沢庵(たくあん)の糸 | ふーちゃんのブログ

ふーちゃんのブログ

ご訪問ありがとうございます。
私のブログは、離れて暮らす子どもたちと孫たちに向けて書いています。

こんばんわ星

 

 

 

 

たくあんというお漬物を考案されたといわれる沢庵という僧侶は、

美作に生まれた剣豪・宮本武蔵の「精神的な師匠」ということになっています。

 

 

武蔵は、何か問題につきあたるたびに沢庵の教えによって、

いろいろなことを発見し、学び、成長していきます。

 

 

 

 

宮本武蔵駅/美作市ホームページ

 

 

 

 

その中のひとつの話です。

 

 

沢庵は、江戸品川の東海寺の初代住職です。

ある日、武蔵がその東海寺を訪れたときのこと、

武蔵が、境内に足を踏み入れた途端、

そこでエサをついばんでいた鳩が、皆一斉に飛び立ちました。

 

 

それを見ていた沢庵は、武蔵にこう言います。

「何を修行してきたのだ。まだ修行が足りない」と。

 

 

それを聞いた武蔵は、

「たくさんの武芸者たちを打ち負かし、私はずいぶん強くなった。

相当な修行を積んできたのに何を言うか」と反論するのでした。

 

 

沢庵は、「そうか、それほど強くなったと言うのなら、お前の腕を試してやろう」

と言って武蔵を裏山へ連れて行きます。

 

 

 

沢庵は、糸(当時はおそらく木綿糸でしょう)を取り出し、

木の枝と枝の間にピンと張って両端を結びつけました。

そして、「武蔵よ、この糸が切れるか」と言います。

 

 

 

武蔵は、「こんな糸ぐらい、いくらでも」とばかりに真剣を一振り。

簡単にその糸は切れました。

そして「こんな糸なら、誰にでも切れるではないか」と傲然と言いました。

 

 

すると、沢庵はニヤッと笑い、

「そうか、武蔵。糸ぐらいは簡単に切れるのだな。それでは、これを切ってみよ」

と言って、今度は糸の両端は結ばず、枝と枝に、ただ乗せるだけにしました。

 

 

真剣を抜いた武蔵は、何回も、何十回も振り下ろします。

しかし、結びつけられていない糸は、

そのたびに「だらり」と垂れるばかりで切ることはできないのでした。

 

 

汗だくになった武蔵に向かって、沢庵はこう言います。

 

 

「武蔵、本当の強さというものがわかったか」と。

武蔵はじっと考えていましたが、「修行をしてくる」と言うと、

東海寺には一泊もせずに去っていきました。

 

 

 

数年後、武蔵はまた、東海寺を訪れます。

境内に足を踏み入れたとき、今度は、鳩は1羽も飛び立ちませんでした。

歩いている武蔵の足下にいながら、そのまま黙然とエサを食べている。

沢庵はそれを見てニコッとし、「武蔵、だいぶ修行したな」と言うのです。

 

 

 

武蔵は、後年、兵法の極意を「五輪の書」としてまとめますが、

剣道の奥義に達した武蔵が悟ったこととは、

つまり「本当に強い者は、戦わないのだ」ということでした。

 

 

                       小林正観

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サツマイモの「ツル返し」に忙しい毎日です。

「○○返しの術」とかあったよーななかったよーな?

わたしは剣で戦わないけど、鍬や鎌で戦っておりますウインク

 

 

 

戦い続けて、次々に相手を打ち負かしていく。

そういう人や状況を私たちは「強い」と呼んでいるのかもしれません。

「本当の強さ」というのは、目に見えて戦ったり、争ったりはしないこと。

そうならないように、「事前に笑顔で回避し、解決していくこと」。

 

 

 

明日も草と戦う朝を迎えたいと思います。

 

 

 

 

では、また明日^^

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 小さな幸せのある暮らしへ
にほんブログ村

アップ

入院した母の実家のテーブルの上にたたずむたくあんを見て、

正観さんのこのお話を思い出しました。