『カシスウー論』 ~冷静と情熱と主張とワガママの間・・・編~

 こんにちは イイダテツヤです。 
 第107回『カシスウー論』は「冷静と情熱と主張とワガママの間・・・編」です。

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 ときどきカフェのカウンター席なんかにコンセントの差し込み口があって、自由に使えるようになっているところがある。
 ノートパソコンを持ち歩き、カフェで2時間以上平気で仕事をしてしまう私のようなタイプにとって、これはもの凄くありがたいサービスだ。

 電源があるだけで、そのカフェの評価は2ランクくらいアップする。
 加えて、テーブルが大きければ言うことないのだが、まあそこまでの贅沢はなかなか言えない。
 加えて、居心地はいいのに、いつも適度に空いていれば、この上なくすばらしいのだが、そんな贅沢まではさすがに言わない。言えるわけない。


 そんなわけで私は、自分がよく行くエリアでは「電源が使えるカフェ」をあらかじめチェックしている。
 神楽坂ならあそこ、新宿ならここ、御茶ノ水ならあのあたりとだいたい決まっていて、近くに別のカフェがあっても15分、20分平気で歩いてその店へ向かう。

 バッテリーオアシスなんていうサイトもあるが、まさに都会におけるITオアシスなのだ。


 ところが、つい先日その店の一つへ行ってみると、コンセントの差し込み口のすぐ脇に「節電のため、ご利用をお控えください」というシールが貼ってあった。

 それを見たとき「えっ、そうなの~」と私は思った。
 いやいや本当のことを言うと、そのシールが貼ってあるのは以前から知っていたのだが、いまだに貼ってあるとは思ってもいなかったのだ。

 震災後の電力不足が心配された時期、コンセントの使用を制限しようと考えたのは理解できる。
 実際、その店でも節電に協力する意味でそのシールを貼ったのだろう。
 7月か8月にこのシールを初めて見たときは、「それは仕方がない」「当然の取り組みだ」と私も思った。何の疑問も持たなかった。

 しかし、である。

 とりあえず電力不足の問題もひと山を越えたこの時期に、「節電のため、使わないで」という取り組みを続けるのはいかがなものだろうか。
 ちょっと意味合いが違うんじゃないかと、私なんかは思ってしまうのだ。

 もちろん節電は大切。
 電力が足りているとか、不足しているという以前に、電気を大切にするのはいいことだ。
 私だって、デンコちゃんにケンカを売るつもりなど毛頭ない。
 家電量販店のテレビは半分消してしまえばいい、と私だって思っている。


 しかし、だからといって「節電のため、コンセントのご利用はお控えください」ってどうなのよ。
 ここについては、個人的に大いに疑問を感じてしまう。

 この種の話は「人志松本のゆるせない話」と同じで、どこまでが正当な主張で、どこからが個人的なワガママなのかがむずかしいところだが、カフェのコンセントを「節電のため使わせない」ってちょっとねぇ・・・と私は思う。

 何も私は「今すぐコンセントを使わせろ!」「オォッ~!」って暴力的に主張しているわけではない。

 最初から電源のサービスをやっていないというならわかる。これはまったく問題ない。
 百歩譲って、「うちは電源のサービスをやめました」と書いてあるなら、それはそれで仕方がない。
 やめるか、続けるかは店が自由に決めることだ。

 でも、「節電のため、ご利用をお控えください」って、なんだかちょっとズルくないですか。
 まるで「社会貢献のためですから、お客様も我慢してください」って言ってるみたいでしょ。

 それならむしろ「うちは電気代を節約したいので、電源サービスやめました」とはっきり言って欲しい。
 「節電のためご利用をお控えください」なんて、広い意味では便乗値上げと同じじゃないのか。
 私はそうは思ってしまう。

 そう思いませんか。

 これまた微妙な話なんだけど、たとえば電気の数を減らして店内を暗くしているというのなら、「ああなるほど、節電しているのね」と個人的には納得できる。

 ところが、トイレにあるブオォ~と風が出て、手を乾かす装置に上に「節電のため、電源をオフにしてあります」と書いてあると「なんだよそれ! いわゆる節電じゃなく、アンタのところの経費節減なだけでしょ」と妙に反発したくなってしまう。

 この微妙なラインの引き方については、自分でも整合性のとれた説明なんてできないのだが、そういう感じって誰にでもあるでしょ。

 私がときどき訪れる古いビルのトイレにいたっては、ちょっと前までトイレのブオォ~の装置の上に「故障中」って書いてあったのに、あるときから「節電のため利用不可」という張り紙に変わっていた。

 なんじゃそれ!

 そんなことを言い出したら、車のヘッドライトが片方つかなくなったとき、電球を替えるのではなく「節電中」ってシールを貼る人が出てくるぞ。
 
 トイレと言えば、最近はトイレの電気を消してあって、入る人が自分でつけてから用を足すという所も増えた。
 それはもちろん構わないのだが、ある会社のトイレに入ったら、電気は消えていて自分でつけなきゃいけないんだけど、便座の前に立ったら自動的に便座カバーがウィ~ンと上がるということがあった。

 どこを節約して、どこに電気を使ってんだか・・・・
 節電の世界はなぞが多い・・・・・・