『カシスウー論』 ~民主党代表選に見る、なんとも言えない微妙な感じ編~


 こんにちは イイダテツヤです。 
 第75回『カシスウー論』は『民主党代表選に見る、なんとも言えない微妙な感じ』編です。

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 最近、民主党の代表選挙が盛り上がってる。

 もっとも、盛り上がっているのは民主党内部とマスコミだけで、
 私たちのような一般人がどれだけ盛り上がっているのか、
 あるいは、どんなスタンスで盛り上がればいいのかは、かなり微妙なところである。

 まあでも、とりあえずは連日このニュースが盛んに伝えられていて、それなりに注目を集めている。

 正直、「どっちがなっても、別にいいんだけどさあ・・・」というのが本音なのだが、
 代表選に小沢さんが立候補していること自体には、けっこうな違和感を覚えてしまう。

 鳩山さんが首相を辞めるとき、
 「私も辞めるから、アンタも(党幹事長を)辞めるべきだ」と言って、小沢さんを要職から引きずり下ろした。

 それをやってのけるとき、鳩山さんは親指をグッと立てて、
 「おいらはやってやったぜ」とばかりに、マスコミに向けてニヤリと笑顔を見せた。

 そんなごちゃごちゃとした内輪の話で、得意になって親指立てていいものかねぇ・・・と私なんかは思ったが、
 少なくとも、その行為というか、決断に、国民の多くが拍手を送った。

 菅内閣発足時の支持率の回復ぶりは、その表れだったと思う。
 つまり、多くの国民が「小沢を表舞台から引っ込めるなんて、民主党、よくやったぜ」と思ったのだろう。

 その後の菅さんは、なかなかの不甲斐なさを発揮して、支持率はどんどん下がってしまったのだが、
 そうは言っても、当の小沢さんが代表選に出てくるなんて、
 「えっ、マジで、それはあり得ないでしょ!」と私はどうしても思ってしまう。

 だって、みんなが「アイツを引っ込めたのは、なかなか立派だった」と言ったはずで、
 それを民主党の人たちだって、一応には理解しているはずなのに、
 その小沢さん本人が、いけしゃあしゃあと出てくるなんて、茶番にもほどがある。

 もっとも、68歳の小沢さんが「最後にどうしても首相になりたいんだ。
 それが子どもの頃からの夢なんだ」と言うなら、それはそれで仕方がない。

 子どもの頃からの夢なんだから、立候補するのは、まあ、個人の自由でしょ、と言うしかない。
 それを否定し、やめさせる権利は誰にもない。

 しかし、その小沢さんを支持しようとする人たちの感覚は、私にはちょっと理解できない。
 小沢一郎という人物は、近くで接すると、それほどまでに魅力的で、能力にあふれているのだろうか。
 まあ、実際、そうなのかもしれないけどさ・・・・


 菅さんと小沢さんのどちらが日本のリーダーに相応しいのか。
 より実力を持っているのはどちらなのか。

 そのあたりをシビアに考え、「そりゃあ小沢さんのほうがいいだろう」という人の考え方自体は私にもわかる。
 過去がどうあれ、評判がどうあれ、日本が良くなるには実力者が必要だという発想にも、一応の理解はできる。

 でも、そんなに小沢さんに実力があるなら、どうしてもっと早く首相にしなかったのだろう。

 政局だとか、情勢だとか、いろいろむずかしい問題があるにせよ、

 結局のところ、「いまの苦しい状況を打開できるのは小沢さんしかいない」というほど、
 圧倒的な力の持ち主ではないんじゃないの??

 と私なんかはつい勘ぐってしまう。

 もし、その程度の話なら「民主党としてもわざわざ小沢さんを引っ張り出すことないのに」と思うのだが、
 実際のところはどうなのだろうか。

 ついでに言えば、自分で要職から引きずり下ろしておいて、
 「小沢さんを応援するのが大儀」と言ってしまう鳩山さんもワケわからない。

 もっとも、これについては、
 何億円も小遣いをもらっておいて「そんなお金、知らなかった」と言えちゃうような人のことを、
 我々のような凡人が理解しようとするほうが大きな間違いなのかもしれない。



 以前、ある大手コンサルティング会社の社長のところへインタビューに行ったとき、
 「私はいま60歳だが、社長業務をやれるのは長くても65歳までだ」と断言していたことがあった。

 65歳を超えてくると、人間として「こらえ」が利かなくなるし、
 遠い未来を見すえることができなくなる、と彼はきっぱり言っていた。

 自分の人生や仕事としてのキャリアの先が短くなると、どうしても長期的なビジョンが持てなくなる。
 それは自分では意識できないものだから、そんな事態に陥る前に引退するべきだと、
 彼は持論を披露してくれたのだ。

 その話を聞いたとき、本当にすばらしい哲学だと、私は感心してしまった。

 小沢さんに限った話ではなく、
 国政に携わる高齢の方たちがテレビや雑誌に登場する度、あの社長の言葉を私はついつい思い出してしまう。

 小沢さんは「自分が首相になれば、日本は良くなる」と本気で思っているのかもしれない。
 その思い自体は、決して悪いことではない。

 でも、もう少し高い位置から、冷静に自身の立場と社会状況を見つめることで、

 「自分が首相になったところで、そう大きな変化は望めない。
 それならば、一刻も早く次の世代に席を譲って、
 日本をよりよい方向へ導いてくれる次代のリーダーの出現を待とう」

 とは思えないだろうか。

 もし彼が本当の大物ならば、そういった公人のあり方を他の政治家たちに見せつけて欲しいと私は思う。
 首相として辣腕を振るうより、よほど大きな仕事だと私には感じられるのだが、どうですかねぇ、小沢さん。