『カシスウー論』 ~借金地獄はダメだ、ダメだと言うけれど・・・編~
こんにちは イイダテツヤです。
第82回『カシスウー論』は、『借金地獄はダメだ、ダメだと言うけれど・・・』編です。
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つい先日、NHKで「862兆円 借金はこうして膨らんだ」という番組をやっていた。
言うまでもなく、日本の財政難の話だ。
しかし、どうしたら借金が860兆円にもなってしまうのか。
少なからず気になるところではある。
国の財政を個人レベルに置き換えても仕方ないんだけど、
パリス・ヒルトンだって、アラブの石油王だって、ベッカムの奥さんだって、
862兆円もの借金はそうそう作れるものではない。
そのくらいアホみたいな金額だ。
たいへんだとか、問題だとか言う前に、
「いったいどうして、そんなアホみたいな金額になっちゃったの?」と聞きたくなって当然の額なのだ。
番組を観て私が感じたところによると、どうやら理由は二つあるようだ。
細々ことしたことを言えば、もっと複合的で、さまざまな理由が絡んでいるのだろうけれど、
ざっくり言うと二つということだ。
一つは、高度経済成長期に調子に乗ってしまったというもの。
1970年代、日本は急激に社会保障を充実させた。
田中角栄が「日本はもっと社会保障を充実させんといかん!」と言って始まったのだが、
このときにしっかりとした財源が想定されていなかったのが問題だったようだ。
サイフに金があるわけでもないのに、社会保障に大金を注ぎ込むことを決めた。
そんな単純な話だ。
しかし、この点については同情の余地がないこともない。
社会保障が充実したほうがいいと考えるのはじつにまっとうだし、ときは高度成長期、
「この先、日本経済はどんどん大きくなって、歳入もどんどん増えていくだろう」
と疑いもなく、誰もが思っていたわけだ。
角栄のオヤジ(あるいはその他の有力者たち)が
「この先ドカンと儲かるんだから、いまのうちに多少の借金をしても問題なかろう。
それで社会保障が充実するなら、国民にとって決して悪いことではなかろう」
と思うのも無理はない。
問題はもう一つの理由のほうだ。
あえて言うなら、「厳しい選択ができない」という日本の体質に大きな問題がある。
バブル崩壊後、現在に至るまで国の借金依存は続いている。
もちろん、高度成長期のように「これから日本経済は拡大する」なんてことを本気で信じている人はいない。
つまり、借金が返せるアテなんて、(勘違いレベルですら)一つもないのに、なお借金を続けているのだ。
なぜ、そんなことを続けるのか。
端的に言うなら「厳しい選択ができない」からだ。
サイフのお金は限られているし、将来的に入ってくる見込みもない。
そのでもなお、「あっちにも金がかかる」「こっちにも必要だ」とやっているから、借金するしかなくなるのだ。
医療、教育、最低限の生活保障、治安など、国は重要な要素をたくさん抱え、人々の生活を保障している。
それは間違いない。
さらに、選挙に勝つためには、「子どものいる人にはお金をあげますよ」「高速道路は安くなりますよ」
「地元に道路を通しますよ」「新幹線の駅を作りますよ」などと言わなければならない。
まして、連立政権なんてものは「この公約をしちゃったから、ここには金を出してもらわなければ困る」
という人がたくさんいるということだ。
それだけ「あっち、こっち」に金がかかる。
その結果、「サイフに金がいくらあるか?」ではなく、
「ここには金を出さざるを得ない」という事情ばかりが優先されてしまうこととなった。
そんな状況じゃあ、借金地獄に陥るのも当然だ。
まず大きな考え方として「借金地獄から抜けだすべきか」
「とりあえず、行けるところまで、問題を先送りにするか」をみんなで真剣に考える必要があると私は思う。
政党や政治家が聞こえのいいことを言って選挙戦を戦ったり、
それぞれの立場の人が「ここにお金をかけるのは、国民にとって絶対必要だ」と主張するというのは
要するに、「借金地獄問題の先送り」をみんなで選択しているようなものだ。
それが良いか、悪かというより、
私たちの多くが「先送り」を選択をしていることを自覚する必要があるだろう。
「先送り」を選択しておいて、「将来に負の遺産を残すのはよろしくない」なんて言うのは、筋が通らない。
つまり、「子ども手当が欲しい」なんて言わずに、
「将来の子どもから借金をしてでも、いまをしのぎたい」と言わなければいけないのだ。
なんて偉そうなことを言ってみても、私も厳しい選択ができない一人なので、
「借金地獄から脱却すべきなのか」「とりあえず、問題を先送りすべきなのか」
をはっきりと選択することができない。
単純に借金地獄はよくないと思うけれど、
そこから脱却するために、治安が悪化し、住宅・交通事情が悪くなるようなら、
「借金が1000兆円になるくらいまでは、のらりくらりやっていくしかないか・・・・」なんて思わないでもない。
結局はそうやって5年か、10年か経った後に、
再びNHKが「1000兆円 どうして借金は膨らんだのか」という番組を放送するのだろう。
このまま借金が膨らんで、国の財政が破綻したら、実際どんなことが起こるのだろうか。
そこのところがよくわからないから、あまりリアルに感じられないのかなぁ・・・・・
