終配置区静岡  廃車S61.12 名古屋臨海鉄道ND55215

248 落成S40.9  メーカー汽車 最終配置区品川 廃車S61.8 名古屋臨海鉄道へ売却

257 落成S41.2  メーカー汽車 最終配置区吹田 廃車S61.3

 

なおJRに引き継がれた車輌はありません。



新旧製品の比較
DD13115 KATO 配属S53.1.21 第1エンドより

私が小学生の時に購入したもので、今なお現役で走らせています。購入当時、最高水準の出来栄えで、ヘッドライトが点灯することに感激した覚えがあります。いま見ても十分に通用するモデルだと思います。

 


     
旧製品(左写真)と新製品(右写真)ではプロトタイプを分けており、正面デッキ手すりの形状、キャブ側窓のヒサシの有無、空気清浄機用空気取入口の形状などが異なります。


     
左写真:長さの比較。上が新製品、下が旧製品。長さはあまり変わらない様ですが、旧製品の方がボン

      ネットがやや大きめに見えます。デッキ上の色も新製品が黒、旧製品がグレーになっています。

右写真:正面からの比較。左が旧製品、右が新製品。キャブの高さは微妙な違いですが、ボンネットの

      高さは随分と異なります。設計当時、小型モーターが無かったのでこれが限界だったのでしょ

      う。

 

 

終わりに…

実物のDD13に衝撃が走ったのが、59年2月ダイヤ改正でしょう。この時、貨物列車の輸送システムの大がかりな見直しが行われ、各地のヤードが廃止になりました。さらに、余剰になったDE10やDE11が一気に進出し、働き場を失ったDD13は機関区やヤードの片隅に大量に留置されるようになりました。

そして、あまり騒がれることなく、ひっそりと消えていきました。



今になってみると、DD13の地味で目立たずに黙々と働く直向きな姿に、私は共感を覚えます。国鉄を支えてきた陰の功労者という感じがするからです…。

 


 

本日もご覧いただき、ありがとうございました。